インターネットは独立した組織が持つASが相互接続し、
相互信頼に基づく運用をすることで成り立っています。
自組織の運用するASに変化がなくとも、
インターネットは絶えず変化し続けています。
中でもルーティングに対するセキュリティは近年大きな課題となっており、
他組織の運用により思わぬところで影響が発生することがあります。
本セッションでは、
今年1年間の国内外のインターネットルーティングやセキュリティの動向を振り返り、
問題となっていることや注目されていることについて解説すると共に、
よりよいインターネット全体の運用を考えたいと思います。
日時 |
2018年11月27日(火) 16:15 ~ 18:45 |
場所 |
3F Room0 |
参加料金 |
<事前5,500円/当日8,000円>
|
内容 |
時間 |
内容 |
16:15~16:45 |
インターネットルーティングのマインドと現状
講演者
松崎 吉伸(株式会社インターネットイニシアティブ)
インターネットはネットワークとネットワークが自律・分散・協調の精神を礎にし、
ネットワーク同士が相互に接続しあったネットワークのネットワークです。
礎である自律・分散・協調をもう少し噛み砕いて説明しますと、
自律とは、ただ自由に振舞うわけでなく、
自ら考えたり集団行動に適した規範にのっとり自ら律して行動すること、
分散とは、
インターネットを構成する重要な要素(例えば、
DNSサーバやネットワークの出入り口となるルータなど)はさまざまな場所に配置されること、
協調とは、自分の都合を他社に押し付けるだけでなく、
相手の都合を理解した上で自らの都合を伝え、
しなやかに連携して動作すること、
といった意味があるといわれています。
このような礎を基にした結果、インターネットは、
耐障害性や規模対応性、
可用性に優れたネットワークとして現在の社会に不可欠なシステムといわれる程になりました。
私のセッションでは、
このような自律・分散・協調といったインターネットを支える、
経路制御におけるマインドを、
世界各国をめぐった各国の事情と共にお届けします。
このセッションによって、
ルーティングとそのマインドを理解し、
本プログラム全体の理解への導入とします。
|
16:45~17:15 |
経路制御とセキュリティの最新動向
講演者
木村 泰司(JPNIC)
2017年にAPNICとJPNICのRPKIシステムの連携がスタートして1年程が経過しました。
海外では経路情報に対するオリジン検証(Origin
Validation)の結果を利用した運用をする事業者が現れはじめています。
本セッションではBGPの経路制御におけるセキュリティ技術の最新動向について紹介します。
|
17:30~17:50 |
ほんとにあったRPKIの話
講演者
杉山 亮太(株式会社TOKAIコミュニケーションズ)
私はISPの運用をしております。
日々コンシューマーユーザー様からのさまざまな問い合わせをいただいております。
その業務の中で、
2017年の年末にある問い合わせをいただきました。
対応している中、鍵となっていたのは「RPKI」でした。
その対応から解決まで、実体験を元に紹介します。
|
17:50~18:00 |
インターネットルーティングのトラブルシューティング
講演者
岡田 雅之(JPNIC)
インターネットのルーティングにおいてもプログラミングや社内LANなどと同様、
トラブルシュートをしなければならない機会は日常発生します。
プログラミングやミドルウェアのトラブルシュートはデバッガを使ったり、
各種テストツールを使ったり、
と工学的アプローチが豊富ですがインターネットルーティングについては悩みを共有する運用者の規模が小さい(笑)こともあり、
一般化されたことはまだまだ少ないです。
この時間では、
経路のトラブルを解析するツールや観測データの場所などを開設し実際に解析をどうやって行うかのデモを行います。
みんなで楽しく経路情報を観察しましょう。
|
18:00~18:30 |
2018年のインターネット運用の最新動向
講演者
平井 則輔(日本ネットワーク・オペレーターズ・グループ(JANOG) / ソフトバンク株式会社)
|
18:30~18:45 |
5年後のルーティングセキュリティを考える
5年後のルーティングセキュリティがどうあるべきかについて、
本プログラムの講演者全員で考えてみたいと思います。
|
|
対象者 |
- インターネットルーティング(AS)の運用者(ISP事業者、キャリア、コンテンツ事業者)
- インターネットルーティングに興味のある方
|
※時間割、内容、講演者等につきましては、
予告なく変更になる場合がございます。
あらかじめご了承ください。