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シンクライアントとは

シンクライアント(Thin Client)とは、 画面表示とユーザーからの入力だけを担当し、 実際のプログラム実行を別のコンピュータで行う端末のことです。 広義には、プログラムを実行するコンピュータも含めたシステム全体を指すこともあります。 同等の機材は大型機の時代からありましたが、 はっきりとシンクライアントを提唱したのは、 1996年当時のオラクル社とサン・マイクロシステムズ社です。 なお、この頃のオラクル社はサン・マイクロシステムズ社の買収以前でソフトウェア専業だったため、 実際にハードウェアを作ったのは別の会社です。

実現方法には数種類ありますが、概してメリットは

  • ローカルにデータを保存しないので、セキュリティの点で有利
  • 端末を交換しても、すぐに同じ作業環境になる
  • 端末には高い性能は必要ないので、低コスト、もしくは小型軽量にできる

となり、デメリットは

  • 別途プログラムを実行するサーバが必要になる
  • 高速低遅延なネットワークが必要
  • リアルタイム性が要求されるゲームの動作検証や、動画編集には不向き
  • プリンタなどの周辺機器を直結しての利用が保証されない

となります。またシンクライアントを利用する場合、 個々の端末は低コストになりますが、サーバやネットワークを含めた全体で考えると、 思ったよりも高コストになることもあります。 しかしながら、2000年代後半に発生した、大規模なデータ流出事件がきっかけとなり、 ローカルにデータを保存しないという特徴から、 シンクライアントの見直しと導入が進み始めました。

JPNIC News & Views vol.1768(2020年5月15日発行)より

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