------------------------------------------------------------------------------- ICANNモントリオール会議: ccTLD管理者による会合 1日目 日時:2003年6月22日(日)9:10~18:00 会場:Le Centre Sheraton Montreal Hotel(カナダ・モントリオール) 司会:Peter Dengate Thrush(NZ) 出席者:約70名(各国ccTLD管理者他) 内容:1. ICANNによるccNSO案についての議論 2. ICANNの発展と改革に関する委員会(ERC)メンバーとのセッション ------------------------------------------------------------------------------- <概要報告> - 6月13日にICANNより発表されたccNSO(ccTLD管理者による支持組織)に関する提案 についての議論が行われた。 - ICANN案では、ccNSOのポリシー策定の役割において、その対象となる範囲を詳細に 規定しておらず、範囲はccTLD自身がポリシー策定プロセス(PDP)に則って規定 すべきであるとしている。これに対し、規定が明確になっていない状態でccNSOに 参加することへの抵抗が複数のメンバー間に見受けられた。 - ccNSO組織化の動きを進行させたいERC/ICANNとしては、ccNSOへの参加は永久的な ものではなく、途中で離脱することが可能であるため、参加に際して慎重になり 過ぎる必要はないという見解を示している。 ------------------------------------------------------------------------------- <詳細記録> ■1. ICANNによるccNSO案についての議論 http://www.icann.org/montreal/ccnso-organization-topic.htm ●1.1 Peter Dengate Thrush(NZ)による説明 - 過去の議論の経緯の説明 - ICANNによるccNSO案の説明 - ccTLD管理者がccNSOへ参加するに当たって阻害となる要因はなにか: + 評議会(Council)に指名委員会選出メンバー3名が含まれる点? + ccNSOのポリシー策定の役割の範囲が規定されていない点? + 地理的地域の規定について? + 委任・再委任の問題で紛争中のccTLD管理者の役割? + その他 ●1.2 議論 - ccNSOのポリシー策定の役割の範囲が規定されていないことは問題。ccTLD管理者が 遵守するポリシー(ccTLD管理者に影響するポリシー)は、ccNSOの範囲内のものと し、ポリシー策定プロセス(PDP)に基づくものであるべき(Hilde Thunem, NO) - PDPを変更するには理事会の承認が必要であるならば、タイミングが重要。ccNSOの 枠組みを策定するのは、今回のモントリオール会議で解散する現理事会ではなく、 新理事会がスタートするまで延期させるべき(2ヶ月ほど)(Paul Kane, AC, CENTR) ○PDPについて - ICANN案にある地域別の投票には反対。地域毎にメンバーの66%を超える賛成が必要 となると、一地域のメンバーの34%が反対すればPDP全体が却下されることになる (Chris Disspain, AU, ccNSO支援グループメンバー) ○メンバーシップについて ○ポリシー策定の役割の範囲の枠組みについて コアとなる機能: 1.データエントリ機能(DEF) 2.ネームサーバ機能(NSF) - 初期においては、多くのccTLD管理者がccNSOに参加しやすいように、範囲は極めて 狭いものにすべき。範囲についてはBylawsに含めるべきではないのでは(DE) - 範囲が規定された後も、メンバーはccNSOから離脱する権利を持っているので問題 ない(Disspain) - ccTLDからのICANNへの拠出金負担についても、ポリシー策定の対象範囲に含める ことを提案(Peter, NZ) →IANA機能への拠出とICANN機能への拠出は分けて考えるべき(Kane) ○問題の整理(by Peter) - ccNSOに参加する前にその範囲を規定すべきか否か? - ccNSOが成立するための最少参加数は30or40? (ccNSO PDPを開始する前に少なくとも40のccTLD管理者がccNSOのメンバーとして 参加しているべき) - Kaneの提案(新理事会がスタートするまで枠組みの決定を延期すべき)を採用する か? →次回のICANN会議まで延期したとしても、いつものように議論で終わるだけで何も 決まらないのでは(Yann Kwak, モーリシャス) - ICANNが提案している地理的地域の規定の見直しについても議論すべき(Peter) #午前の部終了。14:00~16:00は政府諮問委員会(GAC)のERCとの公開 #ミーティングがあるため、午後の部は16:30より開始 ■2. ICANNの発展と改革に関する委員会(ERC)メンバーとのセッション #ERCメンバーのAlejandro PisantyとHans KraaijenbrinkがccTLDメンバーからの 質問に回答 - ポリシー策定の役割の範囲のマトリックスは、ICANN理事会ではなくccTLD管理者 自身が、ポリシー策定をすべき問題がなにかを見極めるためのもの。枠組みは ツールとして使用すればよい(Hans, ERC) - 現段階では、なにがグローバルレベルの問題で、なにがローカルレベルの問題か を定義する必要はない(Pisanty, ERC) - ccNSOの範囲をIANA機能のみに限定すべきという我々のリオ会議での議論を覆した のはなぜか?(Sabine, DE) →IANA機能のみに限定するのは、広義の利益にそぐわないと判断した(Hans) - 範囲は当初から明確にしておくべき(Hilde, NO) - 同意見(Stephan, DE) →範囲はccNSO自身が決めるべきという考え。ccNSOが責任を持つべき問題 (Hans) - ICANN理事会/ERCがccNSO支援グループをccTLD自身で作るよう我々を信頼してくれ なかったことは残念。ICANNが我々を信頼してくれれば、我々も協力する。現在の 条件では、ccNSOに参加しないと言っているccTLD管理者がいる。彼らにどうすれば 参加するか意見を聞いてみるべき(Kane) →ゼネラルルールを決めて、とにかく進めていくことが重要(Hans) - 範囲は限定されたものにすべきであり、規定されるべき(Sabine) - 枠組みについて、この場に参加しているccTLD管理者が合意できる部分のみ決定す るか、すべての決定を延期するか、2通りの選択肢があると思う (Vint Cerf, ICANN理事長) - IANA機能に関する問題は管理の問題であり、ポリシー問題ではない。ccNSOの活動 範囲がどれだけ広くなろうとIANA機能は常に含まれることになる。組織化を遅らせ ることは有益ではない(Pisanty) - 今後数日の間さらにccTLDメンバーの意見を聞いてから、ccNSO案へのフレンドリー な修正を理事会に提案したい(Hans) #終了。この後、有志のみ残り検討項目のドラフトを作成 -------------------------------------------------------------------------------