事件番号:JP2001-0006 裁 定 申立人: (名称)株式会社中国放送 (住所)広島県広島市中区基町21番3号 代理人:弁護士 河原 和郎 同 井上 周子 同 井戸 陽子 登録者: (名称)株式会社ワイ・ケー・オー・ヒロシマ (住所)広島県広島市東区光町1丁目11番24-1113号 日本知的財産権仲裁センター紛争処理パネルは、JPドメイン名紛争処理方針、JPド メイン名紛争処理方針のための手続規則及び工業所有権仲裁センターJPドメイン名紛争 処理方針のための手続規則の補則並びに条理に則り、申立書(陳述の追加)・答弁書(陳 述の追加の答弁書)・提出された証拠に基づいて審理を遂げた結果、以下のとおり裁定す る。 1.裁定主文 ドメイン名「rcc.co.jp」の登録を申立人に移転せよ。 2.ドメイン名 紛争に係るドメイン名は「rcc.co.jp」である。 3.手続の経緯 別記のとおりである。 4.当事者の主張 a.申立人の主張 (1) 申立人は、昭和27年5月15日に設立され、平成13年3月16日現在の資本 金を3憶8250万円とする、放送法による一般放送事業、放送番組の制作と販売 等を目的とする株式会社である。 申立人が行なうテレビ放送事業においては、申立人作成にかかる番組のほか、T BS、テレビ東京等から配信を受けた番組を放送しており、そのサービスエリアは、 広島県全域、山口県・岡山県、島根県・鳥取県・愛媛県・香川県・大分県の一部で あり、同サービスエリア内の人口は約402万8000人、世帯数は約153万世 帯、テレビ推定保有台数は約405万1000台である(1998年3月現在)。 また、申立人が行なうラジオ放送事業のサービスエリアは、広島県・愛媛県・香 川県・大分県全域、山口県・岡山県・島根県・鳥取県・徳島県・高知県・福岡県・ 熊本県・宮崎県等の一部であり、同サービスエリア内の人工は約2122万249 0人、世帯数は約791万3067世帯(1999年3月現在)、ラジオ推定保有 台数は1944万5461台(1998年3月現在)である。 (2) 登録者は、平成元年4月14日に設立された手芸品、装身具、日用雑貨等の輸入、 販売等を目的とする株式会社であり、社団法人日本ネットワークインフォメーショ ンセンター(以下「JPNIC」という)にドメイン名「rcc.co.jp」(以下「登録者 ドメイン名」という)を登録している。 (3) 申立人が有する登録商標とその使用状況 申立人は、別紙申立人商標権目録記載の商標権を有している。 申立人の「RCC」なる上記登録商標は、申立人が放送するテレビ番組・ラジオ 番組中で使用されているほか、日刊新聞のテレビ番組・ラジオ番組表においても、 申立人の行なう放送事業を指し示す名称として使用されている。 申立人の上記登録商標は、申立人の放送事業のサービスエリア内では、一般に知 られている著名な商標である。 (4) 登録者ドメイン名と申立人の登録商標との間の誤認混同 登録者の登録ドメイン名である「rcc.co.jp」に含まれる「rcc」は、申立人の登 録商標「RCC」と類似しており、誤認混同を引き起こすおそれがあることが明ら かである。 (5) 登録者の権利・利益 申立人は、これまで登録者に対して申立人登録商標の使用許諾をしたことはない。 また、登録者は、取得した登録者ドメインネームを保有しているのみであり、実 際には使用していない。 更に、登録者は、登録者ドメイン名中の「rcc」とは、登録者において提供する ことを予定している中国の企業情報に関するホームページサービスである「Resou rce of China Commodity」の頭文字を組み合わせたものであると主張している。 しかし、登録者の主張によるも、登録者の事業内容と上記「Resource of China Commodity」とは関連性を有していない。 また、登録者ドメイン名が、「Resource of China Commodity」に基づいてい るものであるのならば、その短縮形は「ROCC」であるはずであるし、更に、登録 者の商号をローマ字表示した場合の「YKO-HIROSHIMA」とも関係のないもの である。 これに加えて、登録者の本店所在地の事務所ドアには、登録者の商号が表示され ているのみであり、「RCC」の表示はなされていない。 更に、登録者の主張によれば、ホームページ「Resource of China Commodity」 は、もともと登録者の代表者が会長を勤めていた広島輸入商連合会において開 設を予定していたものとのことであるが、これを裏付ける証拠は提出されていない し、登録者が広島輸入商連合会の事業を行なうという関係にもない。 また、広島輸入商連合会において、インターネット委員会委員長として同ホーム ページ開設の準備に関与していたと主張されている別の個人は、当該個人が代表者 を務める株式会社名義にてドメイン名「rcc.or.jp」をJPNICに登録しているとこ ろ、同ドメイン名を使用した同社のウェブサイト上では、「RCC」とは「ラビッ トコレクトキャロット」の頭文字を組み合わせた略語であるかの如き表示がなされ ている。 これらのことからすると、「RCC」が、如何なる名称の短縮形であるのかにつ いては整合性がなく、「Resource of China Commodity」の短縮形であるとする 登録者の主張は、十分な根拠を有しているとは言えない。 以上のとおり、登録者は、登録者ドメイン名につき、権利または正当な利益を有 しているとは言えない。 (6) 不正の目的 登録者は、登録者ドメイン名を登録するも、これを使用していない。 また、登録者は、平成10年以来、数次にわたり登録者ドメイン名について、申 立人との間で競合申請を繰り返してきた。 その一方で、ホームページ「Resource of China Commodity」それ自体につい ては、登録者ドメインネームを使用せずに開設することも可能であるのに、今日に 到るも、これを開設していない。 更に、申立人の登録商標は、著名な商標であるため、登録者が、登録者ドメイン 名を使用した場合には、申立人の登録商標との間で誤認混同を生じるおそれが強く、 登録者は、申立人が、申立人の登録商標をドメイン名として使用することを妨害す るとの不当な目的で登録者ドメイン名を登録している。 (7) よって、申立人は、登録者ドメイン名について、申立人の移転を請求する。 b.登録者の主張 (1) 申立人は、「RCC」は申立人の著名な登録商標であると主張しているが、「RC C」については、申立人が商標を登録している第26、38、41類以外では、申 立人以外の複数の第三者が商標登録をしているものであるから、申立人がドメイン 名として、これを独占することが許されるものではない。 また、申立人は「rcc.net」、「rcc-hiroshima.co.jp」のドメインネームを有し ており、これらを使用して開設したホームページに対しては、毎日相当数のアクセ スがなされているものであるから、申立人のドメイン名は、上記のものとして認識 されており、「rcc.net」、「rcc-hiroshima.co.jp」と登録者ドメイン名である「r cc.co.jp」とは、十分に識別が可能であり、相互に類似していることも、誤認混同 を生ぜしめることもない。 (2) 登録者の権利、利益 登録者は、貿易情報の顧客への提供、貿易仲介実務などを業務として行なってい る。 ところで、登録者が会長を勤めている広島輸入商連合会は、同連合会内のインタ ーネット委員会において、中国企業情報に関するホームページを「Resource of C hina Commodity」の仮称のもとで作成していたので、これを広島輸入商連合会に おいて、正式名称として立ち上げ開設することを準備していたが、同連合会の会員 の間で同ホームページの開設維持費の点で温度差が生じたため、平成10年6月頃、 同連合会の会長である登録者が、事業として同ホームページ開設を引き継ぐことと した。 そこで、登録者は、平成10年10月に「Resource of China Commodity」の 頭文字を組み合わせたrccについて、「rcc.co.jp」についてドメイン名の登録申請 を行ない、その際には申立人との間で申請が競合することとなったが、平成13年 2月に抽選により、その登録を得ることとなった。 登録者は、登録者ドメイン名「rcc.co.jp」を、上述したとおり、登録者におい て事業として行なうことを予定している中国企業情報に関するホームページサービ スの事業の名称の頭文字を組み合わせた表示として申請し、登録したものである。 従って、登録者が、登録者ドメイン名について権利または正当な利益を有してい ることは明らかである。 (3) 登録者ドメイン名の登録は不正の目的によるものではない。 登録者ドメイン名は「Resource of China Commodity」の頭文字を組み合わせ たものであり、登録者において行なうことを予定している事業の名称として、ドメ イン名を取得したものである。 登録者は、上記中国企業情報に関するホームページを作成中であるが、同ホーム ページ中では、申立人の放送事業やこれに類似する内容の情報を提供することを予 定しているものではない。 更に、申立人は、申立人と登録者との間のドメインネーム登録申請の競合を問題 としているが、登録者としては、自らが行なうことを予定している事業の名称の頭 文字を組み合わせた表示につきドメイン名を申請したところ、申立人との間で競合 が生じたにすぎないものであるから、不当と言われる理由はない。 以上のとおりであるから、登録者による登録者ドメインネームの登録は、不正の 目的によるものではない。 5.争点及び事実認定 JPドメイン名紛争処理方針のための手続規則(以下「規則」という)15条(a)は、 パネルが紛争を裁定する際に使用することになっている原則について、パネルに対し て、次のように指示している。 「パネルは、提出された陳述及び文書の結果に基づき、方針、規則、及び適用されう る関係法規の規定、原則ならびに条理に従って、裁定を下さなければならない。」 処理方針4条aは、申立人が次の事項の各々を証明しなければならないことを指図 している。 (ⅰ) 登録者のドメイン名が、申立人が権利または正当な利益を有する商標その他の 表示と同一または混同を引き起こすほど類似している (ⅱ) 登録者が、ドメイン名の登録についての権利又は正当な利益を有していないこ と (ⅲ) 登録者のドメイン名が、不正の目的で登録または使用されていること 本パネルは、提出された陳述及び証拠の結果に基づき、上記当事者の主張に現れた 争点につき、次のとおりの事実を認定した。 (1) 申立人及び登録者 a.申立人は、昭和27年5月15日に設立された、放送法による一般放送事業、放 送番組の制作、販売等を主要な業務とする法人であり、テレビ放送、ラジオ放送、 ならびに番組制作等を事業として行なっており、本店は広島県広島市内に所在して いる(甲第3、4、5号証)。 b.登録者は、平成元年4月14日に設立された法人であり、その事業の目的は、商 業登記簿上の記載によれば手芸品、装身具、日用品雑貨等の輸出入及び販売等であ り、本店は申立人と同様に広島県広島市内に所在している(甲第2号証)。 (2) 申立人が権利または正当な利益を有する商標その他表示 申立人は、別紙申立人商標権目録に記載されているとおりの「RCC」の表示から なる商標(以下「申立人商標」という)を、旧第26類、及び国際分類第38類、第 41類に登録している(甲第6号証の1ないし3)。 申立人は、テレビ放送、ラジオ放送、放送番組の制作等の際に、上記商標を使用し ている。 そして、申立人が行なうテレビ放送事業において、そのサービスエリアは、広島県 全域、山口県・岡山県、島根県・鳥取県・愛媛県・香川県・大分県の一部であり、同 サービスエリア内の人口は約402万8000人、世帯数は約153万世帯、テレビ 推定保有台数は約405万1000台である(1998年3月現在 ― 甲第4号証)。 また、申立人が行なうラジオ放送事業のサービスエリアは、広島県・愛媛県・香川 県・大分県全域、山口県・岡山県・島根県・鳥取県・徳島県・高知県・福岡県・熊本 県・宮崎県等の一部であり、同サービスエリア内の人工は約2122万2490人、 世帯数は約791万3067世帯(1999年3月現在)、ラジオ推定保有台数は1 944万5461台(1998年3月現在)である(甲第5号証)。 また、申立人は「rcc.net」、「rcc-hiroshima.co.jp」のドメイン名のもとでホー ムページを開設しており、1ヶ月当たりのアクセス件数も相当数に達している(甲第 14号証の1、3、15号証の1、2)。 以上からすると、申立人商標は、少なくとも申立人の放送サービスエリア内におい て、遅くとも登録者が登録者ドメイン名を申請した平成12年11月迄に、申立人の 出所を表示する商標として周知性を獲得していたものと認められる。 従って、申立人は、申立人商標につき、これを継続して使用する正当な利益を有し ていると認められる。 (3) 登録者ドメイン名と申立人商標との類似性 登録者の登録者ドメイン名は「rcc.co.jp」であるのに対して、申立人商標は「RC C」である。 ここで、登録者ドメイン名中の「jp」は国別コード、「co」は属性を示すコードで あり、いずれも識別性に乏しいから、両者の類否は「RCC」と「rcc」とにおいて決 すべきである。 そうすると両者は、英文字の大文字と小文字を、それぞれ使用している点で相違が あるのみであるから、相互に混同を引き起こす程類似しているものと認められる。 なお、登録者は、申立人商標である「RCC」については、旧第26類、及び国際 分類第38類、第41類以外において、申立人以外の第三者が商標登録を行なってお り、また、申立人は「rcc.net」、「rcc-hiroshima.co.jp」のドメイン名を登録して 使用しているから、登録者ドメイン名と申立人商標とでは十分に識別が可能であると 主張している。 しかし、「RCC」について第三者が申立人の事業に関わりのない他の商品、役務 の分類に商標登録をしていたとしても、そのことが上記認定を左右するものではなく、 また、申立人においてドメイン名である「rcc.net」、「rcc-hiroshima.co.jp」を登 録して使用していたとしても、そのことが直ちに、上記認定にかかる「RCC」と「rc c.co.jp」との間の類似性を否定するものではないから、登録者の主張は採用するこ とができない。 (4) 登録者が登録者ドメイン名について有する権利または正当な利益の存否 登録者は、登録者ドメイン名を、自ら実施することを予定していた事業の名称の頭 文字を組み合わせたものとして登録したのであるから、登録者ドメイン名について権 利または正当な利益を有していると主張している。 すなわち、登録者は、もともと登録者が会長を勤めていた広島輸入商連合会内のイ ンターネット委員会において、中国企業情報のホームページを、仮称「Resource of China Commodity」の名称のもとで作成していたと主張している。しかし、これを 裏付ける証拠は提出されていない。 また、登録者は、広島輸入商連合会において、更に「Resource of China Commo dity」を正式名称として、中国企業情報に関するホームページを開設しようと準備し ていたが、同連合会内の会員の間に開設維持費の点で温度差が生じたため、平成10 年6月、登録者においてこの事業をそのまま引き継いで継続することとしたと主張し ている。しかし、この点についても、これを裏付ける証拠は提出されていない。 また、ここで仮に、登録者の主張どおり、登録者が、中国企業情報に関する上記ホ ームページ開設を、広島輸入商連合会から引き継いだことを前提とした場合にも、登 録者において同引き継ぎを行なったと主張している平成10年6月から現在に到るま での間に約3年間が経過しているものの、登録者において同ホームページを開設した ことを裏付ける証拠は何ら提出されていない。 登録者が提出した全ての証拠中で、「Resource of China Commodity」に関連す る記述がなされているものは、答弁書と共に提出された広島輸入商連合会理事 折橋 武 作成にかかる平成10年12月28日付の「事前調査報告書 調査期間平成1 0年11月22日-29日 プレ・ミニLL事業(マルチメディア手法による日中企 業交流)」(証9)と題する報告書のみである。同報告書中には、1ヶ所だけ「Res ource China Commodity」(但し、ofが抜けている)の用語が記載されている箇所 が存在するが、同部分は、同報告書中で中国側の複数の交流相手機関を紹介する部分 であるところ、同部分中では、複数の交流相手機関のうちの1つの機関を紹介する箇 所において、「今回の事前調査の為に私が紙面上で作成した『日本語中国企業情報』 (Resource China Commodity)の中国企業情報を快く提供してくれたのもここで ある」と説明されているが、それ以上に、この名称を使用したホームページを開設す ること等については、何ら言及されていない。 そして、登録者が提出した証拠のうちで「Resource of China Commodity」に関 連する記述がなされている唯一の証拠が上記報告書であること、ならびに同報告書に 先立って行なわれた調査期間および同報告書作成時期が、いずれも登録者において広 島輸入商連合会から同ホームページ開設事業を引き継いだと主張している平成10年 6月よりも後のことであることからすると、同ホームページの開設準備が、広島輸入 商連合会において行なわれていたことがあったとしても、これが登録者に対して、そ れより以前の平成10年6月に引き継がれたと言えるのか否かは明確でないと言わざ るを得ない。 以上のとおりであるから、登録者が提出した各証拠を検討するも、広島輸入商連合 会において、仮称「Resource of China Commodity」の名のもとに中国企業情報に 関するホームページ開設が準備されていたと言えるのかは証拠上明らかではなく、仮 にそのような開設準備がなされていたことを前提とした場合にも、これが平成10年 6月に登録者に対して事業として引き継がれたと言えるのかは証拠上明らかでなく、 更に登録者に対して上記引き継ぎがなされたことを前提とした場合にも、以後今日に 到るまで、登録者において、同名称のもとでホームページを開設したことは証拠上何 ら認められないと認定せざるを得ない。 そうであるとすると、「Resource of China Commodity」の名称での中国企業情 報に関するホームページ開設が、登録者の事業であると認めることは困難であると言 わざるを得ない。 従って、登録者において、中国企業情報に関するホームページの名称である「Res ource of China Commodity」の頭文字を組み合わせたものと主張しているrccにつ き、これを登録したとされる登録者ドメイン名「rcc.co.jp」について、登録者が権 利または正当の利益を有していると認めることはできない。 (5) 登録者ドメイン名の不正の目的での登録の存否 前項で認定したとおり、登録者が、自己の事業の名称の頭文字を組み合わせたもの を表示するものとして、登録者ドメイン名を登録したと認めることはできない。 他方で、登録者ドメイン名中の識別力を有する部分である「rcc」と申立人商標「R CC」とでは、両者は、英文字の大文字ないしは小文字を使用しているとの点で相違 していることを除けば、相互に同一である。 これに加えて、申立人商標が、広島県広島市を中心とした申立人の放送サービスエ リア内で周知な商標であることは、既に認定したとおりであるところ、登録者の本店 所在地も、申立人と同様に広島県広島市内である。 以上を総合すれば、登録者が登録者ドメイン名を使用した場合において、申立人と 登録者の本店所在地が共に広島県広島市内であることをも勘案した場合には、登録者 ドメイン名は、申立人商標との間で出所の誤認混同を生じさせるおそれが強いものと 認められる。 そうである以上は、登録者は、登録者ドメイン名を、不正の目的で登録しているも のと認定せざるを得ない。 6.結論 以上に照らして、本紛争処理パネルは、全員一致の意見によって、登録者によって 登録されたドメイン名「rcc.co.jp」が申立人商標と混同を引き起こすほど類似し、 登録者が、登録者ドメイン名について権利又は正当な利益を有しておらず、登録者ド メイン名が不正の目的で登録されているものと裁定する。 よって、処理方針4条iに従って、ドメイン名「rcc.co.jp」の登録を申立人に移 転するものとし、主文のとおり裁定する。 2001年7月6日 日本知的財産権仲裁センター紛争処理パネル 主任パネリスト 水 谷 直 樹 パネリスト 足 立 泉 パネリスト 佐 藤 恵 太 別記 (手続の経過) (1) 申立書及び証拠書類 受領 電子メール 2001年3月29日 書面 2001年4月2日 (2) 申立手数料(規定料金378,000円)入金確認(2001年3月28日) (3) JPNICによるドメイン名及び登録者の確認 2001年3月29日 (電子メール) 確認内容 1)申立書記載の登録者は本件ドメイン名の登録者である。 2)登録担当者は 山下勇(hias@co.cisnet.or.jp)である。 (4) 適式性確認 2001年4月3日 日本知的財産仲裁センターは、申立書が社団法人日本ネットワークインフォーメーシ ョンセンター(JPNIC)のJPドメイン名紛争処理方針(方針)、JPドメイン 名紛争処理方針のための手続規則(規則)、JPドメイン名紛争処理方針のための補 則(補則)の形式要件を充足することを確認した。 (5) 手続開始日 2001年4月4日 同日、JPNIC(電子メール)及び申立人代理人(電子メール及び郵便)へ手続開 始日の通知 (6) 登録者・登録担当者への通知日 2001年4月4日 内容: 申立書、証拠書類、申立通知書(郵送、ファクシミリ、及び電子メール) 答弁書提出期限 2001年5月7日 (7) 登録者より答弁書及び証拠書類提出 電子メール2001年5月2日受領 郵便2001年5月7日受領 (8) 答弁書の申立代理人への送付 2001年5月8日(電子メール及び郵便) 同受領 2001年5月10日(電子メール及び郵便) (9) パネリストの選任 申立人は3名構成のパネルを要求 2001年5月8日 両当事者へ主任パネリスト候補者を両当事者へ提示 (メール、FAX、郵便) 2001年5月11日 両当事者が選考順位回答(電子メール及びFAX) 2001年5月15日 パネリスト指名、パネリストへ指名書及び一件書類送付 (電子メール、郵便) ・パネリストの氏名 水谷直樹(主任パネリスト) 佐藤恵太 足立泉 (10)紛争処理パネルの指名及び予定裁定日を、JPNIC及び両当事者へ通知 2001年5月15日(郵便、FAX、電子メール) 予定裁定日 2001年6月4日 (11)中立宣言書の受領日 足立泉 2001年5月10日 水谷直樹 2001年5月22日 佐藤恵太 2001年5月16日 (12)パネルによる審理 ・2001年5月22日 会合 ・2001年5月23日 両当事者へ「追加提出要請書」送付 同書面にて手続規則10条C項に基づく予定裁定日の延 期を通知。(電子メール、受領24日) ・2001年5月25日 JPNICへ「競合申請経緯照会書」送付 ・2001年6月1日 申立人より「陳述の追加」提出 ・2001年6月7日 JPNICより「照会に対する回答」提出 ・2001年6月14日 登録者より「陳述の追加の答弁書」提出 ・2001年6月22日 会合 ・ 同日 予定裁定日を、JPNIC及び両当事者へ通知。 (郵便、FAX、電子メール) 予定裁定日 2001年7月6日 (その他、適宜に会合、電子メール及びFAX・電話等の手段を利用) 以 上 別紙 申立人商標権目録 ① 登録番号 第2615209号 出 願 日 1990年11月30日 登 録 日 1994年1月31日 商品区分 第26類(旧分類) 指定商品 印刷物、書画、彫刻、写真、これらの付属品 商標の構成 後記のとおり ② 登録番号 第3022801号 出 願 日 1992年9月24日 登 録 日 1995年2月28日 役務区分 第38類 指定役務 テレビジョン放送、ラジオ放送 商標の構成 後記のとおり ③ 登録番号 第3024494号 出 願 日 1992年9月24日 登 録 日 1995年2月28日 役務区分 第41類 指定役務 放送番組の制作 商標の構成 後記のとおり 商標の構成