DNS はさまざまなネットワークアプリケーションの動作のために必要な基盤技術の1つであるが、その設定は平易ではないために、現実には不完全な設定のまま、その堅牢な機構に助けられて動作しているサーバも散見されるようだ。また主要な実装である BIND もバージョン4と8の間では設定に大きな違いがあり、今日では更にバージョン9の普及も進んでいるので、経験の長い技術者も知識の更新が必要になっている。 そこでこのチュートリアルでは、まず DNS の機構を復習するとともにネガティブキャッシュなどの比較的新しい技術を説明する。続いて BIND9を用いた設定例を提示する。その過程で誤解やミスによる間違いの事例を紹介する。更に、設定および定常運用の段階でのノウハウをいくつか紹介する。 ダイナミックアップデートやスプリット DNS などの高度な機能については範囲外と考えているが、余裕があれば触れたい。またインターネットレジストリへの手続きについては取り扱わない。 |