各位
一般社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター
ICANN臨時理事会(2018年5月17日開催)決議概要
1. gTLD登録データのための暫定仕様の検討(GDPR遵守のための暫定モデルの実装)
理事会は、 レジストリ契約/レジストラ認定契約における暫定のポリシー策定に関する手続きに基づき、 gTLD登録者データにおける暫定仕様を承認します。 この暫定仕様の承認にあたり、理事会は以下の判断を行いました、
- 登録データ中における個人情報の処理に関する既存の要件を暫定仕様によって修正することは正当だと理由付けられること。 また、レジストラサービス/レジストリサービス/DNS/インターネットにおける安定性または安全性の維持のために直ちに暫定的に暫定仕様を設けることは必要なことであること。
- 暫定仕様はレジストラサービス/レジストリサービス/DNS/インターネットの安定性および安全性維持の目的のため、 可能な限り最小限のものに限るよう作られていること。
- 暫定仕様は2018年5月25日より90日の期間で効力を有すること。 理事会は暫定仕様の採用について90日ごとに再確認し、ただし1年は超えないこと。
理事会は、暫定仕様の発効日よりも前に済ませるべき課題がまだあると認識しています。 特に、レジストリ-レジストラ間の契約およびデータエスクロー契約にはデータの扱いに関する追加の条項(適用を受ける部分についてはデータの国際的な移転に関するEUのモデル条項を含めるものとする)が含まれるべきです。 ICANN事務総長兼CEOまたはその指名する者に対して、課題を完了し、また、 課題に関する情報を閲覧できる場所を明示するよう、指示しました。
理事会は、 その他の実装項目でコミュニティによる更なる検討を必要とするものがあることを認識しており、 暫定仕様の発効後、可能な限り早くこれらの項目を検討するよう、 コミュニティに対して求めます。 これらの項目は暫定仕様の付属文書で特定されていますが、 ポリシー策定プロセスの残りの部分で検討対象とすることを義務付けられてはいません。
GDPRが発効した後、 その結果に基づき更なる意見集約が必要ととなることを理事会は認識しています。 ICANN理事会が第29条作業部会/欧州データ保護委員会/GDPRに関する法的管轄を有する裁判所による命令/適用される法律や規制/ICANN付属定款が定める理事会-GAC間の協議プロセスの結果に基づき暫定仕様を修正するためのプロセスが暫定仕様には含まれています。
理事会は、GDPRが完全に施行された場合、 gTLD登録者データに関する統一したポリシーの運用面の実行によってグローバルな公共の利益がもたらされると判断します。
理事会はICANN事務総長兼CEOまたはその指名する者に対して、 特に暫定仕様の影響を受けるすべてのポリシーや契約条項の特定に関する追加の説明資料を作成するよう、 指示しました。
理事会はICANN付属定款が定めるコンセンサスポリシー策定プロセスを開始し、 暫定仕様における課題を対象とするコンセンサスポリシーの策定に向けた段取りについて、 GNSO評議会とできるだけ早く協議を行います。 理事会は、PDPの対象範囲、タイミング、 そして関係する手続き的な要件についてGNSO評議会と協議します。
理事会は、gTLD登録者データのために暫定仕様を採用する理由および、 暫定仕様がインターネットの利害関係者からコンセンサスに基づく支持を得る必要がある理由について詳細に説明する声明("Advisory Statement Concerning Adoption of the Temporary Specification for gTLD Registration Data")を承認しました。
理事会はGACからの2018年5月17日のレターに基づき、 暫定仕様のうちGACのサンフアンコミュニケにおける勧告の特定の項目に反しているか反している可能性があるものについては正式な決定は延期することを確認しました。 更なる決定が必要かどうかについては、理事会はGACとの継続的な議論後に決める予定です。
2. その他
決議は行われませんでした。
他の決議事項を含めた詳しい内容は、以下の原文をご覧ください。
Approved Board Resolutions | Special Meeting of the ICANN Board
以上