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「.日本」に寄せられたご意見5

2010年3月16日

●提出組織名:株式会社ASJ

社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター 御中

IDN ccTLD「.日本」に関する意見募集につきまして、 日本インターネットドメイン名協議会事務局宛に本日提出いたしました意見書を添付のとおり、 送信させていただきました。
何卒よろしくお願い申し上げます。

項目 意見
技術的能力全般 【意見】
DNSを高い品質で運用するために求められるものが「細目の具体化」 で網羅されており、管理運営事業者の選定基準(案)として、 満足できるレベルにあると考えられる。
また、 答申に謳われている「.jp」と同程度の安全性と安定性の実現についても、 当該基準(案)をクリアすることで最低限のレベルは達成可能となる。 この観点からも適切な基準(案)である。 今回の意見募集は選定される管理運営事業者の信頼を高めるために行うことを鑑みると、 意見募集を経て、当該基準(案)のレベルは上げることはあっても、 下げることはすべきでないと考える。
必須項目の解釈について 【日本インターネットドメイン名協議会】
「細目の具体化」のなかで、 必ず実現される必要があると考えられるもの
【意見】
運用上のルールがどれになるかに拘わらず、 必ず実現される必要があるものと解釈できるので、 当該事項の実現につき選定段階で応募者にどのようなcommitmentを要求し、 かつ、実現しなかった場合にはどのようなペナルティを課すつもりか。
選定基準(案)の使い方について 【日本インターネットドメイン名協議会】
具体的な配点や採点・決定方法は、今後検討の上決定する予定です。
【意見】
提示されている選定基準(案)は定量的な基準値が示されていないので、 当該基準(案)から採点表に繋げる際、 項目間の1点の重み付けにおける裁量の余地が大きすぎる。 よって、採点表への読み替えを行うなら、再度意見募集を行って欲しい。 一方、応募者間の相対比較による順位付けに当該基準(案) を使うのは適当と考える。
評価のウェイトについて 【日本インターネットドメイン名協議会】
「1」「2,3」「4,5,6,7,8」 がほぼ同等のウェイトで評価されるものと想定しています。
【意見】
管理運営事業者に求められる能力で最も大切なものはDNSの運用を中心とした技術力である。 その意味では「1」は入試でいえば必修科目のようなものであり、 評価のウェイトはもっと高くていいのではないかと考える。
技術的能力 21
経営基盤  13
【日本インターネットドメイン名協議会】
  • 経営計画に対応したシステム拡張計画があること
  • 経営計画に基づいたシステム拡張計画があること
【意見】
両者はほぼ同意の内容と考えられるが、 ダブルカウントするほど重要とは考えられないので、 どちらか一方を削除すべきではなか。
経営基盤 3 【日本インターネットドメイン名協議会】
利益処分の在り方については事業の公益性を踏まえ適正であること
【意見】
意味不明である。 管理運営事業者は「.日本」のレジストリ事業で利益を出すことが当面の課題であり、 その解決を利益処分の在り方の論議より優先すべきである。 また、管理運営事業者が得るであろう利益は、 「.日本」のレジストリ事業以外の事業からのものの方が圧倒的に多いと思われるので、 「公益性を踏まえ」る必要は無いと考えられる。 但し、レジストリ事業で得た利益を公益的な事業の継続性の視点から同事業の再投資に振向ける、 といった方針を明らかにすることは評価できる。
経営基盤 4
 同   5
【日本インターネットドメイン名協議会】
  • 有利子負債比率が適正であること
  • 総資本回転率が適正であること
【意見】
「適正」かどうかは人によって見方が異なる。 選定基準(案)なのだから基準となる数値を示すべきである。 管理運営事業者は無借金で固定費が少ない方が好ましい。
経営基盤 9 【日本インターネットドメイン名協議会】
(外部への委託作業を含め) 業務運営の全体像とそれぞれの関係部署の役割分担が明確になっていること
【意見】
当該項目についてはそれぞれの役割分担を「明確」 にすればいいことになっているが、 外部への委託作業を含め業務運営の統括責任を担う部署を明らかにすべきである。
事業計画 【日本インターネットドメイン名協議会】
レジストリ業務が公共性を持つことを認識した上で創造性や新規性を発揮し、 全世界のインターネットコミュニティの発展に資すること
【意見】
レジストリ業務を着実に遂行することで、 全世界のインターネットコミュニティの発展に資することはできると思われるが、 そこに何故、創造性や新規性の発揮が求められるのかが分からない。 また、レジストリ業務が公共性を持つことを認識することは業務運営の安定性を促すことは理解できるが、 創造性や新規性の追求につながるとは考えられない。
ここは、「レジストリ業務の遂行を通じて、 全世界のインターネットコミュニティの発展に資する」 で十分通じると思うが。
事業運営の公正性・透明性  1 【日本インターネットドメイン名協議会】
ドメイン事業の収支・内容の公開等についての方針がより具体的であること
【意見】
「方針がより具体的であること」とはどういうことか。 「方針」はあるかないかであり、ある場合、 どの程度周知されているかがポイント。 ここは「ドメイン事業の収支や内容等の公開方針が明らかになっていること」が適当では・・。
コンプライアンス体制 【日本インターネットドメイン名協議会】
社内内規が準備され、制定されていること
【意見】
意味不明。何に関して、社内内規が必要なのか明らかにして欲しい。 また「準備され」と「制定され」の関係はor(→若しくは)ということか。
コンプライアンス体制 【日本インターネットドメイン名協議会】
記述なし
【意見】
「事業運営において公序良俗に反しない活動を行っていること」 を加えることを提案する。
外部からの苦情・問合せ、紛争などへの対応、情報セキュリティ管理体制  1
 同  4
 同  6
 同  9
【日本インターネットドメイン名協議会】
  • 関係者からの苦情や提案をサービス向上につなげる体制の計画が立てられていること
  • サービス開始時に混乱を起こさない、十分な周知広報計画が用意されていること
  • 情報公開のポリシーが適切に検討され、制定される計画がたてられていること
  • ICANNNの統一紛争処理方針(UDRP)に準ずる体制の整備が計画されていること
【意見】
上掲の各項目について、「計画がたてられ」ていればOKと読めるが、 いずれも「体制が整備されてい」なければレジストリの役割を全うできないと判断する。
外部からの苦情・問合せ、紛争などへの対応、情報セキュリティ管理体制  11 【日本インターネットドメイン名協議会】
インシデント、アビューズが発生した場合に、的確に対応し、 問題解決ができる体制が整っていること
【意見】
表現が抽象的で、何の問題解決ができればいいのかが分からず、 基準(案)として適切でない。
国際的な役割の遂行 1
  同     4
国内のインターネットの発展への貢献 1
  同     2
  同     4
【日本インターネットドメイン名協議会】
  • ICANNとの協力体制について具体的な計画を有すること
  • ICANNコミュニティに参加し、TLD分野を中心とするポリシー形成のための諸活動に日本から貢献するための計画を具体的に有すること
  • インターネット発展のための普及啓発活動などの計画を具体的に有すること
  • ドメイン名に関連する新たな技術の研究・開発についての貢献・協力・普及活動についての計画を有すること
  • 国内の利害当事者との間で、ICANN等におけるドメイン名に関するポリシーやガバナンスに関する意見交換・合意の推進と、それらをICANNのプロセスに提案、反映させる活動の計画がより具体的であること
【意見】
事業者は、管理運営事業者であるかないかに拘わらず、 「国際的な役割の遂行」や「国内のインターネットの発展への貢献」 は随時取組みが可能な筈である。 よって、上掲の各項目に共通する「計画を有して」いるといった約束手形的な基準(案)よりも、 「あんな役割を遂行している」とか「こんな貢献をしている」 といった現在進行形の実績を問う基準(案)を優先すべきと考える。 しかしながら、パブコメ案にはそのような記述は一行もない。 どうしてか? ここで実績を問うても、新規事業者が不利になり公正でない、 という主張はあり得ないと考えるが。
国際的な役割の遂行 3 【日本インターネットドメイン名協議会】
DNSの運営に関する国際組織や会合などの活動に参加する体制が用意されていること
【意見】
この記述だと参加すれば、若しくは、 参加できる体制があればOKと見受けられるが、もう一歩踏み込んで、 標準化の提案をしたり他からの提案に対して意見を表明したりするレベルまで国際的な役割として求められていると認識しているが、いかがか?
公募要領公表から応募申請受付開始までのスケジュール 【日本インターネットドメイン名協議会】
約2カ月
(jidnc.jpの「総務省より事業者選定依頼」の「別紙3 スケジュール」を参照)
【意見】
スケジュールについては、意見募集の範囲外かも知れないが、 選定結果に大きな影響を及ぼすと考えられるので、意見を述べる。
応募者が選定基準(案)で求められているドキュメント類を整え申請するのに、 公募要領の公表から約2カ月では短すぎると考える。 理由は、求められているドキュメント類が量的に多いことと、 それらの中で一つでも適当でないものがあると当該事業者の行うレジストリ業務の信頼性が損なわれるので (十分整っていない場合)できるだろうという見込みで選定するのはリスクが高く避けるべきであること、である。 よって、現在予定されている「約2カ月」の倍の「4か月」を提案する。 因みに、ICANNは公募要領公表から申請受付までの期間を4カ月としている。
選定基準(案)で求められているドキュメントは (弊社が認識する限り)以下の通り。
  • 指定事業者契約ドラフト(経営基盤18)
  • 「.日本」登録規則ドラフト(同上)
  • 「.日本」のビジョン(事業計画1)
  • 向こう3カ年の事業計画(同4)
  • 「.日本」の需要調査報告書(同10)
  • サービス約款ドラフト(同12))
  • データエスクロー計画ドラフト(同13)
  • サンライズ計画実施手順ドラフト(同15)
  • ドメイン名の公開に関するルールドラフト(同18)
  • 紛争処理ルールドラフト(同18)
  • レジストリシステム仕様書(同20)
  • IDN table(同20)
  • 災害時の復旧計画ドラフト(同16) 等

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