インターネットルーティングセキュリティの心構え

講演者
川村 聖一(ビッグローブ株式会社)

BGPはただ設定をすれば終了するわけではなく、 組織と組織のつながりや人と人とのつながりなど、 今あるインターネットを維持するための運用者感のラフな合意を会得する必要があります。 冒頭にて、 本プログラムの前提となるインターネットルーティングセキュリティに関する知識やBGPオペレーションを行う際の心構えについてお話しします。 また、運用上観測した興味深いルーティングに関する事例についても紹介します。

インターネットルーティングセキュリティのマインド

講演者
松崎 吉伸(株式会社インターネットイニシアティブ)

昨今では、単なる設定ミスではなく強い悪意が疑われる経路ハイジャックが観測されています。 IIJにおいても、移転で取得したIPアドレスが他のISPによって不正に経路広報される事案が発生しました。 当時の状況や実施した対応についてお話しし、 被害にあった場合や被害にあいにくくするために準備できることについて情報共有します。

また、自分が見聞きした事例を元に、インターネットルーティングセキュリティのマインドについてもお話しします。

※ルーマニアより、 リモートでの登壇となります。

経路奉行・RPKIの最新動向

講演者
木村 泰司(一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター)

RPKIはIPアドレス保持者に証明書を発行し、 それを応用してIPアドレスとASの組みあわせに署名をつけることができる仕組みです。 本セッションでは、導入が難しいと思われがちなRPKIについて可能な限り平易に解説します。 また、経路ハイジャックを防ぐための仕組みである経路奉行やRPKIが、 インターネットルーティングセキュリティを守る上でどのような位置づけにあるのかをお話しします。

セキュアルーティング時代のDDoS対策テクニック

講演者
西塚 要(NTTコミュニケーションズ株式会社)

強い悪意が疑われる経路ハイジャックが発生し、それを防ぐための仕組みが推進される中で、 経路ハイジャックと同様の仕組みを利用するクラウド型のDDoS対策が広がりつつあります。 本セッションでは、クラウド型DDoS対策の仕組みを中心に、 BGPを利用したDDoS対策方式の最新情報を紹介します。 またRPKIが普及しても、クラウド型DDoS対策を行うことができる仕組みついても紹介します。

2015年のインターネットルーティングの動向と取り組み

講演者
吉田 友哉(インターネットマルチフィード株式会社)

2015年もインターネットルーティング上では以下のように様々な事例が観測されています。

• BGPルーティングテーブルの巨大化により広範囲でインターネットサービスの途絶が発生した
• うるう秒に対応していない機器の影響がルーティングテーブル上で観測された
• 政治情勢の変化がルーティングテーブルにも影響を与えた

本セッションでは、国内外のルーティングの傾向や最新のルーティング動向を共有します。 そして、これからもどんどん大きくなり複雑化するインターネットルーティングを運用していく中で、 いま何ができるか、これから何をすればよいかについてお話しします。