2006年2月28日
ICANNがアカウンタビリティ・フレームワークに関する
ドキュメントを掲載
ICANNは、ccNSOが最近公開した 「ccTLD管理者へのガイドライン - ICANNとのアカウンタビリティ・フレームワークに関する議論」を歓迎します。 ガイドラインは、ccTLDコミュニティ内での協議の成果であり、 ccTLD管理者とICANNとの従来の関係を正式なものとする上での土台となります。
ICANNは、すべてのccTLD管理者とアカウンタビリティ・フレームワークについて議論する機会を持てればと考えています。 議論のプロセスを支援するために、 議論の出発点としてccTLD管理者向けに2つのドキュメントが作成されました。
1つ目は、アカウンタビリティ・フレームワーク (Accountability Framework document) についてのドキュメントです。 本ドキュメントは、ccTLD管理者とICANNの義務に関する条項だけではなく、 紛争処理とその終結についても対象としています。 本ドキュメントは、 ICANNとより「正式な」ドキュメントを取り交わすことを求める ccTLD管理者の要求を満たす内容となっています。
2つ目は、 書簡取り交わし (exchange of letters) のためのドキュメントで、 責任に関する記述がより簡素なものを希望する者のために作成されています。
個々のccTLDの意向に沿って、 どちらのドキュメントも議論の出発点として利用いただけます。 コミュニティと国に仕えるという、 RFC1591に記述されているccTLD管理者の責務を反映させるというような、 個々のccTLD管理者の特定の要求に応えられるように変更する余地が双方の文書にあります。 従来の関係を正式なものとするための、このような扱いやすいアプローチは、 スポンサー契約に代わるものとして提供されています。
背景
インターネットは時を経て発展し、商業化されるにつれ、 利害関係者が関心を寄せるようになった分野の1つとして、 責任ある組織を認識し非公式に連絡を取ることができ、 結果として個々の役割と責任を明確化するのに最適なメカニズムを確立することがあります。 従って、ICANNを通じたインターネットのグローバルで民間による技術的連携へと移行を完了するためにICANNがアメリカ合衆国政府と取り交わした覚書に基づく必要事項の1つは、 ICANNはインターネットのオペレーションに関わりのある他の組織との適切な関係を確立し、 インターネットが継続的に安定して運用されるような方法で技術的な管理責任を果たすことができるようにすることです。 それら組織にはccTLD管理者と同様、 影響を受ける国や領土の政府も含み全体的な調整に貢献できるようにしています。 特にccTLDに関しては、2000年9月に更新した覚書に従って、 民間の連携へと移管を完了するには、再委任の問題、 ポリシー構築責任の割り当て、 関係する政府もしくは公的機関との関係について記載のある 「国別トップレベルドメインを運用する組織との確固たる契約」が必要となります。
2000年以来、 ICANNはccTLD(国やいくつかの領土のために制定された2文字TLD)管理者と共に、 ICANNとccTLD管理者の関係性についての文書化に取り組んでいます。 ccTLDやccTLDを運用する組織によって(組織の形態、ポリシー、経済、 言語、文化、法的環境、政府との関係などの観点から)事情が様々なため、 これらの関係性は複雑です。
ICANNは、 スポンサー契約 を通じて .au、.jp、.keなど 多くのccTLD管理者との関係性を正式なものとしています。 しかしながら、 これらの契約書は非常に細部にわたる文書であるとの認識の元、 ICANNは広く合意された基本線となる基準を策定するにあたってccNSOに対して援助を求めました。 これがアカウンタビリティ・フレームワークとして知られるようになるものの基礎となりました。 ICANNは、大方の合意が得られた基準を基に、 各ccTLDの状況に関して個々にドキュメントを調整できる柔軟性を伴うアカウンタビリティ・フレームワークのドキュメントを策定することができました。
最初の助力の要請 があったのは、2004年7月のICANNクアラルンプール会合でした。 そこで、ccNSOはccNSOのメンバーとより広い ccTLDコミュニティからなるアカウンタビリティ・フレームワークワーキンググループを形成しました。 ワーキンググループのメンバー内の議論に加え、 ケープタウン、 マルデルプラタ、 ルクセンブルグ でのccNSO会合でも重要な議論がなされています。
2005年12月14日、ccNSO評議会は、 ICANNとアカウンタビリティ・フレームワークについて議論する際に ccTLD管理者に考慮いただくガイドラインとして、 アカウンタビリティ・フレームワークワーキンググループ中間報告を発行することを決議しました。 2005年12月19日には、 ccNSO評議会はccNSOのメーリングリストにその決議を公表し、 公表後7日間経っても反論がなかったので、 現在は運用可能なガイドラインとなっています。 ガイドラインは、 2006年1月6日にICANN ccNSOウェブサイトにて発行されました。
ICANNからのアナウンス(2006年2月12日)
以上