IPv4アドレスのレジストリ間移転とは
IPv4アドレスのレジストリ間移転とは、 IPv4アドレスの分配先変更を行うIPv4アドレス移転のうち、 複数のインターネットレジストリにまたがって行うものを指します。
IPv4アドレス移転では、 同じインターネットレジストリと契約している組織間で行われるケースのほか、 移転元と移転先で契約しているインターネットレジストリが異なるケースもあり、 後者がIPv4アドレスのレジストリ間移転に該当します。 このような移転は、地域インターネットレジストリ (Regional Internet Registry; RIR)では、 「Inter-RIR IPv4 address transfers」と呼ばれています。 実質的に他の国や地域とIPv4アドレス移転を行うことから、 「国際移転」と呼ばれる場合もあります。
IPv4アドレスのレジストリ間移転は、 2012年7月31日にAPNIC (Asia Pacific Network Information Centre)とARIN (American Registry for Internet Numbers)間で初めて可能となりました。
JPNICでは、2013年6月3日からIPv4アドレスのレジストリ間移転を開始しました。 JPNICのレジストリ間移転に関するポリシーでは、 レジストリ間移転を実施可能なインターネットレジストリの条件として、
- レジストリ間移転を認めるアドレスポリシーを施行していること
- JPNICとIPアドレス管理に関する契約締結を行っている組織との移転を双方向に認めていること
の二つを挙げています。
2019年5月時点で、上記二つの条件を満たしており、 JPNICと契約する組織との間でレジストリ間移転が可能なインターネットレジストリ(移転対象レジストリ)は、 APNIC、ARIN、RIPE NCC (Reseaux IP Europeens Network Coordination Centre)、 IDNIC (Indonesia Network Information Center)、 NIXI (National Internet Exchange of India)の五つとなっています*。
* IPv4アドレス移転対象レジストリ一覧
https://www.nic.ad.jp/ja/stat/ip/transfer-registry.html
同じインターネットレジストリでの契約組織間で行われるIPv4アドレス移転とは異なり、 レジストリ間移転では、移転先組織がIPv4アドレスの利用計画を提出する必要があること、 移転手続きに伴う手数料の請求が発生する場合があるなど、制度に違いがあります。
■参考
IPv4アドレス・AS番号の移転について
https://www.nic.ad.jp/ja/ip/transfer/basic.html