=================================== __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.379【臨時号】2006.8.14 ◆ _/NIC =================================== ---------- PR -------------------------------------------------------- ■■■ サイボウズ Office 6 for ASP サービス ■■■ 実績あるグループウェア『サイボウズ Office 6』の機能をASPサービスで ● ASPならではの低コスト導入・運用。安心の無料試用サービス付 ● 基本容量1GBで最大5GBまで拡張が可能。情報共有に効果を発揮 株式会社エアネット 詳細はこちら ⇒ http://www.airnet.jp/cybozu/ ---------------------------------------------------------------------- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ News & Views vol.379 です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本号では、vol.376、vol.377に引き続き、第66回IETFのレポート[第3弾] IPv6 関連WGの動向についてお届けします。 □第66回IETF報告 特集 ○[第1弾] 全体会議報告 (vol.376) http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2006/vol376.html ○[第2弾] DNS関連WG報告 (vol.377) http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2006/vol377.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ 第66回IETF報告 [第3弾] IPv6関連WG報告 JPNIC IPアドレス検討委員会メンバー/ NTT情報流通プラットフォーム研究所 藤崎智宏 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2006年7月9日(日)から7月14日(金)まで、カナダのモントリオールにて、第66 回IETFミーティングが開催されました。本稿では、IPv6に関連したトピックス として、v6ops、shim6の各ワーキンググループ(以下、WG)の動向と、会議では 直接は話題になっていませんが、ipv6 MLでのIPv6アドレス割り当てに関する 議論について紹介します。 ◆v6ops WG (IPv6 Operations WG) IPv6のデプロイメントに関する話題を扱うv6ops WGのミーティングは、7月12 日(水)の午前、9:00~11:30の枠で開催されました。 今回は、IPv6網でのセキュリティ的観点についてのドラフトが多く議論されま した。主なものは以下の通りです。 - IPv6ネットワーク防御(draft-ietf-v6ops-nap-01) - IPv6ネットワークでのICMPv6のフィルタ手法 (draft-ietf-v6ops-icmpv6-filtering-recs) - IPv6ネットワークでのセキュリティ概論 (draft-ietf-v6ops-security-overview) - IPv6におけるポートスキャン (draft-ietf-v6ops-scanning-implication) IPv6ネットワーク防御(draft-ietf-v6ops-nap-01)のドラフトは、IPv4で、NAT で担保されているセキュリティを、IPv6ではどのように実現できるかを記述し ています。ミーティングでは、内部ネットワークのトポロジを隠蔽するのにホ ストルートを使うという記述や、内部でULA(Unique Local IPv6 Unicast Addresses : RFC4193)を使うことを推奨することの是非に関する議論、NATと ファイアウォールを同等に扱っている記述を変更する提案などが行われました。 IPv6ネットワークでのセキュリティ概論 (draft-ietf-v6ops-security-overview)は、IPv6/IPv4共存時の課題や、IPv6 ネットワーク運用時におけるセキュリティ上の問題などを述べています。ミー ティングでは、IPv6の断片化ヘッダを利用したときに発生する問題や、拡張ヘッ ダ等のファイアウォールでのフィルタに関する問題について議論されました。 その他の二つのドキュメントも含め、今後、WGのラストコールがかけられるこ とになっています。 IPv6ネットワークの利用が広まり、運用のノウハウ、運用時の問題や課題など が具体的に議論されるようになってきています。 □v6ops WG http://www.ietf.org/html.charters/v6ops-charter.html http://www.6bone.net/v6ops/ □第66回 IETF v6ops WG のアジェンダ http://www.ietf.org/ietf/06jul/v6ops.txt ◆shim6 WG (Site Multihoming by IPv6 Intermediation WG) shim6 WGでは、IPv6に特化した、通信を実施するエンドホスト間の連携により マルチホームを実現するshimと呼ばれる方式のプロトコル策定を目的としてい ます。今回のセッションでは、基本仕様のレビューとともに、拡張仕様の検討、 およびshim6 WGの今後の方向について議論が行われました。 shimプロトコルの基本仕様は、過去のミーティングにてほぼ決定され、軽微な 修正が施されるのみという状況になっています。しかしながら今回、基本仕様 の一部に特許上の問題があることが議論となり、WGとして、この問題が解決す るまでは基本仕様の標準化を止めることとなりました。 WGの今後の方向性の議論では、NANOGやAPRICOT2006といったオペレータミーティ ングでの議論もかんがみ、このまま標準化を進めるのでなく、一度 ExperimentalとしてRFC化し、実装からのフィードバックを得、機能の追加を 図った上で再度標準化を開始してはどうか、という提案があり、これに対して 多くの議論が実施されました。標準の肥大化を懸念する意見や、これ以上の機能 追加には反対する意見が多く出されましたが、議論の途中で時間切れになり、 shim6 WGについての明確な方向性は決まりませんでした。今後、継続的に 議論されることになりそうです。 □shim6 WG http://www.ietf.org/html.charters/shim6-charter.html □第66回 IETF shim6 WG ミーティングのアジェンダ http://www.ietf.org/proceedings/06jul/agenda/shim6.txt ◆intarea meeting (Internet Area Open Meeting) Internetエリアの各WGのトピックの紹介や、どのWGにも属さないトピック、 またエリア全体のトピック等が扱われるInternetエリアのオープンミーティ ングで、IPv6のアドレス選択を定義している、RFC3484の改版に関する議論が 実施されました。 RFC3484では、ノードが複数の始点・終点アドレスを持つ場合に、通信を開始 する際に単一ペアの始点・終点アドレスを選択するアルゴリズムを定義してま す。現在提案されているRFC3484の改版提案は、ノードが複数の始点アドレス を持つ場合に、過去の通信失敗履歴等を利用することで、自動的に通信相手に 応じて動的に始点アドレスの利用可否を判定するようにする、となっています。 これに対し、通信の成否が判定できるのはTCPのようなプロトコルのみであり、 一般的にするのは困難、有用だが既存実装へのインパクトが大きい、などの意 見が出されました。改版の方向性が決まるのには、もう少々時間がかかりそう です。 □第66回 IETF intarea ミーティングのアジェンダ http://www.ietf.org/proceedings/06jul/agenda/intarea.txt ◆その他 ipv6関連事項 その他、IETF66の会期中に、エンドサイトへのIPv6アドレス割り当てサイズ の推奨値を記述しているRFC3177の改版について、ipv6 WGのMLに投稿されまし た(ipv6 WGは、第64回IETFにてface-to-faceミーティングを終了しましたが、 IETFのWGとしては存在しており、MLも存続しております)。v6ops WGでも、 IPv6の経路制御に関するガイドラインの議論で話題になっています。 この議論は第63回IETFに始まっています。RFC3177ではIPv6アドレスのエンド ユーザー割り当てサイズとして、統一的に/48が推奨されています。この値は ユーザーごとに約65,000個のサブネットを構築できるものですが、SOHOや家庭 向けには大きすぎて無駄である、という意見のもとに、文書の改版が進んでい るものです。 今回投稿された案では推奨サイズに関する記述を削っていますが、この変更に 賛成する意見がある一方、固定サイズを明記すべきだ、/48をやめるべきでは ない、といった元のRFCを支持する意見もあり、議論が続いています。 IETFは技術的な内容のみを扱うべきで、アドレスの割り当てサイズに関するルー ルはRIR(地域インターネットレジストリ)で扱うべきである、という意見も多 く、実際に各RIRでアドレス割り当てサイズの検討が進んでいます。 第66回IETFミーティングの各種情報は、以下のURLより参照可能です。 □第66回IETF全体プログラム https://datatracker.ietf.org/public/meeting_agenda_html.cgi?meeting_num=66 □第66回IETFWGアジェンダ、発表資料 https://datatracker.ietf.org/public/meeting_materials.cgi?meeting_num=66 □第66回IETF 録音 http://videolab.uoregon.edu/events/ietf/ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。 http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ___________________________________ ■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■ ::::: 会員リスト ::::: http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ :::: 会員専用サイト :::: http://www.nic.ad.jp/member/(PASSWORD有) □┓ ━━━ N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□ ┗┛ お問い合わせは jpnic-news@nic.ad.jp まで ┗┛  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ =================================== JPNIC News & Views vol.379 【臨時号】 @ 発行 社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター 101-0047 東京都千代田区内神田2-3-4 国際興業神田ビル6F @ 問い合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp =================================== 登録・削除・変更 http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/ ■■◆ @ Japan Network Information Center ■■◆ @ http://www.nic.ad.jp/ ■■ Copyright(C), 2006 Japan Network Information Center