=================================== __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.301【定期号】2005.11.15 ◆ _/NIC =================================== --------- PR --------------------------------------------------------- ┏ 貴社のホスティングサービスは対応済みですか? ━━━━━━━━━━┓ ┃ Internet Explorer7 の対応で普及が加速する日本語JPドメイン名 ┃ ┃ Webサーバへの設定はこんなに簡単、マニュアルはこちら! ┃ ┃ → http://nihongojp.jp/support/technique_1.html ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━ 株式会社日本レジストリサービス(JPRS) ┛ ---------------------------------------------------------------------- ---------- PR -------------------------------------------------------- ┏━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃Internet Week 2005 好評受付中! ┃2005/12/6~12/9 パシフィコ横浜 ┗┳━━━━━━━━━━━━━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃お申込はこちら⇒ http://internetweek.jp/ 事前登録は2005/11/25迄 ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ---------------------------------------------------------------------- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ News & Views vol.301 です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日々変化と革新の一途を辿っているインターネットの世界。技術の革新と同時 に、一方でその技術が広く導入されるために、標準化のプロセスが重要となっ てきます。 本号では、いつもと趣向を変え、IETFを舞台にしたインターネット技術の標準 化プロセスについての解説をお届けします。 なお、11月6日(日)から11日(金)まで開催されていた第64回IETFの模様につい ては、11月下旬より分野別に議論の動向を本メールマガジンでもお届けする予 定ですので、お楽しみにしてください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 1 】特集「インターネット技術の標準化プロセス~RFCとは?~」 【 2 】News & Views Column 「パシフィコのリングで待ってるよ」 株式会社IRIコミュニケーションズ/日本UNIXユーザ会 法林浩之氏 【 3 】インターネット用語1分解説 「WSISとは」 【 4 】統計資料 1. JPドメイン名 2. IPアドレス 3. 会員数 4. 指定事業者数 【 5 】イベントカレンダー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 1 】特集 「インターネット技術の標準化プロセス~RFCとは?~」 JPNIC理事/WIDEプロジェクトボードメンバー/東京大学教授 江崎 浩 (編集:JPNIC技術部) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ インターネット技術の標準化を推進する団体としてIETFがあります。 IETF(Internet Engineering Task Force)では、新しい技術仕様についてオー プンな議論が行われ、ここでの議論を経てインターネット技術の標準「RFC (Request For Comments)」が生まれます。 RFCとはインターネット利用者、運用担当者、開発者等に有益と判断された情 報を公開するための文書シリーズで、インターネット技術の発展に伴い常に新 しいRFCが発行され続けています。 以下では、RFCの種類とその標準化プロセスについてご紹介します。 ◆ RFCの種類 RFCは、5種類のドキュメント種別が存在しており、情報の性質により区別され ます。 (1)Standard Track RFC IETFでは技術分野毎に組織されるワーキンググループという単位で議論、検討 を行っています。Standard Track RFCとは、ワーキンググループでコンセンサ スが得られた業界での国際標準とすべき仕様をまとめたドキュメントです。 PS(Proposed Standard)、DS(Draft Standard)を経て、S(Standard)となります。 PSは複数の組織での独立な実装テストと相互接続性の確認が条件、DSは実質的 かつ広範囲での運用テストが条件とされています。S(Standard)の状態になる と、STD番号が割り振られます。現在、STD番号を割り振られているドキュメン トは非常に少数であり、実質的には、DSのRFCになると、国際標準とみなすこ とができます。なお、最近では、必ずしも、複数での独立な実装テストと相互 接続性の確認が行われなくてもPSとしてRFC化される場合も見受けられるよう になってきました。 (2)Informational RFC Standard Trackには分類されませんが、業界にとって有用な情報を含むドキュ メントです。例えば、各組織固有の仕様であっても、それが標準仕様の議論や 策定に有効と認められる場合に、RFCとすることができます。企業が標準化を 待たずに製品展開を行うような場合に、Informational RFCとしてその仕様を 広く公開し、事実上のStandardの地位を確立するための手段としてもしばしば 利用されます。 (3)Experimental RFC 標準化が目的ではなく、研究等の目的で検討される技術仕様に関するドキュメ ントです。純粋な研究目的の場合と、企業が企業固有の仕様を使ってそれを標 準化しようとする場合などに用いられます。 (4)Historical RFC 標準化過程での議論の経過など、過去の記録として残すべき情報に関するドキュ メントです。IPv6技術の検討経過などがHistorical RFCとなっています。 (5)Best Current Practice 直訳すると「現時点での最善の方法」となり、その時点で最善だと考えられる インターネット管理運用手法やIETFでの標準化プロセスなどを文書化する際に 用いられます。 各組織は、各自のIETFにおける発言力とビジネス戦略に基づいて、どのTrack を用いて技術仕様の標準化を進めるべきかを検討しています。Standard Track での活動は王道ですが、ドキュメントが作成されRFCとなるまでは、1年以上の 月日を必要とするのが一般的で、Informational RFCやExperimental RFCを用 いて、より迅速な仕様の公開と普及を図る組織も少なくありません。 ◆ 標準化プロセス IETFにおいては以下の技術標準化プロセスを経てRFCが発行されます。 (1)Internet-Draftの投稿 Internet-Draftとは、その時点でまだ標準化されていない下書き段階の仕様書 のことです。各個人が自由に投稿することができ、6ヶ月間IETFのFTPサーバお よびWEBサーバに置かれます。Internet-Draftは、6ヶ月でArchiveから消えて いくWork-in-Progressのドキュメントです。Internet-Draftには、ワーキング グループとして投稿・管理されるドキュメントと、個人として投稿されるドキュ メントとがあります。 (2)Internet-Draftの成熟 Internet-Draftが、インターネット業界に有益な情報を含んでおり、将来的に 標準化されるに相応しいと判断されるとIETFで継続的に議論、検討が行われま す。その結果は逐次Internet-Draftに反映され、そのInternet-Draftはより成 熟したものとなります。 (3)IESGの承認 IESG(Internet Engineering Steering Group)とは、IETFにおいて議論される インターネット技術の標準化に関する責任を負い、IETFが作成するRFCの取り 扱い方法について決定をくだす組織です。Internet-DraftがRFCとして発行さ れるのに十分成熟したと判断されると、IESGに対してRFC発行の申請が行われ ます。申請が承認されると、そのInternet-DraftにはRFC番号が割り当てられ、 IETFのFTPおよびWEBサーバを通じて公式に参照可能なドキュメントとなります。 ◆ 今後の展望 1990年後半のインターネット産業の急成長に伴い、IETFへの参加者数の増加と 関係するコミュニティの多様化が進展しました。その結果、IETFにおける技術 検討やコンセンサスの形成に必要な時間が、長期化してしまう傾向が観測され るようになってきました。これに対応するためか、最近では、ワーキンググルー プでの技術検討において少人数のデザインチームを形成し、技術仕様確立の迅 速化が行われるようになっています。さらに、標準化速度の迅速化と実態に合っ たStandard Trackの再検討、あるいは、知的財産権に関する対応方法など、イ ンターネット標準(STANDARD)化プロセスの見直しに関する検討も始まっていま す。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 2 】News & Views Column 「パシフィコのリングで待ってるよ」 株式会社IRIコミュニケーションズ 日本UNIXユーザ会 法林浩之 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今年(2005年)も12月6日(火)~9日(金)に、パシフィコ横浜にて「Internet Week 2005」(以下IW)が開催されます。私は2000年からこのイベントの実行委員を務 めています。今回はその経験を踏まえて、インターネットとイベントの関係に ついて思うことを書いてみたいと思います。 ご存じの方も多いと思いますが、IWの起源となっているのはIP Meetingという イベントで、その初回は1990年にまで遡ります。初期の参加者は数十人から数 百人でした(IWの参加者は今では数千人です)。当時はまだインターネットが普 及する前で、当然ながらインターネットに関する情報も簡単に手に入る時代で はありませんでした。従って、情報を手に入れたり意見交換をするためにはど こかに集まるというのが自然な形であり、それがイベントの意義でもあったよ うに思います。 それから数年が経過し、このイベントがIP MeetingからIWへと発展するのと時 を同じくして、日本のインターネットも爆発的な普及を遂げました。その結果、 インターネットに関することばかりか世間一般の出来事に至るまで、あらゆる 情報がインターネットで入手できるようになりました。それはとてもよいこと なのですが、では、インターネットに関する情報を入手するための集まりであっ たIWのようなイベントは、これからどこに向かっていけばよいのでしょうか。 まだ、その疑問に対する十分な答えは見つかっていないのですが、今考えてい るのは、例えば音楽をCDで聴くよりもライブで聴く方が感動するのと同様に、 単なる情報提供ではない生の意見を聞ける場を提供することが、イベントに価 値をもたらすのではないかということです。特に昨今、インターネットの裾野 が広がったことで、かえって立場や意見の異なる人々が対面で話をする機会が 少なくなったように思います。掲示板やブログなどでも議論はできますが、場 の空気までは伝わりません。ライブで議論する価値はそこにあると思います。 プロレスが大好きな私はいつしか、このように異なる立場の方々を集めて議論 してもらうことを「対戦」と呼ぶようになりました。この対戦に勝ち負けはあ りません。その議論の過程と、その場に参加した人々が感じたことがすべてだ と考えています。そして、魅力ある対戦カードを提供することが人々の関心を 集め、会場に足を運んでもらうことにつながると考えています。今年のIWも、 力及ばずながらも知恵を絞った対戦の数々を用意して、皆さんのご来場をお待 ちしています。というわけで、「パシフィコのリングで待ってるよ」。 (付記) 表題は「ドームのリングで待ってるよ」という言葉に影響されたもの です。興味のある方はその言葉で検索してください。なお、実際にはパシフィ コ横浜にはリングは設置されません:-)。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 3 】インターネット用語1分解説 「WSISとは」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「World Summit on the Information Society」(世界情報社会サミット)の略。 2001年12月から2002年1月にかけての国連総会の決議により開かれることになっ た情報社会をテーマとした国連サミットです。第1回会議は2003年12月にスイ ス・ジュネーブにて開催されました。第2回会議は2005年11月16日から18日の 会期でチュニジア・チュニスにて開催されます。 第1回会議では、情報社会に関するさまざまなテーマが取り上げられましたが、 その中の一つとしてインターネット資源管理のあり方についての問題提起があ り、国連事務総長の下にワーキンググループ(WGIG)が設置され検討が行われて きました。第2回会議ではWGIGの報告をもとに、参加国間の合意を目指して話 し合いが行われます。 WSIS公式ページ https://www.itu.int/net/wsis/index.html チュニスアジェンダとは https://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/tunis-agenda.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 4 】統計資料 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.JPドメイン名 o 登録ドメイン数(2005年6月~2005年11月) -------------------------------------------------------------------------------- 日付|JP AD AC CO GO OR NE GR ED LG GEO GA GJ TOTAL -------------------------------------------------------------------------------- 6/1|0 299 3184 273574 837 20222 17321 9177 4316 2690 4061 281200 107352 724233 7/1|0 299 3192 275219 839 20352 17299 9149 4327 2673 4010 287792 109369 734520 8/1|0 298 3203 276621 835 20487 17316 9122 4348 2649 3960 293673 112869 745381 9/1|0 298 3210 278159 832 20625 17330 9086 4359 2625 3921 299970 113798 754213 10/1|0 297 3217 279529 834 20723 17285 9043 4371 2623 3880 305481 114004 761287 11/1|0 297 3231 280872 836 20830 17307 9008 4381 2562 3846 311457 114818 769445 -------------------------------------------------------------------------------- GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字) GJ:汎用ドメイン名 日本語 2.IPアドレス o JPNICからの割り振りとJPNICへの返却ホスト数(2005年5月~2005年10月) ------------------------------------------ 月 | 割振 | 返却 | 現在の総量 ------------------------------------------ 5 | 102400 | 0 | 29927710 6 | 313344 | 0 | 30241054 7 | 690176 | 8192 | 30923038 8 | 937984 | 8192 | 31852830 9 | 1392640 | 0 | 33245470 10 | 51200 | 24576 | 33272094 ------------------------------------------ □統計情報に関する詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/stat/ 3.会員数 ※2005年11月15日 現在 -------------------- 会員分類 | 会員数 | -------------------- S会員 | 3 | A会員 | 2 | B会員 | 7 | C会員 | 5 | D会員 | 183 | 個人推薦 | 39 | 賛助会員 | 42 | -------------------- 合計 | 281 | -------------------- □会員についての詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ 4.指定事業者数 ※2005年11月8日 現在 IPアドレス管理指定事業者数 382 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 5 】イベントカレンダー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2005.11.15(火)~16(水) HOSTING-PRO 2005 Fall[協賛] (東京、タイム24) 2005.11.16(水)~18(金) WSIS (Tunis, Tunisia) 2005.11.18(金) IPアドレス管理指定事業者定例説明会 2005.11.21(月)~22(火) CENTR 28 (Amsterdam, Netherlands) 2005.11.24(木) 第27回臨時総会 (東京、秋葉原コンベンションホール) 2005.11.30(水)~12.4(日) ICANN (Vancouver, Canada) -------------------------------------------------------------------- 2005.12.6(火)~12.9(金) Internet Week 2005 (横浜、パシフィコ横浜) 12.6(火) DNS DAY~安全なドメイン名管理~ 12.7(水) インターネットガバナンス:過去、 現在、そして未来 12.8(木) 第9回JPNICオープンポリシー ミーティング 12.9(金) IP Meeting 2005 2005.12.12(月)~12.14(水) AfriNIC-III (Cairo, Egypt) -------------------------------------------------------------------- 2006.1.22(日)~26(木) 21st APAN (東京、秋葉原コンベンションホール) 2006.1.19日(木)~20(金) JANOG 17 (宮城、仙台国際センター) 2006.1.12(木)~20(金) SANOG VII (Mumbai, India) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。 http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ___________________________________ ■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■ ::::: 会員リスト ::::: http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ :::: 会員専用サイト :::: http://www.nic.ad.jp/member/(PASSWORD有) □┓ ━━━ N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□ ┗┛ お問い合わせは jpnic-news@nic.ad.jp まで ┗┛  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ =================================== JPNIC News & Views vol.301 【定期号】 @ 発行 社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター 101-0047 東京都千代田区内神田2-3-4 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