本セッションを、
JPNIC News & Viewsにて紹介しています。
日時 |
2012年11月20日(火) 13:00~18:30 |
場所 |
6階 セミナールーム3 |
参加料 |
事前料金 10,000円、当日料金 14,000円 |
内容 |
司会・モデレータ:
谷津 航(シスコシステムズ合同会社)
岡田 雅之(社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)
最近のパケットのやり取りでは、
ただ単にLinux等のOSがソフトウェア的にパケットを処理するだけではなく、
高速化、処理軽量化に向けてさまざまな工夫がなされています。
このような複雑な処理は、
ハードウェアとソフトウェアの広範囲な工夫から構成されています。
本プログラムでは、
仮想化時代に高密度化したシステム構成の中で如何に大量のパケットを処理するかについて、
ハードウェアとソフトウェアの視点から解説し、
現状でどの程度まで性能を出すことができるのかを共有します。
1. 物理環境編
物理環境編では、
ルータやLayer3スイッチがどのようにパケットの宛先を決定するかなどの、高速化手法や、
主要なネットワークコントローラーベンダーが提供するパケット転送高速化ライブラリについて解説します。
さらに、今現在のPCアーキテクチャ、
ネットワークカードなどを用いて性能の限界値はどの程度であるかを実際に測定した値を共有し、
今後の更なる高速化について情報を共有します。
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13:00~13:30 |
1) プログラム全体概要
内容:
プログラムの全体解説とパケットフォワーディングに関係する要素技術を解説し、
本プログラムを聴講するための準備とします。
パケットフォワーディングに関係する要素技術は広範囲にわたりますが、
本プログラムは現在ホットな内容をピックアップしています。
広範囲な技術の森で迷子にならないように、
解説者が各要素技術の全体の中での位置づけを説明します。
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13:30~14:15 |
2) ハードウェア処理ルータの内部詳解
講演者:
打矢 匡(アラクサラネットワークス株式会社)
内容:
ルーティング、フォワーディングの実際
パケット検索の高速化手法の解説
- 制御プレーンと転送プレーンの分離
- パケット転送のアーキテクチャ
- ハッシュ演算を使ったテーブル圧縮
- 二分木、多分木検索アルゴリズム
- CAM(連想記憶メモリ)
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14:15~14:45 |
3) パケットフォワーディング高速化技術
内容:
インテル(R)アーキテクチャー・プロセッサ上でのネットワークパケット処理を高速に行うためのソフトウエアキットである、
Intel(R) Data Plane Development
Kitの概要と高速化手法およびそれによって実現される性能をご紹介いたします。
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14:45~15:30 |
4) 200Gbps ~更なる高速化への挑戦~
内容:
安価となった10GNICを複数束ねることにより、
誰でも高スループットの環境を作ることができるようになりました。
しかしながら、ただサーバへNICを複数搭載するだけではこのような理論値に近いスループットに達することはできません。
本セッションでは、
実際に100Gbpsを達成するまでに至った経緯を通じて、
陥りやすい落とし穴とその解決、
軽減手法について説明します。
また、
最近手に入れることが容易となった40GのNICを用いたさらなる高速化に向けた展望などをお話します。
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15:30~15:45 |
休憩 |
2. 仮想環境編
仮想環境編では、
仮想化環境でのパケットフォワーディングについて複数の視点から現状と将来の展望を解説します。
仮想環境編では、
コンテナ型仮想化でのパケットフォワーディングの観点、
パケットフォワーディングに必要なマシンリソースをどのようにゲストOSへ割り当てるかの公平性の観点、
人気の仮想化システムKVMをパケットフォワーディングの観点からどこまで使うことができるかを共有します。
最後に、
VXLANなどと仮想化の関係などを将来の展望ともに会場と共有します。
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15:45~16:25 |
5) OpenVZ コンテナ型仮想化の現状
内容:
コンテナ型仮想化とは、完全仮想化、
準仮想化とも異なり、
一つのOS中にTCP ポート番号空間やプロセス空間を別個に用意しその中でプロセスを動かすことで仮想的なサーバー環境を提供します。
OSの中で動かすので、
エミュレーションのオーバーヘッドが少なくCPUを効率的に利用できるとされています。
これまであまり省みられていなかったコンテナ型仮想化をOpenVZを対象としてネットワークの視点から処理方法による性能差や要素技術を解説します。
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16:25~17:05 |
6) 極める!KVM
内容:
Internet Weekではパケットフォワーディングに関係するプログラムとして、
継続してKVMを対象としてスループット測定、
安定性の情報を参加者へ提供してきました。
今回も継続して2012年時点でのKVMがどこまでパケットを“捌く”ことができるか、
複数の視点から会場へ報告、共有します。
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17:05~17:45 |
7) 仮想化環境での利用者公平性
内容:
同一物理サーバ上での利用者のCPU、
メモリ割り当て的公平性について解説
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17:45~18:15 |
8) 最新動向 オーバーレイネットワーク技術の現状と将来への期待
講演者:
小松 康二(ヴイエムウェア株式会社 ストラテジックアライアンス テクニカルアライアンスマネージャー)
内容:
物理ネットワークが進化する一方、
物理ネットワークを抽象化して利用するオーバーレイ技術も実用段階に入って来ました。
本セッションでは、VXLANを中心にSTT/NVGREにも触れながら、
現時点でオーバーレイ技術を適用する際の注意点・限界や、
将来への展望を解説します。
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3. クロージング:18:15~18:30
会場参加者との質疑応答の後、
講師からパケットフォワーディングへの思いを一言ずつ会場へ表明し、
プログラムを終了します。
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対象者 |
サーバ運用者(特に高ネットワーク負荷システムを対象)、
システム全体を設計する技術者、
Linuxなどのネットワーク処理全般の知識を得たい方、
カーネル開発を志す人
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※時間割、内容、講演者等につきましては、
予告なく変更になる場合がございます。
あらかじめご了承ください。