IP (Internet Protocl)とは
さて、現在のインターネットを支えるのはIPネットワークです。 IPとはInternet Protocolのことで、 プロトコルとは約束ごとだと思えばいいでしょう。 特徴としては
- パケット通信
- 分散処理
- End to End
- ベストエフォート
などがあげられます。
そしてIPネットワーク上で個々の通信対象を識別するための番号が、 IPアドレスです。 コンピュータ的な表現だと、32ビットの数値になります。 これでは人間には覚えにくいので、 8ビットずつに区切って表示するのが一般的です。 8ビットだと10進数で0~255までの数値になるので、 これを4つ、ピリオドで区切って並べます。 例を挙げれば、192.168.1.10などです。
パケット通信
パケット通信とは、 データをある特定の大きさに区切って伝える方法です。 単に区切っただけではなんのデータだかわからなくなるので、 宛先と発信者、何番目のデータか、 などといった情報(ヘッダ)を一緒につけて送ります。 個々のパケットが通信路を使うのは比較的短時間なため、 ひとつの通信路で見かけ上複数の通信を行えるというメリットがあります。
分散処理
さて、宛先を指定されたパケットは、 どのようにネットワークを伝わっていくのでしょうか。 IPネットワークでは、 ルータと呼ばれる機械がこれを判断します。 ルータ同士がお互いに通信しあって、 「この宛先ならば、 このルータに送ればいいはずだ」 という情報を交換しているのです。 直接到達できなくても、バケツリレー式に送れるようになっています。
この方法だと、 どこか1カ所のルータが壊れても、 自動的に迂回路を見つけて通信を継続できるという長所があります。 反面ネットワークが複雑になると、 それに応じて個々のルータが把握しておかなければならない行先情報が増えるという問題があります。 これを経路情報の爆発と称していますが、 IPアドレスの割り当てを工夫することで対処しています。
End to End
End to Endとは、 「インターネットにつながっている端末同士ならば、 どれに対しても、どこからでもアクセスできる」 ということです。 電話機と同じですね。 ただ最近では、 セキュリティの面やIPアドレスの在庫枯渇に備えるという観点から、 インターネットに対して双方向通信を開始できても、 インターネット側から呼び出せない端末も増えています。 こちらは発信専用の電話機と考えるとわかりやすいかもしれません。
End to Endはまた、ネットワークをシンプルにして端末を賢くする、 ということでもあり、 新しいアプリケーションの開発を容易にしています。 欠点として、個々の端末のメンテナンスが大変になる、 という点があげられます。
ベストエフォート
パケット通信の特性上、通信速度の保証が難しく、 「最大で10Mbps」という表現になります。 一つの通信路を複数の通信で共有できるという特徴が徒となり、 同時に行われる通信が増えるにつれて1通信あたりの速度が落ちてしまう、 ということです。
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