IETFとは
IETFは、インターネット技術の標準化を推進する任意団体です。 コンピュータシステムを相互接続するため、 共通の技術仕様策定を議論するグループから発展したものです。 IETFへの参加は企業等の代表としてではなく、 個人として参加することになっています。 参加者は自由にIETFの会合やメーリングリストでの議論に参加することができます。 IETFにおける技術標準化の議論はワーキンググループ(WG)を単位にして推進されます。
IETFにおける技術仕様は、 RFC(Request For Comments)という名前で文書化、 保存され、 広くインターネットを通じて参照することができるようになっています。 RFCとして標準化されるまでのプロセスは、下記のとおりです。
・Internet-Draftを投稿
↓
・6ヶ月間IETFのFTPサーバ、WEBサーバに置かれる
↓
・個人、WGがインターネットに有用と判断すると、RFCにするようIESG
(Internet Engineering Steering
Group:標準化に関する責任を負うグループ)に申請
↓
・申請が承認されると、ドキュメントにはRFC番号が割り当てられ、
公式にIETFのftpおよびwebサーバを通じて恒常的に参照可能なドキュメントとなる
IETFにおける技術仕様の策定は、 ラフコンセンサス(Rough Consensus)、 ランニングコード(Running Code)という点が特徴として挙げられます。 標準は変わらないという前提の元、 最初から詳細な技術仕様を決定し、 この仕様通りに実装していくのが、 従来型のプロセスでした。 これに対してIETFでは、 まずラフな仕様を作成し、 それから相互接続実験や実運用を通じて、工夫、 改善を加えながら詳細な仕様を実装していくという、 非常に柔軟な仕様策定プロセスとなっています。
参考:「IETFって何?」江崎 浩 (Hiroshi Esaki)
http://rfc-jp.nic.ad.jp/what_is_ietf/ietf_abstract.html