過去のInternet Week

BoF開催報告:地方在住エンジニアを盛り上げましょう!BoF

BoF名 地方在住エンジニアを盛り上げましょう!BoF
BoF開催団体 地方在住エンジニアを盛り上げましょう!BoF 実行委員会
開催日時 2012年11月20日(火) 18:45~20:15
参加者数 30名
BoFの概要
司会
  • 鵜野 直樹(株式会社帯広シティーケーブル)
  • 金子 康行(株式会社グローバルネットコア)
発表者
  • 馬渡 将隆(日本インターネットエクスチェンジ株式会社)
  • 内山 巧(株式会社電算)
  • 上田 拓実(株式会社サイバーリンクス)
  • 小山 海平(株式会社倉敷ケーブルテレビ)

議事録

1. 司会(鵜野、金子)から

資料1(PDF、535KB)
  • 司会挨拶、諸注意
    • agenda紹介
    • アンケートのお願い、終了時間厳守のお願い、懇親会のご案内
  • inter-localとは
    • 地方エンジニアと全国エンジニアが語り合う
    • 地方エンジニア同士が語り合う
    • 今後の地方を盛り上げる
  • inter-localの歴史
    • IW2008で初のBoFを開催、以後毎年継続
    • JANOG30倉敷でランチミーティング開催
    • テーマは緊急時の運用確保について
  • ホームページを作りました
  • MLをオープン参加型にしました
  • inter-localの存在意義と活動を考える
    • 役に立っているか、魅力はどのへんにあるか
    • どんな活動が望まれているか
    • 皆でinter-localを再定義してみよう

2. 日本インターネットエクスチェンジ 馬渡さん

資料2(PDF、193KB)
  • inter-localってなに?
    • 辞書によるとinterとlocalはこんな意味
    • 東京大手町は中心と言われているが、 東京も一つの地域と考えて関わって行きたいと考えている
  • 地方が相互に繋がるって?
    • つながって、何を交換する?流通させる?
    • トボロジーの図、左側がスター型、右側が中心から伸びる。
    • 右側の図のような会合を通して、 左側の関係を築くようなことができれば良いな

3. 電算 内山さん

資料3(PDF、582KB)
  • 自己紹介
    • はじめて参加します。長野県でISP事業をやっています。
  • 地域ISPの悩み
    • 少人数でやっている。ネットもサーバも運用している
    • 加えて各種のサービスも実現、人数が少ないので、開発にマンパワーをあまりさけない
    • ある資料で情報サービス産業に関わっている従業員の数6割が首都圏、売上の7割が首都圏
    • 東京への一極集中により、地方不活性化につながる
    • 大手とのサービスの差異が広がり、事業の状況が悪化して行く
    • ローミングで出すというのは技術も出て行くので、自分たちでサービスを続けている
  • 若手に技術移転が進んでいない
    • トラブルを起こせない環境になってきた
    • トラブルが起きたら先に直すことが優先され、教育は後回しになる
  • 自己啓発の場
    • 他の地域の話を聞いて、自分も頑張ろうという気が出てくる
  • 地域の技術者の技術力底上げと地域間連携
    • トラブルシュートなどの事例共有
    • 評価機やテスト/教育環境の提供
    • みんなで高難度の技に挑戦
  • 災害時の通信の維持に地域の連携を
    • サービスや技術の共有を
  • 近くの後輩に聞いてみました
    • 偉い人が集まっていて気後れがする
    • 質問しにくい。自分だけが知らないような気がする
    • 規模が大きすぎて自分には関係ないと思ってしまう
    • 話しにくそう、話題が一致しないかも、と思って懇親会にもでずらい
  • ディスカッション、Q&A
    Q:内山さんの話で、 自分でいろんなことをしないといけないというのがマイナスのスパイラルに入った様に話していたが、 それは良いこともある。 技術者は向上心を持っているので、 それをうまく使えないだろうか。
    A:色々な技術に触れようとしても会社の業務でなかなかできない。 基本的には良いことと思う。こういう場で共有できれば。
    Q:内山さんの職場では「楽しくやっている、 好きなことやっている」みたいな雰囲気はどれぐらいあるか。
    A:若いメンバーにはあるのではないか。 そういうのを進める方向にやりたい。
    C:積極的に出て行ける、 会社の環境がゆるすかというのがあると思うが、 ちょっとでもそういう雰囲気があると、 全体のモチベーションがあがるかな。
    C:デフレスパイラルにいても、 何か突破口があれば逆転できるのではないか。

4. サイバーリンクス 上田さん

資料4(PDF、156KB)
  • 自己紹介
    • データセンター運用をしている、メインは自社サービスインフラ
    • 地域ISP事業もやっているが、大手ISPに価格やサービスで劣勢
    • 田辺市ではCATV&インターネットをやっており順調
    • コミュニティについては若手の仕事として会社の理解がある
    • JANOGにスタッフとしての参加、JANOG29ではホストをした
  • 思うこと、感じること
    • 人手が足りない
      • できる人に仕事が集まり、その人にノウハウが集まる
      • 若手が仕事を奪おうとしないといけない
    • コミュニティ活動
      • 現場を離れられないのでなかなか社外に出られない
      • 和歌山とか関西とかでも交流活動は難しい
    • 技術向上
      • 新規案件が少なく新しい技術に触れる少ない
      • R&Dの部署を持てないので、業務内で覚えて行く
  • 若手を育成する場としてのinter-local?
    • 育成するされるという違い、都市と地方という違い
    • 若手同士、ベテラン同士など、同じ立場・課題での悩み
    • 地元企業への転職マッチング
  • ディスカッション、Q&A
    C:地方vs東京が小vs大とは言えないかと。 JANOG30の会合では小さい会社同士で課題点を共有できた。 地元企業への転職の課題は、こういう会合で。
    C:来ている人は、来れる人、語り合えるので、 モチベーションや意義が分かる。 これない人がいる。距離の問題を解決できないか。 東京の会は、経営者は来れるが、技術者はなかなか出て来れない。 JANOGのホストをやって呼ぶ。リモート的な会合をやる。
    Q:会社から出してもらうのは大変。 帰った後で何かしているのか? 自分の会社の中へ広げていく、近隣に広げて行く、 というのをやると、良いのでは。 そういう方はいるか。
    C:自分はやっている。技術の話は持ち帰って社内に反映する。 こういう良い活動があるよというのは伝えている。
    Q:上田さんは社内へのフィードバックはどう?
    A:JANOG29のホストの効果は大きい。 ホストをやったら社内の空気が変わった。 経営層の理解を得られた。 エンジニアの交流の場所に人を出すことの意義が分かってもらえた。
    Q:長野ではどういうのがあるか。
    A:テレコムサービス協会信越支部事務局をやっている。 年に数回、ISPやCATV関係者が集まる。 集まるのは技術者より上の層。
    Q:教育的な要素の話が良く出て来る。 こういうコミュニティにたいして、どういうニーズがあるのか。
    A:実務を経験で技術を蓄積という部分がある。 実務に関係する技術で、技術交流ができるとうれしい。 リモートでもできるのではないか。
    C:昔は有料/無料のセミナーに参加した。 今は、若手が出ようとすると、 「内山が教えろ」ということになり若手が出て行くことがない。 今知りたいことにピンポイントの勉強会があれば良いのだが、 なかなか、そういうのがない。
    C:セミナーみたいな切り口にすると、 ちょっと違うかなという感じがする。 JANOG30のランチミーティングのように、 運用での経験や考えの共有ができると良いか。
    C:距離があると話しやすい。 近いとビジネス的に当たることがあるので話しにくいこともある。
    Q:新潟の場合はうまく行っているが、他の地域はどうか。
    A:ENOGを見ていてうらやましい。 和歌山で同業他社とやるのは難しい。 IT企業があまりない。同業をどう見つけて行くのか。
    C:帯広は隣のISPが200km、300kmはなれている。 のでやりにくい。 自分が出張して行く様にしている。 帰って会社で情報共有をするようにしている。
    C:少人数なので、特定の技術者にノウハウが溜まる件。 帯広でも隣の技術者が何やっているか分からなくなる。 週会でプレゼンし合う様にしている。 これは良いやりかたかなと思っている。

5. 倉敷ケーブルテレビ 小山さん

資料5(PDF、786KB)
  • 2008から参加している
    • みんなの話は切実に思っている、例えば数人が病気で倒れた場合とか
    • 韓国や台湾と違って、一極集中じゃない国として、いくつもの文化圏があって欲しい
  • ITはもっとも分散して良い産業なのに、なぜ東京に集中するのか
    • ITにはもっと有能な女性が入ってきて欲しい
    • 地方では有能な女性を雇用しやすい
    • 田舎では有能でも仕事がなく、良い処遇を受けられない
    • 事務職でも技術分野で役に立つ人がいる
    • 話ができるだけでも十分なところがある
    • JANOGやInternetWeekで集まるだけでもかなり良い
    • 開発と言えば、先生はgoogle先生なので、東京である必要がない
    • もっと地方で色々できるはずである
  • ディスカッション
    C:東京は忙しすぎる。みんな多忙なのが当たり前。 時間のゆとりのあるライフスタイルがあっても良いのでは。 そういうのを田舎でやっていけるのではないか。
    C:ライフスタイルを選ぶ自由が欲しい。 音楽や映画をやるなら東京に出て行けという気がする。 ITなら田舎でやることもできるはず。
    C:女性をもっと使えると良い。 有能なのに事務職に甘んじている女性が多い。
    C:テレワークとかもっと流行らないのだろうか。
    C:IT集中しなくても良いかというと、そうでもない。 他の業種に比べると、競合相手でも集まる傾向にある。 横のつながりが多いのでコミュニティができる。 東京に集まる理由はそういうことではないか。
    C:初めて参加。東京でCATVをやっている。 地方と東京で悩みが変わらないと思う。 ゆるい集まりだと会社の了解が得にくい。 開発部隊を持てない、風邪引いて担当者が少ないようなとき、 横のつながりを持っておいて、協力関係ができないか。 隣のCATVと人材交流はあるが、割と気軽に話せる環境にない。
    C:教育については、 規模がちょっと大きい会社でも同じ悩みがあるのではないか。
    C:維持・運用するための横のつながりがあっても良いか
    C:精密機器の会社は地方に良くあるではないか。 海外との取引もあるような。なぜITはそうならないのか。
    C:会社にはよく出してもらっている。 懇親会が重要であると上司にといている。 必ずネタを提示してそれを膨らませようと話している。
    C:懇親会が大事であることは、上司だって分かっているはず。 ちゃんと説明をすることが重要である。
    C:啓発が必要。
    C:地方にはたまに行く程度。地方に行くネタがないかと思う。 飲み会の成果をちゃんと上げよう。
    C:別のIWセッションで、海外で決め事の会があった。 まず情報収集からスタートするが、継続には理由付けが大変。 会議に徐々にコミットするという情報収集の次のステップへ。 そういうのを意識するのが重要。
    C:成果はきっとあると思うので、 こういう場を続けて行きましょう。 まずはMLに入ってください。 懇親会に行きましょう。
総括/所感 今回のBoFでは、「inter-localの存在意義と活動を考える」と題して、 地域を超えたエンジニアコミュニティの価値や求められる活動について議論を行いま した。

資源や情報が限られがちな各地域のエンジニアにとって、 運用の経験や課題、 共通する業務上の悩みなどについて気軽に情報交換を行うことができるコミュニティの存在は貴重であり、 今後も継続していくべきである、という認識が、 議論を通じて共有できたと思います。

今後も引き続き、BoF開催も含めて、活動を継続していきたいと思います。

ページTOPへもどる