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社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
JPNICにおけるIPv6 Sub-TLA(Top Level Aggregator) 割り振り申請について 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター 最終更新 2000年 1月 6日 有効期限 2000年 3月 31日 *本文書について* この文書は、 2000年 1月 20日より有効となります。 本文書では、IPv6 の Sub-TLA の申請について説明します。 *目次* 1. IPv6 の Sub-TLA とは 2. sTLA 割り振り基準 3. 申し込み手続きについて 4. 手数料および諸費用 5. 申請書記入要領 6. 運用に関して ■ 1. IPv6 の Sub-TLA とは IPv6 は 6bone と呼ばれる実験ネットワークでの運用実験を通じて、その実 用性が検証されてきました。6bone では Pseudo-TLA (以下pTLA) と呼ばれる 実験目的のアドレスが、6bone 運営責任者から割り振られ用いられてきました。 それに対し Sub-TLA (以下sTLA) は、RIR[*1] から割り振られる正式なサー ビス用のアドレスです。 sTLA は pTLA と異なり、その割り振りについて厳密な基準が適用され、割 り振りの可否は各 RIR が審査します。また、pTLA は無料でしたが、sTLA の 申請・割り振りには手数料など諸費用が徴収されますので、ご注意下さい。 -------- [*1] RIR: Regional Internet Registry。地域レジストリと訳される。 1999年現在 APNIC, RIPE-NCC, ARIN の3組織が地域レジストリとし て承認されている。 ■ 2. sTLA の割り振り条件 2.1 割り振り基準 経路集約型アドレスの第1の目標である外部経路の集約を達成するために、 RIR は IPv6 の割り振りに関するポリシードキュメント[*2]の中で、以下の2 つの基準を提示しています。 - 「初期 sTLA 割り振りに関する一般基準」(2.2節) - 「初期移行期間における sTLA 割り振りに関する基準」(2.3節) この中で、初期移行期間は以下のように規定されています。 a. sTLA 取得組織数が 100 に達するまで (ただし、ある RIR の管轄地域に属する sTLA 取得組織数が 60 を超えていない場合) この上限値に達した後の申請に対しては、一般的基準が適用され る。 または b. ある RIR の管轄地域に属する sTLA 取得組織数が 60 に達するま での期間。 (世界全体では割り振りを受けた組織数が 100 に達していない場合) その地域からの新たな申請に対しては、一般的基準が適用される。 他の地域からの申請は、a. の期間までは初期移行期間基準が適用 される。 -------- [*2] 「PROVISIONAL IPv6 ASSIGNMENT AND ALLOCATION POLICY DOCUMENT」 http://www.apnic.net/drafts/ipv6/ipv6-policy-280599.html JPNIC による翻訳文も公開しています。 「IPv6 の割り振りと割り当てに関するポリシードキュメント(暫定)」 http://www.nic.ad.jp/jp/internet/doc-j/ipv6/v6-rir-policy.html ftp://ftp.nic.ad.jp/jpnic/translation/v6-rir-policy.txt 2.2 初期 sTLA 割り振りに関する一般基準 一般基準では、下記の基準 (a) を満たし、かつ少なくとも基準 (b) のいず れか一方を満たしている必要があります。 a. sTLA を持つ 3つ以上の他組織の IPv6 ネットワークと外部経路制 御プロトコルによるピアリング関係を持つこと。 かつ、下記のいずれか一方 b(i). SLA 割り当て基準を満たしている顧客サイトが 申請時点で 40 以上存在すること。 または b(ii). sTLA を取得して 12ヶ月以内に IPv6 サービスを提供するこ とをエンジニアリング計画や運用計画などにより実証すること。 2.3 初期移行期間における sTLA 割り振りに関する基準 初期移行期間では、基準 (c) と (d) の両方、かつ、少なくとも (e) と (f) のいずれか一方を満たすことが必要です。 c. 他の 3つのパブリック AS との間に、外部経路制御プロトコルに よるピアリング関係を、デフォルトフリーで持っていること。 および d. sTLA を取得して 12ヶ月以内に IPv6 サービスを提供することを エンジニアリング計画や運用計画などにより実証すること。 および、下記のいずれか一方 e. IPv4 のトランジット・プロバイダであって、SLA 割り当て基準を 満たしている 40 以上の顧客サイトに IPv4 アドレスを割り当て 済であること。また、自組織の最新の経路制御ポリシーに関する 情報をインターネット経路制御レジストリのデータベースの 1つ に登録していること。 または、 f. 少なくとも 6ヶ月間 6bone プロジェクトに参加しており、かつそ の間少なくとも 3ヶ月間は pTLA を運用した経験があること。 なお、sTLA 割り振り基準に合致しない場合でも、sTLA 保有組織より IPv6 アドレスの割り当てを受けることが可能です。 ■ 3. 申し込み手続きについて 3.1. 注意 この節では、JPNIC 会員向けの JPNIC 申請代行サービスにより、APNIC に IPv6 sTLA アドレスの割り振りを申請する場合の手続きについて説明します。 sTLA は直接 APNIC に申請することも可能です。APNIC に sTLA を直接申請す る場合は下記を参照して下さい。 http://www.apnic.net/apnic-bin/ipv6-subtla-request.pl なお、sTLA ではなく、単に IPv6 アドレスを必要する場合は、sTLA 取得組織 に対しアドレス割り当てを申請して下さい。 3.2. 対象 この sTLA 割り振り申請の代行サービスは、sTLA を必要とする JPNIC 会員 を対象とします。JPNIC 会員となるための手続きは下記を参照して下さい。 http://www.nic.ad.jp/jp/member/join.html 3.3. 手続きの流れ sTLA アドレス割り振り申請に際して、次のような手続きを行うことになり ます。 1. APNIC ハンドルの取得および、メンテナオブジェクトの登録 2. sTLA 割り振り申請書の作製・提出 3. 手数料・諸費用の支払 3.4. APNIC ハンドルの取得および、メンテナオブジェクトの登録 sTLA を申請する際に、APNIC ハンドルを取得し、メンテナオブジェクトを 登録する必要があります。 APNIC ハンドル取得および、メンテナオブジェクト登録については以下の文書 を参照して下さい。 「APNIC Maintainer Object Request Form 翻訳文」 (ftp://ftp.nic.ad.jp/jpnic/translation/apnic-069-j.txt) 3.5. sTLA 割り振り報告申請書の作製・提出 以下の URL から IPv6 申請フォームにアクセスし、必要事項を記入後に提 出(submit)することにより必要事項記入済みの申請書が電子メールで返送され ます。内容確認後、その申請書を以下の電子メールアドレス宛に送って下さい。 申請フォーム http://www.nic.ad.jp/jp/regist/ipv6/index.html 提出アドレス request@ipv6.nic.ad.jp なお、APNIC からの審議結果については、概ね一週間程度で JPNIC を経由し て通知されます。 3.6. 手数料・諸費用の支払 手数料および諸費用についての請求書は、2ヶ月に一度会員情報に登録され た経理担当者宛に JPNIC から送られます。なお、手数料および諸費用の詳細 は第 4 節を参照して下さい。 3.7. 問い合わせ 手続きを進める上でご不明な点等がございましたら、以下の宛先までメール をお送り下さい。 ipv6-support@nic.ad.jp 3.8. APNICとのやりとり APNIC に申請書が転送された後、APNIC から問合せがある場合があります。 このやりとりは全て JPNIC を経由します。なお、サービス開始当初において は、申請内容の翻訳等の付加サービスは提供できませんので、あらかじめご承 知おき下さい。 ■ 4. 手数料および諸費用 4.1. 課金内容 sTLA の割り振り申請に対する課金には以下のものが含まれます。 - sTLA 割り振り申請代行料 - APNIC に対する sTLA 割り振り手数料 4.2. 金額 sTLA の割り振り申請に対する課金として以下の金額を徴収します。 割り振り認可時: 50,000 円 この金額は /35 の割り振りに対しての暫定的なものです。APNIC 手数料や サービス範囲の変更などにより今後改訂される可能性もありますので、あらか じめその旨ご了承ください。 4.3. 請求書の発行 JPNIC は 2ヵ月に 1 度、会員情報に登録された経理担当者宛に請求書を発 行します。 4.4. 支払方法 請求書に記載された条件で銀行に料金を振り込んで下さい。 4.5. JPNIC指定口座 東京三菱銀行 神田橋支店 ( 店番号 012 ) 普通預金 0902749 口座名義 (社)日本ネットワークインフォメーションセンター 4.6. 手数料関係窓口 電子メール: fee@nic.ad.jp FAX : 03-5297-2312 郵送 : 〒101-0052 東京都千代田区神田小川町1-2 風雲堂ビル3F 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター IPv6 sTLA アドレス申請手数料担当宛 ■ 5. 申請書記入要領 申請は http://www.nic.ad.jp/jp/regist/ipv6/index.html からリンクされている申請フォームに記入して下さい。記入された申請書は APNIC に転送しますので、すべて英語にてご記入下さい。 5.1 各項目の記入要領 記入要領の詳細は Web ページの説明を参照して下さい。 1. Administrative details a. Membership status 1-a-1 JPNIC Member Name *必須* 会員情報の会員略称と同じ文字列を記入して下さい。 1-a-2 Member's Web Page (お持ちの場合)申請組織のホームページの URL を入力します (APNIC、JPNIC が利用致します)。 b. Requestor details 1-b-1 APNIC NIC handle *必須* 申請には、APNIC NIC ハンドルが必要です。APNIC のホームページ (http://www.apnic.net/apnic-bin/person.pl)にて取得して下さい。 1-b-2 E-mail address *必須* 申込者の電子メールアドレスを記入します。申し込みの確認などに 使用します。 1-b-3 Requestor Type *必須* Employee/officer または Consultant のどちらかを選択します。 c. Policy agreement sTLA 取得条件の充足を確認致します。条件の詳細については、 http://www.apnic.net/drafts/ipv6/ipv6-policy-280599.html または http://www.nic.ad.jp/jp/internet/doc-j/ipv6/v6-rir-policy.html を参照して下さい。 1-c-1 Agreement *必須* 条件を充足できる場合、YES を選択して下さい。 2. Technical details a. Structure of organization 2-a-1 Structure of organization *必須* 取得した sTLA アドレスを利用する観点から、申請組織の構成に ついての概略を記入します(申請ページの記入例を参照して下さい)。 b.Peering relationships 2-b-1 Number of Peering Relationships *必須* 条件を充足できる場合、YES を選択して下さい。 2-b-2 AS Number *必須* peering に利用している AS 番号を記入します。 2-b-3 Looking glass servers *必須* 上記条件を確認できるサーバの名前を記入します。 2-b-4 Peering Information *必須* peering の具体的な情報について記入します。 2-b-4-1 ASN peer 相手の AS 番号 2-b-4-2 Registry database 情報を登録しているデータベース 2-b-4-3 Type of peer peer の種類。IX/ISP/その他 2-b-4-4 If other, .. その他の場合、相手の情報 c. Plan to provide IPv6 service: service description 2-c-1 IPv6 Service Type *必須* 提供予定の IPv6 サービスについて選択します(複数選択可)。 2-c-2 Customer Type *必須* サービスを提供する顧客の種類を選択します(複数選択可)。 2-c-3 Service Start Date *必須* サービスを開始する日付を(西暦/月/日)で入力します。 2-c-4 Service Plan URL サービス計画に関する情報の URL を入力します。 2-c-5 IPv6 Connection Plan *必須* 他の IPv6 ネットワークへの接続予定を略記します。 d. Overview: planned IPv6 addressing structure 2-d-1 Addressing structure by text *必須* sTLA 以下のアドレス空間をどのように利用するかという説明を 記入します(申請ページの記入例を参照して下さい)。 Supplementary information sTLA の利用法についての補足情報を記入します。 2-d-2 Addressing structure by ASCII diagram addressing structure について、ASCII diagram を記入します (申請ページの記入例を参照して下さい)。 2-d-3 Addressing structure web page URL addressing structure について記載している Web ページがあれば、 その URL を記入します。 e. Addressing plan: ISP Internal Infrastructure 2-e-1 Internal Infrastructure address usage *必須* ISP の内部 Infrastructure に利用するアドレスについて記入し ます。prefix 長と、そのネットワークの説明を記入し、add ボ タンを押します。 必要ネットワーク数分、繰り返します。 2-e-2 Internal Infrastructure Topology *必須* トポロジマップを APNIC に提供する手法について URL もしくは別 送より選択します。 2-e-3 IPv6 customers すでに顧客がいる場合に、その情報を入力します(6bone project における顧客は含みません)。顧客名とアドレス prefix 長を入 力し、add ボタンを押します。顧客数だけ繰り返して下さい。 アドレス申請のために、項目 f と g はすくなくともどちらか片方の入力が 必要です。 f. IPv4 Transit provider details 2-f-1 Transit provider or not IPv4 の transit provider かどうかをチェックします。 2-f-2 Network assignments to customers transit している顧客情報を入力します。顧客のネットワーク名 と IP アドレスを入力し、add ボタンを押します。顧客の数だけ 繰り返します。 g. 6bone Experience 2-g-1 6bone experience 6bone project での 6ヶ月の運用経験かつ pTLA としての 3ヶ月 の運用経験があるかどうかをチェックします。 2-g-2 6bone address range 6bone プロジェクトで割り当てられているアドレス空間を記入し ます。 2-g-3 Assigned 6bone address 6bone プロジェクトに参加中に他組織に割り当てた NLA、SLA ア ドレスについて記入します。Type (NLA または SLA)、組織名、 割り当てたアドレスを入力し、add ボタンを押します。割り当て 組織数だけ繰り返します。 3. Registration details: network object 3-a-1 Network name *必須* APNIC データベースに登録するネットワークの名称を記入します。 利用できる文字は英大文字、数字、'-'で、25文字以内で記入します。 3-a-2 Network description *必須* 組織に関する情報、場所を略記します。 3-a-3 Country code *必須* Country codeを選択します(JP)。 3-a-4 Maintainer object *必須* APNIC データベースに登録済の Maintainer Object 名を記入し ます。未登録の場合には、 http://www.apnic.net/apnic-bin/maintainer.pl にて登録して下さい。 3-a-5 Administrative contacts *必須* administrative contacts person を記入します。 APNIC データベースに登録済の APNIC NIC ハンドルを記入して下 さい。未登録の場合には、 http://www.apnic.net/apnic-bin/person.pl にて登録して下さい。 3-a-6 Technical contacts *必須* technical contacts person を記入します。 APNIC データベースに登録済の APNIC NIC ハンドルを記入して下 さい。未登録の場合には、 http://www.apnic.net/apnic-bin/person.pl にて登録して下さい。 3-a-7 Notification e-mail address *必須* 登録した Network object に変更があった場合に通知する電子メー ルアドレスを入力します。 ■ 6. 運用に関して 6.1 APNIC データベースへの登録 sTLA の割り振りを受けた組織は、APNIC データベースを最新の状態に保つ 義務を課せられています。アドレス割り当ての際に APNIC データベースにそ の割り当てに関する全ての情報を登録する必要があります。登録は /48 が最 小単位となります。また、登録情報に何らかの変更があった場合に APNIC デー タベースを更新しなければなりません。 下位組織にアドレスブロックを割り振った場合には、その下位組織のアドレ ス割り当て状況を APNIC データベースに反映する責任が発生します。 APNIC データベースはインターネット上の障害を解決するときに必要となる 情報です。また、インターネットコミュニティ全体の利益となる、情報の信頼 性と透過性の維持にも役立っています。 6.2 ip6.int 資源レコードの維持 APNIC は、sTLA を割り振った組織に対し 割り振られたアドレスに対応する ip6.int 資源レコードの管理を委譲します。sTLA の割り振りを受けた組織は、 顧客のネットワークに関する ip6.int 資源レコードを維持する責任が生じま す。 以上