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    /P▲            ◆ JPNIC News & Views vol.99【臨時号】2003.8.7 ◆
  _/NIC
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◆ 第4回JPNICオープンポリシーミーティングレポート 
                                                JPNIC IP事業部  奥谷泉
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この夏で第4回となるJPNICオープンポリシーミーティングを、7月8日(火)、大
手町サンケイプラザで開催いたしました。当日は悪天候にもかかわらず、国内
のISPを始めとする67名の参加がありました。ご出席いただいた皆様にこの場
を借りて感謝申し上げます。また今回は、JPNICの依頼によりアジア太平洋地
域の資源管理を行っているAPNIC(*1)からもスタッフが3名はるばるオーストラ
リアより来日し、参加してくれました。

今回の大きな収穫は、APNICと参加者の皆様が直接意見交換を行う場を提供で
きたこと、IPv6ポリシーについて日本のコミュニティからさまざまなご意見を
伺えたこと、そしてJPNICのIP事業について多くのご意見をいただけたことで
す。当日は9点のプレゼンテーションをもとに約6時間にかけて議論が行われま
したが、参加者の皆様にとっても充実したミーティングであったならば幸いで
す。

特別参加のAPNICからは、日本人スタッフの藤井美和氏により、日本語でプレ
ゼンテーションが行われました。ここではAPNICおよびその他RIR(*2)の最新動
向が紹介され、参加者との間で直接日本語での質疑応答が行われました。また、
通訳を交えてではありますが、PIブロックの扱いやアドレスのフィルタリング
に対する姿勢等について、APNIC資源管理業務のマネージャーであるSon Tran
氏からの説明を、その場で会場の皆様に直接お伝えすることができました。
APNICによるJPNICのオープンポリシーミーティングの参加は稀な機会ではあり
ますが、JPNICを介した場合とまた異なる生のAPNICの声を参加者の皆様にお届
けできたと思います。

本ミーティングで行われたプレゼンテーションの中でも特に大きなトピックス
としては、IPv6アドレスポリシーの課題の紹介とIPv6アドレスガイドの策定の
提案が挙げられます。現状のIPv6ポリシーの調査については、昨年度から、
TAO(*3)の受託研究開発プロジェクトの一環として、IPアドレス管理指定事業
者の皆様へのアンケート、連絡会での意見聴取、海外レジストリへの調査訪問
等により、JPNICが積極的に取り組んできたものです。また、IPv6アドレスポ
リシーの見直しについては、全世界のインターネットコミュニティを対象とし
た「グローバルIPv6メーリングリスト(*4)」を中心に、海外のコミュニティで
も活発な議論が進められています。今回のプレゼンテーションの一つはこれら
国内外から出ているIPv6ポリシーの課題を整理してご紹介したものです。

さらにJPNICは、この課題の中でも挙げられている、本来割り振り申請資格を
持つ組織が心理的バリアを感じている問題への取り組みとして、IPv6アドレス
ガイド策定の提案を行いました。心理的バリアの多くは、ポリシーの意図が十
分に説明しきれていないことから生じているため、個別ケースの紹介を行い、
申請者の疑問に答えるFAQをまとめたような「ガイド」文書を策定することに
より軽減されると考えたためです。

この二つのプレゼンテーションに対して、会場からはガイドに含める内容、初
回割り振り申請における基準、そしてPIアドレス(*5)の必要性についてさまざ
まなご意見をいただきました。特に興味深かったものとしては、割り振り申請
はLIR(*6)に限定せずにエンドユーザーも認めるべき、ISPの顧客数をもとに割
り振り申請資格を判断するべきといったご意見、そして技術的な要因に限らず
ビジネスの側面からPIアドレスを必要とする組織も存在するとのご指摘等があ
りました。これらは、現在海外のインターネットコミュニティではまだ幅広く
認知されていない新鮮な意見だったと思います。またJPNICとしても、これま
で進めてきたIPv6ポリシーの調査がこのようなかたちで実を結びつつあること
は感慨深いものがあります。

その他の決定事項につきましては、末尾にまとめて記述いたしましたのでご参
照ください。

そして、この度いただいたIP事業についてのご意見は、審議に関わるものが多
く、まだまだ改善の余地が大きく残されていることを痛感いたしました。ミー
ティングでもご紹介した通り、APNICへのスタッフ派遣の成果を活かすべく、
現在審議業務の見直しを行っている最中です。また、審議に関する情報の提供
もより充実して参りたいと考えております。その他審議業務以外に関するご意
見についても適宜検討を進め、次回のミーティングの際に検討、対応状況をま
とめてご報告できるようにしたいと思います。IP事業についてお気づきの点、
ご要望がありましたら、本ミーティングに限らず、個別相談会、連絡会、そし
て、電子メールをご利用いただき、是非忌憚のないご意見をお聞かせください。

全体を通して振り返りますと、公募による発表はなかったものの予想以上に活
発な意見交換が行われ、当初の予定を15分延長しての閉会となりました。開催
後APNICのスタッフからは、英語を公用語として議論を行っているAPNICミーティ
ングと比べると、参加者が母国語で議論を行う方がより積極的な意見が聞けて
興味深かったとのコメントをいただいております。これは開催側としても非常
にうれしい結果です。できれば、次回からは是非JPNIC関係者以外のさまざま
な方からの発表をいただきたいと思いますので、皆様からのプレゼンテーショ
ンのご応募もお待ちしています。

今回のミーティングの結果を受け、8月19日から韓国ソウルで開催されるAPNIC
オープンポリシーミーティングでは、日本のコミュニティを代表する意見とし
て、以下の発表を行う予定です。

 「JPNICオープンポリシーミーティングのアップデート」
 「IPv6ポリシーの課題の紹介」
 「IPv6アドレスガイド策定の提案」

こちらについてもJPNIC News & Viewsでまた後日ご報告したいと思いますので
お楽しみに。


■決定事項のまとめ

    ・JPNICで特殊用途PIアドレスのエージェントサービスを実装する。時期
      についてはできるだけ早く実装できることを検討し、3ヶ月以内に検討
      結果を日本のコミュニティに対してご報告する。
    ・システム、業務全般の見直しとあわせてIPアドレス管理指定事業者によ
      る再割り振りの実装をJPNICで継続して検討を行う。
    ・IPv6ポリシーの検討課題、IPv6アドレスガイドの策定についてはそれぞ
      れ、次回のAPNICオープンポリシーミーティングで発表を行う。

□第4回JPNICオープンポリシーミーティング
  http://www.nic.ad.jp/ja/materials/ip/20030708/

□第16回APNICオープンポリシーミーティング
  http://www.apnic.net/meetings/

□IP事業に関するご意見
  query@ip.nic.ad.jp


(*1) APNIC:
       Asia Pacific Network Information Centre
       http://www.apnic.net/
(*2) RIR:
       Regional Internet Registry(地域インターネットレジストリ)
       http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ta.html#14-tiikirejisutori
(*3) TAO:
       Telecommunications Advancement Organization of Japan
       通信・放送機構
       http://www.shiba.tao.go.jp/
(*4) グローバルIPv6メーリングリスト:
       http://mailman.apnic.net/mailman/listinfo/global-v6
(*5) PIアドレス:
       プロバイダ非依存(Provider Independent)アドレス
       http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ha.html#16-piaddress
(*6) LIR:
       Local Internet Registry
       http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ra.html#19-lir

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 JPNIC News & Views vol.99 【臨時号】 

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