ネットワークワーキンググループ Request for Comments: 3128 更新: 1858 分類: 情報提供 |
I. Miller Singularis Ltd 2001年6月 |
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本書は、どのようにRFC 1858準拠フィルタが、 このRFCの3.1節に記述されている「タイニーフラグメント攻撃」の変形に対して脆弱性を持つ可能性があるかを検討しています。 本書は、この攻撃を記述し、矯正手段をとることを推奨しています。
RFC 1858は、 インターネットファイアウォール上の一連の攻撃についての優れた記述を提供し、 対策を提案しています。 しかし、 これらの対策のひとつである「間接的手法」(3.2.2節)は、 記述されている2つの攻撃の組み合わせに対して脆弱性をもちます。
この攻撃は、 「タイニーフラグメント攻撃」(3節)と「オーバーラッピング フラグメント攻撃」(4節)の特徴を組み合わせます。
フィルタリングルールが、 マシンに対して入り方向のコネクションを許可しており、かつ、 同一ホスト上に出方向コネクションのみを許可する他のポートがある場合、 この攻撃は、 その出方向のみのポートに対して入り方向コネクションを許してしまいます。
最初のコネクションメッセージだけがフラグメントされる必要があることを銘記してください。 ひとたびコネクションが確立されると、 その上の以降のトラフィックは正規のものとされます。 この弱点の重大さは、適用されているセキュリティポリシーに依存します。
この攻撃は典型的には 3つのフラグメントから成ります。
入り方向パケットについて、次のような平凡な一式のルールを考えます。:
No | Action | Source Port |
Dest. Port |
Flags | Purpose |
---|---|---|---|---|---|
1 | Permit | >1023 | SMTP | ANY | Incoming E-mail |
2 | Permit | >1023 | ANY | Ack=1 | Existing FTP data channel connections. |
3 | Deny | ANY | ANY | ANY | Default deny |
標的マシンのIPスタック中の精密なフラグメント再構築の実装によっては、 フラグメントBは、 下記のことを行うためにフラグメントAを上書きすることができます。:
間接的手法は、FO=1でパケットを拒否することのみによって、 タイニーフラグメント攻撃とオーバーラッピングフラグメント攻撃の両方を解決しようとしています。 しかし、上記のフラグメントにはFO=1を持ったものはなく、 それゆえ拒否されるものはありません。
注意深く読めば失敗は明らかです。 3.2.2節「間接的手法」において、 RFC 1858 は述べています。:
間接的手法は、 0オフセットのフラグメントの外に「興味ある」ヘッダーフィールドがあるようにするためにTCP パケットがフラグメントされている場合、 FOが1であるフラグメントが存在しなければならない、 という経験則に依拠します。
これは通常、誠意あるソフトウェアによる本物のフラグメントである場合、 正しいといえます。 しかし、ハッカーが、 8バイトのFO=0フラグメントを作成してしまったのでFO=1フラグメントを作成することを強いられている、 というのは単純な誤りです。 この脆弱性は、誤った前提から発生しています。
RFC 1858の間接的手法は、 一見とてもエレガントではありますが、頑健ではありません。 FO=1パケットをブロックすることに加えて、 不完全なヘッダーを保持するFO=0をブロックすることが必要不可欠です。
if FO=0 and PROTOCOL=TCP and TRANSPORTLEN < tmin then DROP PACKET if FO=1 and PROTOCOL=TCP then DROP PACKET
このメモ全体が、 フラグメントされたIPパケットをフィルタすることについての、 セキュリティの観点からの意味合いに関するものです。
Ian Miller
Singularis Ltd
32 Stockwell Street
Cambridge
CB1 3ND UK
電話: +44 1223 511943
EMail: Ian_Miller@singularis.ltd.uk
翻訳者のアドレス
宮川寧夫
情報処理振興事業協会
セキュリティセンター
EMail: miyakawa@ipa.go.jp
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