------------------------------------------------------------------------ ICANNローマ会議:一般討論会(Public Forum)第1部 日時:2004年3月4日(木)14:15~18:45 会場:Melia Roma Aurelia Antica Hotel(イタリア・ローマ) 司会:Vint Cerf(ICANN理事長) 出席者:約150名 内容:1. 開会挨拶 2. 各理事会内委員会からの報告 3. スポンサー付き新gTLD申請募集の状況報告 4. 新gTLD評価プロセスの状況報告 5. ICANNのグローバル化と地域事務所について 6. ICANN事務総長からの報告 7. オープンマイク ------------------------------------------------------------------------ <詳細記録> ■1. イタリアのInnovation and Technologies大臣(Stanca氏)による開会挨拶 ■2. 各理事会内委員会からの報告 ●監査委員会 - 監査人の決定について:7月のクアラルンプール会議までにトップ3を決定、 12月のケープタウン会議までにRFP受領・審査 - 2004年6月30日までの現会計年度については現行のKPMGが監査人 - 現行の財政システムを見直す必要 - 2004年、2005年の行動計画を達成するよう取り組む 他 ●理事会統治委員会 - カルタゴ会議以降4回の会合を持った - ICANNにとって適切な統治の原則とプロセスの策定について検討 - 指名委員会チェアの指名に関する提案書を作成予定 ●財政委員会 主な議論内容: - 予算執行のフォローアップ - 次期予算の戦略計画とその影響 - 資金拠出 - 04-05予算編成スケジュールの紹介 4/27--予算案の発表 7/23--KL会議にて承認 ●ミーティング委員会 今後のICANN会議開催予定: 2005年 4/4~8 南米 7/11~15 ヨーロッパ 12/5~9 北米 2006年 3/27~31 アジア 6/26~30 アフリカ 10/30~11/3 南米 [質問/意見] - 理事会統治委員会について。具体的にどういう点についての適切な原則と プロセスを検討しているのか?(Amadeu) →現段階では、コーポレートガバナンスの基本方針(core principles)に ついて検討している ------------------------------------------------------------------------ ■3. スポンサー付き新gTLD申請募集の状況報告 - カルタゴ会議での理事会決議紹介 - 申請プロセス紹介: ICANNが掲載する申請書類のレビュー → ユーザー名とパスワード申請 → オンラインによる申請 → 独立機関による評価 → 技術面・コマーシャル 面の交渉 → 契約 - プロセスの特徴: + ウェブベースの申請 + 独立機関による審査 + 申請者は、コミュニティの参加、技術力、財政面の継続性、強固なビジネス モデルを証明する必要 - 申請スケジュール: 12/15---RFP発表 質問期間開始 2/27---質問期間終了 → 3/5まで延長 3/10---申請料支払い締切り 3/15---申請締切り - 現在の申請状況: パスワードの申請---14件 質問---38件 申請料支払い---3件 - 暫定スケジュール: 3/16~31---申請書の完全性をレビュー 4/1~30---PartBについてのパブリックコメント期間 5~7月---独立評価 8/1---コマーシャル面・技術面の交渉のための申請者選定 8月以降---契約交渉 ------------------------------------------------------------------------ ■4. 新gTLD評価プロセスの状況報告 ポリシー面・法律面の問題について - 7つの新gTLD導入について - 新TLD評価プロセス計画タスクフォース(NTEPPTF)が優先質問項目を選定 + ポリシー面と法律面の質問項目(7つ)評価についてはほぼ完了。ただし テクニカルデータの受領待ち + 運用面、技術面の質問項目評価(4つ)については現在作業中 - 評価方法: + レジストリ、レジストラ、ICANNスタッフ、その他関係者へのインタビュー + ランダムなサンプリング - 登録制限についての評価(.bizと.nameが対象) + レジストリ等へのインタビューやデータサンプルによる + 自己証明が効果的な抑止力となったかどうか等を評価 - 新gTLD の影響、料金、など - 契約の妥当性について - 法律面&規制の問題 ------------------------------------------------------------------------ [質問] - スポンサー付き新gTLD申請の評価に120日もかかるのはなぜか?スケジュール の再考を要請する - .NU、.PW、.TVなどのgTLD的運用をしているccTLDについてはどう考える? ccTLDの不適切な使用は危険性を孕む - 消えてしまった.IQはどうなった? →.IQは現在機能していない模様。ccTLDの委任には政府の関与が必要になるが、 どの組織がその部分を担当できるのか不明(Vint Cerf) ------------------------------------------------------------------------ ■5. ICANNのグローバル化と地域事務所について - ブリュッセル事務所が2004年1月に開設 - 地域事務所の利点: グローバルな機能、プラクティカルな活動 - 地域事務所のロケーションやスタッフ雇用などについて要検討 [質問/意見] - ICANNメンバはグローバルなのに、なぜICANN事務局をグローバルにする必要 があるのか?ccTLDがこれについて関与する必要があるのか? →途上国から多方面の情報提供に関する要請を受けているため。ccTLD地域組織 とは無関係 - 言語の問題を検討してもらいたい - 文書などの多言語対応は、事務所をグローバルに設置せずとも済む話 - 言語問題解決は重要。グローバル化のために検討してもらいたい (Mouhamet, 理事会メンバ) ------------------------------------------------------------------------ ■6. ICANN事務総長からの報告 事務総長に就任して11ヶ月経過したので、年次の見直し(Annual review)を したい。 ●達成事項 - 米国商務省との覚書(MoU)を更新 - 組織の再構築と雇用 - At-large組織化:10件の承認 - gTLDポリシー:Whois、レジストラ変更、ほか - ccNSO組織化:39ccTLDが参加 - 国際化ドメイン名(IDN)実装 - 新レジストリサービスに関するポリシー策定プロセス(PDP) - ブリュッセルに事務所を設置 - スポンサー付き新gTLDの申請プロセス開始 ●コミュニティとの協議 - 各地に出向き、多方面のコミュニティと協議を行い、要請等を受けてきた - ICANNのミッションはなにかについての質問が多かった ●コミュニティからのフィードバック ICANNにとっての優先事項: - 米国商務省とのMoUプロセスの完了がトップ - 地域によって関心事項が異なる(北米は知的所有権の問題。中東では宗教 問題。アフリカは地理の問題) - ICANN文書の多言語化 その他 ●米国商務省とのMoUの要件 - アカウンタビリティ規定 - オペレーション規定 (セキュリティ問題、新gTLD、Whois情報の正確性など) - デュー・デリジェンスの措置 (非常事態計画の作成など) - アウトリーチ(教育普及活動)規定 (政府や地域インターネットコミュニティへのアウトリーチ、多言語による コミュニケーション、など) コミュニティからのフィードバックによると、コミュニティがICANNに期待する ことは、ホワイトペーパーに記載されているICANN運営の4つの原則に当てはまる [質問/意見] - ICANN改革で規定されたオンブズマンの設置についてはどうなっている? →オンブズマンの業務内容について初期の見直しをした。ICANNに寄せられる 苦情件数があまりに多いため、どういった苦情にオンブズマンが対応するか 検討する必要がある。いくつか応募があったが、まだ採用募集期間中。 KL会議までには進捗状況を報告できると思う - IANA関連業務の多言語サポートを要望。コミュニケーションの問題が処理の 遅延を招いている - この11ヶ月に発生したことで、事務総長の報告に含まれていないのはICANN への訴訟 →WLSについては3件進行中。その他新規1件。先週VeriSignが反トラスト訴訟 を行った。SiteFinder紛争に関する訴訟も。 ------------------------------------------------------------------------ ■7. オープンマイク (NSI CEO) - NSIには、4百万人のヘビーユーザーと、そうではない一般的ユーザーとしての 4百万人の顧客がいる。 - 4百万人の一般的ユーザーの懸念: 67%はプライバシー問題、個人情報の盗難、スパムなどを心配している - Wait Listing Service(WLS)について。我々の顧客はWLSを必要としている - Whoisのデータマイニングについて。我々はこうした顧客の懸念に対処しなけ ればならない (Bruce Tonkin, Melbourne IT) - ICANN予算について。ここ数年の予算増額はレジストラに影響する。レジス トラはICANNをサポートすることに異存はないが、資金拠出モデルをより適切 なものに変更すべきではないか (StaffNames) - WLSは、ドメイン名のバックオーダーサービスとしてはクリアーかつシンプル で最善のもの。WLS実施を希望 # Domain spot、Snapnamesも同様にWLSを支持。 # WLSの内容を再度吟味すべき、とWLSに反対するレジストラも。 (Encirca) - 削除済みドメイン名のための請戻猶予期間(RGP)が実施されて12ヶ月以上 経つが、有効に機能している。顧客に聞くと、WLSは必要ないとのこと。 大規模レジストラがWLSを支持しているのは、在庫(登録ドメイン名)を 減らさずに済むため。我々のような小規模レジストラにとってはWLSは弊害 (Bulk Register) - WLSを支持 ------------------------------------------------------------------------