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文書管理情報 | |
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文書番号 | JPNIC-01109 |
文書名 | JPNICにおけるIPアドレスポリシー策定プロセス |
発効日 | 2010/7/26 |
最終更新日 | 2010/6/24 |
有効期限 | 2013/10/27 |
この文書によって無効となった文書 | JPNIC-01090 |
この文書を無効とする文書 | JPNIC-01177 |
JPNICにおけるIPアドレスポリシー策定プロセス
社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
1. 目的
JPNICにおけるアドレス空間管理ポリシーは、JPNICをはじめとする、 日本国内で機能している全てのインターネットレジストリが実施するものとして、 アジア太平洋地域のコミュニティとも連携をとりながら、 日本国内のインターネットコミュニティのコンセンサスに沿い、 策定されるものです。
本文書は、 JPNICにおいて適用されるIPアドレスおよび AS番号の管理に関するポリシーが策定されるプロセスを定義したものです。
2. 定義
2.1. オープンポリシーフォーラム
オープンポリシーフォーラムは、 日本におけるIPアドレスおよびAS番号の管理に関するポリシーを検討し、 日本のIPアドレスコミュニティで調整し、 コンセンサスを形成するための場です。 JPNICからポリシー提案を行う場合も、 本文書に定義するプロセスを経るものとします。
オープンポリシーフォーラムは、 ポリシー策定に関する最終的な決定機関ではありません。 ポリシー策定に関する最終決定は、 オープンポリシーフォーラムのコンセンサスに基づいてJPNICによって行われます。
オープンポリシーフォーラムには特に参加資格を設けておらず、 誰でも参加することができます。 また、オープンポリシーフォーラムは、 以下に定義するオンサイトフォーラムおよびオンラインフォーラムで構成されるものとします。
2.2. オンサイトフォーラム
オンサイトフォーラムはポリシー提案が提出され、 その場でコンセンサス形成に向けた議論が行われる、 オンサイトで(会議場に参加者が集合して)行うミーティングであり、 JPNICオープンポリシーミーティングがこれにあたります。
2.3. オンラインフォーラム
オンラインフォーラムは、 IPアドレスポリシーに関する議論・情報交換・情報提供を行うとともに、 オンサイトフォーラムで得られたコンセンサスを確認を行うために、 メーリングリストで構成されるものであり、 IP-USERSメーリングリストがこれにあたります。
2.4. ポリシーワーキンググループ
オープンポリシーフォーラムで得たコンセンサスの内容の整理、 コンセンサス事項の妥当性の評価を客観的に行う機関として、 ポリシーワーキンググループ(以下、「ポリシーWG」)を設置します。 ポリシーWGはJPNIC職員以外のメンバーによって構成されるものとし、 その選任の方法については、別途定めるものとします。
2.5. ポリシー提案
本文書において対象となるポリシー提案とは、 JPNICにおいて適用されているIPアドレスおよびAS番号の管理・運用ポリシーに関し、 それを改廃、または新設する提案とします。
2.6. IPアドレス管理指定事業者との関係
IPアドレス管理指定事業者(以下、「指定事業者」)に対しては、 ポリシーの実装にあたって指定事業者連絡会においてJPNICから報告、 説明が行われます。 指定事業者連絡会は、本ポリシー策定プロセスにおいて報告、 説明の場と位置付けられ、ポリシー提案内容について調整し、 合意する場ではありません。 従い、指定事業者の方々においてポリシーの実装検討にコメントがある場合は、 オープンポリシーフォーラム上で行っていただかなくてはなりません。
3. 関係機関の役割
3.1. JPNICの役割
JPNICは、日本においてIPアドレス・AS番号の割り振り、割り当て、 管理を行う団体であり、それに際し、実行可能なポリシーを作成し、 施行するとともに、そのポリシーに関して責任を負います。
JPNICはオープンポリシーフォーラムにおいて、以下の役割を担います。 IPアドレスコミュニティの一員としての、ポリシー提案の実施。 IPアドレスコミュニティのコンセンサスを得たポリシーに関し、 そのポリシーを実際に施行するかについての最終検討、最終決定。
3.2. ポリシーWGの役割
ポリシーWGは、以下の役割を担います。
- コンセンサス内容の整理と、コンセンサス内容の妥当性の再評価。
- JPNICに対する、ポリシー提案の実装勧告。
また、特にポリシーWGのチェアは、上記に加え以下の役割を担います。
- オープンポリシーフォーラムの進行*1。
- オープンポリシーフォーラムにおける、コンセンサスの判断*1。
- オープンポリシーフォーラムを円滑に運営するために必要な事務作業を遂行する事務局の設置。
*1 「2.2. オンサイトフォーラム」における 3.および4.の役割はポリシーWGの共同チェア(Co-Chair) による代行が可能です。
オンサイトフォーラムにおけるコンセンサスの判断は、 ポリシー提案の議論進行の役割を担ったチェアまたは共同チェアが行います。
4. ポリシー策定プロセス
4.1. ポリシー提案の検討ステップ
ポリシー提案は、以下の順序に沿って議論され、採用、実装が検討されます。
4.1.1. ポリシー提案の提出
ポリシー提案は、ポリシーWGが別途指定する方法、様式、期日に従い、 ポリシーWGに対して提出されなければならないものとします。
4.1.2. APNICに対する提案の必要性の確認
ポリシーWGは、提出された提案について、 APNICに対しても提案が必要かの確認をJPNICと共同で行い、 結果を提案者に対してお知らせします。
4.1.3. ポリシー提案の公開
ポリシーWGは、提出されたポリシー提案を、 オンサイトフォーラム開催にあたり、 事前に、 Webもしくはオンラインフォーラム上、あるいはその双方で公開します。
4.1.4. ポリシー提案の議論
提案者は、 提出したポリシー提案に関する説明をオンサイトフォーラムの場で行い、 参加者の質問に対応するものとします。
4.1.5. 一次コンセンサス
オンサイトフォーラムで得られたコンセンサスを"一次コンセンサス" と言います。 オンサイトフォーラムの進行を務めたポリシー WGチェアまたは共同チェア*2がポリシー提案に対して会場の賛否両意見を元に質と量の両面から総合的に判断することとします。 その際、 この一次コンセンサスは提案がその場の総意として支持されている状態であると見なします。
*2 チェア/共同チェアが不在の場合にはポリシーWGのメンバーが代行します。
4.1.6. 最終コメント期間
1次コンセンサスを得たポリシー提案は、オンラインフォーラム上で、 最低2週間の最終コメント期間を経るものとします。 ただしオンサイトフォーラムの進行を務めたポリシーWG のチェアまたは共同チェアの裁量で、 当該期間は延長できるものとします。
4.1.7. 最終的なコンセンサスの確認
前項の最終コメント期間において、本質的な反対がなければ、 当該ポリシー提案は最終的なコンセンサスを得たものとします。 この判断は、 オンサイトフォーラムの進行を務めたポリシーWG のチェアまたは共同チェアによって行われます。
4.1.8. コンセンサス内容の確認と実装勧告
最終的なコンセンサスを得たポリシー提案については、 ポリシーWGによってその内容の妥当性の再評価が行われ、 コンセンサスの内容が整理されます。 その結果をもって、ポリシーWGはJPNICに対し、 当該ポリシー提案の実装勧告を行います。
4.1.9. JPNICによる実装検討
JPNICでは、ポリシーWGからの実装勧告を受け、実務的な面で実装が可能か、 財務上問題ないか、APNICのポリシーに反しないかなどの確認と検討を行います。
4.1.10. JPNICによる承認プロセス
実装勧告に対するJPNICによる実装可否判断は、 JPNICの理事会の審議を経て最終的に決定されます。
4.1.11. JPNICによる結果報告
JPNICによる実装検討の結果は、オープンポリシーフォーラムへ報告されます。 実装が決定したポリシー提案については、 実施日などの調整を行ったうえで施行されることになります。
4.2. ポリシー提案の棄却
提出されたポリシー提案は、以下のような場合に棄却となります。
- オンサイトフォーラムの場で、参加者のコンセンサスが得られなかった場合。
- オンサイトフォーラムでは参加者のコンセンサスを得たが、オンラインフォーラムでの最終コメント期間中、最終的なコンセンサスの確認が取れないとオンサイトフォーラムの進行を務めたポリシーWGのチェアまたは共同チェアが判断した場合。
- 最終的なコンセンサスが確認されたが、その内容が妥当でないとポリシーWGによって判断された場合。
- ポリシーWGからの実装勧告に対し、JPNICが実務的な面、財務上の問題、APNICとのポリシーとの整合性等の観点から実装することができないと判断した場合。
- ポリシー提案の実装がJPNICだけで決定できず、APNICに提案する必要があり、その提案がAPNICオープンポリシーミーティングにおいて賛同を得られなかった場合。
提出されたポリシー提案が棄却された場合、 上記(2)、(3)においてはポリシーWG、(4)、(5)においてはJPNICが、 オンサイトフォーラムまたはオンラインフォーラム、もしくはその両方で、 棄却となった理由について報告するものとします。
5. APNICとの関係
5.1. APNICでの決定事項
JPNICはIPアドレスの管理構造上、 APNICの下位組織として日本の IPアドレス管理を委任されている国別インターネットレジストリ(NIR)です。 従って、APNICで決定された事項については、 JPNICにおいてもその施行を求められますが、 内容によってはJPNICにおいて施行するかどうか、 あるいは内容を変えて施行するかどうかの判断を、 JPNICが行ってよいとされているものがあります。
- JPNICが判断を行ってよいもの
- APNICの決定事項のうち JPNICで実装の有無の判断が選択できるものについては、 IPアドレスコミュニティのコンセンサスに基づき JPNICへの実装の勧告が必要となります。 必要なコンセンサスを得る為の提案は、JPNICも含め、 IPアドレスコミュニティの誰からでも行うことが可能です。 提案以降は、 [4.1. ポリシー提案の検討ステップ]に沿ってその実装が検討されます。
- JPNICにおいて実施することが求められるもの
- JPNICがAPNICの決定事項に関し実装検討を行ったうえ、 JPNICの理事会の審議を経て実装可否を決定し、 オープンポリシーフォーラムに報告を行います。 この場合、実装がAPNICで決定しているため、 オープンポリシーフォーラムでの検討の対象とはなりません。 ただし、本件についてはAPNICでの正式決定前に、 [5.1.1./5.1.2.]に定める通り、 APNICオープンポリシーミーティング前後に、 コメントを受け付ける期間をオンラインフォーラム上で設け、 コメントをAPNICに対しフィードバックします。 また、実装に際し重大な問題がある場合には、 オープンポリシーフォーラムで意見をまとめ APNICに提案を行うことを検討します。
5.1.1. APNICオープンポリシーミーティング前の対応
APNICに対してなされたポリシー提案 (オープンポリシーフォーラムからAPNICに対してなされた提案に限りません) については、 APNICオープンポリシーミーティング開催前に、 JPNICからWebもしくはオンラインフォーラム、 あるいはその双方においてその提案の内容の紹介を行います。 あわせて、その提案に対するコメントをオンラインフォーラム上で募集します。
ただし、重要な提案とJPNICが判断した場合、 臨時にオンサイトフォーラムが開催されることがあります。
ここでは特にコンセンサスを取ることはしませんが、 JPNICは、いただいたコメントを考慮して、 当該提案に対する賛否の態度を決定します。 また、APNICオープンポリシーミーティングにおいては、 JPNICとしての当該提案に対する賛否の表明とは別に、 いただいたコメントの内容もあわせて紹介することとします。
5.1.2. APNICオープンポリシーミーティング後の対応
APNICオープンポリシーミーティングの結果については、 JPNICがオンラインフォーラムにその報告を行い、 コメントを再度募集します。 コメント期限は、APNICが定める最終コメント期限前に設定し、 いただいたコメントをAPNICに対しフィードバックします。
5.2. オープンポリシーフォーラムでコンセンサスを得た事項のAPNICへの提案
オープンポリシーフォーラムでコンセンサスを得た提案につき、 JPNICだけでは決定できない事柄に関しては、JPNIC、 もしくは提案者によってAPNICへ提案を実施します。
関連文書
- APNIC policy development process
- http://www.apnic.net/community/policy/process
- APNIC policy development
- http://www.apnic.net/community/policy
以上
JPNIC公開文書著作権表示 (Copyright notice of JPNIC open documents)
この文書はJPNIC公開文書であり、
著作権は社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)が保持しています。
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