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    /P▲          ◆ JPNIC News & Views vol.355【定期号】2006.5.15 ◆
  _/NIC
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◆ News & Views vol.355 です
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昨日までの曇り空から一転して、今日は全国的に初夏の陽気の模様。束の間の
初夏を楽しみたいと思う今日この頃です。さて、5月の定期号です。

特集では、2006年4月3日にJPNICが公開した報告書「IPv4アドレス枯渇に向け
た提言」について、JPNIC IP分野担当理事 前村昌紀に、本報告書の検討過程
を振り返っていただきました。報告書を既に読まれた方は、その背景を知って
いただければと思いますし、まだ読まれていない方は、これを機会にぜひご一
読ください。

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◆ 目次
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【 1 】特集 「報告書『IPv4アドレス枯渇に向けた提言』の公開にあたって」
【 2 】News & Views Column 
       「携帯電話の世代移行に思うこと」
        NTTコミュニケーションズ 宍倉弘祐氏
【 3 】インターネット用語1分解説  
       「経路情報とは」
【 4 】統計資料
         1. JPドメイン名
         2. IPアドレス
         3. 会員数
         4. 指定事業者数
【 5 】イベントカレンダー


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【 1 】特集 「報告書『IPv4アドレス枯渇に向けた提言』の公開にあたって」
                                         JPNIC IP分野担当理事 前村昌紀
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JPNICでは去る2006年4月3日に、「IPv4アドレス枯渇に向けた提言」という名
前の報告書を公開しました。JPNICの各告知チャンネル、ip-usersやJANOGといっ
た国内コミュニティへのアナウンスに加え、報道機関へのリリース文配布も行
い、より多くの方々にお知らせするように努めてきました。このアナウンスは
以下のURIで参照可能で、報告書本編のPDFもここからたどることができます。

(*1) http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2006/20060403-01.html

報告書に関する一通りの説明はこちらのアナウンス文に委ねることにして、こ
の報告書の検討過程やアナウンス前後の状況を振り返って思うところを述べた
いと思います。

Cisco社のTony Hain氏、APNICのGeoff Huston氏からIPv4アドレスに関する寿
命予測が発表されたのがそれぞれ2005年9月と11月(Huston氏のものは2003年の
論文の更新版)、いずれも英語のしっかりした論文です。それらの結論である
IPv4アドレスの枯渇時期だけが紹介されることはあったにせよ、その内容に関
する紹介は事実上日本国内では皆無であったと言ってよく、3年から10年もす
ればIPv4アドレスはなくなるのだというショッキングな内容が認識されている
とは全く思えませんでした。仮に5年だったとして、ネットワーク機器の減価
償却期間と同等となるので、IPv6対応のものを調達するなど、投資の判断はそ
ろそろ行われなければならないことになります。

まずはこれらのドキュメントを精査検証して内容を日本語で伝える必要がある
と考えたので、2005年12月に番号資源利用状況調査研究専門家チームとして、
国内のネットワーク運用技術者の皆さんにご参集いただきました。専門家チー
ムはご多忙の中毎週ミーティングを行い、個別に取り組んだ宿題を持ち寄って
集中的に検討していきましたが、これら2つのドキュメントが一定の前提条件
の上で妥当な予測が行われたものであることがじきに分かったので、検討の力
点を精査から寿命予測に基づいた状況予測と提言の作成に移していきました。

これまでIPv4アドレスの枯渇という問題は主にIPv6の普及という文脈で取り上
げられるものが多かったですが、専門家チームチェアの近藤邦昭氏と私の間で
は、これはむしろインターネットの運用技術の問題、持続的運営の問題だとい
う見方で一致していました。従って専門家チームの人選も、IPv6推進の立場で
ご活躍の方々よりも、ネットワーク運用技術の最前線にいらっしゃる方を中心
に進めました。

出来上がった報告書は100ページを超える大作となりましたが、内容を一言で
表現すると、「IPv4アドレス枯渇の状況を淡々と書き記したもの」となります。
そういう観点で網羅的に記述された文書としては世界的に見てもこれまでに類
がないものだと自負していて、この趣旨を的確に捉えて下さった方からは高い
評価をいただいています。専門家チームの皆さんの努力に感謝いたします。

一方でやはり単なるIPv6の扇動だとして批判的に捉える方も少なくなかったし、
ネットワーク技術者だけでなく広くいろいろな方々に対するメッセージとして
要旨を絞りきることを、上の趣旨と共存させることができなかったという反省
点もあります。

公開後のコミュニティにおける議論や反応を振り返ると、報告書が発した「IP
v4アドレスが枯渇します、対策を考えましょう」というメッセージに対して、
対策として想定されるものは、「やはりIPv6インターネットへの移行だ」「既
割当の効率利用が進めばIPv4アドレスは枯渇しないから対策は必要ない」
「IPv4でNATなどの技術を使えばIPv6は必要ない」の3種類に大別できるだろう
と思います。この3つの考えのどれが正しいか、ベストかということに関して、
議論を積み上げて行くことが不可欠だと考えています。これからも専門家チー
ムにご協力いただきながら、インターネットインフラ運営コミュニティだけで
なく様々な関係者の方々と精度の高い議論を目指して活動してまいります。


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【 2 】News & Views Column
       「携帯電話の世代移行に思うこと」
                                      NTTコミュニケーションズ 宍倉弘祐
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今年のゴールデンウィークは曜日の並びが良く、2日休みを取って9日間という
大型連休にした方々も多かったようです。そんな連休の前半、私は友人達と数
台の車に分乗してドライブを楽しんでいました。高速道路を長く走る中で意外
と活躍したのが、携帯電話のプッシュツートーク(PTT)です。

PTTとは、最近のTV-CMでよく流れていますNTTドコモやAUで提供されている複
数使用者によるトランシーバーのような片方向通話サービスです。細かく行き
先を決めていなかった私達にとって「次のサービスエリアで休憩しよう」など
車同士の連絡を取るのに便利でした。連絡ならメールでも出来ますが、各車内
で友人達と盛り上がっている雰囲気も伝わる音声はなかなかいいものです。技
術的には、IMS(IP Multimedia Subsystem)プラットフォーム上でSIPで呼制御
してRTPで音声データをやりとりする、いわゆるVoIPの一種です。利用時に音
質や遅延にそれほど不満を感じなかったことから考えて、高速パケット通信が
可能な第三世代携帯電話(3G)をうまく生かしていると言えるかも知れません。

この3G携帯電話、2Gからの世代移行が順調に進んでいます(*1)。

前述の友人達に移行のきっかけを聞いたところ「最新機能を持った端末を買お
うとしたら、3G端末しかなかったから」とのこと。3Gならではのネットワーク
サービス(前述のPTT、TV電話、大容量コンテンツ通信)を目的に移行したわけ
ではなく、最新の端末機能を利用しようとしたら結果的に3G端末だった、とい
うことです。実際にNTTドコモの契約者数の推移を見ると、3G端末の機能が劇
的に向上した2004年3月に、契約純増数が前月の倍以上伸びています。開発リ
ソースを2G端末から3G端末にシフトした事業者の移行戦略が効果をあげている
のです。

さて、次世代インターネットへの移行戦略と言って思いつくのはIPv6です。私
もISPのエンジニアとしてバックボーンのIPv6化等に携わっています。もちろ
ん、IPというオープンな通信方式の上にさまざまな企業や事業者が参画してい
るインターネットと、網も端末も通信方式も事業者によってコントロールされ
ている携帯電話網とでは単純に比較できるものではありません。ただ、新通信
技術ならではのサービスにこだわることなく、ユーザーの求めているものを提
供しながら移行を成功させている携帯電話の姿からは学ぶところもあるように
感じています。

(*1) 電気通信事業者協会: http://www.tca.or.jp/


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【 3 】インターネット用語1分解説
         「経路情報とは」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

経路情報とは、ネットワークに接続されたホストが、受信したパケットを
次にどのホストへ送信すればよいのかを決めるために使われる情報です。
経路情報は、そのホストの管理者によって静的に定義されたり、RIP、OSPF、
BGPといった経路制御プロトコル(routing protocol)を使って交換された上で、
ホストの中では経路表(routing table)の形で記憶されます。

インターネットでは膨大な経路情報が交換されており、その信憑性を確認する
ために、経路情報とその優先性に関する情報を蓄積したデータベースである、
IRR(Internet Routing Registry)が使われています。JPNICにおいても、
IRR(JPIRR)の試験サービスを実施しており、正式サービスの提供に向けて準備
を進めています。

□IRRについて
  http://www.nic.ad.jp/ja/irr/


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【 4 】統計資料
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1.JPドメイン名

o 登録ドメイン数(2005年12月~2006年5月) 
--------------------------------------------------------------------------------
日付|JP AD  AC    CO    GO   OR    NE    GR   ED   LG  GEO   GA     GJ   TOTAL
--------------------------------------------------------------------------------
12/1|0 297 3237 282451 841 20930 17324 8983 4379 2532 3819 317246 115200 777239
 1/1|0 297 3251 283873 839 21071 17317 8948 4394 2534 3816 323182 116602 786124
 2/1|0 297 3254 284729 836 21151 17291 8908 4394 2468 3768 328722 116804 792622
 3/1|0 298 3271 286231 839 21287 17308 8884 4410 2447 3737 334835 118450 801997
 4/1|0 297 3279 288151 835 21467 17306 8868 4454 2318 3686 341368 119580 811609
 5/1|0 294 3286 289729 837 21581 17306 8851 4472 2300 3637 347754 120302 820349
--------------------------------------------------------------------------------

 GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字)
 GJ:汎用ドメイン名 日本語 


2.IPアドレス

o JPNICからの割り振りとJPNICへの返却ホスト数(2005年11月~2006年4月)
------------------------------------------
  月 |   割振   |   返却   | 現在の総量 
------------------------------------------
  11 |   292864 |    16384 |   33532190
  12 |   444416 |    28672 |   33947934
   1 |   184320 |     4096 |   34128158
   2 |   970752 |    24576 |   35074334
   3 |   638976 |    10240 |   35703070
   4 |   661504 |        0 |   36364574
------------------------------------------


□統計情報に関する詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/stat/


3.会員数  ※2006年4月28日 現在

 ---------------------
  会員分類  | 会員数 |
 ---------------------
  S会員     |      3 |
  A会員     |      2 |
  B会員     |      6 |
  C会員     |      6 |
  D会員     |    157 |
  非営利会員|     14 |
  個人推薦  |     39 |
  賛助会員  |     40 |
 ---------------------
  合計      |    267 |
 ---------------------

□会員についての詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/


4.指定事業者数  ※2006年5月10日 現在

  IPアドレス管理指定事業者数           379


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【 5 】イベントカレンダー 
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  2006.5.16(火)              第3回迷惑メール対策カンファレンス[後援] 
                             (東京、コクヨホール) 
  2006.5.16(火)~5.17(水)    AfriNIC-IV (Nairobi, Kenya)
                             AfNOG 2006 (Nairobi, Kenya) 
  2006.5.17(水)              第55回通常理事会 
  2006.5.22(月)~5.26(金)    LACNIC IX (Guatemala City, Guatemala) 
  2006.5.25(木)~5.26(金)    CENTR 30 (Madrid, Spain) 
  --------------------------------------------------------------------
  2006.6.4(日)~7(水)        NANOG 37 (San Jose, CA, USA) 
  2006.6.5(月)~9(金)        Interop Tokyo 2006[後援] 
                             (千葉、幕張メッセ) 
  2006.6.16(金)              第29回通常総会
                             (東京、ホテルメトロポリタンエドモント)
                             第56回臨時理事会
                             (東京、ホテルメトロポリタンエドモント) 
  2006.6.26(月)~30(金)      ICANN (Marrakesh, Morocco) 
  2006.6. APTLD Meeting      (場所未定) 
  --------------------------------------------------------------------
  2006.7.7(金)               第10回JPNICオープンポリシーミーティング 
                             (東京、日本教育会館) 
  2006.7.9(日)~14(金)       66th IETF (Montreal, Canada) 
  2006.7.13日(木)~14(金)    JANOG 18 (東京、パナソニックセンター東京) 
  2006.7.17(月)~21(金)      22nd APAN (Singapore) 
  2006.7.18(火)~20(木)      8th APNG Camp 2006 (Singapore) 
  2006.7.27(木)~8.4(金)     SANOG VIII (Karachi, Pakistan) 


     ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
             http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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