=================================== __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.451【臨時号】2007.5.17 ◆ _/NIC =================================== ---------- PR -------------------------------------------------------- ■■■ サイボウズ Office 6 for ASP サービス ■■■ 実績あるグループウェア『サイボウズ Office 6』の機能をASPサービスで ● ASPならではの低コスト導入・運用。安心の無料試用サービス付 ● 基本容量1GBで最大5GBまで拡張が可能。情報共有に効果を発揮 株式会社エアネット 詳細はこちら ⇒ http://www.airnet.jp/cybozu/ ---------------------------------------------------------------------- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ News & Views vol.451 です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本号では、一昨日のvol450に引き続き、ARIN XIXミーティングレポート [第2弾]として、IPアドレスポリシー関連のレポートをお届けします。 ○[第1弾] 全体会議報告 http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2007/vol450.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ ARIN XIXミーティングレポート[第2弾] IPアドレスポリシー関連報告 JPNIC IP事業部 穂坂俊之 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2007年4月22日~25日まで、プエルトリコのサンファンで第19回ARINミーティ ング(ARIN XIX)が開催されました。本稿では、IPアドレスポリシー関連動向に ついて報告いたします。 今回のARINミーティングでは実に13ものポリシー提案が提出されました。 以下に提案の概要と結果をお知らせしたいと思います。 ■IPv4アドレス関連 (1) プロバイダ非依存(PI)アドレスの最小割り当てサイズ変更 現在ARINでは、マルチホームネットワーク向けにプロバイダ非依存アドレスの 割り当てを行っていますが、その最小サイズは/22となっています。これを/24 へ変更しようという提案です。 APNICでは特に最小割り当てサイズの規定はなく、/24の割り当ても行われてい ますが、ARINでは/24にすると対象を広げすぎることになるという懸念が示さ れ、出席者の賛同を得られず却下となりました。 (2) プロバイダ非依存(PI)アドレスの追加割り当て要件の新設 ARINでは、マルチホームするか否かに関わらず、割り当て直後に/22、1年後に /21を使うことを正当化できれば、/20の割り当てをARINから直接受けることが できます。しかし、この割り当てにおいて追加の需要が発生した時の割り当て 判断基準が無いため、ここでは「過去に割り当てを受けたアドレスの80%以上 を利用していること」という要件が提案されました。 この提案に関しては特に反対はなく、コンセンサスとして最終コメント期間 (Last Call)に付されることになりました。 (3) IPv4アドレスの枯渇に向けたポリシー 前回のAPNICミーティング(APNIC23)で提案されたものと同じ内容で、JPNICの IPv4アドレス枯渇対応チームが策定し提出したものです。(*) この提案は、「IPv4アドレスの枯渇に対しては世界的に調整のうえ取り組みを 進める」「延命のためのルール変更は行わない」「分配済みアドレスの回収は 別の議論とする」「割り振り終了日を前もって決めた上で周知する」という四 つの要素からなるものですが、割り振り停止日を前もって決めるとIANAやRIR で割り振られずに残るアドレスができる可能性があり、そうした状況でなお割 り振りを行わないということは疑問である等のコメントが聞かれました。 結論としては、十分なサポートが得られていないという理由で提案は却下され ましたが、同時にARINの諮問委員会(AC: Advisory Council)から、IPv4アドレ スの枯渇に関しては引き続きポリシー提案の検討が必要であるとのコメントが 付いた形となっています。 (*)JPNIC News & Views vol.434 [特集]第23回APNICオープンポリシーミーティングレポート http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2007/vol434.html ■IPv6アドレス関連 (4) IPv6アドレスポリシー文書からの「暫定的」という言葉の削除 現在のIPv6アドレスポリシー文書では「このポリシーは暫定的(Interim)であ るものとしてみなされ、将来IPv6の運用に関するより幅広い経験に従って見直 される」という記述がありますが、既にIPv6の運用の経験は十分蓄積されたと の理由でこの部分を削除するという提案です。 現在のポリシーに「暫定的」という言葉が入った経緯を確認する質問が出たも のの、強く反対する意見は聞かれず、Last Callに付されることとなりました。 (5) IPv6初期割り振り要件の変更 1年以内に割り振られたIPv6アドレスを広報する予定があることを示すことが できれば、/32の割り振りを受けられるようにするという提案です。 これについては、割り振りを受けられる対象を広げすぎであるという意見が大 勢を占め、提案を修正したうえでメーリングリスト(ML)で議論し直すというこ ととなりました。 (6) 同一サイトへ複数の/48を割り当てる際の審議不要化 現在のポリシーでは、同一サイトへ複数の/48を割り当てる際にはRIR/NIRに対 し審議申請を行うことを求めていますが、これを不要とする提案です。 会場では、割り当ての正当化さえできればサイズに関わらずその割り当ては認 められるべきではあるものの、今の段階で全て審議不要とするのは時期尚早で はないかとの意見があり、本提案は却下されました。 ■パネルディスカッション 今回のARINミーティングでは、過去RIRができる以前にIANA等から直接割り当 てを受けたアドレスの今後の扱い、およびIPv4アドレスの枯渇に今後どう対処 していくべきかに関するパネルディスカッションが行われました。 IANA等から直接割り当てを受けた、いわゆる歴史的経緯をもつアドレスについ ては、WHOISの更新、料金、返却のプロセスなど今後検討すべき課題の指摘が パネリスト、会場の参加者双方から聞かれました。 IPv4アドレスの枯渇に関しては、IPv6へ移行させるインセンティブをどう考え ればよいか、IPv4アドレスの市場取り引きを認めるべきか、認めたとしてARIN はどういう役割を果たすべきか等の問題提起がなされましたが、統一された見 解に至るということはありませんでした。また、現在利用されていない、いわ ゆるクラスE空間(240.0.0.0-255.255.255.255)を、プライベートアドレスとし て利用することを検討してはどうか、などの提案も聞かれました。 パネルディスカッションでもポリシー提案の議論中も「NATを用いればIPv4ア ドレスは十分延命できる」という意見はほとんど聞かれず、全体としてIPv4ア ドレスの枯渇が今そこにある問題として認識されている雰囲気を感じました。 ■ARINミーティング以後の動き 上記で触れた一連のIPv4アドレス枯渇に関する議論に触発されてか、今回の ARINミーティング以降、IPv4アドレス枯渇に関する別のポリシー提案が複数 提出されています。以下、簡単に内容をご紹介したいと思います。 (1) IANAからRIRへのIPv4割り振りポリシー提案 http://mail.lacnic.net/pipermail/politicas/2007-April/012082.html LACNICに提出されたポリシー提案です。IANAの/8の在庫が25個になった時点 で、その25個を5個ずつ、五つのRIRへ割り振るという提案です。詳しい内容は 上記リンクから参照ください。前半はスペイン語ですが、後半に英語で内容が 記述されています。 (2) IPv4ソフトランディングポリシー http://lists.arin.net/pipermail/ppml/2007-May/006895.html ARINに提出されたポリシー提案です。IANAの/8の在庫が少なくなっていくに 従って段階的にRIRからLIR/ISPへの割り振りポリシーを厳しくしていき、同時 にLIR/ISPに対し、IPv6のサービス準備状況を確認するという提案です。 上記2提案とも、現在ML上での議論が行われている最中です。 また、過去にGeoff Huston氏によるIPv4アドレス枯渇時期の予測(*)を何回か ご紹介していると思いますが、この予測手法が5月上旬に見直された結果、従 来2011年5月-6月とされていたIANA在庫の枯渇時期が、2009年12月と大幅に早 まっています。 (*) http://www.potaroo.net/tools/ipv4/ これは2006年から2007年にかけての消費量が予想よりも多く、従来の近似関数 から乖離が生じてきたために見直しをかけた結果ということです。 この枯渇時期の見直しは、今後のポリシー議論に大きな影響を与えると思われ ます。 ■その他の提案 上記に挙げたもの以外のポリシー提案については、以下に提案内容へのリンク と結果のみ示しますので、参考にしてください。 [コンセンサスと判断され、Last Callに付されるもの] 2007-1: 申請に関するPGP認証の導入 http://www.arin.net/policy/proposals/2007_1.html 2007-2: PGP認証を前提として、mail-from をデフォルトの認証手段とする http://www.arin.net/policy/proposals/2007_2.html 2007-3: X.509を認証手段として導入 http://www.arin.net/policy/proposals/2007_3.html 2007-8: 番号資源移管に関するポリシー文書の用語統一 http://www.arin.net/policy/proposals/2007_8.html 2007-9: ISPへの緊急割り振りポリシーの変更 http://www.arin.net/policy/proposals/2007_9.html 2007-11: 初期割り振り申請テンプレート記入にあたっての注釈削除 http://www.arin.net/policy/proposals/2007_11.html [却下されたもの] 2007-10: エンドサイトへの緊急割り当てポリシーの変更 http://www.arin.net/policy/proposals/2007_10.html 次回のARINミーティングは、2007年10月17日~19日にかけて、米国ニューメキ シコ州アルバカーキで開催されます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。 http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ___________________________________ ■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■ ::::: 会員リスト ::::: http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ :::: 会員専用サイト :::: http://www.nic.ad.jp/member/(PASSWORD有) □┓ ━━━ N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□ ┗┛ お問い合わせは jpnic-news@nic.ad.jp まで ┗┛  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ =================================== JPNIC News & Views vol.451 【臨時号】 @ 発行 社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター 101-0047 東京都千代田区内神田2-3-4 国際興業神田ビル6F @ 問い合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp =================================== 登録・削除・変更 http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/ ■■◆ @ Japan Network Information Center ■■◆ @ http://www.nic.ad.jp/ ■■ Copyright(C), 2007 Japan Network Information Center