各位
一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
ICANN通常理事会(2017年11月2日開催)決議概要
- セキュリティと安定性に関する諮問委員会(SSAC)委員の任命
- アウトソースサービスプロバイダー契約の延長
- 2019年6月のICANN会議の開催場所に関する契約
- ドメイン名における絵文字に関するSSACからの勧告
- 理事会の委員会のリーダー選出手続き改定
- 理事会の各委員会のチャーター修正
- .CORP、.HOMEおよび.MAILおよび類似の文字列に関する検討
- 正味財産の送金の承認
- 理事会メンバーの誠実性調査
1. セキュリティと安定性に関する諮問委員会(SSAC)委員の任命
理事会はSSACからの推薦を承認し、Rod RasmussenをSSACの議長に任命しました。 任期は、2018年1月1日から始まり2020年12月31日までとなります。
理事会はSSACからの推薦を承認し、以下のSSACメンバーについて、 2018年1月1日から2020年12月31日までの3年の任期で再任しました。
- Greg Aaron
- Benedict Addis
- Don Blumenthal
- Lyman Chapin
- KC Claffy
- Geoff Huston
- Russ Mundy
- Rod Rasmussen
- Mark Seiden.
また理事会は、Bobby FlaimをSSACメンバーに任命しました。 任期は、理事会による承認時より2020年12月31日までとなります。
2. アウトソースサービスプロバイダー契約の延長
理事会は、事務総長兼CEOまたはその指名する者に対して、 情報システムの能力を増強するためにZensarとの契約を4ヶ月を超えない期間、 同条件にて延長する権限を付与しました。 また、契約金については[交渉事項に該当するため金額は非開示]を超えないよう、 指示しました。
なお、この決議のうち特定の項目については、交渉事項であることを理由に、 付属定款第3条第5項2の定めに従い、 事務総長が開示を決定するまでは公開しないことが承認されました。
3. 2019年6月のICANN会議の開催場所に関する契約
理事会は、事務局長兼CEOまたはその指名する者に対して、2019年6月のモロッコ、 マラケシュでのICANNポリシー会議のための開催場所のために必要となるすべての契約と支払いを行うよう指示しました。 また、支払額の合計は[交渉事項に該当するため金額は非開示]を超えないよう、指示しました。
なお、この決議のうち特定の項目については、交渉事項であることを理由に、 付属定款第3条第5項2の定めに従い、 事務総長が開示を決定するまでは公開しないことが承認されました。
4. ドメイン名における絵文字に関するSSACからの勧告
理事会は、有効なIDN TLDラベルの必要条件とは、 今後も引き続きIDNA2008およびその後継への適合であるとの見解を示しました。
理事会はccNSOおよびGNSOに対し、SSACと協力し、 ラベルに絵文字を含むドメイン名を使用することに伴うリスクとその結果をさらに深く理解し、 リスクについて各コミュニティに知らせるよう、要請しました。
理事会はccNSOおよびGNSOに対し、ドメイン名の安全性、安定性、 回復性および相互運用性を守るために、 それぞれのポリシーにIDNA2008およびその後継を盛り込むよう、要請しました。
理事会はICANN事務局長またはその指名する者に対して、 SAC095による指摘事項および勧告をgTLDおよびccTlDコミュニティと共有するよう、 指示しました。
5. 理事会の委員会のリーダー選出手続き改定
理事会は、修正された理事会の委員会のためのリーダー選出手続きを承認しました。
6. 理事会の各委員会のチャーター修正
理事会は、理事会監査委員会の修正されたチャーターを承認しました。
理事会は、理事会報酬委員会の修正されたチャーターを承認しました。
理事会は、理事会執行委員会の修正されたチャーターを承認しました。
理事会は、理事会財務委員会の修正されたチャーターを承認しました。
理事会は、理事会ガバナンス委員会の修正されたチャーターを承認しました。
理事会は、理事会構造改革委員会の修正されたチャーターを承認しました。
理事会は、理事会危機管理委員会の修正されたチャーターを承認しました。
7. .CORP、.HOMEおよび.MAILおよび類似の文字列に関する検討
理事会はICANNのセキュリティと安定性に関する諮問委員会に対して、.CORP、.HOME、 .MAILの文字列がルートに委任された場合にユーザーおよびエンドシステムにどのようなリスクが生じるかについて、 技術的な専門家(IETFのワーキンググループ、GNSOの技術に詳しいメンバー、 その他の技術者)の協力を得て徹底した包括的な方法でもって調査検討を行うよう、 要請しました。 理事会は理事会技術委員会に対して検討作業において理事会のリエゾンとして行動することを求め、 ICANNのセキュリティと安定性に関する諮問委員会に対しては調査検討作業が費用とスケジュールの面で十分な明確性をもってタイムリーかつ組織的に行われるよう、要請しました。
理事会はICANNのセキュリティと安定性に関する諮問委員会に対して、 徹底した包括的な方法でもって、技術的な専門家(IETFのワーキンググループ、 GNSOの技術に詳しいメンバー、その他の技術者)の協力を得て調査検討を行い、 理事会に対して課題全般についてデータ、分析および見解を示し、勧告を行うよう、 要請しました。 なお課題には、以下が含まれますが、これらに限りません、
- 名前衝突の適切な定義および、名前衝突を起こすとされる文字列が名前衝突を起こすと頻繁に言われる理由
- 現在、これらの文字列についてクエリからルートに返って来る否定応答がエンドユーザーエクスペリエンスにおいて果たす役割。ここには、既存のエンドシステムにおいて果たす役割も含まれます
- 名前衝突を引き起こす文字列が委任されたときに既存のユーザーに及ぼす危害。ここには否定応答を既に受けていないエンドシステムへの危害と、委任されたレジストリが偶然に、あるいは意図的に、これらのエンドシステムからの後続のクエリを悪用した場合の危害の可能性および、その他の何らかのタイプの危害が含まれます
- 危害を緩和する可能性のある手段の候補
- 危害を緩和する一連の手段が成功する可能性に影響を及ぼす要素
- 危害を緩和する手段を採った後でも名前衝突を引き起こす可能性がある文字列を委任することによる残りのリスクの可能性
- まだ委任されていない文字列が名前衝突を引き起こすことが明らかか、つまり、名前衝突を引き起こす可能性がある文字列に分類される否かの判断基準案
- 名前衝突を引き起こす可能性がある文字列が委任されるべきではないか否かの判断基準案。また、名前衝突を引き起こす可能性がある文字列一覧からまだ委任されていない文字列を削除する方法を決定するための基準案
- 例えとして、委任されていない文字列にクエリがある等、意図された、または意図しなかった状況の発生を保護する方法。このような状況では、そうした文字列は名前衝突を引き起こす可能性がある文字列に分類されるべきだということになるかも知れず、また、弊害が起きる可能性のリスクがあるのであれば、名前衝突を引き起こす可能性がある文字列一覧の作成について調査研究がなされるべきかも知れません
理事会は理事会技術委員会に対して検討作業において理事会のリエゾンとして行動することを求め、 ICANNのセキュリティと安定性に関する諮問委員会に対しては検討作業が費用とスケジュールの面で十分な明確性をもってタイムリーかつ組織的に行われるよう、要請しました。
理事会は事務総長兼CEOまたはその指名する者に対して、 アブダビでの第60回ICANN会議の次の理事会会議で、 .COM、.HOMEおよび.MAILについて、 新gTLDプログラムにおける申請の検討に向けた選択肢を示すよう、指示しました。
8. 正味財産の送金の承認
理事会は、事務総長兼CEOまたはその指名する者に対して、 運用資金口座から準備資金口座に500万米ドルを送金する権限を付与しました。
9. 理事会メンバーの誠実性調査
理事会は、事務総長兼CEOまたはその指名する者に対して、 意見募集のための提案書を作成するよう、指示しました。 提案書は、現時点で指名委員会に類似する一貫性のあるデューディリジェンスの選考プロセスを持たないICANNのすべての支持組織および諮問委員会に対して、 投票権を持つ理事および投票権を持たないリエゾンの両方について同様の、 または類似する一貫性のあるデューディリジェンスの選考プロセスを持つことを検討するよう、 強く求めるものです。
理事会は、事務総長兼CEOまたはその指名する者に対して、 今後の理事会メンバー選考にあたって一貫性のあるデューディリジェンスの選考プロセスを活用することを選択するすべての支持組織および諮問委員会に対して、 ICANN事務局が同選考プロセスを奨励し、資金援助をすることを保障するよう、指示しました。
他の決議事項を含めた詳しい内容は、以下の原文をご覧ください。
Adopted Board Resolutions | Regular Meeting of the ICANN Board
以上