文書管理情報 | |
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文書番号 | JPNIC-01252 |
文書名 | JPドメイン名紛争処理方針のための手続規則 |
発効日 | 2020/10/1 |
最終更新日 | 2020/6/15 |
この文書により無効となった文書 | JPNIC-01220 |
この文書を無効とする文書 | なし |
一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
公開: 2000年7月19日
改正: 2000年10月10日
改正: 2002年2月19日
改正: 2005年1月21日
改正: 2007年3月9日
改正: 2012年2月10日
改正: 2012年5月16日
改正: 2017年5月17日
改正: 2020年6月15日
実施: 2020年10月1日
JPドメイン名紛争処理方針のための手続規則
一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター(以下「JPNIC」という)により採択された「JPドメイン名紛争処理方針」に基づくJPドメイン名紛争処理手続は、 「JPドメイン名紛争処理方針のための手続規則」(以下「本規則」という)及びJPドメイン名紛争処理手続を行う紛争処理機関がそのウェブサイトで公開する補則に従って、 実施される。
第1条 定義
本規則においては
- 「申立人」とは、JPドメイン名紛争処理手続に関する申立てを提起した者をいう。
- 「登録者」とは、JPドメイン名紛争処理手続の申立ての対象となっているドメイン名の登録者をいう。
- 「当事者」とは、申立人または登録者をいう。
- 「紛争処理機関」とは、JPNICにより認定された紛争処理機関をいう。これら紛争処理機関の一覧は、JPNICのウェブサイトで公開される。
- 「パネル」とは、JPドメイン名紛争処理手続の申立てを審理・裁定するために、紛争処理機関により指名された紛争処理パネルをいう。
- 「パネリスト」とは、紛争処理機関によりパネルの構成員として指名された個人をいう。
-
「合意裁判管轄」とは、
- 東京地方裁判所、または
- 申立人が、紛争処理機関に申立書(添付する関係書類を含む。以下同じ。)を提出したときに、株式会社日本レジストリサービス(以下「JPRS」という)のドメイン名登録原簿に記載されている登録者の住所における管轄裁判所をいう。
- 「登録規則」とは、JPRSとドメイン名登録者の間の契約内容を規定し、JPRSがJPドメイン名の登録等に適用するとして定める規則群をいう。
- 「処理方針」とは、登録規則からの参照により、それと一体になり、その一部を成している「JPドメイン名紛争処理方針」をいう。
- 「営業日」とは、紛争処理機関が別途補則で定める営業日をいう。
- 「補則」とは、本規則を補完するために、JPドメイン名紛争処理手続を行う紛争処理機関が採択した規則をいう。この補則は、処理方針または本規則と矛盾する内容のものであってはならず、紛争処理機関は、この補則において、料金、語数もしくは頁数の制限またはその指針、紛争処理機関に提出される電磁的記録の容量及び形式、紛争処理機関とパネルの連絡方法、並びに書面及び通知の表書の様式等を定めなければならない。
- 「開始通知」とは、処理方針に基づくJPドメイン名紛争解決手続の開始を、紛争処理機関が登録者に郵送及び電子メールにより通知することをいう。紛争処理機関は、書面を受領し、及び提出するための、紛争処理機関が指定するインターネットによる電子的送信その他の手段(以下「電子的送信」という)をJPドメイン名紛争解決手続の利用者に説明し、開始通知には、原則として、申立書を添付しないものとする。
- 「送信通知」とは、当事者が電子的送信により書面の提出を行ったことの電子メールによる紛争処理機関への通知、及び紛争処理機関が電子的送信により当事者に書面の送付を行ったことの電子メールによる当事者への通知をいう。当事者及び紛争処理機関は、送信通知には、原則として、書面を添付しないものとする。
第2条 送付方法
-
紛争処理機関が申立書を登録者に送付するときは、
合理的に利用可能な、
確実に登録者に通知できる手段を講じなければならない。
実際に申立書が送付されるか、
または申立書の送付について次のすべての手段が講じられたときには、
送付がなされたものとみなされる。
- JPRSのドメイン名登録原簿に記載されているドメイン名登録組織の登録者の所在地及び公開連絡窓口への開始通知の郵送
-
電子メールによる次のすべての宛先への開始通知の送信
- 登録担当者及び公開連絡窓口の電子メールアドレス
- postmaster@<申立ての対象となっているドメイン名>
- ドメイン名(またはドメイン名の前に「www.」を付けたもの)を入力することにより表示されるウェブページ(登録者が運営するページではないと、紛争処理機関が認めた場合を除く)において連絡先として記載され、またはリンクにより表示されるすべての電子メールアドレス
- 電子メールによる登録者が紛争処理機関に通知した希望送付先の電子メールアドレス、及び第3条(b)(v)により申立人が紛争処理機関に提示した他のすべての電子メールアドレスへの開始通知の送信
- 前項の場合を除き、 本規則に規定されている当事者と紛争処理機関間のすべての書面の送付は、 電子的送信によるものとし、書面の送付に関する送信通知は、 前項(ii)及び(iii)に定めるすべての電子メールアドレスへの電子メールの送信によるものとする。
- 当事者から紛争処理機関またはパネルに対する連絡は、 補則が定める手段及び方法によりなされなければならない。
- 連絡は、第11条で定める手続言語でなされなければならない。 電子メールによる連絡は、テキストファイルによる送付とする。
- 当事者は、紛争処理機関及びJPRSに通知することにより、 連絡方法(連絡担当者、手段、郵送先住所、電子メールアドレス、 電話番号及びファクシミリ番号を含む)を変更することができる。
-
本規則に規定されているすべての送付は、
本規則の別段の規定またはパネルによる別段の決定がある場合を除いて、
次のいずれかの日になされたものとする。
- 電子メールによる送信または電子的送信のときは、書面の送信または保存がなされたとして記録されている日
- 郵送によるときは、配達証明書に記載されている日
- 本規則による期間は、本規則に別段の規定がある場合を除き、 前項によって送付されたものとみなされる最も早い日から起算される。
-
すべての送付される書面の写しは、紛争処理機関により、
次のとおり関係者に送付されなければならない。
- パネルからいずれかの当事者に送付するときは、紛争処理機関及び他の当事者へ
- 紛争処理機関からいずれかの当事者に送付するときは、他の当事者へ
- 当事者の一方から送付するときは、必要に応じ、他の当事者、パネル及び紛争処理機関へ
- 送付者は、 その送付の事実及び状況の記録(第2条(a)に基づく紛争処理機関による登録者への開始通知の送付の記録を含む)を、 関係当事者による検査及び報告のために保管しておかなければならない。
- 送付した当事者が不達通知を受け取った場合、その当事者は、 その通知の状況を直ちに紛争処理機関に連絡し、 紛争処理機関の指示に従うものとする。
第3条 申立書
- 登録されているドメイン名について利害関係を有するいかなる個人・団体も、 処理方針及び本規則に従って、 JPNICの認定を受けているいずれかの紛争処理機関に対して申立書を提出することにより、 JPドメイン名紛争処理手続を開始することができる。 (紛争処理機関は、その処理能力またはその他の理由により、 申立ての受理を停止することができる。 この場合、当該紛争処理機関は申立ての受理を拒絶しなければならない。 拒絶された個人・団体は他の紛争処理機関に申立書を提出することができる。)
-
申立書には、以下の事項が記載されるものとし、
電磁的記録の形式で電子的送信によって提出されなければならず、
申立書の提出に関する送信通知は、
紛争処理機関が指定する電子メールアドレスへの電子メールの送信によるものとする。
- 処理方針及び本規則に従って裁定されることの要請
- 申立人及びこのJPドメイン名紛争処理手続において申立人に代って手続を行う権限がある代理人の氏名、事務所等の名称、郵送先住所、電子メールアドレス、電話番号及びファクシミリ番号
- このJPドメイン名紛争処理手続における申立人への希望連絡方法(連絡担当者、手段、郵送先住所及び電子メールアドレスを含む)
- このJPドメイン名紛争処理手続の裁定を下すパネル構成の人数(一名または三名)及び三名構成のパネルを選択したときには、パネリスト三名のうちの一名を指名するための候補者三名の氏名(これらの候補者は、紛争処理機関によるパネリストの名簿から選出されなければならない)
- 紛争処理機関が第2条(a)に定める開始通知の送付を行うのに必要とされる、登録者またはその代理人への連絡手段について、申立人がこのJPドメイン名紛争処理手続開始前の交渉で知り得た連絡先情報を含め、申立人が知る登録者の氏名、事務所等の名称、及び関係するすべての情報(郵送先住所、電子メールアドレス、電話番号、ファクシミリ番号を含む)
- このJPドメイン名紛争処理手続の対象となるドメイン名(複数でも可)
- 申立書が提出された時点において、そのドメイン名がJPRSに登録されていることの記載
- 申立ての根拠となる商標その他表示、及び、それが現実に使用されているときにはその使用されている商品・役務の種類と内容(申立人は、申立書提出時に、将来その標章を使用する意図がある他の商品・役務があれば、その旨を別に記述することができる)
- 以下に示す三項目を明確にした申立ての根拠・理由
- 申立ての対象となっているドメイン名が、申立人が権利または正当な利益を有する商標その他表示と同一または混同を引き起こすほど類似していること
- 登録者が、当該ドメイン名に関係する権利または正当な利益を有していないと考えられる理由
- 登録者の当該ドメイン名が、不正の目的で登録または使用されていること
- 処理方針及び本規則に従って求める救済
- 申立ての対象となっているドメイン名について、これまでに開始された、または終結した法的手続
- ドメイン名の取消または移転の裁定に対し、登録者が不服のときに提訴できる少なくとも一つの合意裁判管轄地
- 次の結語及び申立人またはその権限ある代理人の電子的な署名または記名捺印(形式を問わない)
- 「申立人は、ドメイン名の登録に関する請求もしくは救済、紛争または紛争処理について、登録者のみを相手とするものであり、故意による不法行為を除き、(a)紛争処理機関及びパネリスト、(b)JPRS並びにその役員、従業員その他のすべての関係者、(c)JPNIC並びにその役員、職員、委員その他のすべての関係者に対する一切の請求または救済を放棄することに同意する。」
- 「申立人は、この申立書に記載されている情報は、申立人が知りうる限りにおいて、完全かつ正確なものであり、この申立てが嫌がらせなどの不当な目的のためになされているものではないことを保証する。」
- 申立人が依拠している商標登録を含む証拠書類または他のすべての証拠、及びそれらの証拠の一覧と説明書
- 代理人がこのJPドメイン名紛争処理手続を行う場合は、委任状(代理権の存在を証明する書類)
- 申立人が法人である場合には、代表者の資格を証明する公的証明書類(申立日前3か月以内の日付をもって証明されたもの)
- 二つ以上のドメイン名が同一の登録者によって登録されている場合には、 それら複数のドメイン名についての申立てを、 一つの申立てによって行うことができる。
第4条 申立書の送付
- 紛争処理機関は、申立書が処理方針と本規則に適合しているかどうかを確認し、 不備がなければ、 申立人が支払う第19条に定める料金の受領の確認及び申立書の受領のうちいずれか遅い日から5日(営業日)以内に、 第2条(a)の定めるところに従い、 紛争処理機関がその補則で定める説明入りの表書とともに申立書を登録者に送付する。
- 紛争処理機関が申立書に不備があることを発見したときには、 その不備の内容を申立人に速やかに通知する。 申立人は、その通知受領から5日(営業日)以内にその不備を補正できる。 この期間内に何らの補正もなされなかった場合には、 紛争処理機関がやむを得ないと認めたときを除き、 当該申立ては取り下げたものとみなされる。 ただし、当該申立てを取り下げたとみなされるような場合であっても、 申立人は新しい申立書を提出することができる。
- 手続開始日は、紛争処理機関が、第2条(a)により申立書を登録者に送付した日とする。
- 紛争処理機関は、申立ての対象となっているドメイン名とその手続開始日を、 申立人、登録者、JPNIC及びJPRSに直ちに通知しなければならない。
第5条 答弁書
- 登録者は、手続開始日から20日(営業日)以内に、 答弁書(添付する関係書類を含む。以下同じ。)を紛争処理機関に提出しなければならない。
-
答弁書には、以下の事項が記載されるものとし、
電磁的記録の形式で電子的送信によって提出されなければならず、
答弁書の提出に関する送信通知は、
紛争処理機関が指定する電子メールアドレスへの電子メールの送信によるものとする。
- 申立書の陳述・主張内容に答弁・反論し、問題とされているドメイン名の登録を登録者が保有できることについてのすべての理由・根拠(答弁書のこの部分は、紛争処理機関が定めた補則に規定されている字数または頁数制限に従うこと)
- 登録者及びこのJPドメイン名紛争処理手続において登録者に代って手続を行う権限がある代理人の氏名、事務所等の名称、郵送先住所、電子メールアドレス、電話番号及びファクシミリ番号
- このJPドメイン名紛争処理手続における登録者への希望連絡方法(連絡担当者、手段、郵送先住所及び電子メールアドレスを含む)
- 申立人が申立書においてパネリスト一名の構成によるパネルを選択(第3条(b)(iv)参照)している場合には、登録者が三名構成のパネルの選択を希望することの有無
- 申立人または登録者のいずれかによりパネリスト三名で構成されるパネルが選択される場合には、パネリスト三名のうちの一名を指名するための候補者三名の氏名(これらの候補者は紛争処理機関のパネリストの名簿から選出されなければならない)
- 申立ての対象となっているドメイン名について、これまでに開始された、または終結した法的手続
- 次の結語及び登録者またはその権限ある代理人の電子的な署名または記名捺印(形式を問わない)「登録者は、この答弁書に記載されている情報は、登録者が知りうる限りにおいて、完全かつ正確なものであり、この答弁が嫌がらせなどの不当な目的のためになされているものではないことを保証する。」
- 登録者が依拠している証拠書類または他のすべての証拠、及びそれらの証拠の一覧と説明書。
- 代理人がこのJPドメイン名紛争処理手続を行う場合は、委任状(代理権の存在を証明する書類)
- 登録者が法人である場合には、代表者の資格を証明する公的証明書類(申立日前3か月以内の日付をもって証明されたもの)
- 申立人がパネリスト一名による構成のパネルを選択したが、 登録者がパネリスト三名による構成のパネルを選択希望する場合には、 登録者は紛争処理機関が定めた補則に規定されている三名構成パネルの料金の半額を負担しなければならない。 この料金の支払は、 紛争処理機関への答弁書の提出と同時になされなければならない。 この料金の支払がないときには、一名構成のパネルで審理されるものとする。
- 登録者から答弁書の提出期限延長を求める上申があれば、 紛争処理機関は、 その答弁書の提出期限を自動的に4日(営業日)延長するものとし、 例外的な事件に限って、 さらにその答弁書の提出期限を延長することができる。 また、提出期限は、両当事者の合意に基づく上申書が提出されれば、 それを紛争処理機関が認める限りにおいて、延長することができる。 紛争処理機関は、延長された提出期限を両当事者に通知しなければならない。
- 紛争処理機関は、答弁書を受領したならば、 直ちに申立人にその答弁書を送付しなければならない。
- もし登録者が答弁書を提出しないときには、例外的な事情がない限り、 パネルは申立書に基づいて裁定を下すものとする。
第6条 パネルの指名と裁定日
- 各紛争処理機関は、パネリスト候補とその資格の一覧を作成し公表する。
- 両当事者のいずれもが三名構成のパネルを選択しなかった場合(第3条(b)(iv)及び第5条(b)(v)を参照)には、 紛争処理機関は、 答弁書を受領した日または答弁書提出期限満了日から5日(営業日)以内に、 そのパネリストの名簿から一名のパネリストを指名しなければならない。 一名構成のパネルの料金は、申立人がその全額を負担する。
- 両当事者のいずれかが三名構成のパネルを選択した場合には、 紛争処理機関は本条(e)に従って三名のパネリストを指名する。 三名構成のパネルの料金は、 登録者が三名構成のパネルを選択したときに限り両当事者が折半して均等に負担する場合を除き、 申立人がその全額を負担する。
- 申立人が三名構成のパネルを選択せず、 登録者が三名構成のパネルを選択したときには、 申立人に答弁書の送付があってから5日(営業日)以内に、 申立人はパネリスト三名のうちの一名を指名するための候補者三名の氏名を、 紛争処理機関に通知しなければならない。 申立人は、これらの候補者を、 紛争処理機関のパネリストの名簿から選出しなければならない。
- いずれかの当事者がパネリスト三名構成のパネルを選択したときには、 紛争処理機関は両当事者が提出した各候補者名簿から各一名のパネリストを指名するよう努力しなければならない。 当事者が提出した候補者名簿から、通常の要件に従って、 5日(営業日)以内に指名できないときには、 紛争処理機関が自ら維持・管理しているパネリスト名簿から指名しなければならない。 三番目のパネリストは、紛争処理機関が指名するものとする。
- 例外的な事情がある場合を除き、紛争処理機関は、 パネル全体の指名後、両当事者、JPNIC及びJPRSに対して、 指名されたパネリスト及びそのパネルが裁定を下す予定日を通知しなければならない。
第7条 公平性と独立性
パネリストは公平、独立でなければならず、その指名を受ける前に、 その公平性と独立性について何らかの疑念を生ぜしめる事由がある場合には、 紛争処理機関に対しその事由を開示しなければならない。 手続中に疑念を生じさせるような新たな事情が発生したときも、 直ちに紛争処理機関に対し開示しなければならない。 これらの場合、紛争処理機関は代わりのパネリストを指名することができる。
第8条 当事者とパネル間の連絡
当事者及びその代理人は、パネルと一方的な連絡を取ってはならない。 当事者とパネルとのすべての連絡は、 紛争処理機関が定めた補則に規定されている方法に従って紛争処理機関の事務局または事件管理者を通じて、 なされなければならない。
第9条 一件書類のパネルへの送付
紛争処理機関は、パネルの指名終了後(三名構成のパネルのときは、 最後のパネリストの指名終了後)直ちに、 一件書類を電磁的記録の形式で電子的送信によってパネルに送付する。
第10条 パネルの権限
- パネルは、処理方針と本規則に従って、 適正と思われる方法で手続を実施しなければならない。
- すべての事件において、両当事者が平等に扱われ、 各当事者のそれぞれの立場を表明する機会が公平に与えられるよう、 パネルは努力しなければならない。
- パネルは、JPドメイン名紛争処理手続を迅速に行わなければならない。 ただし、特段の事情がある例外的な事件に限り、 当事者の要請またはパネル自身の決定により、 本規則またはパネルが定めた期間を延長することができる。
- パネルは、証拠の証拠能力、関連性、証明力を決定しなければならない。
- パネルは、処理方針及び本規則に従って、 複数のドメイン名紛争の併合審理を求める当事者からの申立ての許否を決定しなければならない。
第11条 手続言語
- 手続言語は日本語とする。 ただし、手続実施の状況を踏まえて、 パネルが別段の決定をする場合には、この限りではない。
- パネルは、手続言語以外で提出された書類について、 その全部または一部について手続言語への翻訳の提出を求めることができる。
第12条 陳述・書類の追加
パネルはその裁量により、いずれの当事者に対しても、 申立書及び答弁書以外に、陳述・書類の追加を求めることができる。
第13条 当事者に対する審問
電話、ビデオ及びウェブ上での会議を含めて、 当事者に対する審問を行わないものとする。 ただし、特段の事情のある例外的な場合に限り、パネルの決定により、 裁定を下すに必要な限度で、かかる審問を行うことができる。
第14条 義務の不履行
- 例外的な事情がある場合を除き、 いずれかの当事者が本規則またはパネルが定めた期限を遵守しない場合が生じたとしても、 パネルはその申立てについて裁定を下さなければならない。
- 例外的な事情がある場合を除き、 いずれかの当事者が本規則の規定もしくは要件またはパネルの要請を履行しないとしても、 パネルは適切と思われる判断を下さなければならない。
第15条 パネルの裁定
- パネルは、提出された陳述・書類及び審問の結果に基づき、 処理方針、本規則及び適用されうる関係法規の規定・原則、 ならびに条理に従って、裁定を下さなければならない。
- 例外的な事情がある場合を除き、 パネルは第6条による指名があった日から14日(営業日)以内に、 申立てに対する裁定を紛争処理機関に通知しなければならない。
- パネリスト三名で構成されるパネルのときは、その裁定は、 多数決により下されなければならない。
- パネルの裁定は、電磁的記録によるものとし、その裁定の内容、 理由を述べるとともに、裁定日とパネリストの氏名を記載するものとする。
- 裁定及び反対意見は、 紛争処理機関が定めた補則に規定されている字数制限に従ったものでなければならない。 すべての反対意見は、多数決によるパネルの裁定に付記されなければならない。 パネルは、 その紛争内容が処理方針の第4条a項の範囲を逸脱しているものであるとの結論に達したときには、 その旨を記載しなければならない。 もし、申立内容が、 処理方針を不正の目的で利用して登録者からそのドメイン名を奪いとろうとする行為、 または登録者に対する嫌がらせ行為に該当するようなものであると認められたときには、 パネルはその裁定において、不正の目的による申立てであり、 このJPドメイン名紛争処理手続の濫用に該当するものである、 との判断を示さなければなければならない。
第16条 当事者への裁定の通知
- 紛争処理機関は、パネルからの裁定受領から3日(営業日)以内に、 その裁定の全文を両当事者、JPNIC及びJPRSに通知しなければならない。 JPRSは、両当事者、紛争処理機関及びJPNICに対して、 処理方針に基づく裁定結果の実施日(裁定の通知から11日以降15日以内の日(JPRSの本店の営業日で計算))を直ちに連絡しなければならない。
- JPNICは裁定と裁定結果の実施日をウェブサイトにて公表する(処理方針第4条j項を参照)。 いかなる場合であっても、 申立てが不正の目的によるものである(第15条(e)を参照)との裁定が下されたときには、 その裁定部分は公表されなければならない。
第17条 取下げ、和解その他の理由による手続の終了
- 申立人は、パネルの裁定が下されるまでの間、 申立てを取り下げることができる。 ただし登録者が答弁書を提出した後にあっては、 その同意を得なければならない。 申立てが取り下げられたとき、 そのJPドメイン名紛争処理手続は終了する。
-
パネルの裁定前に両当事者が和解に合意した場合、
そのJPドメイン名紛争処理手続は終了する。
和解は以下の手順によるものとする。
- 当事者が和解協議中であることを理由に、そのJPドメイン名紛争処理手続を中断するよう求める上申書を紛争処理機関に提出する。
- 紛争処理機関が、そのJPドメイン名紛争処理手続の中断の上申書を受領したことを確認し、中断の予定期間を両当事者、JPNIC及びJPRSに通知する。
- 両当事者が和解に達したら、紛争処理機関が定めた補則に規定されている方法に従って当事者間の和解契約の要旨を紛争処理機関に提出する。紛争処理機関は、当事者間の和解契約の要旨をいかなる第三者にも開示しないものとする。
- 紛争処理機関は、和解結果のうちJPRSによる実施が必要な措置をJPRSに確認する。JPRSは、両当事者及びJPNICに当該措置について通知し、両当事者は当該措置に必要な対応をとるものとする。
- パネルの裁定前に何らかの理由でそのJPドメイン名紛争処理手続の続行が不必要または不可能になったときには、 パネルは、パネル自身が定めた期間内に、 いずれかの当事者からそれに反対する正当な異議理由の提出がなければ、 そのJPドメイン名紛争処理手続を終了する。
第18条 裁判所における手続の効果
- JPドメイン名紛争処理手続開始前または係属中に、 申立ての対象となっているドメイン名紛争について裁判所における手続が開始された場合には、 パネルはその裁量により、 そのJPドメイン名紛争処理手続の中断もしくは終了または続行のいずれかを選択しなければならない。
- JPドメイン名紛争処理手続の係属中に、 いずれかの当事者が申立ての対象となっているドメイン名紛争について裁判所における手続を開始した場合には、 当事者は速やかに紛争処理機関と、 第8条に規定する方法でパネルにその旨を通知しなければならない。
第19条 料金
- 申立人は、紛争処理機関が定めた補則に従い、 料金を期限内に紛争処理機関に支払わなければならない。 申立人がパネリスト一名の構成によるパネルを選択し、 登録者が第5条(b)(iv)の規定によってパネリスト三名の構成によるパネルを選択したときには、 登録者は、 パネリスト三名構成のパネルにかかる料金の半額を紛争処理機関に支払わなければならない(第5条(c)を参照)。 これ以外は、本条(d)に規定されている場合を除き、 申立人が紛争処理機関の料金のすべてを負担しなければならない。 パネルの指名後、紛争処理機関は補則に従い、必要があれば、 申立人に対して追加料金を請求し、または料金の一部を返金しなければならない。
- 申立人から前項に定める料金の支払があるまでは、 紛争処理機関は申立てについて一切の手続を進めてはならない。
- 紛争処理機関が申立書を受領してから10日(営業日)以内に紛争処理機関に対して料金の支払がない場合には、 その申立ては取り下げられたものとみなされ、その手続は終了する。
- 当事者に対する審問のような例外的な事情が発生した場合には、 紛争処理機関は、両当事者とパネルの合意に基づき、 それに要した追加料金を請求することができる。
- 移転の裁定を受けた申立人は、 当該ドメイン名の移転登録及び登録更新に当たって登録規則に定める所定の登録料または登録更新料を支払うものとする。
第20条 免責
故意による不法行為を除き、紛争処理機関及びパネリストは、 本規則に基づくすべての手続に関係するいかなる作為・不作為についても、 両当事者への責任を一切負わない。
第21条 改正
JPNICは、いつでも本規則を改正する権利を留保する。 JPNIC及びJPRSは、その改正された本規則をそれぞれのウェブサイトにおいて、 発効する少なくとも30日(暦日)前に公開するものとする。 申立書が紛争処理機関に提出された時に有効である本規則が、 そのJPドメイン名紛争処理手続に適用されるものとする。
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