=================================== __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.426【定期号】2007.1.16 ◆ _/NIC =================================== -------- PR ---------------------------------------------------------- ◆JPRSと指定事業者10社が協力して、日本語JPドメイン名の周知・登録促進 キャンペーン<http://使おう.jp/>を好評実施中!! Windows Vistaの今月リリースで、日本語JPドメイン名はいよいよ身近に! 株式会社日本レジストリサービス(JPRS) ◆ ---------------------------------------------------------------------- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ News & Views vol.426 です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 暖冬化の波が押し寄せていると言われる今日この頃、言われてみれば心なしか ここ数年は昔と比べて随分暖かくなったような気がします。しかし、いくら暖 かくなったとはいえ、春が待ち遠しいことには変わりありません。 さて、JPNIC News & Viewsも今年で発行から6年目を迎えます。 これからも読者のみなさまに喜んでいただけるよう、充実したメールマガジン 作りを心がけてまいりますので、本年もよろしくお願いいたします。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 1 】特集 「2007年のインターネットキーワード」 【 2 】News & Views Column 「インターネット = ○ * ○」 メディアエクスチェンジ株式会社 三ツ木絹子氏 【 3 】インターネット用語1分解説 「OP25B(Outbound Port 25 Blocking)とは」 【 4 】統計資料 1. JPドメイン名 2. IPアドレス 3. 会員数 4. 指定事業者数 【 5 】イベントカレンダー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 1 】特集 「2007年のインターネットキーワード」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ インターネットとそれを取り巻く環境は、技術だけでなくユーザーの意識や利 用方法、インターネットに対する社会情勢など、ここ数年目まぐるしい速さで 変化しています。 毎年の新しい技術や利用方法が生まれ、日々変化を遂げていくインターネット ですが、今年はどのような動きが生まれてくるのでしょうか? 2007年はどのような出来事に注目すべきなのか、JPNIC理事でありインター ネットの最先端で活躍される6名の方に、ポイントとなるキーワードをそれぞ れ一つずつ挙げていただきました。 ◇ ◇ ◇ ┌─────────────────────────────────┐ ◆氏名:後藤 滋樹(JPNIC理事長/早稲田大学 理工学術院 教授) ◆2007年のInternet Keyword:「ネットワークの『向う側』」 [理由] 情報ネットワークはコスト構造の変化をもたらします。その恩恵を一口 で言えば「他力本願」を容易にすることです。自分で情報を持たなくて も他者に依存して暮らすことができます。その情報を処理することも他 人に任せることができます。この構図を積極的に捉えると、他人のため に活動する意義が深くなります。つまり、自分の活動の影響を社会の広 い範囲に及ぼすことができます。人間は社会の中で「手応え」を感じな がら生きていますから、このような変化が社会全体に変革を起こす筈で す。既に変化は始まっているのですが、本格的な展開までには、まだ時 間がかかりそうです。 └─────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────┐ ◆氏名:小林 洋(JPNIC理事/KDDI株式会社) ◆2007年のInternet Keyword:「バーチャル社会」 [理由] SNSに代表されるWeb2.0のツールの発達が目覚しく、バーチャルの空間 を活用してのコミュニケーション手段がますます発展するものと思われ る。同時にゲームの「仮想都市」で代表されるようにバーチャルの空間 を現実と混同して犯罪に至るようなトラブルの多発も予想される。 いずれにしてもバーチャル社会の発達を如何に人々が現実社会の中でコ ントロールし、役立てていくか、それともコントロールできずに振り回 されていくか正念場の年になりそうである └─────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────┐ ◆氏名:西郷 英敏(JPNIC理事/エヌ・ティ・ティ・コミュニケーション ズ株式会社 ブロードバンドIP事業部長) ◆2007年のInternet Keyword:「Google Earth」 [理由] これまで私達が簡単には得られなかったような深淵な知識が、インター ネットを介して瞬時に得られるようになりました。その象徴として、こ のキーワードを選びました。 今も数日単位で成長を繰り返すとともに、NASAの膨大なデータとの結合 さえも視野に入ってきています。今後の進化に注目するとともに、他の 分野でもこれと似た取り組みが広がり、逆にインターネットへの触媒作 用を起こして、次なるステージに発展する日が来るのではないかと期待 したいところです。 └─────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────┐ ◆氏名:竹村 純(JPNIC理事(非営利団体協議会分野担当)/システムハウ スCAT 代表) ◆2007年のInternet Keyword:「Steering Literacy」 [理由] 急速に普及してきたインターネットは、さまざまな面で根本的な変化が 求められてきています。インテリジェンスのないインフラは、それを補 う為にルール(常識とか法律とか)が存在していますが、インターネッ トは技術優先でしかもあまりにも急速に発展してきた為、ほとんどの人 が戸惑い、あるいは紐の切れた凧のごとく好き勝手に振舞っています。 このアナーキーな状態を少しでも早く何とかしなければならない。かと いって、国などに全てを委ねてしまうことはインターネットの基本的な コンセプトに反するでしょう。インターネットにかかわる全ての人達が 自ら運用リテラシーを向上させ、自らの意思でルールを定めていかなけ ればならないと思います。上位層のガバナンスだけでなく、いろいろな 意味での底辺のスキルアップを図っていく必要があるでしょう。今から でも遅くはない。まだ間に合います。ということで2007年のキーワード、 「Steering Literacy!!」 └─────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────┐ ◆氏名:前村 昌紀(JPNIC理事(IP分野担当理事)/フランステレコム日本 研究所) ◆2007年のInternet Keyword:「IPv4アドレス枯渇に向けた具体的な動き が起こる」 [理由] IPv4アドレスの枯渇に関しては10年ほど前から断続的に話題に上ってい ますが、JPNICで2006年4月に報告書を出したように、数年後を枯渇時期 とする具体的な予測が出てきています。 IPアドレスポリシーの観点だけでもさまざまな対応が必要ですが、むし ろIPv4アドレスの割り振りが終了した後の対応に並々ならぬ労力と投資 が必要になるのは事業者の方々です。 2007年はJPNICとしての主要な活動の一つとしてIPv4アドレス枯渇に向 けた対応を行いますが、事業者の皆さんでもIPv4アドレス枯渇を現実感 を持って認識なさって、具体的な議論や動きがあるだろうと思います。 また、JPNICとしてはそのような動きを促すべく推進してまいりたいと 思います。 └─────────────────────────────────┘ ┌─────────────────────────────────┐ ◆氏名:丸山 直昌(JPNIC理事(インターネットガバナンス・DRP分野担当 理事)/統計数理研究所 データ科学研究系 助教授) ◆2007年のInternet Keyword:「新しいgTLDの追加」 [理由] 10年前までは、一般の人々が登録できるgTLD(分野別トップレベルドメ イン名、 Generic Top Level Domain Name)は .com .org .net だけで あった。ICANNが創設された一つの理由は「gTLDを増やせ」という要望 に答えるためであった。これまで ICANN はいくつかの gTLDを実際に増 やしたが、その手続きは安定しておらず、定常的な作業として確立して いなかった。今年2007年はようやく gTLD追加が定常的な作業として確 立される展望が開けそうな気配が伺える。 └─────────────────────────────────┘ いかがでしたでしょうか? なるほどと思えるものや、意外と思われるものな どあったかもしれません。いずれにしても、インターネットと深く関わってい らっしゃる方の多い読者の皆様にとって、これらのキーワードが何かしらの指 針になれば幸いです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 2 】News & Views Column 「インターネット = ○ * ○」 メディアエクスチェンジ株式会社 三ツ木 絹子 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ さぁ、2007年 新しい年がはじまりました。 昨年は、「現在のAS番号が足りなくなるので、4byteAS番号を利用できるよう にしましょう」とか、「IPv4アドレスの枯渇が遠からず起きるので周知し備え ましょう」とか、「そろそろ広報経路数が20万経路を超えてしまうが大丈夫 か?」など、「足りなくなる前にきちんと備えましょう」という、注意喚起の 年だったような気がします。その中で、20万経路超えは、私にとってちょっと した事件でした。 私達の使っているルータの中に、20万経路までしかサポートしていないとマ ニュアルに記述されていたものがありました。19万経路を超えたあたりから気 にしており、そろそろルータメーカに20万経路を超えた際の挙動を確認せね ば、と思っていた10月のある日、あっという間に広報されてきた経路は20万を 超えてしまいました。 困っているだけでは何も解決しません。私達はまず、経路をまとめる(大きな CIDRにする)努力をすることにしました。幸いまとめられそうな経路は十分に あり、20万未満に経路数を抑えることができました。でも、いつ再び20万経路 を超えるかわかりません。すでに21時近かったのですが、メーカに20万経路超 え時の挙動を確認したいと連絡を入れました。もちろん、サポート時間外です から、なんらかの回答が得られるのは翌日だろうと思っていたら……メーカか ら「テストをする」という連絡があり、日付が変わろうとする頃、「25万経路 までは問題ないことを確認した」という回答が来たのです! こんな小さな事件ではありますが、私は彼らの、製品に対する誇りと、責任感 を見たような気がしました。そして一段と彼らと、彼らの作るものに対する信 頼を厚くしました。 2007年、また色々な問題が見つかることでしょう。でも、インターネットに関 わる人々の誇りと努力と信頼できっと解決できる。そう信じて、今年もがんば りましょう。 ■ 著者略歴 三ツ木絹子 ISPのバックボーンネットワーク構築・運用、およびデータセンタの運用業務 に従事。社内CSIRT(Computer Security Incident Response Team)(*1)メン バーとしても活動中。 (*1) インターネット用語1分解説 ~CSIRTとは~ http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/csirt.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 3 】インターネット用語1分解説 「OP25B(Outbound Port 25 Blocking)とは」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ OP25B(Outbound Port 25 Blocking)とは、自ネットワークから外部ネットワー クへのTCP 25番ポートの通信を遮断することにより、spamメールやvirusメー ルの送信を抑制しようとする技術です。 spamメールやvirusメールは、しばしば自ネットワーク(ISP)のメールサーバを 用いず、送信先メールサーバのTCP 25番ポートへ直接接続して配送されます。 こういった状況から、外部のメールサーバへの通信をできなくすることでspam メールやvirusメールの送信が抑止されることを期待するものです。 しかし、外部メールサーバのTCP 25番ポートへ直接接続する通信は、メールの 内容にかかわらずOP25Bにより全て遮断されるため、同様の通信を用いた正規 のメール送信も不可能になります。 そのため、ISPのメールサーバを利用してメールを送信する一般的なユーザー は特に影響を受けませんが、複数のISPを利用しているユーザーなどが、イン ターネット接続に利用しているISP以外の外部のメールサーバに対してTCP 25 番ポートでメールを送信しようとした場合、OP25Bによりメールの配信ができ なくなります。 また、自分でメールサーバを構築し運用しているユーザーや、メール送信機能 がある一部の家電製品など、ISPのメールサーバを利用しないで直接メール送 信を行う製品を利用しているユーザーなども、上記と同様にそのままではメー ルの送信ができなくなります。 このように影響を受けるユーザーは、SubmissionポートやISPの用意する転送 用のメールサーバを利用するなど、何らかの代替手段を利用する必要がありま す。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 4 】統計資料 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.JPドメイン名 o 登録ドメイン数(2006年8月~2007年1月) -------------------------------------------------------------------------------- 日付|JP AD AC CO GO OR NE GR ED LG GEO GA GJ TOTAL -------------------------------------------------------------------------------- 8/1|0 293 3312 294237 841 21845 17324 8721 4460 2234 3475 364915 123946 845603 9/1|0 291 3317 295632 848 21966 17334 8690 4459 2230 3434 370688 121813 850702 10/1|0 291 3322 296871 863 22058 17338 8657 4450 2225 3387 376825 122411 858698 11/1|0 292 3324 298198 866 22166 17366 8633 4456 2222 3357 382897 122718 866495 12/1│0 291 3328 299485 869 22267 17361 8609 4435 2222 3335 388941 123197 874340 1/1│0 289 3335 300899 870 22368 17414 8592 4451 2225 3325 394404 124153 882325 -------------------------------------------------------------------------------- GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字) GJ:汎用ドメイン名 日本語 2.IPアドレス o JPNICからの割り振りとJPNICへの返却ホスト数(2006年7月~2006年12月) ------------------------------------------ 月 | 割振 | 返却 | 現在の総量 ------------------------------------------ 7 | 2154496 | 0 | 39182622 8 | 1114112 | 0 | 40296734 9 | 67584 | 8192 | 40356126 10 | 100352 | 0 | 40456478 11 | 757760 | 4096 | 41210142 12 | 573440 | 4096 | 41779486 ------------------------------------------ □統計情報に関する詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/stat/ 3.会員数 ※2007年1月10日 現在 --------------------- 会員分類 | 会員数 | --------------------- S会員 | 3 | A会員 | 2 | B会員 | 6 | C会員 | 6 | D会員 | 154 | 非営利会員| 14 | 個人推薦 | 39 | 賛助会員 | 38 | --------------------- 合計 | 262 | --------------------- □会員についての詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ 4.指定事業者数 ※2006年1月10日 現在 IPアドレス管理指定事業者数 383 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 5 】イベントカレンダー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2007.1.12(金)~20(土) SANOG IX (Colombo, Sri Lanka) 2007.1.22(月)~26(金) 23nd APAN (Manila, Philippine) 2007.1.24(水) JPNICオープンポリシーミーティング ショーケース (沖縄、沖縄ハーバービューホテル) 2007.1.25(木)~26(金) JANOG 19 (沖縄、沖縄ハーバービューホテル) -------------------------------------------------------------------- 2007.2.4(日)~7(金) NANOG 39 (Toronto, Canada) 2007.2.16(金) IPアドレス管理指定事業者定例説明会 (東京、JPNIC会議室) 2007.2.21(水)~3.2(金) APRICOT 2007 (Bali, Indonesia) 2007.2.26(月)~3.2(金) 23rd APNIC Open Policy Meeting (Bali, Indonesia) -------------------------------------------------------------------- 2007.3.8(木)~9(金) CENTR 32 (Prague, Czech Republic) 2007.3.18(日)~23(金) 68th IETF (Prague, Czech Republic) 2007.3.26(月)~30(金) ICANN (Lisbon, Portugal) -------------------------------------------------------------------- ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。 http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ___________________________________ ■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■ ::::: 会員リスト ::::: http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ :::: 会員専用サイト :::: http://www.nic.ad.jp/member/(PASSWORD有) □┓ ━━━ N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□ ┗┛ お問い合わせは jpnic-news@nic.ad.jp まで ┗┛  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ =================================== JPNIC News & Views vol.426 【定期号】 @ 発行 社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター 101-0047 東京都千代田区内神田2-3-4 国際興業神田ビル6F @ 問い合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp =================================== 登録・削除・変更 http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/ ■■◆ @ Japan Network Information Center ■■◆ @ http://www.nic.ad.jp/ ■■ Copyright(C), 2007 Japan Network Information Center