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ccTLDに適用されるDRP

ccTLDの登録機関が採用するドメイン名紛争処理方針(以下、DRP)は、 大きく三つのタイプに分かれます。 一つ目は.com .net .biz などの gTLD が採用しているUDRP (統一ドメイン名紛争処理方針)をそのまま用いる場合、 二つ目はUDRPを参考にして策定したタイプ、 最後はUDRPとは大きく異なるタイプです。

一つ目のタイプは、それぞれの登録規則において、 UDRPを紛争処理方針として採用する旨を定め、 適当な紛争処理機関と契約を結ぶことにより実現できます。 二つ目のタイプの場合にも、UDRPを参考にして策定されたDRPを、 登録規則から引用し、 適当な紛争処理機関と契約を結ぶことにより実現できます。 一つ目と二つ目のタイプの場合には、申立は紛争処理機関に提出され、 登録者は紛争処理機関の行う紛争処理手続きに参加し、 裁定結果に従わなければならないことになります。 紛争処理機関としては、 WIPOのようにすでに紛争処理を取り扱っている機関、 あるいはレジストリが独自に契約した紛争処理機関が考えられます。 なお、gTLDの紛争処理機関であるWIPOは、 ccTLDの紛争処理手続きも積極的に行っています。

各ccTLDの紛争処理方針を正確に理解するには、 それぞれの登録機関のウェブページにある登録規則と紛争処理方針を確認するほかありません。 それぞれのウェブページを探すには、 IANAのルートゾーンデータベース、 あるいはWIPOが提供するccTLD Databaseが役に立ちます。 またWIPOのccTLD Databaseには、 上記3分類のどれに属するかが説明されているものもあります。

以下では、.jp以外のいくつかの代表的なccTLDについて、 DRPの概要をご紹介します。

.au UDRPをモデルにした.AU Dispute Resolution Policy (auDRP) に基づいて処理されており、 手続きはWIPOを含む四つの紛争処理機関に委任している。 UDRPは商標をベースにしているが、 auDRPは人名等の申立者が権利を有する名称も保護の対象としている点が、 UDRPとauDRPの違いの一つとして上げられる。 また、不正の目的は、 ドメイン名の登録時または使用時のどちらかにあればauDRPの適用対象になるとされている。
.ca UDRPをモデルとしているが、 登録者がドメイン名についての正当な利益を有していること、 および登録者がドメイン名を悪意をもって登録していること、 の認定基準は限定列挙されており、 裁定がパネリストにより左右される余地を抑えている。 また、パネルは基本的に3人のパネリストで構成されるが、 登録者から答弁書が提出されないと、 申立側より1人パネルを希望することもできる。 申立側が逆ドメイン名ハイジャッキング等を企て悪意で申立てを行ったと判断される場合には、 登録者側が手続きのためにかけたコストを申立側に負担させるために、 パネルは申立側に対して最高で 5,000カナダドルの支払いを命じることができる。
.ch Rules of Procedure for Dispute Resolution Proceedings for .ch and .li Domain Namesに則り、 WIPOのみにより紛争処理が行われている。 適用されるルールは調停がモデルになっているため、 その手続きはUDRPのものとは異なる。 例えば、申立があるとまず電話により調停が行われる。 調停が不成立や被申立人側が応じない場合等は、 申立人側は判断を下すためのパネルの任命を求めることができる。 また、申立人は、 国家法上における知的財産権の法的侵害を受けたことを立証しなければならない。
.de 登録契約上、紛争処理の制度を持たないため、 当事者同士の和解が不可能な場合は国家法により裁判所で処理することになる。
.eu .euに関する紛争処理手続きについては、 European Commission regulation 874/2004に記されており、 Czech Arbitration Courtにより扱われる。 申立人は、
  1. 登録者のドメイン名が、申立人が権利を有する名称と同一または混同を引き起こすほど類似していること。
  2. 登録者が当該ドメイン名について権利または正当な利益を有していないこと。または、
  3. 登録者のドメイン名が不正の目的で登録または使用されていること。
を立証しなければならない。
なお、JP-DRPでは、 1~3のすべてが申立人により立証されなければならない。
.fr 適用されるルールはUDRPをモデルにしており、WIPOが取り扱う。 商標以外にもその他の知的財産権や諸権利を申立の根拠として認めており、 また、不正の目的はドメイン名の登録時または使用時のどちらかにあれば適用対象と認められる。 3人パネルを選択することができない。
なお、 個人間もしくは個人対法人において法的解決が求められる場合には、 Internet Rights Forumという組織の手続きに依ることもできる。
.kr .krドメイン名登録のThe General Terms and Conditionsの12項によると、 Internet Address Dispute Resolution Policy (IDRP) に則りInternet Address Dispute Resolution Committee(IDRC) が、 .krのドメイン名紛争の申立を受理すると記されている。 現在は、Korean Internet address Dispute Resolution Committee (KIDRC)という名称で、 .krの唯一の紛争処理機関であり、 ADNDRCの事務所の一つとなっている。
.uk UKDRPがある。 UDRPをモデルとしているが、 問題としているのは紛争にかかるドメイン名の登録が 「abusive registration(他害的な登録)」であるか否かで、 「bad faith」という用語を用いていない。 これは、意味合いとしては「bad faith」に近いのかもしれないが、 実際にどのように運用されているのかについては把握し切れていない。
.us USDRPがある。 UDRPと異なる点としては、 不正の目的はドメイン名の登録時または使用時のどちらかにあればUSDRPの適用対象になることが上げられる。 USDRPに基づくドメイン名紛争は、 American Arbitration Association (AAA)とNAFが扱っている。

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