BoF開催報告書:地方在住エンジニアを盛り上げましょう!BoF
BoF名 | 地方在住エンジニアを盛り上げましょう!BoF |
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BoF開催団体 | 地方在住エンジニアを盛り上げましょう!BoF 実行委員会 |
開催日時 | 2010年11月24日 19:00〜20:30 |
参加者数 | 30名 |
BoFの概要 |
1. 倉敷ケーブルテレビ 小山さん (18:59-)- 司会挨拶 - このBoFは2年前からやっています。 - 2年前は地方と都会にギャップがあるなら埋めてみよう!だった - 去年はアラサーアラフォーでUターン、地方エンジニアの話をして もらった。 - 今年は地方在住エンジニアを盛り上げましょうというタイトルで、地 方で働くエンジニアをハッピーにすることを考えてみましょう。 2. 北陸通信ネットワーク 酒井さん (19:01-)- 管理者側の立場で話します。一部リクルートも入ります。 - 会社の立場での話ではないです。 - 酒井さんの御紹介 - IPネットワークのエンジニア、プレイイングマネージャを経て、管 理職。 - HTNetの御紹介 - 社員構成(詳細はドアを出たら忘れること) - 出向社員から生え抜き社員に入れ替わる次期に来ている。 - 年齢構成、男女構成比、など。 - 部署構成、業務内容 - 地域活性化策 - 地域で雇用を確保するには…魅力的な会社であること - 取組内容に将来性 - 評価 - リーダーがいる - 最近のキーワード - IPv4/IPv6 6rd - データセンター、クラウド - シンクライアント - Web アプリ、電子商取引 - 新しいところに踏み出すほかに現状を守るのが大事 - 設備稼働率の向上 - ヒューマンエラーの撲滅 - 障害復旧時間の短縮 → 魅力に乏しい、プラス評価になりにくい - 技術部門の課題 - 基本はマイナス評価 - 華がない、縁の下の力持ち - 今時のエンジニア - 控えめ、先輩を立てる →責任回避 - 正確度100% →与えられた範囲に限る - 時間外労働もしています →自ら不要な仕事を作っていないか - 電力系キャリアの風土か - エンジニアに求めるモノ - チャレンジ - 広い視野 - 円滑なコミュニケーション力 →エンジニアに限った話ではないけど… - 最後に - 管理者として考える「雇用の確保」とずれていないか - 雇用される側として「こんなことも考えてよ」というのはないか - 質問 - Q : プロパーでいるヒトは地元出身者が多いか? - A : そうである 3. 北海道総合通信網 馬場さん (19:16-)- エンジニアを育てるにはという文脈での御話 - Hotnetの御紹介 - 北海道民の気質 - HotnetはHTnetと違いプロパーの方が多くなっている - 中途採用でのUターン組はアラサーが多い(応募はアラフォーも多 い) - 年齢構成 - 40代前半の層がマネジメントに回っていないので、人材育成の継承が 出来ていない - 技術系の残業が多いところから見ても、40代がまだ「兵隊」 - 対策 - 弱いところを補う(人件費の問題、若手抜擢もうまくいかない) - 人材育成(養成費、労働時間増加の問題) - 現状のマネジメント職の強化(年齢ギャップがあり、革新的なことを できない) - 違う事業領域に打って出る(経営方針とあわない、現状部署が優秀人 材を囲い込み) - 教育の文脈で考えると - レガシーな通信事業に向いた教育カリキュラム - STEP部署内は… - 外部研修に出しても費用の割に身になっているのか… - 話したいこと - 箱物誘致で地元採用が増えるのか、地元採用でやっていけるのか - かならずしも雇用=育成とはいえない - 地域内での業務・交流の中から得られるものは何か - 社外研修ははたして「エンジニア養成」の観点で有効なのか - コメント - C : BoFの後は懇親会がありますよー 部内目標で営業的な観点を持ち込んでいる。 技術はマイナス評価になりがちなので、営業活動がプラス評価体 系にしやすい。 4. NTTコミュニケーションズ 山下さん (19:36-)- 全国規模のキャリアさんでの地方な話。 - 自己紹介 - なぜNTTを選んだか - 長男 - 将来は地元に戻って来れそうだった - 福井支店がある - vs 関西電力 - 地元住民から原発問題で怒られそうでNG - 消去法でNTT - 入社○年目で福井支店消滅 - 周到な計画が白紙 - 日頃から仕事で「地元」を意識 - 福井に関係する仕事にはなるべく顔を突っ込む - 地元に知人を日頃から作っている - 霞ヶ関方面の仕事の時には、政策立案時にできるだけ地元を絡ま せる - ITは票につながらないので地元の政治家が動かない - 地方出身者で東京の民間人が正しい地元への利益誘導を頑張る - 管理職として - 全国的な仕事が多いので、ある地方で現場調査、工事で出張があると きはなるべく該当する地方が地元の人に行ってもらう - NTTだからできる仕事の振り方かも - 優秀な地方出身者が多い - 将来的に地元に帰りたい人(一旦帰りたい人を含む)を把握しておい て、人事異動も含めて、地元 <-> 東京のキャリアパス形成を心 がける - 本社と地方支店の仕事の違い - 地方支店はどうしても規模の小さい仕事が多い - その分、できる人は目立ちやすい - あ○な支店の管理職から守ってあげることが必要 - 出る杭を打つ人間がいる - 東京の管理職が日頃から地方支店の管理職と仲良くなっておく - 出過ぎた杭は打たれない - ITは他の業種と比較して、東京と地方では仕事の「質」の差は小 さいのでは - 東京の会社のNWも地方の会社のNWも技術的にはそんなに変わら ないし腕の見せ所はいくつもある - ただPM業務は別 - 今、細々と画策している事(1) - 東京の仕事で外注さんを雇うことはすごく多い - 優秀なエンジニアにピンポイントで声をかける - その後で、人材派遣会社に紹介して、その会社経由で手伝っても らうパターンが多い - いけてるエンジニアで、かつ地方出身者は結構いる - 地元に帰りたい人もそれなりにいる - 一方、全国のIT企業は「いけている人材」を常時募集中! - 地方企業はそうではない - 地元の求人情報が届いていない - 平家の落ち武者みたいな人ばっかり応募している - 今、細々と画策している事(2) - 東京を中心にエンジニアを束ねて派遣している数社に声がけ - 日頃から出身地や長男かとかをヒアリングしておいてもらう - 地方出身者で「これは!」と思う人材がいたら地元企業に紹介 - 東京から地方へそのまま派遣すると、旅費等がかさむので高く付 く - 実家からの通勤を条件に - 派遣会社の取り分は変わらない - 地元の会社は地元価格で調達可能 - 最初の1年は派遣会社経由、その後は当人と地元の会社で勤務形態 を自由に選択可能 - スペシャリスト人材輩出のために - 良い技術者がきちんと出世するためのスキームを考案中 - 人材育成問題はNTT-comも持っている 5. グローバルネットコア 金子さん (19:57-)- 自己紹介 - グローバルネットコアさん御紹介 - 地方に来て感じたこと - 都会と違う - 事業規模が小さい - 技術的には必ずしも先端じゃない - ウェットな社会、集団主義、非合理であいまい - 変化が緩慢、競争よりも相互依存 - 前向きに考えれば - 技術や知識があれば、やれることがたくさんありそう - キーパーソンになれればいろいろ好きに出来そう - 変化のポテンシャルが大きいのでやりがいがあるかも - 例えばよくある状況… - エグゼクティブは会社を超えてつきあいが多い - マネージャクラスは業務上の知り合い程度 - エンジニアは会社を超えた繋がりはほとんどない - 仕事を楽しくするために… - 良くある状況の打破 - マネージャクラスの横の繋がり - 若いエンジニアがもっと外に出て刺激を受けたり見識を広めたり できれば - 全体的により自由闊達な雰囲気にしたい - まずは積極的に社外に出ることから - イベントやセミナーへの参加を奨励 - 業界団体やコミュニティとの関わり - ENOG地域内の交流活動事例 - 県内ISP(AS運用事業者) 6社が中心に設立 - 情報交換、勉強会、交流会 - 内容 - IXに接続してみた - … - ENOGの良いところ - 各社のキーパーソンが集まる(マネージャクラス) - 平日業務時間中に開催 - 同僚/部下を誘いやすい - 立場の違いが少ない - 直面する課題がおおよそ同じ - ライバル&同士 - TEX - JAIPA地域ISP部会の技術者交流分科会 - 地域ISPの技術者交流の場として設立 - 部会より現場より、技術より - 課題 - 地理的に渋谷は遠い - 金と時間がかかる以上、会社の理解を得るのが大変 - 参加者が限定され、継続的運営の負荷が特定個人に... - 交流活動の異議と成果 - チャネル存在自体に意義がある - 目に見えにくい成果 - モチベーションアップ - 周囲への伝染効果(闊達な雰囲気の醸成) - 目に見える成果は - 経営者が評価するようなアウトプット - 即効性、事業への具体的な貢献 - 地域活性化のために - 活力が人と仕事を引き寄せる - 良いスパイラル - 鶏と卵問題 - 楽しい仕事は自分で作る - 特に地方ではその気構えが大事 - そのために情報とアイディアを持っていないとダメ - いかに人脈を作るか(地域内/地域外) - 馬が水を飲みたくなるような雰囲気作り - 意識や行動をいかに育てるか… - 都会にいる人へのメッセージ - 都会で活躍していた人は、地方でも活躍できる - 自分の動き一つで周囲を変えていけるはず - 地方ならではの生活環境があります - ということで、あなたを待っています 6. ディスカッション (Q = 質問、A = 回答 、C = コメント) (20:17-)- C : 正社員になってくれれば派遣会社もうれしいという話がある - C : ワークバランスとして地方は良いのでは KCTでの技術者の残業は10時間程度 - C : 不要な仕事に思える仕事で残業になることが多いのでは? 都会か地方かではなく、大会社だと残業が多くなる傾向があるよう に思う - C : 田舎だからのんびり暮らせるということはない ただ、都会だと終電まで働く人の割合が多くて、残業当たり前な感 じ 地方はそれがないので早く帰りやすいのでは - Q : 地域企業に来て欲しいと思っている、きっと地方に戻りたい人も多 い なかなかマッチングがうまくいかないのは 地方に転職したいと思っている人はいますか?>会場 - A : 昔の話だがイベント会場で横の繋がりを広げていた - A : 昔転職したときはNSPIXPのミーティングで横の繋がりがあって、 転職がしたいときに噂が流れると声をかけてもらえた - C : JANOGとかでマッチングをやっても良いのでは リクナビとかだと希望が反映されないのでは - C : リクナビは本当に良い人材を欲しいと思う企業は出さないのでは? - C : ネットワーク技術者をハローワークで募集すると全然職種の違う人 が来てしまう。 - Q : HTNetさんの話で、技術職はマイナス評価ベースになるという話。 以前の会社ではそんなことはなかったように思う。 - A : お客さんに通信サービスを提供する上で、使えていて当たり前の感 覚。 使えなくなったときにどうするかという評価。なのでマイナスにな る。 営業やソリューション系はプラス評価をしやすい。 - C : NTT-comも同じような課題を抱えている。 昔のレガシーな技術では最初の設計が重要で、後は保守・運用をマ ニュアル通りで良いと言う考え方。 今はIPで、適当にやって作れて、あとは運用が肝である。 そういうところに評価がいかない。本当は運用にエースを投入した いのに逆にキャリアパスを外れた人が担当されているようなところ がある。 エンジニアという言葉やオペレータという言葉自体に悪いイメージ がある。 - C : 技術には線路系とIP系があって、テイストが違う。 線路系をベースにやると出来ていて当たり前で、それから減点する ような評価になってしまう。 - C : そういう意味で100%を求めるという気質にも問題がある。 保守にはマニュアルがしっかりしていないと渡せない、保守する側 が拒否する。 - C : パネリストに電力や大手キャリアが来ているのは間違っているのか も。 - C : 今日は女性の雇用の話が出ていない。 地元で採用するなら女性の方が良い人材が採用できるように思う。 - Q : 今日、元々は地元に箱物ができるとそこでどうかという話があって、 そういう文脈での話は無い? - A : 石狩が有名だが、コンテナ型データセンターなら行政の都合で呼べ る。助成金があるとか、減税措置があるとか そうなると地方同士での奪い合いがあるのではないか。 - A : 松江のIIJの話では、原発で電力が安いという話がある。 - C : 電力が安いのは最初の何年かなので、その後が問題では? - A : 富山にも出来る。雇用は間違いなく発生する。それが地域に活きる かというのは別の問題。 - C : 石狩は雪を運ぶ業者にお金が落ちる - C : 低いレイヤのところにはお金が落ちるが、上のレイヤならリモート でという話になるのでは。 - C : 東京の運用は地方に暮らす人でも出来る。 人を東京に集めないといけないので、東京で採用になる。 営業さんが近くに技術屋を持っていたいのでこういう傾向になるの では。 - C : 昔のNTTは、電話網の構造上、地域に大きな拠点があってそこで人 が育った。 今はそうではない。道州制単位ぐらいで拠点を設けるのが良いので は。 - C : オペレータという考え方の人材を地方に置きたいわけではない。 もっと上位の運用をする人材を地方に置きたい。 - Q : エンジニアという職種に魅力がないと思われている。 これはなぜだろうか。特に情報系がひどいようだ。 - A : 生き生きとしているエンジニアを見せることが出来ていない。 ヒーローが出ると良いのでは。 - C : 地元の大学の人間をちゃんと地元の企業が雇って ヒーローに育てていく必要がある。 20:52 時間になりましたので、この後は懇親会で。 |
総括/所感 |
2008年のInternet Weekから継続しているBoFですが、 今回のBoFでは、経営、マネージャ観点で、 現在と今後の地域の雇用にフォーカスをして、 「地域での雇用を活性化させるために」と言うテーマで、 パネルディスカッションを行うBoFをさせていただきました。 パネルディスカッションのパネリストとして、
に登壇をしていただきました。 それぞれの立場に、環境の違いはありますが、 日頃感じている課題点と目指したい方向性は同じなので、 引き続き、 地方での雇用が活性化できるような取り組みとして発展させる事が出来ればと思います。 |