===================================== __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.14 2002.5.15 ◆ _/NIC ===================================== ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃◆ News & Views vol.14 です ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今回は先月末に行われた第3回ICANN報告会のレポートを中心に、7月に開催 される第2回JPNIC Open Policy Meetingのご案内、コラムなどをお届けして参 ります。 ところで皆様、ICANNの情報がJPNICのWebに掲載されているのをご存じです か?ICANN設立の経緯から、アナウンスメントや決議文などの最新情報まで、 随時アップデートされていますので、ご興味のある方はぜひ一度ご覧下さい! http://www.nic.ad.jp/ja/icann/ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ┃◆ 目次 ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 1 】特集 ◇ 1. 第3回ICANN報告会レポート ◇ 2. 第2回JPNIC Open Policy Meeting開催のお知らせ 【 2 】News & Views Column ◇ 正しさとは JPNIC 評議委員会リエゾンメンバー 近藤 邦昭氏 (JANOG・(株)インターネットイニシアティブ) 【 3 】インターネット用語1分解説 「CIDRとは」 【 4 】統計資料 ◇ 1. JPドメイン名 ◇ 2. IPアドレス ◇ 3. 会員数 ◇ 4. 指定事業者数 【 5 】イベントカレンダー ◆◆【 1 】特集 ◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇ 1. 第3回ICANN報告会レポート 第3回ICANN報告会が、JPNICおよび(財)インターネット協会の共催で 4月24 日、東京都千代田区の日本教育会館において行われました。今回の報告会は、 3月10日から14日までアフリカ・ガーナの首都アクラにおいて開催されたICANN 会議の主な決議内容等についてのレポートと、「ICANN改革」に関するパネル ディスカッションという2部構成で行われました。 報告会の前半では、はじめにJPNIC職員の入交尚子によるICANNアクラ会議 における決議の報告があり、次に(株)日本レジストリサービス(JPRS)取締役、 堀田博文氏から「ICANN改革案」の概要についての説明が行われました。 アクラ会議での主な決議事項は、以下の5点です。 1. 昨年11月にALSC(一般会員制度研究委員会)から出されていた報告書につ いて、「一般ユーザーがICANNの仕組み作りに参加できるシステムは保持す べき」との見解が示されました。 2. ICANN改革に関して「発展と改革に関する委員会」を設置し、今年5月31日 までにICANN改革の枠組みとスケジュールを理事会に提出することが決定 されました。 3. .orgの再委任募集プロセスについては、次回ブカレスト会議までにレジス トリ応募者の検討を行い、事務総長から理事会へ報告書が提出されること が決定されました。 4. 国名などが凍結されていた.infoドメイン名の取り扱いについては、各国政 府に解放することが決定されました。 5. LACNICが中南米地域の新RIR(地域別インターネットレジストリ)として暫 定的に認定されました。これで、アジア太平洋地域のAPNICやARIN、RIPE NCCに次ぐ四つ目のRIRとなります。 この他にも、.proの認定やセキュリティ委員会の委員会規定承認などが決議 されました。 続いて説明が行われた「ICANN改革案」とは、ICANN事務総長のスチュアート・ リン氏が提唱しているもので、設立から3年経つ現在、その責務を達成できて いないICANNのあり方や方向性を根本から見直す、組織構造・意思決定プロセ スの改革案です。この改革案の中で、使命を達成できていない理由としては、 重要な関係者の参加が少ない、プロセスの過度な重視、資金不足という3点が 挙げられており、理事会、資金確保、ポリシー策定の組織構造、透明性および プロセスについての改革案が示されています。 ◇ ◇ ◇ 改革案についての説明に引き続き、第2部では、堀田氏がモデレータとなり、 会津泉氏((株)アジアネットワーク研究所代表)、荒野高志氏(ICANN ASO Address Council)、加藤幹之氏(ICANN理事)、坪俊宏氏(JPNICドメイン名 担当理事)、村井純氏(ICANN理事)(以上50音順)の5名をパネリストに迎え て、ICANN改革をテーマに議論が行われました。 ここでは、各パネリストからICANN改革に関する所感を頂いた後、ICANNのミッ ションとは何か、理事会の構造/ポリシー策定の構造は適正か、といった問題 を中心に意見が交わされました。 この議論の中で、理事会に関しては「必要最低限の意思決定をするためのリー ダーシップがとれる人物で構成すべき」「各理事が自己の専門以外の分野でも 等しく意思決定に参加することの問題」「IETF等とのコーディネーションが重 要であり、その点で多面的視点が重要である」といった理事の構成に対する意 見や、「世界を5つの選挙区に分割しての理事選出では、アジア・太平洋地域 で1区域となっており、域内の多様な意見を反映させるには大き過ぎる」「理 事会の構成案だけを取り上げて議論するのではなく、改革案を包括的に検討す べき」などの意見が出されました。 また、ICANNへの政府の関与の方法に関しては「政府による理事選出を資金 提供と引換えと考えた場合の問題」「各国政府の性質の相違(安定面など)」 「各国の利害による政府間の対立の可能性」といった問題点が指摘される一 方、「政府にはccTLD契約の締結という、他に果たすべき役割がある」という 意見や、「資金提供はしてもらうが、政府が選出する理事は民間人なので譲 歩できるものであり、実現可能」という肯定的な意見も聞かれました。 ここでの議論は、一つの結論を出すという位置付けではなく、それぞれの立 場から、それぞれの考えを表明していただくことを目的としていましたので、 さまざまな立場や考え方が存在することが再確認できるものであり、また、そ れだけにICANN改革が難しい問題であることを実感できるものでした。 ICANN改革についてJPNICとしては、JPRSとの共同で「ICANN改革に関する意 見書」の提出をICANNに対して行いましたので、詳しくは参考URLの「ICANN改 革に関するJPNICのページ」をご参照下さい。JPNICでは、今後もこのように ICANNの活動に積極的に参加していくと共に、皆様への情報提供をタイムリー に行っていきたいと考えています。 ■参照URL ・第3回 ICANN報告会 配布資料 http://www.nic.ad.jp/ja/materials/icann-report/20020424-ICANN/ ・ICANN改革に関するJPNICのページ http://www.nic.ad.jp/ja/icann/reform/ ・ICANNアナウンスメントの日本語訳(随時更新) http://www.nic.ad.jp/ja/icann/ ・次回2002年6月ICANN会議の案内(日本語訳) http://www.nic.ad.jp/ja/translation/icann/2002/20020213.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇ 2. 第2回JPNIC Open Policy Meeting開催のお知らせ JPNIC IPアドレス検討委員会では、来る2002年7月9日(火)中央大学駿河台記 念館にて、第2回 JPNIC Open Policy Meetingを開催いたします。 今回は、IP-USERS MeetingからJPNIC Open Policy Meetingへ名称を変更し てから2回目の開催となります。また、前回まではInternet Weekや Interop等 のイベントとの併催というかたちをとっていましたが、「1日集中的に議論を 行いたい」というご意見を受け、今回は単独で開催することにしました。今回 のミーティングでも、APNICでの資源管理の現状を踏まえ、JPNICにおける今後 の資源管理について議論したいと考えておりますので、皆様の積極的なご参加 をお待ちしております。 詳細は下記URLをご覧の上、7月5日までにお申込ください。 http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2002/2002041-02.html また、本会議に向けて、日本のIPアドレスの割り振り・割り当て等に関する ご意見、ご提案を公募しております。以下のURLをご覧の上、奮ってご応募く ださい。 http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2002/20020416-03.html JPNICでは、IPアドレスの割り当て方針や申請方法等に関する情報と意見交 換のためのメーリングリスト(IP-USERSメーリングリスト)を提供しています。 この機会に是非、登録をご検討ください。 http://www.nic.ad.jp/ja/profile/ml.html --- 第2回 JPNIC Open Policy Meeting開催次第 --- 場所: 中央大学駿河台記念館370号室 http://www.chuo-u.ac.jp/chuo-u/kinenkan_hp/map.htm 日時: 2002年7月9日(火) 10:00~17:00 主催: JPNIC IPアドレス検討委員会 定員: 250名 (お申し込み多数の場合、お席をご用意できないことがございます。予めご了 承ください。) ◆◆【 2 】News & Views Column ◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◇ 正しさとは 「答えは一つしかない」そういう言葉があります。この言葉を見たり聞いたり すると「正しい答えとは何か」を考えてしまうことがあります。たとえば、数 学の証明問題などは、最終的な答えは一つでも、証明過程そのものが答えにな りますから、それらすべてをあわせると個々の回答者それぞれに「答え」が出 てくることになり、「答えは一つではない」ということになります。 私は現在IRR(Internet Routing Registry)という経路データベースに関する 調査や提案活動を数名で行っていますが、この「経路」というのも、なかなか 明確な答えを教えてくれません。もちろん、インターネットが複雑にネットワー ク同士を接続してでき上がっている以上当たり前の結果といえばそれまでです。 しかし、ネットワークを扱うことを生業としている以上、お客さんに向けて 「複雑ですから」の一言で済ますことはなかなかできないものです。やはり、 何かを説明するときに根拠となる情報源が必要となります。 IRRは、インターネットの経路の台帳となるべく生まれたデータベースです。 有名なものにMerit(米国の研究機関の一つ)が運用するRADBなどがあります。 これらのIRRは、ネットワーク運用のための登録や情報の更新に対していっさ い義務を負うものではありません。むしろ、個々のネットワークをそれぞれが 適切に管理することが大事であり、このような集合的なものに対して義務はな いのかもしれません。とはいえ、IRRは知られているだけで40以上にもデータ が分散しており、登録されている情報も正しく管理され更新されているかどう かすらわからない状態であり、昨今のIRRから得られる情報は正に「信用のお けない」情報になりつつあります。 インターネットはご存知のとおり、今も広がりを続け複雑さを増し重要な情 報も流れています。インターネットを運用という観点で見たとき、障害はまさ に命取りで、いかに安定させるかは、我々インターネットにたずさわるものへ の使命となりつつあります。 このような状況のなか、インターネットの経路に関して、「ただ一つの答え」 を導き出す台帳としてのIRRの重要性は次第に増してきていると感じています。 この機会に、インターネットの経路の正しさとは一体何であり、その答えはど のように導き出していくのがよいかを考えてみてはいかがでしょうか。 JPNIC 評議委員会リエゾンメンバー 近藤 邦昭 (JANOG・(株)インターネットイニシアティブ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◆【 3 】インターネット用語1分解説 ◆ ◇ CIDRとは 「Classless Inter-Domain Routing」の略。サイダーと読みます。CIDRは、ク ラスを使わないIPアドレスの割り当てと、経路情報の集成を行う技術です。ク ラスとは、IPアドレスのネットワーク部とホスト部を決められたブロック単位 で区切る方法で、簡単ですがアドレス空間の利用に無駄が生じてしまいます。 これに対しクラスを使わないCIDRでは、任意のブロック単位で区切ることがで きるため、IPアドレス空間を効率的に利用することができます。 [クラスフル] 接続可能なホスト数 ┌────┬──────────────┐ クラスA │network │ host │ 約16,700,000 └────┴──────────────┘ ← 8 →← 24 → ┌─────────┬─────────┐ クラスB │ network │ host │ 約65,000 └─────────┴─────────┘ ← 16 →← 16 → ┌──────────────┬────┐ クラスC │ network │ host │ 約250 └──────────────┴────┘ ← 24 →← 8 → [クラスレス] ┌─────────────┬─────┐ (例1) │ network │ host │ どの位置でも自由に └─────────────┴─────┘ 区切ることができる ← 23 →← 9 → ┌────────────────┬──┐ (例2) │ network │host│ └────────────────┴──┘ ← 27 →← 5→ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◆【 4 】統計資料 ◆ ◇ 1.JPドメイン名 o 登録ドメイン数(2001年12月~2002年5月) ---------------------------------------------------------------------------- 日付|JP AD AC CO GO OR NE GR ED GEO GA GJ TOTAL ---------------------------------------------------------------------------- 12/1| 1 308 2706 225159 696 13973 19101 11020 3636 4143 118039 61289 460071 1/1| 1 308 2724 227254 699 14182 19254 11073 3680 4165 121992 61507 466839 2/1| 1 309 2734 229240 708 14365 19386 11130 3773 4206 125987 61700 473539 3/1| 1 310 2749 231478 726 14586 19520 11167 3857 4253 130237 61889 480773 4/1| 1 312 2770 233971 764 14885 19644 11231 4012 4291 134769 62128 488778 5/1| 1 309 2781 236601 775 15134 19730 11276 4059 4315 135950 60031 490962 ---------------------------------------------------------------------------- GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字) GJ:汎用ドメイン名 日本語 ◇ 2.IPアドレス o APNICからの割り振り/返却ホスト数(2001年11月~2002年4月) --------------------------------------- 月 | 割り振り | 返却 | 現在の総量 --------------------------------------- 11 | 1048576 | 0 | 16777216 12 | 0 | 0 | 16777216 01 | 0 | 0 | 16777216 02 | 0 | 0 | 16777216 03 | 2097152 | 0 | 18874368 04 | 393216 | 0 | 19267584 --------------------------------------- 統計情報に関する詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/stat/ ◇ 3.会員数 ※2002年5月13日 現在 -------------------- 会員分類 | 会員数 | -------------------- S会員 | 4 | A会員 | 3 | B会員 | 7 | C会員 | 8 | D会員 | 261 | 個人推薦 | 47 | 賛助会員 | 36 | -------------------- 合計 | 366 | -------------------- 会員についての詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ ◇ 4.指定事業者数 ※2002年5月13日 現在 o IPアドレス管理指定事業者数 300 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◆【 5 】イベントカレンダー ◆ ◇ 2002年 5月23日(木) 第17回通常総会 ◇ 2002年 5月23日(木) 第34回臨時理事会 ◆ 2002年 5月30日(木)-5月31日(金) CENTR (Crete) ◇ 2002年 6月13日(木) 第7回評議委員会 ◆ 2002年 6月18日(火)-6月21日(金) INET2002 (Washington,DC) ◆ 2002年 6月24日(月)-6月28日(金) ICANN (Bucharest) ◇ 2002年 7月 9日(火) JPNIC Open Policy Meeting ◆ 2002年 7月14日(日)-7月19日(金) IETF (横浜) ◇ JPNIC主催の会議・イベント ◆ 国際会議・イベント _____________________________________ ■■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■■ ::::: 会員リスト ::::: http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ---------- PR ---------------------------------------------------------- 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