文書管理情報 | |
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本文書番号 | JPNIC-01245 |
文書名 | JPNICにおけるAS番号割り当てに関するポリシー |
発効日 | 2019/9/2 |
最終更新日 | 2019/8/1 |
この文書によって無効となる文書 | JPNIC-01226 |
この文書を無効とする文書 | なし |
JPNICにおけるAS番号割り当てに関するポリシー
一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
本文書について
本文書は、 JPNICにおけるAS番号割り当てに関するポリシーをまとめたものです。 まず本文書をご一読のうえ、 AS番号の割り当てに関する一連の他のJPNIC文書をお読みください。
目次
- 0. 本文書について
- 1. はじめに
- 2. 本文書が対象とする範囲
- 3. AS番号空間分配の階層構造
- 4. 定義
- 5. AS番号空間管理の目標
- 6. ポリシーを取り巻く環境
- 7. AS番号割り当てのポリシー
- 8. 問い合わせ
- 関連文書
0. 本文書について
JPNICは、 日本国内に存在する自律ネットワークを運営する組織からの申請に応じて、 自律ネットワークに対してAS番号を割り当てます。 本文書は、JPNICにおけるAS番号割り当てに関するポリシーをまとめたものです。 まず本文書をご一読のうえ、 AS番号の割り当てに関する一連の他のJPNIC文書をお読みください。
本文書では、
具体的なAS番号の割り当ての申請手続きについては一切述べていません。
これについては技術文書群に詳しい解説がなされていますので、
必要に応じて参照してください。
また、AS番号の必要性に関しては、RFC1930に記述されており、
JPNICのWebページで本文書の日本語翻訳が入手可能です。
『RFC1930:
Guidelines for creation, selection, and registration of an
Autonomous System (AS) (翻訳文)』
0.1. この文書の構成
本文書の構成は以下の通りです。
- 第1節「はじめに」
- このJPNICポリシーの目的について解説。
- 第2節「本文書が対象とする範囲」
- 本文書で解説および説明する範囲に関する解説。
- 第3節「AS番号空間分配の階層構造」
- インターネットコミュニティにおけるAS番号空間分配の階層構造に関する解説。
- 第4節「定義」
- 本文書を読むにあたっての言葉の定義についての解説。
- 第5節「AS番号空間管理の目標」
- AS番号空間を管理することの目的についての解説。
- 第6節「ポリシーを取り巻く環境」
- このJPNICポリシーの策定にあたって要因となるさまざまな環境についての解説。
- 第7節「AS番号割り当てのポリシー」
- JPNICにおけるAS番号割り当てに関するポリシーに関する解説。
- 第8節「問い合わせ」
- 問い合わせ先。
1. はじめに
日本ネットワークインフォメーションセンター(以下「JPNIC」)は、 APNIC (Asia Pacific Network Information Centre) のメンバーとして日本国内で機能している、 非営利の国別インターネットレジストリです。
JPNICは、日本国内に存在する自律ネットワークを運営する組織からの申請に応じて、 自律ネットワークに対してAS番号を割り当てます。 JPNICはAS番号空間を分配し、この分配を管理するためのポリシーを立案・実施します。 APNIC等のインターネットレジストリのAS番号割り当てポリシーが将来的に変更された場合には、 本文書もそれにともなって変更される可能性があります。
2. 本文書が対象とする範囲
本文書は、 どのような状況下でASを利用すべきかを理解する必要のあるネットワーク運営組織およびサービスプロバイダを対象としています。 読者として想定されるのは、 インターネットネットワークの構成と運営に従事する人です。
また、本文書は、 JPNICがグローバルでパブリックなAS番号空間の責任ある管理を行うことを目標としたポリシーを記述しています。 特に、本文書はAS番号空間の割り当てに関する目標、仮定、 ポリシーに焦点をあてています。
3. AS番号空間分配の階層構造
AS番号は階層的構造にもとづいて分配されています。その構造は図1の通りです。
+---------+ | ICANN | +---------+ | +-----------+-----------+------------+------------+.............+ | | | | | : +--------+ +--------+ +--------+ +----------+ +----------+ +...........+ | ARIN | |RIPE NCC| | APNIC | | LACNIC | | AFRINIC | :future RIRs : +--------+ +--------+ +--------+ +----------+ +----------+ +...........+ | +-----------+--+------------+ | | | | +-------+ +------+ 国別インターネット | | JPNIC | | NIR | レジストリ | +-------+ +------+ (National Internet | | (NIR) | Registries) | | | | +------+ +-----+ | | | | | | | | | | +----+ +----+ +----+ +----+ +----+ | AS | | AS | | AS | | AS | | AS | 自律ネット +----+ +----+ +----+ +----+ +----+ ワーク 図 1
この階層構造では、 ICANN (The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers) はアジア太平洋地域への再分配用としてAPNICにAS番号空間を割り振り、 APNICはNIRの一つであるJPNICにAS番号空間を割り振ります。 そして、JPNICは日本国内の自律ネットワークにAS番号を割り当てます。
4. 定義
本文書に書かれている目標、環境、 ポリシーを理解するために特に重要な用語の定義を行います。
4.1 AS(Autonomous System)
ASとはAutonomous Systemの略で、インターネットを構成する、 一つの運用ポリシーを持ったネットワークのかたまりを示します。 各々のASはそれぞれの運用ポリシーを持っており、 BGPを使用して他のASにパケットをルーティングするものです。 日本語では自律システムとも言われます。 あるASは、 他のASからは単一の一貫した内部ルーティングプランを持っているように見えます。
このようなAS同士がBGPで接続されていて、インターネットが形成されています。
4.2 AS番号
各々のASにはAS番号という、世界で一意な番号が付与されます。 AS番号は2バイトまたは4バイトの一意な番号です。 AS番号の空間は以下の通りです。
- 2バイト空間に限定したAS番号の範囲: 0 - 65535
- 4バイトへ拡張したAS番号の範囲:65536 - 4294967295
- すべての4バイトAS番号の範囲:0-4294967295
4.3 自律ネットワーク
自律ネットワークとは、 同一管理下にあり一貫した運用ポリシーおよび経路制御ポリシーを持つ、 インターネットに接続されるネットワークを意味します。 AS番号は、 自律ネットワークを運営する組織がインターネットにおける外部経路制御を行うことを目的とし利用するために、 自律ネットワークに付与されます。
4.4 インターネットレジストリ(IR)
インターネットレジストリ(IR)はAS番号空間をメンバーまたは自律ネットワークに分配し、 その分配を登録する責任を持ちます。 IRは図1の階層構造の中で、主要な機能と地域的担当範囲にもとづき分類されます。
4.4.1 地域インターネットレジストリ(RIR)
地域インターネットレジストリ(RIR)はICANNの認可で設立され、 大きな地域にサービス提供し、その地域を代表します。 RIRの主な役割の一つは、それぞれが担当する各地域内でAS番号空間を分配、 管理することです。
現在RIRとしては、APNIC、RIPE NCC、ARIN、LACNIC、AFRINICの五つがあります。 将来はさらに他のRIRが設立される可能性があります。
4.4.2 国別インターネットレジストリ(NIR)
国別インターネットレジストリ(NIR)は、主として、 自律ネットワークにAS番号を割り当てるIRであり、一般的にNIRのメンバーは、 国レベルで組織されたインターネットサービスプロバイダ(ISP)です。 NIRはISPで構成されますが、それ自体はISPとしては機能しません。 NIRは自らを構成しているISPの利益に関して中立を維持することが期待されます。
JPNICはこのNIRにあたります。
4.5 割り振られた/割り当てられたAS番号空間
JPNICのアドレスポリシーを理解するためには、 「割り振り」と「割り当て」という用語の区別を明確にしておくことが重要です。
4.5.1 割り振り
割り振りとは、再分配用としてAS番号空間をIRに分配することです。
4.5.2 割り当て
割り当てとは、IRが自律ネットワークに対し、割り振られたAS番号空間の一部を、 自律ネットワークで利用するために分配することです。 割り当てられたAS番号は、 自律ネットワークを運営する組織が申告した目的のためにのみ使用されるものであり、 さらに割り振りや割り当てされるものではありません。
5. AS番号空間管理の目標
5.1 目標
5.1.1 一意性
各割り当ておよび割り振られたAS番号空間は、 世界にただ一つしかないことを保証しなければなりません。 これはインターネット上のそれぞれのパブリックな自律ネットワークが一意に識別されるための絶対的要件です。
5.1.2 登録
AS番号空間の割り当てと割り振りは、 インターネットコミュニティの全メンバーがアクセス可能な、 公開されているレジストリデータベースに登録されなければなりません。 これは、AS番号の一意性を保証するためであり、また、 RIRをはじめとするすべてのIRや自律ネットワークなど、 インターネットを利用するあらゆるレベルの自律ネットワークが遭遇するインターネット上のトラブルを解決するための、 参照情報として利用できるようにするためです。 さらに、AS番号空間のように公共の資源を利用するすべての人が、 その資源の状態等を確認可能であるべきとする、 インターネットコミュニティの考え方を反映するものでもあります。
5.1.3 効率的な利用
AS番号空間という限られた資源の効率的な利用のため、 AS番号を使用せずに蓄積したり、 遠い将来の為に予約したりすることは避けなければなりません。
5.1.4 公平性
AS番号空間の使用に関するすべてのポリシーは、 現在および未来にわたるすべてのインターネットコミュニティの構成員に対し、 場所、国籍、規模、 その他いかなる要因にも左右されることなく公平に適用され実践されるべきです。
6. ポリシーを取り巻く環境
[5. AS番号空間管理の目標]にある目標の他、インターネットコミュニティの期待、 現行の管理構造、技術的制限などの要因すべてを考慮して、 JPNICポリシーは策定されます。 環境の変化は突然起こることもあり、それをまったく予測できないこともあります。 JPNICの重要な役割は、この環境変化を監視し、 その環境変化がJPNICポリシーに対してどのような意味を持つかをネットワーク運営組織に通知していくことです。
この節では、 今現在の環境でJPNICポリシーの策定に最も重要な意味を持っている要因を記述しています。
6.1 経路制御の設定は自律ネットワークの役目
JPNICは、一意性を保証したAS番号を割り当てるだけで、 BGPを正しく設定して機能させるのは自律ネットワークの役目となります。
6.2 ルーティングへの配慮
AS番号の責任ある管理には、 グローバルな経路表の増大を制限するために役立つことも必要です。 一つのAS内で、連続するIPアドレスプリフィクスを集約することにより、 グローバルなインターネットへ広告される経路数を最小限に押さえることに役立ちます。
6.3 誠実さ
JPNICと自律ネットワークとの関係は、申請者からの情報が、 虚偽なく正確なものであるという信頼関係にもとづいて成立しています。
6.4 公平性
JPNICはインターネットコミュニティ全体、 特に日本のインターネットコミュニティ全体の利益を代表しています。 JPNICはポリシーを公平、平等に全自律ネットワークに適用し、 対象組織の規模や地理的場所、 その他の要因によって左右されることはありません。
6.5 AS番号は所有物ではない
AS番号空間を所有物とみなすことは、本文書で述べられている目標だけでなく、 インターネットコミュニティ全体の利益にも反することです。 JPNICポリシーは、 AS番号が「所有されるもの」ではなく「リースされるもの」だという理解にもとづいた上で、 自律ネットワークが運営されるようにしています。
7. AS番号割り当てのポリシー
7.1 首尾一貫したAS番号管理ポリシーの採用
JPNICは、本文書で示される首尾一貫したポリシーに沿った方針で運用します。
7.2 AS番号空間のリース
JPNICは、「リース」という考え方にもとづいて、AS番号の割り当てを行います。 つまり、AS番号は所有物ではなくリースのため、 使用中に利用条件が変更される可能性があります。
7.3 正確な申請書にもとづく申請処理
申請に間違いや抜けがある場合、JPNICは申請者にできるだけ速やかに通知します。 また、JPNICは提出された申請書の中の不明確な部分に関して、 さらに詳細な情報や説明を求めることがあります。 申請者がこのJPNICの疑問を十分解消する回答を行った場合、 できるだけ速やかに処理を進めます。 申請書に間違いや抜けが無かった場合も同様です。
7.4 秘密保持
JPNICのスタッフまたは代理業者はすべて明文化された機密性保持の条件にもとづき雇用されています。
7.5 公平な申請処理
JPNICは、適切な申請書を受け取った順番に公平な方法に則って申請を扱います。 AS番号全申請者は平等に扱われなければならないため、JPNICは地理的条件、 規模その他いかなる理由にも左右されず、 どのような状況においても申請処理の通常の順番から特別扱いをしたり例外を作ったりすることはありません。
7.6 プライベートAS
IANAは、64512~65534の AS番号のブロックを、 プライベート使用(グローバルインターネット上で広報されない) のためのものとしてリザーブしています。 AS内部で運用されるネットワークあるいはインターネットに接続しないネットワークには、 「プライベートAS番号空間」を使用すべきです。 プライベートAS番号を使用する場合は、 自AS外にプライベートAS番号の情報を流してはいけません。
7.7 登録の必要性
AS番号割り当ての際、 自律ネットワーク運営組織はJPNICデータベースにその割り当てに関するすべての情報を登録します。 データベースの情報はインターネット上のトラブルを解決するときに必要なものであり、 かつインターネットコミュニティ全体の利益となる、 情報の信頼性と透明性の維持に役立っています。 また、将来的にはIRR(Internet Routing Registry)と連携する可能性もあります。
7.7.1 登録情報の更新
自律ネットワーク運営組織は、 登録情報に何らかの変更があった場合にJPNICデータベースを更新しなければなりません。 登録情報を最新に保つのは自律ネットワーク運営組織の責任です。
7.7.2 連絡担当者の登録
連絡担当者の登録は責任あるAS番号空間管理の重要な部分です。 [管理者連絡窓口]は、自律ネットワークの運営に責任をもつ連絡先を示します。 [技術連絡担当者]は、 ネットワークの所在地に必ずしも物理的に居る必要はありませんが、 そのネットワークの日常的な運用に責任を持つ連絡先を示します。 なお、申請する組織内から選任できないやむを得ない事情がある場合は、 IP指定事業者の技術担当者が代行することが可能です。
7.8 AS番号の割り当て先
AS番号は、 自律ネットワークを運営する組織がインターネットにおける外部経路制御を行うことを目的とし利用するために、 自律ネットワークに付与されます。 自律ネットワークとは、 同一管理下にあり一貫した運用ポリシー及び経路制御ポリシーを持つ、 インターネットに接続されるネットワークを意味します。
7.9 AS番号割り当てを申請できる組織
AS番号割り当てを申請できる組織は、以下の条件を満たし、 日本国内に存在する自律ネットワークを運営する組織となります。
- 自律ネットワークを運用する技術的能力を持つ。
- 割り当てに掛かる手数料を支払うことができる。
- AS番号に関するJPNICデータベースの保守・更新が行える。
ただし、申請書の代書、申請代行は可能とします。
なお、自律ネットワークが日本国内に存在しない場合、 その地域を管轄する適切なインターネットレジストリに申請し、 AS番号の割り当てを受けるべきです。 自律ネットワークが、 アジア諸国のNIR(国別インターネットレジストリ)がある国に存在する場合は、 その国のNIRに申請するべきです。 その他の国の場合、アジア太平洋地域であればAPNIC (Asia Pacific Network Information Centre)、北アメリカ地域であればARIN (American Registry for Internet Numbers)、ヨーロッパ地域であれば、RIPE NCC (Reseaux IP Europeens Network Cordination Center)、 ラテンアメリカおよびカリブ海地域であれば、LACNIC (Latin American and Caribbean Internet Address Registry)、アフリカ地域であれば、 AFRINIC (African Network Information Centre)の各RIR(地域インターネットレジストリ)に申請し、 AS番号の割り当てを受けるべきです。
7.10 AS番号割り当ての条件
AS番号割り当ての条件を以下に示します。
- 自律ネットワークがBGP (Border Gateway Protocol)を利用して他の自律ネットワークとの間で外部経路制御情報を交換すること。
- 自律ネットワークの外部経路制御ポリシーが、 他のいかなる自律ネットワークに委ねても実現が困難な、 固有のものであること。 典型的には、 他の一つの自律ネットワークのみと接続するのではなく、 複数の自律ネットワークとの間でBGPにより接続し、 外部経路制御情報の交換を行うこと。
- 上記の条件2を満たすことができない場合には、 他の自律ネットワークとの間でBGPにより相互接続を行い、 外部経路制御情報を交換する必要性を証明できること。
- 上記の条件1および2、または、1および3を、3ヶ月以内に満たす予定であること。
7.10.1 2バイト空間に限定したAS番号から4バイトAS番号への移行に向けてのスケジュール
2007年3月7日より、 JPNICは原則として2バイト空間に限定したAS番号の範囲から割り当てを行うが、 申請者から明示的な要望があった場合は、 4バイトへ拡張したAS番号の範囲から割り当てを行う。
2009年1月5日より、 JPNICは原則として4バイトへ拡張したAS番号の範囲から割り当てを行うが、 申請者から明示的な要望があった場合は、 2バイト空間に限定したAS番号の範囲から割り当てを行う。
2009年7月13日より、 JPNICは原則として4バイトへ拡張したAS番号の範囲から割り当てを行う。 2バイト空間に限定したAS番号の範囲からの割り当てを希望する申請者が、 4バイトへ拡張したAS番号の割り当てが不適切である十分な根拠を示した場合に限り、 2バイト空間に限定したAS番号の範囲からの割り当てを行う。
2010年1月4日より、 JPNICは「2バイト空間に限定したAS番号の範囲」、 「4バイトへ拡張したAS番号の範囲」としてAS番号を区別することなく、 すべての4バイトAS番号の範囲から割り当てを行う。
7.11 AS番号の譲渡
JPNICが書面により承諾した場合を除き、 AS番号の譲渡は認められません。 そのような譲渡は無効です。 そのような譲渡によるAS番号を保持する組織は、 そのAS番号をJPNICに返却しなければなりません。
7.12 AS番号の移転
AS番号は、一定の要件を満たすことにより、 当初分配を受けた組織から、別の組織へ、 分配先を変更することができる。 これをAS番号の移転と呼ぶ。
7.12.1 AS番号の移転に関する定義
AS番号の移転に関わる、JPNIC以外の組織を以下のように定義する。
7.12.1.1 JPNIC契約組織
AS番号割り当てに関する確認書を提出済みの組織。
7.12.1.2 移転対象レジストリ
RIRまたはJPNIC以外のNIRのうち、 国際移転を認めるAS番号割り当てに関するポリシーを施行し、 かつJPNIC契約組織との移転を双方向で認めているレジストリ。
7.12.1.3 移転対象レジストリ契約組織
移転対象レジストリからAS番号の割り当てを受ける資格を持つ組織。
7.12.2 AS番号の移転の種類
AS番号の移転は、JPNIC契約組織間で行う移転と、 JPNIC契約組織と移転対象レジストリ契約組織間で行う移転の2種類に分類される。
7.12.2.1 JPNIC契約組織間移転
移転元、移転先ともにJPNIC契約組織となる移転を、 「JPNIC契約組織間移転」といい、 あるJPNIC契約組織に分配された一部またはすべてのAS番号について、 一定の要件を満たすことにより、 分配先を別のJPNIC契約組織へ変更することをJPNICが承諾し、 その結果をJPNICデータベースへ登録することを指す。
JPNIC契約組織間移転の要件詳細は、 「7.12.3 JPNIC契約組織間移転の要件」を参照。
7.12.2.2 国際移転
JPNIC契約組織と移転対象レジストリ契約組織間で行う移転を、 「国際移転」といい、JPNIC契約組織が移転元となるケースと、 JPNIC契約組織が移転先となるケースがある。
JPNIC契約組織から移転対象レジストリ契約組織へ移転するケースでは、 当該JPNIC契約組織に分配された一部またはすべてのAS番号について、 一定の要件を満たすことにより、 分配先を移転先となる移転対象レジストリ契約組織へ変更することを、 JPNICと移転対象レジストリの両者が承諾する。 また、その結果として、JPNICは、 移転するAS番号をJPNICデータベースから削除し、 移転対象レジストリは、当該AS番号を、移転先を管理者として、 自らのデータベースに登録する。
移転対象レジストリ契約組織からJPNIC契約組織へ移転するケースでは、 当該移転対象レジストリ契約組織に分配された一部またはすべてのAS番号について、 一定の要件を満たすことにより、 分配先を移転先となるJPNIC契約組織へ変更することを、 JPNICと移転対象レジストリの両者が承諾する。 また、その結果として、移転対象レジストリは、 移転するAS番号を自らのデータベースから削除し、JPNICは、 当該AS番号を、移転先となるJPNIC契約組織を管理者として、 JPNICデータベースに登録する。
国際移転の要件詳細は、「7.12.4 国際移転の要件」を参照。
7.12.3 JPNIC契約組織間移転の要件
JPNICによるJPNIC契約組織間移転の承諾にあたっては、移転元、 移転先両者の合意が得られていることを前提とする。 移転元および移転先は、 両者が移転に合意していることを確認するための書類をJPNICに提出しなければならない。
JPNICは、次に示す要件に基づき、 JPNIC契約組織間の移転申請を処理し、データベースの更新を行う。
7.12.3.1 JPNIC契約組織間移転の対象となるAS番号の要件
- 移転元となるJPNIC契約組織を管理者としてJPNICデータベースに登録されているAS番号であること
7.12.3.2 JPNIC契約組織間における移転元の要件
- JPNIC契約組織であること
- 移転するAS番号の管理者としてJPNICデータベースに登録されていること
- IPアドレスおよびAS番号の利用に関していかなる紛争にも関わっていない こと
7.12.3.3 JPNIC契約組織間における移転先の要件
- JPNIC契約組織であること。または、移転結果をJPNICデータベースに登録するまでにJPNIC契約組織となっていること
- 有効なJPNICにおけるAS番号割り当てに関するポリシーに基づき、移転後のAS番号の管理を行うこと
- 移転するAS番号を割り当てる自律ネットワークが、[7.10 AS番号割り当ての条件]を満たしていること
7.12.4 国際移転の要件
国際移転においても、JPNICによる移転の承諾にあたっては、 移転元、移転先両者の合意が得られていることを前提とする。
JPNIC契約組織が、移転元あるいは移転先になるいずれの場合も、 移転に関する申請書類をJPNICに提出しなければならない。
JPNICは、次に示す要件に基づき、国際移転の申請を処理し、 JPNIC管理AS番号に関わるデータベースの更新を行う。
7.12.4.1 国際移転の対象となるAS番号の要件
-
次のいずれかに該当するAS番号であること
- JPNIC契約組織が移転元となるケースでは、当該組織が管理者としてJPNICデータベースに登録されているAS番号
- 移転対象レジストリ契約組織が移転元となるケースでは、当該組織が管理者として移転対象レジストリのデータベースに登録されているAS番号
7.12.4.2 国際移転における移転元の要件
- 国際移転の場合、移転元の要件は、移転元となる組織が契約しているレジストリがそれぞれ定めるものとする。
- JPNIC契約組織が移転元となる場合は、14.3項にて「JPNIC契約組織間における移転元の要件」として定めた要件が適用される。
- 移転対象レジストリ契約組織が移転元となる場合は、移転対象レジストリが定義している要件が適用される。
7.12.4.3 国際移転における移転先の要件
- 国際移転の場合、移転先の要件は、移転先となる組織が契約しているレジストリがそれぞれ定めるものとする。
- JPNIC契約組織が移転先となる場合は14.3項にて「JPNIC契約組織間における移転先の要件」として定めた要件が適用される。
- 移転対象レジストリ契約組織が移転先となる場合は、移転対象レジストリが定義している要件が適用される。
7.12.5 AS番号の移転履歴の公開
JPNICは、AS番号の移転結果をデータベースに反映し、 本ポリシーに基づいて行われた移転に関する以下の公開履歴を維持する。
- 移転元組織名
- 移転元組織への割り当て日
- 移転先組織名
- 移転対象のAS番号
- 移転申請完了日
7.13 自律ネットワーク運営組織の合併、買収の割り当てへの影響
自律ネットワーク運営組織の合併、売却、買収の後、 JPNICは新組織(複数ある場合はそれら該当する複数組織) の保有する全割り当てがどのような状態にあるかを確認します。 また、これにともない、 当該組織のインフラストラクチャーに対する実際的な影響も顧慮します。
このケースにおいてJPNICはAS番号の使用状態を確認する際に、 該当する全自律ネットワーク運営組織に、 保持するAS番号とその使い方の情報開示を求めることがあります。 この場合、開示が行われない場合は、AS番号割り当ては無効とみなされ、 JPNICはそのAS番号の返却を求めることがあります。
7.14 AS番号がインターネット上に出現しないとき
割り当てたAS番号が、数箇所の観測点で出現しないとき、 JPNICはそのAS 番号の返却を求めることがあります。
7.15 使わなくなったASについて
廃業あるいはネットワーク設計方針の変更などによって、 割り当てられたAS番号がインターネット上での外部経路情報交換の用途で利用されなくなった際には、 運営主体は速やかにAS番号を返却しなければなりません。
8. 問い合わせ
手続きを進める上で、不明な点がある場合には、
下記の電子メールアドレスにお問い合わせください。
電子メール : ip-service@nir.nic.ad.jp
関連文書
- 「"Guidelines for creation, selection, and registration of an Autonomous System (AS)(RFC1930)"翻訳文」
- https://www.nic.ad.jp/ja/translation/rfc/1930.html
JPNIC公開文書著作権表示 (Copyright notice of JPNIC open documents)
この文書はJPNIC公開文書であり、 著作権は一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(JPNIC)が保持しています。
JPNIC公開文書は誰でも送付手数料のみの負担でJPNICから入手できます。 また、この著作権表示を入れるかぎり、 誰でも自由に転載・複製・再配布を行って構いません。
〒101-0047 東京都千代田区内神田3-6-2 アーバンネット神田ビル4F
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以上