=================================== __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.61【臨時号】2003.2.4 ◆ _/NIC =================================== ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 1 】国際化ドメイン名のRFC発行を控えJANOG11で活発な意見交換! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 1 】国際化ドメイン名のRFC発行を控えJANOG11で活発な意見交換! JPNIC 技術部準備室 小島育夫 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2003年1月23日~24日の2日間に渡り、JANOG 11「論」Meetingが開催されまし た。JANOGとは、JApan Network Operators' Groupの略で、インターネットに おける技術的事項、オペレーションに関する事項を議論、検討、紹介し、日本 のインターネット技術者、および、利用者に貢献することを目的とした活動を 行っているグループです。このミーティングでJPNICからは2つのプレゼンを行 いましたが、本号ではそのうちの1つ「RFC発行直前!? 国際化ドメイン名サイ トを運営するには」を中心にレポートいたします。 ◇ ◇ ◇ JPNICは、1999年5月にタスクフォースを設置し、国際化(多言語)ドメイン名 の技術仕様(IDNA)標準化や、国際化ドメイン名機能を実現するためのツール キット(idnkit)開発に取り組んできました。 2002年10月24日、IESG(Internet Engineering Steering Group)は国際化ド メイン名の技術仕様を記述したInternet-Draft(3種類)のProposed Standard RFC化を承認しました。 これにより私たちが約4年間進めてきた国際化ドメイン名の研究開発が、成果 として実を結ぶ段階となりました。さらに、RFC発行後に私たちが行うべき事 項や、この技術を活用していくための課題などについて検討を進めています。 この活動の一環として、JANOG11の発表募集に応募し、JPNICから「RFC発行直 前!? 国際化ドメイン名サイトを運営するには」と題して、発表を行うことに なりました。JANOGは、日本のネットワークオペレータが多数参加する会議で あり、特に今回の会議テーマは「論」と言うことで、活発な議論を行うことが 目的となっており、有意義な意見交換ができるのではないかとの期待を胸に、 会場に向かいました。 会場である秋田へは、1月下旬という時期にもかかわらず空路を選択したため、 滑走路の除雪のために秋田上空でしばらく“浮遊”させられたのち、吹雪の中 の秋田到着となりました。 翌24日(発表当日)会場に入ると、前日からの悪天候にもかかわらず、多くの 方が参加していました。インターネットエンジニアの情熱は、雪をも溶かすと 言った感じでしょうか……。 JANOG11での発表資料は、以下のURLで公開されています。 http://www.janog.gr.jp/meeting/janog11/programs.html この資料を基に、国際化ドメイン名による影響などについて説明を行いました。 IDNAでは、ネットワーク層においてACE(ASCII互換エンコーディング)化され たPunycodeでドメイン名が表現されるため、DNSソフトウェア(BIND等)の変 更やバージョンアップは不要です。 しかし、ユーザーが利用するクライアントプログラムは、IDNAに対応したプロ グラムを使用する必要があります。ご興味のある方は、上記資料をご参照くだ さい。 発表を終え質疑応答の時間に入ると、積極的に多くの方々から意見が寄せられ ました。ここでは、質疑応答のいくつかを紹介いたします。 ---------------------------------------------------------------------- 質問:クライアントプログラムが、IDNAに対応しているのか未対応なのか判断 することは難しく、未対応プログラムで国際化ドメイン名を使用してし まうことがあるだろう。リゾルバやキャッシュサーバ(再帰的な問い合 わせを行うネームサーバ)で、ACE化する方法は取れないだろうか? 回答:ルートサーバへの負荷などを考えると、なんらかの対応が必要になるか もしれない。最善策について検討して行きたい。 ただし、IDNAは現在のDNSプロトコルに変更を加えない方式を採用した。 また、提案のような方法を実施するためには、他のプロトコルにも影響 を与える可能性があるため、IETFのIDN-WGでの議論では、この方法は選 択されなかった。この議論の経過から、サーバ側での対応は現実的では ないだろうと思われる。 ---------------------------------------------------------------------- 質問:RACEとPunycodeの両方に対応するツールはないのだろうか? 回答:idnkitはコンパイル時にオプションを指定することで対応可能。 ---------------------------------------------------------------------- 質問:Webサーバやブラウザの説明が多いが、IDNはWeb利用が目的なのか? 回答:ブラウザは、IDN対応のための作業が先行しているため説明させていた だいた。IDNはWebだけのものではなく、他のアプリケーションにも広がっ て行ってほしい。 ---------------------------------------------------------------------- 質問:tracerouteなどは、IDNAに対応させるのか? 回答:是非libidnkitを利用していただきたい。IDNA化作業に協力していただ きたい。 ---------------------------------------------------------------------- 意見:nkfやlessにPunycode逆変換機能があると嬉しい。 ---------------------------------------------------------------------- 以上のような活発な議論が行われ、大変有意義な時間を過ごすことができまし た。皆様から問題提起された課題を1つ1つ解決し、国際化ドメイン名の技術が 成熟したものとなるよう、努力していきたいと思います。 ___________________________________ ■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■ ::::: 会員リスト ::::: http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ =================================== JPNIC News & Views vol.61 【臨時号】 @ 発行 社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター 101-0047 東京都千代田区内神田2-3-4 国際興業神田ビル6F @ 問い合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp =================================== 登録・削除・変更 http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/ ■■◆ @ Japan Network Information Center ■■◆ @ http://www.nic.ad.jp/ ■■ Copyright(C), 2003 Japan Network Information Center