Internet Week 2006

 

BoF開催報告書

BoF名 地域ネットワークBoF
 BoF開催団体名  RIBBII(地域間相互接続実験プロジェクト)
開催日時 2006年12月6日 18:30-20:30
参加者数 約35名
BoFの概要

本BoFでは、 ビジネスベースでの事業展開が難しい地域(不採算地域)における通信環境整備をテーマに、 独自のアイデアや取組みで不採算地域での情報化を推進している事例をもとに議論を行った。 発表者ならびに発表テーマは下記のとおりである。

【発表者と発表テーマ】
アライドテレシスホールディングス株式会社 真野浩氏
「ブロードバンド・ゼロ 解消へ向けた取組み」

東北大学/株式会社日立東日本ソリューションズ  樋地正浩氏
「条件不利地域の現状とニーズ〜宮城県七ヶ宿町の調査〜」

京都大学学術情報メディアセンター 古村 隆明氏
「京都での草の根無線インターネット普及活動」

宮城ネットワーク株式会社 伊東 康裕氏
「地域IX『奥羽IX』の立ち上げ経緯、現在の運用状況とこれから」

総括 / 所感

真野氏からは、熊本県阿蘇町、山梨県上野原市、 茨城県龍ヶ崎市等の整備事例をご紹介いただいた。 発表の中で、地理的条件を勘案したインフラ選択と導入プロセスまで視野に入れた事業推進の必要性が指摘された。 樋地氏からは、 これからの整備を行う宮城県七ヶ宿町のニーズ調査についてご報告いただいた。 主なニーズとして、テレビ視聴(難視聴対策)、健康相談、 携帯の不感地帯解消があがっているという。 古村氏からは、 基地局設置者の費用負担により無線のアクセスポイントを設置していくみあこネットの事業モデルについて、 事業の変遷と現状の課題を技術的側面から詳細に解説いただいた。 宮城ネットワークの伊東氏からは、 地域ISPの連携によって立ち上げた奥羽IXのユニークなコンセプトと将来展望についてご発表いただいた。
質疑応答では、個々の事例について、設備構築・運営主体、 キーパーソンの有無、具体的整備手法の詳細を尋ねる質問が出た。 これらの質問を出発点として議論が展開された。 「条件不利地域におけるインフラ整備・運営主体」について発表者にコメントを求めたところ、 インフラ整備を「官」が、 運営を「民」が行うのが良いのではないかという意見が多くあがった。
インフラ整備からIXの運用、新たなビジネスモデルの展開まで、 発表・議論の切り口は多岐に渡ったが、 いずれにも共通するのが「人」の問題であった。 すなわち、「『地域の情報化』を『地域で担う人材』をいかに育成するか」という問題意識である。 全国に散在する先行事例をBoFという場を活用して共有することで、 地域を担う人材育成の一助となることを願ってやまない。