=================================== __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.390【臨時号】2006.9.29 ◆ _/NIC =================================== ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ News & Views vol.390 です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本号では2006年9月20日に開催されたETJP全体ミーティングのレポートを通じ て、ENUMの最新動向をご紹介いたします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ ENUM最新動向 ~ 第8回 ETJP全体ミーティングのレポートから ~ JPNIC インターネット推進部 根津智子 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2006年9月20日にETJP(ENUM Trial Japan)では、全体ミーティングを開催しま した。 ETJPは電話番号をDNSでインターネット上の様々な通信サービスと対応づける ことにより、その対応づけたサービスへのアクセスを可能とする 「ENUM(Telephone Number Mapping)」に関する技術実験を行う任意団体で、 JPNICはJPRSとともにその事務局をつとめています。 1年ぶりの会合であったため、議事の内容は盛りだくさんでしたが、今回はそ れぞれの概要をレポートします。 ■SIPit18参加報告 ETJP事務局の山崎信(JPNIC)より、2006年4月に秋葉原で開催されたSIPの相互 接続試験イベント「SIPit18」にETJPとして参加し、相互接続実験を行ったと いう報告がありました。SIPitとは、SIPを実装したネットワーク機器間で相互 接続性を検証する催しで、年に2回行われています。今回初めて日本で開催さ れました。実験を行った結果、ENUMの実装に問題のあるベンダーがいることが わかり、SIP開発者のENUMへの理解が不足していることもうかがわれました。 こういったイベントに参加することにより、SIPベンダー・開発者に対しての ENUMの認知度向上が図れた、とのことでした。 ■IETF ENUM WG の動向(標準化動向) ETJP事務局の藤原和典氏(JPRS)により、「IETF ENUM WG の動向(標準化動向)」 の説明がありました。IETFのENUM WGでは、 - インフラストラクチャENUMの議論が盛んである。 - 現在のENUM標準RFC3761のDNS格納方式部分の問題点を解決するために、 大幅なアップデートがRFC3761bisとして提案されているが、RFC3761との 互換性がない点が問題視されている。また、ENUMサービスを新しく実験 する際に、ENUMSERVICEをどのように書けばよいか明確に書かれていない 等の問題があるため、議論を継続する。 などが話題になっているとのことです。 ■海外のENUM最新動向について 筆者より「各国のENUM取り組み状況」として、ヨーロッパ・オセアニア・北米 の状況報告を行いました。主要なポイントは以下となります。 - 現在のe.164.arpaのデリゲーションは、42の国・地域および組織が受けて いる。 - ヨーロッパ地域では、ドイツ・オーストリア・ポーランド・スイスの中欧 地域のENUMサービスが進んでいる。ポーランドでは、ENUM登録は電話会社 を通じて登録する仕組みが整備され、また、ENUMを利用した番号ポータビ リティなどの積極的な提案がみられる。 - オセアニア地域では、オーストラリアでのENUM DNSの問い合わせ率が高 い。ニュージーランドでは、電話とインターネット業界の共同トライアル が行われているが、来年4月に番号ポータビリティを始めるまで、ENUMの 検討を行わないと発表。それに対して一部の海外から批判が起きている。 - 北米地域は、2006年2月にITUよりカントリーコード 1のデリゲーションを 受けたが、通信法の縛りにより「1.e164.arpa」の空間が使えないことが 判明し、試行錯誤の状態である。 ■SIPropにおける「ENUMによるプロトコル変換Proxy」(SIPropプロジェクト) 日本ENUMトライアルの参加者であり、SIPropプロジェクト代表である今村謙之 氏により、2006年度上期 未踏ソフトウェア創造事業採択案件である「クライ アントサイドモジュール型 SIP-UAミドルウェア『SIProp』の開発」とENUMに よるプロトコル変換Proxyについて説明がありました。この開発のマイルス トーンとしては、2006年12月を目標にSIPのプロトコルを実装した変換プロキ シを出すことを想定しており、その後は明確ではありませんが、3か月毎を目 途にSkype、Jabber(XMPP)などのプロトコルを実装する予定であるということ です。 ■その他報告 その後、日本が2005年11月に受けた1.8.e164.arpaのデリゲーションの内容と それを受けて2006年1月に開始している「日本ENUMトライアル」の概要や、そ のDNS運用状況の報告もありました。 ■ETJPの今後の進め方についてI 上記に記載したような報告を受け、最後に今後ETJPとしてどのように活動を 活発化していくべきなのか、ディスカッションを行いました。 その中で出された意見として - 日本において商用サービスはいつスタートできるのか見えてこない。商 用になれば自分の番号もすぐに登録したいし、お客様にも薦めたい。 - ビジネスモデルをどうするのか、たとえば ENUM DNSは誰がお金を出して 運用するか等の一つ一つの点がクリアになっていない。 - 注目されるNGNの動向であるが、「通信品質」に関しては議論が進んでい るが、相互接続にかかわる具体的な実装等については、議論が進んでいる とは言えない。今後その部分でENUMが大きな役割を果たす場面もあるかも しれない。 などがありました。日本のように大きな国では、全体を見渡して決めるには思 ったよりも時間がかかるという事情もあるものの、「もっと課題整理や実験へ の取り組みが欲しい」と、活発な活動をのぞむ意見がありました。よって以後 は会員の意向を個別ヒアリングで確認をして、その後会長・副会長・事務局で 相談の上、今後の活動を検討してはどうかとの提案があり、ディスカッション は終了しました。 このミーティングの資料は、後日ETJPのWebページに詳細を掲載予定ですの で、ご興味のある方は以下URLをご参照下さい。 - ETJP http://etjp.jp/ - 「日本ENUMトライアル」 http://www.nic.ad.jp/ja/enum-trial/ - JPNICのENUM紹介ページ http://www.nic.ad.jp/ja/enum/index.html - IETF ENUM WG http://www.ietf.org/html.charters/enum-charter.html - SIProp プロジェクト http://www.siprop.org/ja/ ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。 http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ___________________________________ ■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■ ::::: 会員リスト ::::: http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ :::: 会員専用サイト :::: http://www.nic.ad.jp/member/(PASSWORD有) □┓ ━━━ N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□ ┗┛ お問い合わせは jpnic-news@nic.ad.jp まで ┗┛  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ =================================== JPNIC News & Views vol.390 【臨時号】 @ 発行 社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター 101-0047 東京都千代田区内神田2-3-4 国際興業神田ビル6F @ 問い合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp =================================== 登録・削除・変更 http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/ ■■◆ @ Japan Network Information Center ■■◆ @ http://www.nic.ad.jp/ ■■ Copyright(C), 2006 Japan Network Information Center