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         Class Cより小さなアドレス空間の割当(サブアロケーション)
              に関するパイロットプロジェクトについて

               日本ネットワークインフォメーションセンター
                        IPアドレス割当グループ
      最終更新 1996年  1月  8日
      有効期限 1997年  2月 28日


0. Class Cより小さなIPアドレス割当パイロットプロジェクトの開始について

  日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)では、1995年9月1日
より、Class Cより小さなIPアドレス割当(以下の文章中ではこのような割当を
総称して サブアロケーションと書くことがあります。)に関するパイロットプ
ロジェクトを開始します。

  このプロジェクトの目的は、使用するアドレスが 32以下であるような非常
に小規模なネットワークに対するIPアドレス割当に応えることにあります。背
景としては、インターネットに接続される組織が多様化したことによって、従
来のClass Cより小さなネットワークに対する需要が急増したこと、現在の32
ビットのIPアドレス空間を有効に活用していく必要などが挙げられます。

  このプロジェクトでの割当の対象となる具体例としては、ファイアーウォー
ルとプライベートアドレスを用いたネットワーク運用をしているような組織や、
個人などが考えられます。

  なお、パイロットプロジェクト期間中に割り当てられたアドレスは全て正式
に割り当てられたものとみなし、プロジェクトが終了したからと言って返却さ
れなければならないものではありません。

1. 使用するアドレス空間

  今回のパイロットプロジェクトでは、JPNICが、IPアドレスの割当業務委任
を受けた会員に対して割り当てたアドレス空間の一部を使用します。具体的に
どの部分を使用し、割り当てる空間の大きさ等は各会員に一任されます。なお、
業務委任を受けているからといってこのパイロットプロジェクトに必ずしも参
加する必要はありません。また、JPNICへの直接の申請ではサブアロケーショ
ンは行なわれません。

2. プロジェクトへの参加

  このプロジェクトへの直接の参加者はJPNICからIPアドレスの割当業務委任
を受けた会員ネットワークとなります。参加を希望される会員は、予めJPNIC
IP-AS 作業部会に対して申請を行なってください。申請には添付 1のフォーマッ
トを用い、下記のメールアドレスまでお送り下さい。

  request@ip.nic.ad.jp

  プロジェクトに参加した場合には、サブアロケーションについても通常の割
り当て報告に加えて下さい。その際に、2年後のホスト数、サブネット数を必
ず明記するようにして下さい。また、4の「割当方法」でもふれますが、プロ
ジェクトに使用するアドレスに関するDNSの逆引きサーバを設置していただく
必要があります。

  これらのことや割り当てるアドレス空間の大きさに関する部分などを除けば、
原則的に通常のアドレス割当と同じ運用を行なって構いません。これには、

  1)会員ネットワークはアドレス割当の業務を、JPNICの許可なく他者に
    委任することはできない。

  2) JPNICのデータベースの登録はアドレス割り当て業務の一部である。

  3)会員ネットワークが責任を持って業務を行ない、経路情報の集約が
    行なわれる限り、アドレスを割り当てられたものと会員ネットワー
    クとの関係をJPNICは原則的に問わない。

ということが含まれます。

3. アドレス空間割当の目安

  会員ネットワークが、アドレスの割当を行なう場合、以下を参考にして下さ
い。

  a)  4(2) アドレス以下の要求       クラス C アドレスの64分の1[/30]
  b)  8(6) アドレス以下の要求       クラス C アドレスの32分の1[/29]
  c)  16(14) アドレス以下の要求     クラス C アドレスの16分の1[/28]
  d)  32(30) アドレス以下の要求     クラス C アドレスの8分の1[/27]
  e)  64(62) アドレス以下の要求     クラス C アドレスの4分の1[/26]
  f)  128(126) アドレス以下の要求     クラス C アドレスの2分の1[/25]


  注: ()内はall 0, all 1アドレスを除いた実効アドレス数
      []内はプレフィックス表現

ただし、これらはあくまでも目安であり、どの申請にどの程度の空間を割り当
てるかはパイロットプロジェクト参加会員の判断により行なって下さい。

また、判断にこまるような申請内容に関しては、JPNIC IP-AS 作業部会
(staff@ip.nic.ad.jp)にメールでご相談下さい。

4. 割当方法(DBへの登録)

4.1 クラスC全体の登録

  JPNIC側では、サブアロケーションをされるクラスC全体(/24)のネットワー
クに対するネームサーバの登録のみを行ないます。

  新たにサブアロケーションを開始する場合は、まずそのクラスC(/24)のネッ
トワークに関するネームサーバを立ち上げ、ネットワーク情報の登録を行なっ
て下さい。この際、その会員ネットワーク自身に対して割り当てられたネット
ワークと区別するために、ネットワーク省略名を以下のようにします。

  b. [ネットワーク省略名]   SUBA-NNN-MMM

  ここで、NNNはプロジェクト参加会員のJPNIC会員番号、MMMは、その会員内部
で定めた任意の3桁の文字列とします。

  このようにして登録したクラスCのアドレスの中から、3に述べた目安に従い、
プロジェクト参加会員が適切と判断した個数のアドレスを申請者に対して割り
当ててください。

4.2 サブアロケーションされたネットワーク情報の登録

  サブアロケーションを行なった場合には、その部分の情報のDBへの登録も行
なう必要があります。登録には、通常のネットワーク情報の登録フォームの、
IPネットワークアドレスの項を、

  a. [IPネットワークアドレス] 202.1.2.64/26

のようにアドレスプレフィックス形式で登録して下さい。JPNICではサブアロ
ケーションされたアドレスに対してDNSの逆引きサーバの登録は行ないません。
したがって、このサブアロケーションされた部分のネットワーク情報では、ネー
ムサーバに関する情報は登録できません。

  サブアロケーションされた部分のネームサーバに関しては、基本的にプロジェ
クト参加会員側に一任されるものとします。割当を行なった会員が責任を持っ
てこれを準備して下さい。ただし、このサーバの運用を会員自身が行なわなけ
ればならないということではありません。

また、

  m. [運用責任者]

の項では、アドレスの申請者を運用責任者とみなしますので、その方の情報を
個人情報として別途登録し、ここには、そのJPNICハンドルを記入して下さい。
個人に対する割当てを行った場合はその方が運用責任者となります。

  h. [郵便番号]
  i. [住所]
  j. [Address]

に関しては、運用責任者のものと同じものをご記入下さい。

  n. [技術連絡担当者]

ここにはこのプロジェクトに参加しているプロバイダ側の担当者の情報を書く
ことができます。その場合には、かならずプロバイダに相談の上、必ず
プロバイダから本来の技術連絡担当者に連絡のつく体制をとって下さい。

4.3 別名について

  個人に対して割当を行なった場合には、地域型ドメインが個人に割り当てら
れた場合に準じて、

  f. [組織名]

に別名(ペンネーム、屋号、商号など)を一つ書くことができます。また、その
別名を

  g. [Organization]

の項にも、英語表記で記入してください。

5. ネームサーバの設定方法の例

  ここでは、プロジェクト参加会員側での、サブアロケーションされたネット
ワークに関するネームサーバの設定方法の一つの例を、[参考文献1]に述べら
れている方式をもとに解説します。

  まず、202.1.2.0というクラスCのネットワークをサブアロケーションする場
合、JPNIC側では、2.1.202.in-addr.arpaゾーンに対するNSレコードと、会員
ネットワーク側の持つ、このゾーンのプライマリ/セカンダリサーバに対するA
レコードを登録します。これを行なうために、4で述べたネットワーク情報の
JPNICへの登録が必要になります。

  会員ネットワーク側で、202.1.2.0/26を組織Aに、202.1.2.64/27を組織Bに、
202.1.2.96/27を組織Cに割り当てたものとします。またこれらを、JPNICのネッ
トワーク情報には、以下のように登録されているとします。

  a. [IPネットワークアドレス] 202.1.2.0/26
  b. [ネットワーク省略名]   FOONET

  a. [IPネットワークアドレス] 202.1.2.64/27
  b. [ネットワーク省略名]   BARNET

  a. [IPネットワークアドレス] 202.1.2.96/27
  b. [ネットワーク省略名]   KEHEHE-NET

  この時、会員ネットワーク側では、2.1.202.in-addr.arpaゾーンのdbファイ
ルを以下のように設定します。

  $ORIGIN 2.1.202.in-addr.arpa.
  @ IN  SOA provider1-ns.provider1.ad.jp. hostmaster.provider1.ad.jp. ( ..... )
  ;
  ; For Organization A
  ;
  00A IN  NS  ns.A.co.jp.
  1 IN  CNAME 1.00A.2.1.202.in-addr.arpa.
  2 IN  CNAME 2.00A.2.1.202.in-addr.arpa.
  . . . .
  . . . .
  63  IN  CNAME 63.00A.2.1.202.in-addr.arpa.
  ;
  ; For Organization B
  ;
  00B IN  NS  ns.B.co.jp.
  65  IN  CNAME 65.00B.2.1.202.in-addr.arpa.
  66  IN  CNAME 66.00B.2.1.202.in-addr.arpa.
  . . . .
  . . . .
  95  IN  CNAME 95.00B.2.1.202.in-addr.arpa.
  ;
  ; For Organization C
  ;
  00C IN  NS  ns.C.co.jp.
  97  IN  CNAME 97.00C.2.1.202.in-addr.arpa.
  98  IN  CNAME 98.00C.2.1.202.in-addr.arpa.
  . . . .
  . . . .
  127 IN  CNAME 127.00C.2.1.202.in-addr.arpa.

  また、組織A、組織B、組織C側では以下のようにゾーンの設定をします。

  $ORIGIN 00A.2.1.202.in-addr.arpa.
  @ IN  SOA ns.A.co.jp. hostmaster.ns.A.co.jp. (...)
    IN  NS  ns.A.co.jp.
    IN  PTR networkname.A.co.jp.
    IN  A 255.255.255.192
  ;
  1 IN  PTR host1.A.co.jp.
  2 IN  PTR host2.A.co.jp.
  . . . .
  . . . .
  . . . .

以下、組織B、組織Cに関しても同様とします。

ここにあげたものはあくまで例ですので、パイロットプロジェクトを行なう過
程でより良い設定の方法を提案して頂くことも推奨されます。その場合には、
IETFのCIDRDワーキンググループへの提案へと発展する可能性もあります。

6. 課金に関して

  IPアドレス割当に関する手数料について、今回のパイロットプロジェクトを
行なうために、次のような手数料無料の条件を新たに設置します。

  割り当てられたアドレス空間の総量が/27を越えないような申請に関し
  ては、手数料は無料とする。

  ただしこの無料の範囲は、7に述べる見直しの際に、変更されることがあり
ますのでご注意下さい。

7. パイロットプロジェクトに関する注意

  当パイロットプロジェクトは1995年9月1日から一年間とします。プロジェク
ト開始後3ヶ月ごとにプロジェクトの運営方法の見直しを行ないますが、細か
い点に関しては、随時見直しを行なうものとします。

  また、プロバイダとの接続を解消した場合には、そのプロバイダから割当を
受けていた全てのアドレスを返却しなければなりません。

8. 参考文献

[1] "Classless in-addr.arpa delegation" インターネットドラフト
  (draft-degroot-classless-inaddr-00.txt)


添付1.
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    サブアロケーションパイロットプロジェクト参加申請書

[申請年月日]

[会員名]
            

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