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社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
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                                                  公開: 2001年 1月23日
                                                  実施: 2001年 2月22日


	登録商標を申請根拠とする事前登録申請ガイドライン
      (登録商標からの文字列抽出ガイドライン)


目次

1. はじめに
2. 適用対象
3. 定義
    3.1  ASCII 文字
    3.2  日本語文字
    3.3  その他の文字・記号
    3.4  文字と文字列
    3.5  登録可能文字
4. ルールの適用順序
5. 文字列抽出のための共通ルール
    5.1  抽出対象
    5.2  抽出される文字順
6. 文字列の抽出ルール
    6.1  抽出ルールその1
    6.2  抽出ルールその2
    6.3  抽出ルールその3
7. 複数行文字列が抽出される場合の特例ルール
    7.1  特例ルールその1
    7.2  特例ルールその2
8. 登録可能文字への置き換えルール
    8.1  日本語文字への置き換え
    8.2  ASCII 文字への置き換え
    8.3  その他の文字・記号の置き換え
    8.4  ハイフン・中点の置き換え・削除
    8.5  ハイフン・中点の挿入
    8.6  登録商標等を示している表示の削除
9. ドメイン名登録における制限事項
    9.1  文字数制限
    9.2  英字の大文字・小文字の扱い

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1. はじめに

  このガイドラインは、「汎用 JP ドメイン名登録経過措置実施要綱」(以下、
  「実施要綱」といいます)の第 7.3 項に基づくものです。

  日本法により登録された商標を優先登録申請の申請根拠とするドメイン名は、
  以下の各ルールに示された考え方に沿って、その優先登録申請の申請根拠と
  なる登録商標一件から、申請ドメイン名となる文字列一個のみを抽出するこ
  とができます。

  このガイドラインに適合しない申請は、実施要綱第 5.10 項に規定されてい
  る異議申立の対象となります。

  また登録後に、その優先登録申請が虚偽の申請に基づくものまたはその抽出
  文字列がこのガイドラインに適合しないものであったと判明したときには、
  「汎用 JP ドメイン名登録等に関する規則」(以下、「登録規則」といいま
  す)第29条(登録の取消)第1項(1)の規定に該当し、その登録が取り消
  されることがあります。

  なお、文中で言及している商標見本(注1)については次のURLで示すページ
  をご覧ください。
  http://www.nic.ad.jp/dotjp/doc/shohyo-example.html

2. 適用対象

  商標登録の登録番号(防護標章登録を除く)一件につき、その登録商標から
  ドメイン名となる一個の文字列のみを抽出し、一件の優先登録申請をするこ
  とが認められます。なお、その登録商標は優先登録申請時に有効なものに限
  られます。

  登録商標を申請根拠とするドメイン名の優先登録申請者は、申請時の商標権
  者であってかつ日本国内に住所を有するものでなければなりません。(登録
  規則第8条(汎用 JP ドメイン名の登録資格)を参照のこと。)

  日本国内に住所を有する商標ライセンシー等の関係者による申請も認められ
  ます。ただし、この場合には商標権者の書面による同意書が必要です。この
  同意書は、当センターからの求めがあれば、いつでも提出できるよう用意さ
  れていなければなりません。

  登録商標が共有に係るときには、いずれか一名の共有者による申請のみが認
  められます。ただし、この場合には他の共有者全員の同意を得ておくことが
  必要です。もし、その登録商標について他の共有者からも申請があったとき
  には、双方いずれの優先登録申請も無効とみなされます。

3. 定義

3.1  ASCII 文字

  本文書において「ASCII 文字」とは、ASCII(米国規格協会制定の情報交換
  用標準コード)により定められる文字集合のうち、英字("a"から"z"、およ
  び、"A"から"Z")、数字("0"から"9")、ハイフン("-")を意味するもの
  とします。

3.2  日本語文字

  本文書において「日本語文字」とは、「汎用 JP ドメイン名登録等に関する
  技術細則」(以下、「技術細則」といいます)で定める「日本語文字」を意
  味し、具体的には、情報交換用符号化漢字集合 JIS X 0208-1990 により定
  められる文字集合のうち、

  (1) 第4区(平仮名)
  (2) 第5区(片仮名)
  (3) 第16区から第47区まで(JIS第一水準漢字)
  (4) 第48区から第84区まで(JIS第二水準漢字)
  (5) 第1区の各種記号のうち、次にあげる文字

  により構成されるものとします。

      文字  区点コード
      ----------------
      ・    0106
      ヽ    0119
      ヾ    0120
      ゝ    0121
      ゞ    0122
      々    0125
      ー    0128

3.3  その他の文字・記号

  本文書において「その他の文字・記号」とは、上記の「3.1 ASCII 文字」
  「3.2 日本語文字」以外の文字を意味するものとします。ASCII文字、日本
  語文字以外の外国語文字(ギリシア文字、キリル文字、韓国語ハングル等)
  や「3.2 日本語文字」の (5) に示された以外の記号がこれに含まれます。

3.4  文字と文字列

  本文書において「文字」とは、上記の「3.1 ASCII 文字」「3.2 日本語文字」
  「3.3 その他の文字・記号」の総称を意味するものとします。

  また、本文書において「文字列」とは、一つ以上の文字から構成される文字
  の列を意味するものとします。

3.5  登録可能文字

  本文書において「登録可能文字」とは、技術細則で定められている「ASCII
  文字ラベル」または「日本語ラベル」で使用可能な文字を意味し、具体的に
  は、上記の「3.1 ASCII 文字」「3.2 日本語文字」に含まれるすべての文字
  を意味します。

4. ルールの適用順序

  「6. 文字列の抽出ルール」に示されているいずれかの抽出ルールを用いて
  対象となる登録商標から文字列を抽出して下さい。この時、「5. 文字列抽
  出のための共通ルール」に従って下さい。

  もし、抽出された文字列が複数行に分断されている場合、「7. 複数行文字
  列が抽出される場合の特例ルール」に示されているいずれかの特例ルールを
  用いて抽出された文字列を一つの文字列になるようにして下さい。

  次に、抽出された文字列に登録可能文字以外の文字が含まれている場合は、
  「8. 登録可能文字への置き換えルール」に従って、置き換え作業をして下
  さい。

5. 文字列抽出のための共通ルール

5.1  抽出対象

  登録商標から文字列を抽出するに当たっては、その登録商標に含まれている
  すべての文字が抽出されなければなりません。特定の文字のみを任意に抽出
  することは許されません。

5.2  抽出される文字順

  ASCII 文字が含まれている文字列は、左から右に読むものとします。上下に
  表示されているときには、原則として上から下に読むものとします。

  日本語文字が含まれている文字列のうち、横書きのものは、原則として左か
  ら右に読むものとしますが、申請者の選択により逆も認められます。上下に
  表示されているときには、原則として上から下に読むものとします。

6. 文字列の抽出ルール

6.1  抽出ルールその1

  登録商標が活字体のように判然と識別されかつ間断することなく一連の文字
  から構成されているときには、その通りの完全一致の文字列のみの抽出が認
  められます。

  商標見本の「抽出ルールその1例示」のものは、いずれもこのルールが適用
  されます。

6.2  抽出ルールその2

  文字列と図形等で構成される登録商標であって、文字列が図形等から離隔し
  て観察されるときには、その文字列の抽出が認められます。特に、文字列が
  左右上下辺のいずれかに表示されているときには、その背景が図形等と多少
  の連続性があっても、その抽出が認められます。ただし、その文字列に商標
  としての識別力がないと明白に判断されるときには抽出は認められません。

  なお、文字列が、単純なありふれた円、楕円、四角等のみで囲まれていると
  みなされるときには、その文字列の抽出が認められます。

  商標見本の「抽出ルールその2例示(認められるもの)」からは、文字列の
  抽出が認められます。商標見本の「抽出ルールその2例示(認められないも
  の)」からは、文字列の抽出は認められません。

  このルールに従って抽出された文字列が、その全部または一部をデザイン化
  またはデフォルメされている場合には、さらに「抽出ルールその3」を適用
  するものとします。

6.3  抽出ルールその3

  通常の活字・タイプ書体をデザイン化あるいはデフォルメした文字列であっ
  て、図形的な特徴が顕著であるような文字列の抽出は認められません。

  商標見本の「抽出ルールその3例示(認められないもの)」からは、文字列
  の抽出は認められません。

  文字列の一部がデザイン化あるいはデフォルメされていても、その文字列全
  体を判然と類推・認識することができるときには、その抽出が認められます。

  商標見本の「抽出ルールその3例示(認められるもの)」からは、文字列の
  抽出が認められます。


7. 複数行文字列が抽出される場合の特例ルール

7.1  特例ルールその1

  複数の文字列が上下または左右にわたり表示されているとき、あるいは文字
  列が分断されて表示されているときには、分断されている文字列と文字列を
  そのまま連続させて一つの文字列とするか、あるいは、ハイフン(ASCII 文
  字)または中点(日本語文字)で結んで一つの文字列とすることが認められ
  ます。語順は、申請者の選択によります。

  商標見本の「特例ルールその1例示」のものは、いずれも、すべての文字列
  を結んで一つの文字列にしなければなりません。

7.2  特例ルールその2

  対応する日本語文字列と ASCII 文字列が、左右または上下二段(または複
  数段)に軽重の差がなく表示されているようなとき(部分対応も含めて)に
  は、いずれか一方の文字列のみを抽出して他の部分を削除することが認めら
  れます。申請者の選択によります。日本語文字列とその全部についての振り
  仮名、あるいはある文字列とその略称の場合も同様とします。すべての文字
  列をそのまま連続させて一つの文字列とするか、あるいは、ハイフン(ASCII
  文字)または中点(日本語文字)で結んで一つの文字列にすることも許され
  ます。

  商標見本の「特例ルールその2例示」のものは、いずれもこのルールの適用
  が認められます。

8. 登録可能文字への置き換えルール

8.1  日本語文字への置き換え

  抽出された文字に対して、同一性・互換性が認容されうる代用文字(正字、
  略字等)が登録可能文字として存在するときには、それへの置き換えが認め
  られます。

8.2  ASCII 文字への置き換え

  ドイツ語のウムラオト、フランス語のアクサン、トレマ、スペイン語のチル
  ダ等が付いている文字については、英字への置き換えが広く認容されている
  ものとして、対応する英字への置き換えが認められます。

  商標見本の「置き換えルール例示(1)」は、英字へ置き換えが認められる場
  合を例示しています。

8.3  その他の文字・記号の置き換え

  抽出された文字列の中に「その他の文字・記号」が含まれている場合、それ
  を削除するか、あるいは、それをハイフン(ASCII 文字)または中点(日本
  語文字)に置き換えることができます(ただし、文字列の先頭と末尾の文字
  はハイフンであってはなりません)。申請者の選択によります。

  商標見本の「置き換えルール例示(2)」のものは、いずれもこのルールが適
  用される場合を例示しています。

8.4  ハイフン・中点の置き換え・削除

  抽出された文字列の中にハイフン(ASCII 文字)が含まれている場合、それ
  を削除するか、あるいは、それを中点(日本語文字)に置き換えることがで
  きます。申請者の選択によります。

  抽出された文字列の中に中点(日本語文字)が含まれている場合、それを削
  除するか、あるいは、それをハイフン(ASCII 文字)に置き換えることがで
  きます(ただし、文字列の先頭と末尾の文字はハイフンであってはなりませ
  ん)。申請者の選択によります。

  商標見本の「置き換えルール例示(3)」のものは、いずれもこのルールが適
  用される場合を例示しています。

8.5   ハイフン・中点の挿入

  抽出された文字列において、前後の文字の書体(抽出前の文字書体)が異な
  るなど分断しても不自然でない場合、途中にハイフン(ASCII 文字)または
  中点(日本語文字)を挿入することができます。申請者の選択によります。
  (注2)

  商標見本の「置き換えルール例示(4)」のものは、いずれもこのルールが適
  用される場合を例示しています。

8.6  登録商標等を示している表示の削除

  抽出された文字列に、登録商標、商標、trademark、service mark、TM、SM、
  (R)(「R」を○で囲んだ記号)、(C)(「C」を○で囲んだ記号)等の表示が
  含まれているときには、それらの表示を削除することができます。申請者の
  選択によります。

9. ドメイン名登録における制限事項

9.1  文字数制限

  抽出された文字列が、「ASCII 文字ラベル」となる場合、その長さは、3文
  字以上、63文字以下でなければなりません。また、「日本語ラベル」となる
  場合、その長さは、1文字以上、15文字以下でなければなりません。(注3)

  この制限を満たすために、抽出された文字列の一部を削除したり、他の文字
  列を補うことは認められません。

9.2  英字の大文字・小文字の扱い

  「ASCII 文字ラベル」「日本語ラベル」では、英字の大文字・小文字の区別
  はなく同じ文字とみなされます。


(注1)
  各ルールにて例示した商標見本は、特許庁が発行している「商標公報」のう
  ち、2000年7月4日発行の12(2000)-25(第7分冊)号および同年8月8日発行
  の12(2000)-30(第2分冊)号から任意に選択したもの、およびこの例示用
  に創案したものです。

(注2)
  中点"・"は、日本語文字であるため、例えば「SERVICE・MARK」と表現され
  たドメイン名は、ASCII 文字ラベルではなく日本語ラベルとみなされます。
  この場合、多言語ドメイン名の現在の普及状況とインターネットの世界的な
  利便性の観点からは「SERVICE-MARK」という ASCII 文字のみの表現が推奨
  されます。ただし、申請者により「SERVICE・MARK」と申請することは拒否
  されません。

(注3)
  「SERVICE・MARK」の場合には日本語ラベルとして12文字と数えられます。
  「Myナビゲーター」の場合も日本語ラベルとして8文字と数えられます。
  「HONOLULU・MARATHON」と表現すると、日本語ラベルとして17文字と数えら
  れ、文字数制限を越えるためドメイン名登録が認められませんが、
  「HONOLULU-MARATHON」とすべてを ASCII 文字で表現すると、ASCII 文字
  ラベルとして63文字以下になるのでドメイン名登録が認められます。
          
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