最後の/8ブロックとは
IPアドレスは、IANAを頂点とした階層構造で世界的に管理されています。 約43億あるIPv4アドレス空間を256個に分割して、 この単位でIANAから各RIRに配布されます。 分割した一つの単位を「/8ブロック」と呼び、 一つのブロックは約1,670万のアドレスを抱合しています。
IANAからRIRに分配可能なIPv4アドレスの在庫が、 /8単位で残り5個のみとなった際に、 全世界に五つある各RIRに対して1個ずつ割り振りが行われた/8単位のアドレスブロックを、 「最後の/8ブロック」と呼んでいます。
102.0.0.0/8 (割り振り先:AfriNIC)
103.0.0.0/8 (割り振り先:APNIC)
104.0.0.0/8 (割り振り先:ARIN)
179.0.0.0/8 (割り振り先:LACNIC)
185.0.0.0/8 (割り振り先:RIPE NCC)
この最後の/8ブロックの分配方法は、 各RIR地域における合意とICANNによる承認に基づき、 2009年3月に全世界共通のグローバルポリシーとして定義されました。 その定義から2年後となる2011年2月に、 以下の通り各RIRに対して1個ずつ/8ブロックの分配が行われました。
IANAからRIRに分配可能なIPv4アドレスの在庫が、 /8単位で5個となるまでのアドレスブロックは「通常在庫」と呼ばれ、 IPアドレス管理指定事業者(以下、IP指定事業者)をはじめとする各組織からの申請に基づいて、 最大1年後までに必要と判断される需要に対して利用されてきました。 一方、この最後の/8ブロックから分配されるIPv4アドレスは、 新規事業者および既存事業者のIPv6導入のために利用されることが想定されています。 なお、APNICでは予期せぬ事態に備えて、 この/8ブロック空間から/16(65,536アドレス)がリザーブされています。
APNIC地域においては通常在庫が2011年4月15日に枯渇し、 最後の/8ブロックからの割り振りを開始しています。 IP指定事業者は、 1組織につき上限を/22(1,024アドレス)として割り振りを受けることができます。 IP指定事業者より返却されたアドレスブロックについても、 他のIP指定事業者に対して割り振る際には、 この最後の/8ブロックと同じ分配方法が適用されます。