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    /P▲          ◆ JPNIC News & Views vol.310【臨時号】2005.11.29◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.310 です
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2005年11月6日~11月11日の6日間にわたりカナダ・バンクーバーで開催された、
第64回IETFのレポートを全5回の連載でお届けします。

今号では、[第一弾]として全体会議の報告をお送りします。
まずは本号で今回のIETFの全容をつかんでください。


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◆ 第64回IETF報告 [第1弾]  全体会議報告
                                                 JPNIC 技術部 木村泰司
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◆概要

2005年11月6日(日)~11月11日(金)、カナダのバンクーバーにあるThe Westin
Bayshore Resort and Marinaにて、第64回IETFが開かれました。今回のホスト
はNortel社で、スポンサーはBC.NET、Symantec社、Telus社の3組織です。
Symantec社を除いて、すべてカナダを拠点にしているネットワーク関連の企業
や任意団体です。

IETFチェアの発表によると今回のIETFの参加登録者数は1,291名でした。前回
(第63回)の1,454名よりは少ないものの、1,100名から1,500名で推移している
ここ2年間では、まずまずといったところです。この時期のIETFは毎年アメリ
カ国内で行われてきましたが、アメリカへの入国手続きが煩雑化している国に
配慮してか、今回はカナダで開催されました。参加国は40ヶ国と多かったのは
その影響かも知れません。

IETFミーティングは基本的に、初日から始まるチュートリアルと二日目以降に
行われるWGやBoFのセッション、四日目や五日目に行われるPlenary (全体会議) 
で構成されています。またIETFには含まれていませんがグローバルなインター
ネットの運用に関する調整を目的としたIEPG (Internet Engineering and
Planning Group)ミーティングが、おおむね毎回初日の午前に開かれています。

今回のIETFでは124のWGやBoFが開かれ、このうちBoFは14セッションでした。
BoFは、WGが結成される前に活動趣意(チャーター)を決めたり、WGの必要性に
ついてのコンセンサスを確認したりする会議です。

Plenaryの一つ目である“IETF Operations and Administration Plenary”は
11月9日(水) に、二つ目の“Technical Plenary”は11月10日(木)に開かれま
した。

◆IETF Operations and Administration Plenary

IETF Operations and Administration Plenaryは、IETFの活動全体の運営に関
する報告と議論を扱う全体会議です。今回は、IETFチェアのBrian Carpenter 
氏によるチェア報告、ホストを務めるNortel社によるホスト報告とNOCの運用
報告、IAD (IETF Administrative Director)からの報告、RFC Editor報告、
IANA近況報告、PROTOチームの近況報告などが行われました。

チェア報告ではドキュメント策定状況の報告の他にPESCI (Process Evolution
Committee of the IETF)が紹介されました。PESCIはIETFにおけるドキュメン
ト策定プロセスの見直しを図るため、改善を図るべき範囲を特定し、議論を進
めるためのチームです。今回のIETFで初めてのBoFが開かれ、策定プロセスを
変更するにあたっての考え方を明確にする(明確化されたものはPrinciplesと
呼ばれる)議論が行われました。この策定プロセスの見直しについては[1]にま
とめられています。

  [1] Goals and Principles for IETF Process Evolution
  draft-davies-pesci-initial-considerations-00.txt

また続いて、TCP/IPの開発やIETFの創設といった貢献で有名なVinton G. Cerf 
氏とRobert E. Kahn氏がPresidential Medal of Freedomを受賞したことのお
知らせがありました。Presidential Medal of Freedomは米国の市民栄誉賞に
あたるようです。

  □ The  Presidential Medal of Freedom
     http://www.medaloffreedom.com/

IAD (IETF Administrative Director)からの報告では、IETFミーティング参加
費用の値上げのお知らせがありました。ISOCからの補助額は毎年増加しており、
2005年度には100万ドルを超える見込みがあるものの、RFC Editorの業務増強
のための支出増加が見込まれ、参加費用の値上げに踏み切った模様です。2006
年度以降に行われるIETFのミーティング参加費用は550ドルになるとのことで
す。

RFC Editor報告では、昨年に比べてRFC化の業務速度が向上しており、一月あ
たりの公開ドキュメント数が投稿される数(30程度)に近づいているとのことで
す。RFC Editorの編集待ちリストは以下のURLで見ることができます。

  □ RFC Editor Queue
     http://www.rfc-editor.org/queue.html

◆Technical Plenary

Technical PlenaryはIETFの活動のなかで技術的な議論を扱う全体会議です。
IRTF (Internet Research Task Force)の報告、IRTFのCFRG (Crypto Forum
Research Group)のハッシュ関数の問題に関するプレゼンテーション、IABのチェ
ア報告などが行われました。

IRTFの報告では新設されたリサーチ・グループの紹介とリサーチ・グループの
状況報告が行われました。新設されたリサーチ・グループは、Transport
Modeling Research GroupとInternet Congestion Control Research Groupの
二つです。

続いてIRTF CFRGのチェアであるDavid McGrew氏から、SHA-1やMD5といった、
多くのプロトコルで使われている一方向性ハッシュ関数が脆弱になっている状
況と、IETFにおける対策についての説明がありました。対策としてSHA-1やMD5 
の利用をやめ、SHA-256を利用する等の方法が挙げられました。

最後のIABのチェア報告では、IABの役割に照らし合わせた活動報告がありまし
た。IABにはIESGやRFC Editorのメンバーの補填(ほてん)のための候補選びや
IETFにおける策定プロセス遂行状況の監視といった役割があります。

  □ Charter of the Internet Architecture Board (IAB)
     http://www.ietf.org/rfc/rfc2850.txt

今回のIETFではIABの主導により、TechSpec (Technical Specification) BoF 
が開かれました。これはドキュメント化の要求事項を見直す活動について議論
を行うためのBoFです。IETFのWGにおける議論では、しばしばドキュメント化
される技術に対するrequirement (要求事項)の整理とレビューが行われます。
このプロセスを促進する意味で、現行のドキュメント策定プロセスを見直す必
要性が指摘されています。BoFでは特に、draft-mankin-pub-req-01[2]を元に、
IETFの現行のドキュメント策定プロセスの中で、編集のタイミングを見直すこ
とについて議論が行われました。

  [2] Requirements for IETF Technical Publication Service
  http://www.ietf.org/internet-drafts/draft-mankin-pub-req-01.txt

Technical Plenaryの最後のオープン・マイクロホン(参加者が自由に発言でき
る時間)では、JPNIC IRR企画策定専門家チームのメンバーである長橋賢吾氏に
よってIRR (Internet Routing Registry)のあり方に関する議論が行われてい
ました。世界各地域のIPレジストリはICANN/IANAを頂点とするIPアドレスの割
り振り構造に従って木構造の関係を持っており、各IPレジストリにある登録情
報の整合性を保ちやすい構造になっています。一方、IRRはIPレジストリのよ
うな構造を持たずに運用されており、登録情報の正しさを実質的に担保できる
ような仕組みはありません。

以前より、IRRをIPレジストリで運用し、IPレジストリの割り振り/割り当て
情報と照らし合わせて、正しさを確認できるようにするという考え方がありま
す。しかし、ある程度の数のルータ管理者に利用されているIRRと、IPレジス
トリの両方が一つの組織によって運用されているJPNICのようなケースは少な
く、その効果や実現性が理解されにくい状況があるようです。

Technical Plenaryでは、木構造にするのは危険である、IRRはRIRよりも多く
必要であり、例えばヨーロッパ地域ではNIRのあるアジア地域のようにはうま
くいかない、といった意見が挙っていました。またオープン・マイクロホンの
場ではありませんが、IETFのプロトコル策定の場だけでなく、ルーティングの
コミュニティでの議論が必要だという意見が挙っていました。

今後、IRRの登録情報に関連したプロトコルの策定と、IRRにおける登録情報の
正当性に着目した議論が活発に行われていくと考えられます。


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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