JPNICの理念
2022年4月1日
JPNICは、豊かで安定したインターネット社会の実現をめざし、 公正・公平・中立、責任と信頼、連携と協力、 チャレンジ精神の考え方に基づき、 インターネット基盤の健全な運用を支えるとともに社会的な諸課題の克服に貢献する活動を行います。
JPNICの理念概念図
インターネットとは
インターネットは、 世界中で自律的に運用されている無数のコンピュータネットワークが相互接続されて、 分散したシステムが協調して全体が機能するネットワークです。 インターネットには国境の観念がなく、グローバルに、オープンに運営されています。 インターネットは自律・分散・協調の考え方に基づいて運用されているため、 インターネット内のどこかで障害が発生しても影響が局所的にとどまるように、 フレキシブルで強靭なネットワークを実現しています。
インターネットは、研究ネットワークであった黎明期から拡大、発展を遂げ、 Universality、Interoperability、 Accessibility※1を重要な価値に持つ社会基盤となり、 今日では世界中の経済活動や市民生活を支えています。 このため、インターネットが社会に与える影響も、 社会がインターネットに与える影響も年々大きくなっており、 今後ますます重要な社会的課題が生じることが想定されます。
Universality | 世界のどこでもつながること、使えること、関われること |
Interoperability | さまざまな機器が情報を相互にやりとりできること |
Accessibility | 誰にでも利用しやすく、情報を発信したり受信したりできること |
インターネットの本質的要素とは
設計思想、重要な価値、 そしてそれらとともにインターネットの構成要素が協調的に運用されて、 その全体がインターネットとして機能するために本質的に必要な仕組みが、 JPNICが考えるインターネットの本質的要素です。
具体的には、相互の通信を可能にするプロトコルを共有して、 ネットワーク上で通信相手を特定するための識別子、 その識別子を用いて通信を制御する機構、 これらの方針検討や管理のための体制や仕組みが含まれます。
インターネットには無数のネットワークが接続されており、 それぞれに特徴を持ち、細部が異なることが許容されています。 ただしインターネットが全体として機能するためには、 本質的要素が維持されて発展することが何よりも重要です。
これをJPNICの中心課題に据えて、インターネットの健全な運用を支え続けます。
JPNICの行動指針
JPNICは、公正・公平・中立※2の考え方に基づいて活動します。
会員および番号資源ホルダーへの価値提供に責任を持つことで信頼を積み重ね、 国内外の関係者との連携と協力の下に活動能力を向上して、 従来の内容や方法に囚われないチャレンジ精神をもって活動を推進していきます。
このような活動に取り組むことにより、 インターネットを取り巻く環境変化にも対応しながら、 インターネット基盤の健全な運用を支えるとともに社会的な諸課題の克服に貢献して、 豊かで安定したインターネット社会の実現をめざします。
理念の実現に向けて
JPNICは再設定した理念の実現に向けて、検討を続けます。
JPNICの名前は、日本のネットワーク情報センターという意味です。 これはもともと識別子データベースを維持する機能を指す言葉でしたが、 JPNICの活動はさまざまな意味で情報を取り扱い、 それがJPNICの特徴と言えます。
国別インターネットレジストリとして識別子の情報を的確に管理・活用し、 インターネット基盤運営に関する情報を収集して重要情報を見極め、 良質で有益な情報を発信し、情報を共有し、分担・協調する場を提供する、 といった情報を強みとした活動を展開します。
これらの活動の在り方を実現するための戦略として、会員の皆さまとの取り組み、 レジストリ業務の取り組み、広報・普及啓発の取り組み、 社会的課題等への取り組みを強化するとともに、 すべての取り組みの基盤となる経営体制と財務体質の強化を進めることとし、 グローバルな視点と責任を踏まえてインターネットの運営を支える活動を行ってまいります。