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                                                         平成12年6月9日
社団法人日本ネットワーク
インフォメーションセンター殿
                                            社団法人日本電子機械工業会
                                                   商標委員長 宮田金雄


                 JPドメイン名紛争処理方針に関するコメント

拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
  さて、平成12年5月16日付でご提案頂きました「JPドメイン名に関する紛争
処理方針」(以下、「紛争処理方針」という)および「JPドメイン名紛争処理
方針のための手続規則(以下、手続規則)という」につきまして、弊委員会と
いたしましては以下の通りコメントさせていただきますので、ご高配賜ります
よう宜しくお願い申し上げます。
                                                                  敬具


                                       記


1. 本紛争処理方針および手続規則につきましては、既にgTLDに関して施行さ
  れ、実行が確認されているICANNのUDRPがローカライズされていると思われ、
  ドメインネームに関する、いわゆるサイバースクワッタに対する解決案が示
  されたものとして基本的に歓迎すべきものと考えております。本件に関する
  関係者各位のご尽力に感謝申し上げます。
   なお、本紛争処理方針および手続規則につきましての個別的な意見・要望
  を下記4に記載させていただきましたので宜しくお願い申し上げます。

2. ところで、本紛争処理方針につきましては、JPドメイン名における現在の1
  組織1ドメイン、譲渡禁止のルールの下においては、サイバースクワッタの
  問題解決において大変有効な手段になるものと考えます。
   しかしながら、別途JPNIC殿において議論されている新JPドメイン名に関す
  るルールが施行される場合は、この紛争処理方針では解決が困難な問題が生
  じると思われます。
   例えば、組織属性がなくなり複数登録が可能になることにより、著名商標
  に基づくドメイン名と通常のドメイン名には、「先着順」以外の調整規定が必
  要になると思われます。
   また、ローカルプレゼンスを廃止した場合は、特に東南アジア諸国での不
  正登録商標がいまだに存在することから、これら不正登録を根拠にしたドメ
  イン名への対処が必要になる等の問題が生じると思われます。
   新JPドメイン名の施行にあたっては、上記問題の他、既存JPドメインの優
  先登録や、著名・周知商標の保護等を加味して紛争処理方針の見直しをお願
  いしたいと考えます。同時に、新JPドメイン名については、既存ドメイン空
  間とは異なる新たな問題も生じることが予想されるため、説明会等により広
  く周知していただき、各団体からの意見等もご配慮うえ慎重にご検討くださ
  るようお願いいたします。

3. また、弊委員会といたしましては、ドメイン名紛争解決における効果的な
  手段は登録時における著名商標に類似するドメイン名の排除であると思慮い
  たしておりますので、現在ICANNで検討されている著名商標保護システムの
  導入につきましては、JPドメイン名にも積極的な導入をご検討いただきます
  よう併せて宜しくお願い申し上げます。

4. 紛争処理方針についての意見・要望について
  (1)紛争処理方針第2条(b)の「登録者が知る限りにおいて」とは、具体的に
     どのような意味合いでしょうか。
     本件につきましては、ICANNのUDRPにおいても、商標調査の要否が検討さ
     れた経緯がありますが、同様に一応の商標調査は必要とするのでしょうか。
     仮に、商標調査が不要であるとしても、自己の業務等に無関係の分野に
     おいて、同一または類似の商号・商標が存在することを知っていて、当
     該権利者が同一のJPドメイン名を登録することが予想された場合はいか
     がでしょうか(例えば、三洋電機株式会社が「sanyo.co.jp」を登録申請
     する場合に、同じく「sanyo.co.jp」を申請する可能性がある他者の存在、
     具体的には登録商標「三洋商会」や商号「山陽電鉄株式会社」等が存在
     することを知っていた場合)。
     当該申請者の知的財産に関する認識によって、「知る限りにおいて」の
     基準が変わる可能性はないのでしょうか。
  (2)本紛争処理につきましては、先の説明会(5月16日開催)において、工業
     所有権仲裁センター殿がご担当されると聞いております。しかしながら
     企業が工業所有権に関する仲裁を行う場合は、通常は弁護士による代理
     が必要とされると聞いております。安価に紛争解決を行うためには、企
     業内の知的財産部門の人間による、いわゆる本人代理が必要と考えます。
  (3)料金については、(2)の問題も関連しますが、ICANNのUDRPと同レベルの
     10万円程度を要望致します。
  (4)紛争処理方針第4条a(i)の「商標」については、その対象を日本国内の商
     標とするのか、海外の商標権も含むものであるのか、また、出願中を含
     むのか、海外の商標権を含むとすれば、無審査国の登録をどのように評
     価するか等、様々な問題があります。本件につきましては、更なるご検
     討のうえ、別途基準が出来次第、公開して一般からのコメントを可能に
     していただきたいと思います。
  (5)紛争処理方針第4条b(iii)は、ホームぺージの開設等、現実の使用を必要
     とするのでしょうか。
  (6)ICANN同様、JPドメイン紛争解決手続き状況についてネット上で常時、裁
     定結果・統計状況を公開していただきたいと思います。
  (7)不正登録されたドメインについては、正当な権利者への移転が行われる
     べきと考えます。したがって、裁定の結果、正当な権利者に当該ドメイ
     ン名が譲渡される場合につきましては、1組織1ドメインの原則の例外と
     することを要望致します。
  (8)周知・著名商標を含むドメイン名については、ウェブサイトの開設行為
     やドメインの対価を要求する行為がなくとも、正当な商標権者が取消し、
     移転申請が可能になるよう、紛争処理方針第4条bの要件を緩和していた
     だくようお願いいたします。

                                                                以上
            

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