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JPNICはインターネットの円滑な運営を支えるための組織です

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○このドキュメントは有効期限を過ぎており無効です
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|  JPNIC公開文書著作権表示 (Copyright notice of JPNIC open documents)   |
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|  この文書はJPNIC公開文書であり、著作権は日本ネットワークインフォ      |
|  メーションセンター(JPNIC)が保持しています。JPNIC公開文書は誰でも     |
|  送付手数料のみの負担でJPNICから入手できます。また、この著作権        |
|  表示を入れるかぎり、誰でも自由に転載・複製・再配布を行なって構       |
|  いません。                                                           |
|  〒101 東京都千代田区神田駿河台 2-9-18 萬水ビル 3F                    |
|        日本ネットワークインフォメーションセンター                     |
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                        IPアドレスの割当に関するガイド
             (ftp://ftp.nic.ad.jp/jpnic/ipaddress/ip-addr-guide.txt)

                日本ネットワークインフォメーションセンター
                        IPアドレス割当グループ
                        最終更新 1996年  1月  8日
                        有効期限 1996年 11月 30日


0. この文書の位置付け

この文書は、日本国内で運営されるネットワークで利用するIPアドレスの割当
の方式について解説を行なうものである。実際にIPアドレスの割り当てを受け
る際には、申請先の組織で別途定めている方法にしたがった申請を行なって欲
しい。また、本文書に記述された内容に関する妥当性は、上記の有効期限内に
おいてのみ保証されるものである。

1. インターネットレジストリ

インターネット上で何らかのサービスを提供したり、またインターネットに接
続してそれらのサービスを利用したりするためには、ドメイン名、IPアドレス、
AS番号などに代表される「名前」や「番号」を、他の組織との重複の無いよう
に用いる必要がある。これらの「名前」や「番号」は、現在利用されているプ
ロトコル上の制約などにより、無数に存在し得るものではない。この意味で、
これらの「名前」や「番号」は、インターネットの利用者間で広く共有される
「資源」とみなすことができる。

インターネットレジストリ(IR: Internet Registry)とは、この有限な「資源」
を有効に活用し、インターネット全体を円滑に運営していくために、これらの
「資源」の管理や、インターネット接続組織に対する割当を行なうための機構
であり、また、その果たす機能のことを「レジストリサービス」と言う。日本
ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)は、日本国内でインターネッ
トサービスを運営する組織や、それらのサービスを利用する組織に対して、こ
のインターネットレジストリサービスを提供している。

インターネットレジストリの構成や実際の「資源」の割当方式は、取り扱う
「資源」によって異なる。これはそれぞれの「資源」の持つ特質によるもので
ある。また同じ「資源」であっても、時代の要請に応じてその管理や割当の方
式は変化する。この文書で解説するのは、1995年12月の時点でのIPアドレスの
管理と割当に関するものであり、文書中で「現在」とあるのは、1995年12月の
時点を指すものとする。

1.1 IPアドレスの管理と割当

現在用いられているバージョン4のIPプロトコルでは、IPアドレスは32ビット
の数値である。従って、32ビットで表現可能な2の32乗通りの数値を世界規模
のインターネット全体でうまく共有し利用していかなければならない。また、
IPアドレスの割当は、インターネット上でのルーティングサービスと深い関わ
りを持つ。これらの状況を反映して、階層的なIPアドレスのレジストリサービ
スが現在行なわれている。

このインターネットレジストリの階層は、上位層から順に、IANA、地域IR、ロー
カルIRにより構成されている。

        - IANA (Internet Assigned Number Authority)は、IPアドレスを含
          むインターネット上で用いられるすべての番号に関して権威を持つ
          組織である。IANAはIPアドレス空間の一部を必要に応じて地域IRに
          対して割り当てる。

        - 地域IR (Regional IR)は、大陸などの比較的大きな地域でのレジス
          トリサービスを行なう。現在は、InterNIC、RIPE NCC、APNICの3つ
          の地域IRがある。InterNICは北米地域を、RIPE NCCはヨーロッパを、
          APNICは、アジア・環太平洋地域をそれぞれ管轄している。これら
          のいずれにも属さない地域に関しては最寄りの地域IRの管轄となる。

          地域IRは、IANAより割当を受けたIPアドレスを、その地域のローカ
          ルIRやインターネットサービスプロバイダ(ISP)、および、インター
          ネット接続組織に対して割り当てる。

        - ローカルIR(Local IR)は、通常は国単位で作られるレジストリであ
          り、いずれかの地域IRの管理下におかれる。ローカルIRは管轄の地
          域IRからIPアドレスの割当を受け、それぞれの管轄する国の中での
          IPアドレスの管理と割当を担当する。

1.2 JPNICの位置付けと果たす機能

JPNICは、アジア・環太平洋地域の地域IRであるAPNICの管理下で、日本国内で
のIPアドレスのレジストリサービスを行なうローカルIRの機能を受け持ってい
る。

JPNICによるIPアドレスのレジストリの機能の一部は、さらに日本でインター
ネットサービスを行なうISPに対して委任されている。従って、それらのISPに
接続を持つ組織に対するIPアドレスの割当は、そのISPから行なわれることに
なる。

また、インターネットに接続を持とうとする組織のネットワークが特殊な条件
を満たす場合には、JPNICが直接IPアドレスの割り当てを行なうこともある。

2. IPアドレスの割当について

2-1. 割当基準

近年インターネットは急速に発展しており、接続ネットワーク数の急増による
経路制御上の諸問題および利用可能なIPアドレスの枯渇の問題が緊迫化してい
る。これらの究極的な解決は IP version 6 によって行なわれることが期待さ
れているが、それまでは現バージョンのIPアドレスを大切に使用していく必要
がある。このために、各インターネット接続組織に対してどのくらいの大きさ
のIPアドレス空間が割り当てられるべきかを判断するための基準が、RFC1466
により規定されている。

つまり、IPアドレスの割当は、ISPが接続組織に対して割当を行なう場合も、
JPNICが直接割当を行なう場合も、全てRFC1466に示される基準に基づいて行わ
れなければならない。したがって、原則として 2年後のホスト数予測値を 256
で除して端数を切り上げた個数のクラス Cの割当が行われる。

JPNICやISPでは、割当基準を越える割当申請に対しては、申請の内容に関して
審議を行い、基準を越える部分についての割当を行うかどうかを決定する。審
議においては、申請者に具体的なネットワーク構築計画を説明する文書の提出
を求めることがある。審議によって、割当が認められた場合は、IPアドレスの
割当てを行い、申請者に通知する。審議によって、割当てが認められなかった
場合は、JPNIC の定める基準までの割当を行い、申請者に通知する。

なお、RFC1466が改訂された場合には、日本国内でのIPアドレスの割当基準も
ただちにその改訂に従うものとする。

2-2. 割当を受ける必要の無い場合

インターネットに接続を持たないネットワークでは、一般的にIPアドレスの割
当を受ける必要はない。特にこのような場合にアドレスの割当を受けることな
しに使用することができるように、アドレスが RFC1597 によって予約されて
いる。

RFC1597 によって、自由に利用することができるアドレスは以下の通りである:

        10.0.0.0    -- 10.255.255.255
        172.16.0.0  -- 172.31.255.255
        192.168.0.0 -- 192.168.255.255

ただしこれらのアドレスはインターネット上の経路制御の対象にはならない点
に注意してほしい。つまり、これらのアドレスを持つホストは、インターネッ
トには直接接続できなくなる。

以上の様な状況、およびインターネットに対するセキュリティ問題を回避する
ための典型的な方法として、組織内部のインターネットから直接接続されない
部分には RFC1597 に示されているアドレスを用い、インターネットから直接
接続可能な、いわゆる防火壁(firewall)の部分にはISPから割り当てら
れたアドレスを用いるという方法もある。詳しい方法については、接続予定の
ISPに相談されることをお勧めする。

3. IPアドレスの割当申請

JPNIC は、InterNIC/APNIC と協調して、Class C のアドレスを管理し、ネット
ワーク部の割当てを行う。割当てられた IP アドレスのホスト部は、申請者が
管理する。

3-1 ISPによる IP アドレスの割当

JPNIC は、いくつかのISPに IP アドレスの割当を委任している。これらのISP
に接続する組織は、特別な理由が無いかぎりISPから IP アドレスの割当を受
ける。さらに、別のいくつかのISPに対しては、そのISPに接続される組織に割
り当てるためのアドレス空間が予約されており、JPNIC はISPからの要請に基
づき、接続される組織に対するアドレス割当を行なっている。

いずれの場合もIPアドレスの申請は接続予定のISPに対して直接行うべきもの
であり、JPNICではそのような申請のISPへの仲介は一切行わない。

現在、委任を受けているISPおよび予約されたアドレス空間を持っているISPと
そのアドレス申請窓口の一覧を「IPアドレス割当業務委任会員リスト」に示す。
(cidr-block-list.txt)

これらのISPに接続を予定している場合は、接続時にそのISPに委任もしくは予
約されたアドレスブロックからの割当を受けるものとし、JPNIC から直接割当
を受けることはできない。したがって、アドレス割当の申請はISPに対して行
なう必要がある。アドレスの申請用紙等は、ISPによって異なるので、申請を
行う際は当該ISPに問い合わせ、申請用紙を入手して欲しい。

すでに JPNIC などからアドレスの割当を受けている場合でも、割当済みのア
ドレスに対する経路情報を外部にアナウンスしない場合には、ISPから
別に Class C のアドレスの割当を受けることができる。また、現在割当を受
けているアドレスを返却することを前提に、ISPから新たなアドレスの
割当を受けることもできる。

このようなISPから割り当てられたアドレスは、当該ISPとの接続を失った場合
はISPに返却する必要がある。この場合接続を失った日から、原則として3ヶ月
以内にそのアドレスを返却しなければならない。したがって、別なISPとの接
続を行った場合には、新しいISPからアドレスの割当を受ける必要がある。

3-2 JPNIC による割当

以下のいずれかの場合には、JPNICが直接IPアドレスの割り当てを行う。

        1. RFC1466で判断した結果割当を受けるアドレスの個数がClass C
           16個以上となる場合
        2. 複数のISPに接続を持つことが確定している場合
        3. 接続予定のISPが、JPNICからのアドレス割当の委任や、アドレス
           空間の予約を受けていない場合

これらに該当する場合には、「IPアドレス割当申請について」を参照のうえ
JPNICに申請を行って欲しい。申請を行ううえでの質問等がある場合は、

        query@ip.nic.ad.jp

までメールで問い合わせを行って欲しい。

なお、Class B アドレスが必要な場合には、上記1に相当するので、申請は
JPNICで受け付ける。JPNIC では審査の上、必要と認められた場合には APNIC
を経由して InterNIC に申請を仲介する。Class B アドレスの割り当ては、最
終的には IANA --- Internet Assigned Numbers Authority --- によって判断
される。

4. IP アドレス割当に関する情報の公開

JPNIC 及び InterNIC/APNIC は、アドレスの割当が行われた場合には、申請書
に記入された事項のうち、ホスト数、サブネット数、インターネット接続予定、
アドレス割当詳細情報、備考欄以外の全ての情報を公開できるものとする。な
お、その他の申請者とのやりとりは、申請者の許可なく公開しない。また、ホ
スト数やサブネット数の現在値、予測値は誠実に記入するものとし、虚偽の申
請に関しては割当を取り消すことがある。これらは、JPNICが直接行った割当
のみではなく、ISPが行った割当に関しても同様である。

5. IP アドレス割当て後の作業

ISPやJPNICから割当を受けたアドレスは、その組織に対して譲渡されたもので
はなく、インターネットに接続を持つために、接続する期間中貸与されたもの
であるという認識が広まってきている。すなわち、IPアドレスはインターネッ
トとの接続を失った場合には返却を行なわなければならない。また、接続する
ISPを変更した場合にも、接続が切れるISPから割当を受けたIPアドレスはその
ISPに対して返却をし、新たに接続を行うISPから改めて割当を受ける必要があ
る。IPアドレスの返却については、新たに接続を行うISPで処理代行を行って
いる場合もある。

割当を受けた IP アドレス(ネットワークアドレス部)のホストアドレス部は、
運用責任者の責任において管理する。

IPアドレス割当後、組織名、住所、運用責任者を変更する場合は、IPアドレス
に関する変更申請が必要となる。「IPアドレスに関する変更申請について」を
参照のこと。その他の情報の変更(技術連絡担当者の変更や運用責任者の所属/
電話番号/メールアドレス等の変更)は、「JPNIC登録フォームの記入方法」
を参照のこと。なおこれらの変更申請に関してはISP側で申請代行を行ってい
る場合もある。

JPNIC は、割当済み IPアドレスの技術連絡担当者に対して、情報の確認を行うこ
とがある。技術連絡担当者に対する連絡が、連続して 2回以上取れなくなった場合、
JPNIC は、IPアドレスの割当を解除することがあるので注意されたい。

5. 質問、問合わせ

IPアドレスの割当て、管理に関する質問・問合わせは、

        電子メイル      query@ip.nic.ad.jp
        郵送            申請書送付先と同じ

のほか、

        FAX             03-5684-7256

により行うことができる。

JPNICに直接行った申請に関する質問、問合わせの際には、申請の受付番号を
記入すること(電子メイルによる場合は、Subject: 欄に受付番号を記入するこ
と)。また、FAX の場合は、1 ページ目に、JPNIC の IP アドレス割当グルー
プあてであることを明記すること。


参考文献

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