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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.139【臨時号】2003.12.12 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.139 です
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11月末に行われた2つのイベントレポートをお届けします。一つは「第1回ドメ
イン名紛争とその対応セミナー」。こちらは3回シリーズの第1回目で、通して
参加いただくとドメイン名紛争に関わる基礎から最新動向まで把握することが
できる、というセミナーです。もう一つは「第8回ICANN報告会」。News &
Views読者の皆さまにはもうおなじみですね。こちらではICANNカルタゴ会議の
報告が行われました。

両方とも今後も開催されますので、レポートをご覧になって興味を持たれた方、
ぜひ次回は実際に参加してみてはいかがでしょうか?

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◆ 目次
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【 1 】第1回ドメイン名紛争とその対応セミナー報告
【 2 】第8回ICANN報告会レポート


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【 1 】第1回ドメイン名紛争とその対応セミナー報告
                                        JPNIC ドメイン名事業部  中島隆
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2003年11月28日(金)、JPNICにおいて「第1回ドメイン名紛争とその対応セミナー」
を開催しました。今回のセミナーは、従来のドメイン名紛争関連セミナーとは
少し趣向を変えての開催となっています。

これまでのドメイン名紛争セミナーでは、どちらかというと弁護士等の専門家
を対象とした内容になっていましたが、3回シリーズで行われる今回のセミナー
では、ドメイン名紛争に関する顧客からの問い合わせ対応で困っているJPNIC
会員や、企業でドメイン名紛争の担当となって日の浅い方等、ドメイン名紛争
に関する知識をあまり持っていない方をも対象としています。そして、このよ
うな方がドメイン名紛争に対して適切な対応ができるよう、ドメイン名紛争の
基礎知識から裁定の最新動向までを網羅的に把握していただくことを今回のセ
ミナーの目標にしています。

3回セミナーの導入部として開催された第1回目では、ドメイン名紛争の全体像
の話と、これまでに下された裁定の特徴の説明が行われました。

まず、JPNICドメイン名事業部の中島から「ドメイン名紛争処理の概要」と題
した説明を行いました。ここでは、後に続く裁定に関する講演や第2回以降の
セミナーをより深く理解していいただくための基礎知識のインプットという位
置付けで、ドメイン名紛争が起きた背景、ICANN統一ドメイン名紛争処理方針
(UDRP)の手続きの流れ、JPドメイン名紛争処理方針(JP-DRP)の概要といっ
たドメイン名紛争処理の概要を紹介しました。

続いて、鹿児島大学法文学部教授の久保次三氏が「UDRP・JP-DRPの裁定の動向
(1)」についての講演を行いました。久保氏からは、実例を挙げつつ「商標権
を持っていさえすればDRPでは勝てると誤解している人もいるが、そうではな
い。申立に必要な要件は他にもあり、これらの要件を満たして初めて勝てる。
ドメイン名紛争と商標権侵害は全く別のものである」と申立に際しての注意す
べき点の説明があり、また「UDRPでは、ルール上ドメイン名の登録時と使用時
の両方で不正目的(bad faith)がなければ申立人は勝つことができない。し
かし、実際の裁定では、使用時の不正目的のみで申立人が勝っているケースも
あり、このような裁定を下したパネリストを選択するのも一策かもしれない」
として、ドメイン名紛争への対応策として有益な情報提供が行われました。

久保氏の講演終了後には参加者を交えて質疑応答が行われ、会員から「他社の
名称と似ているドメイン名を登録したいが問題はないか、という顧客からの問
い合わせにどのように返答したらよいか」、また実際に申立を行った企業の担
当者からは「bad faith の要件をもっと広げた方がよいのではないか」など積
極的に質問や意見が出されました。

今回の第1回セミナーは、参加者にドメイン名紛争の全体像を把握していただ
くことを主眼において開催いたしましたが、これをステップとして第2回目以
降はさらにドメイン名紛争の知識を深めていただくために、豊富な裁定事例を
ご紹介したいと考えています。ご興味のある方はぜひご参加下さい。


□第1回ドメイン名紛争とその対応セミナー資料
  http://www.nic.ad.jp/ja/materials/drp/20031128/

□ドメイン名紛争処理方針について
  http://www.nic.ad.jp/ja/drp/


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【 2 】第8回ICANN報告会レポート
                                      JPNIC ドメイン名事業部  入交尚子
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2003年11月26日(水)、東京都千代田区の日本教育会館にて、JPNICと(財)
インターネット協会の共催による第8回ICANN報告会が開催されました。今回の
報告会では、2003年10月下旬のICANNカルタゴ会議に参加したメンバーを中心
に総勢9名のスピーカーが報告を行い、ICANNを構成する各組織の動向が網羅さ
れた盛りだくさんな内容となりました。

以下では、各報告内容を項目別にご紹介していきます。


◆ccTLD/ccNSO報告

JPRSの堀田博文氏が、ICANNカルタゴ会議に合わせて開催されたccTLD会合の報
告を行いました。同会合では、ccNSO(国コードドメイン名支持組織)設立に
関する議論が中心となったようですが、ccTLDメンバーの中には、依然として
ccNSOへの参加に懸念を示す者が複数存在するため、ccNSOに対するICANNの拘
束範囲等を明確化すべく、ICANN付属定款の変更案を作成することが合意され
たとのことです。


◆gTLD/GNSO報告

gTLDに関しては、JPNIC理事の丸山直昌より、GNSO(分野別ドメイン名支持組
織)の部会会合、GNSO評議会、一般討論会(Public Forum)における議論の内
容と、最終日の理事会での決議内容が報告されました。理事会では、GNSO評議
会の意向を反映させた形で、スポンサー付き新gTLD導入プロセスの継続や、評
議会のメンバー構成に関する規定変更が決議されたということです。

また、今回初めてGNSOのISP部会に出席した(社)日本インターネットプロバ
イダー協会の立石聡明氏とダーシャン・ナドー氏からは、共通してWhoisに関
する問題が非常に大きいと感じたとのコメントがありました。


◆RIRs報告

IPアドレス・コミュニティの動向として、JPNIC理事の前村昌紀よりNRO
(Number Resource Organization)設立の話を中心とした報告がありました。
NROは、2003年10月に4つのRIR(地域インターネットレジストリ)が合同で設
立した組織で、ICANNやその他の団体(IETFなど)に対する窓口となるもので
あり、将来的にはICANNのASO(アドレス支持組織)が担っている機能を発展的
に継承できるよう目指していくとのことです。


◆GAC報告

カルタゴでのGAC(政府諮問委員会)会合の様子が、日本からメンバーとして
参加した総務省の山田真貴子氏より報告されました。GAC内の分野別ワーキン
ググループの活動としては、Whois-WGが各国政府におけるWhoisデータベース
の利用・関心についての調査を実施中であること、また山田氏が議長を務める
IPv6-WGでは、ルートサーバやccTLDネームサーバのIPv6対応状況等を関係機関
と連携して調査する予定であることが挙げられました。GACではその他、「GAC
の提案によるccTLDの委任と管理のための原則」の見直しや、新レジストリサー
ビス導入に関するICANNのポリシー策定プロセスのモニター、GACの将来の体制
についての検討などが進められているということです。


◆ALAC報告

At-Largeに関しては、まずALAC(At-Large諮問委員会)メンバーであるJPNIC
副理事長の松本敏文より、ICANNにおけるAt-Large構造の概要説明、およびカ
ルタゴでのAt-Large会議報告が行われました。前回6月のICANNモントリオール
会議ではあまり本格稼動していなかったALACが、ようやく活発な活動を開始し、
理事会やGNSOへリエゾンを派遣して各種議論に参加しているようです。

続いて、同じくALACメンバーである(株)アジアネットワーク研究所代表の会津
泉氏より、WSIS(世界情報社会サミット)におけるインターネットガバナンス
についての議論を中心とした報告がありました。また、まだ進捗の遅いアジア
地域でのAt-Large組織化に関して、まずは日本国内での議論を進める必要があ
るとの提言がなされました。


◆加藤前ICANN理事からの挨拶

先のカルタゴ会議でICANN理事の任期が満了となった加藤幹之氏より、これま
での活動を振り返っての挨拶がありました。ICANNに初めて関わった5年前のベ
ルリン会議では、「ICANNは無法地帯だ」との第一印象を持ったそうですが、
その後今日までICANNは非常に多くの成果を上げており、またボランティアと
しての自身の活動についても、今回の理事退任を一つの通過点と捉えていると
いったお話がありました。最後に、「今後も一ボランティアの立場で、インター
ネットのインフラをどのように発展させていくかという問題について、みなさ
んと議論していきたい」との抱負が示されました。


□第8回ICANN報告会資料
  http://www.nic.ad.jp/ja/materials/icann-report/20031126-ICANN/

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