=================================== __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.482【定期号】2007.9.18 ◆ _/NIC =================================== -------- PR ---------------------------------------------------------- ◆あなたのブログでも、わかりやすい日本語ドメイン名を使ってみませんか? 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IPアドレス 3. 会員数 4. 指定事業者数 【 5 】イベントカレンダー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 1 】特集 「第24回APNICオープンポリシーミーティングレポート」 JPNIC IP事業部 奥谷泉 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ■全体概要 2007年9月3日(月)~9月7日(金)に開催された、第24回APNICオープンポリシー ミーティングは、インド・ニューデリーがホスト地でした。5分以上も歩くと 汗が流れ出るような気候でしたが、オールドデリーにあるモスクの周り等、芝 生が広がっている場所もいくつかあり、木陰で涼んでいる家族やカップルをち らほらと見かけました。 今回は南アジアで活動するネットワークオペレーターのグループである、 SANOGとのコラボレーションということもあり、地元のインドや周辺国からの 参加者が多いことを期待していましたが、普段より若干多い程度であったこと は少し意外でした。しかし、この時期の単独ミーティングには通常参加しな い、ヨーロッパで活動するオペレーターの方も数名参加していたようです。結 果として、合計31の経済圏から265名の参加があったと報告されています。 プログラム面では、チュートリアル、BoF、APNIC総会については従来と変わり ませんでしたが、1年前に単独開催した時からの試みとして、APOPS、SANOG Plenary等、従来よりも技術的な内容にフォーカスしたセッションの割合が増 えていたことが印象的です。SIGも、このミーティングではポリシーSIGとNIR SIGのみに絞り、その他の技術的なテーマを扱うSIGは、APOPSやSANOGセッショ ンに吸収する形をとっていました。 このミーティングで議題として注目されていたものは、APNICにおける料金改 定と、IPv4アドレスの在庫枯渇に関する提案の2トピックです。また、前回の ミーティングから、各SIGセッションを担当するSIG Chair/Co-Chairの任期を 2年とし、選挙方式にすることが決定され、今回もポリシーSIG、IPv6テクニカ ルSIG、NIR SIGのChair/Co-Chairについて選挙が行われました。 ■SIG Chair/Co-Chairの選挙 今回はポリシーSIG Co-Chair2名、IPv6テクニカルSIG Chair1名、NIR SIG Chair1名のポジションが改選対象となり、以下の結果となりました。 ポリシーSIG Co-Chair : Randy Bush Jian Zhang IPv6テクニカルSIG Chair :松崎吉伸 NIR SIG Chair :奥谷泉 (筆者・再選) なお、このたび改選対象ではなかったChair/Co-Chairのポジションについて は、引き続き現在のChair/Co-Chairが継続してその任にあたります。 ■APNICの料金改定 今年(2007年1月~12月)のAPNICの決算収支は、7%赤字となることが予測されて おり、来年以降の赤字を防ぐ暫定処置として、以下二つの変更を行う提案が行 われました。 ・会費の徴収通貨をUSドルからAUドルに変更する ・会費を一律7%増額する 収支の赤字は、固定費の増加と、収入源であるUSドルと支出通貨であるAUドル の、為替レートの差分による損失が原因とされているためです。 また、並行して、長期的な料金改定についても、今後1、2年を目処に検討を進 めることも説明されました。 しかし、結果としては投票した会員の過半数の支持は得られず、否決となりま した。 ■ポリシー提案の結果 [全体] 今回最も議論が集中したのは、IPv4アドレスの在庫枯渇に関する提案3点で す。 このミーティングで予定されていた提案事項は8点でしたが、うち4点が提案者 の意向等により取り下げとなり、セッションの2/3以上の時間は、IPv4アドレ スの在庫枯渇に関する、以下の提案に費やされました。 prop-046: JPNICからのIPv4アドレスの在庫枯渇に向けた提案 prop-051: LACNICからのIPv4アドレスの在庫枯渇に向けた提案 prop-050: APNIC地域において、割り当て済みIPv4アドレスの移管を認める 提案 (*)prop-046、prop-051はいずれもIANAからRIRへの分配方法を定義したもの しかし、テーマが大きいこともあり、いずれの提案についても今回は結論が出 ず、継続議論という結果となっています。 [枯渇に関する提案] まず、IANAからRIRへのIPv4アドレスの分配方法を定義したJPNICからの提案 は、趣旨は異なるものの、同じくIANAプールの分配方法について定義してい る、LACNICからの提案とあわせて議論が行われました。 JPNICからの提案は、IANAのIPv4アドレスプールが5×/8を切った時点で、各 RIR(合計5RIR)に1×/8を分配するとしたものです。一方、LACNICからの提案 では、RIRへの分配サイズがより大きく、2×/8を分配することを提案してい ます。 RIRへの分配サイズの予測しやすさにつながることを目的としたJPNICからの提 案は、趣旨について一部の参加者からは支持が得られたものの、「用途が明確 ではないのに分配だけ決めるのは合理的ではない」として、反対意見もそれな りにあり、コンセンサスと判断されるまでには至りませんでした。あわせて提 案が行われた、LACNICからの発表も同じ結果です。 これを受け、APNICプールの最後アドレスブロックの用途についても、次回の ミーティングまでに国内での議論も調整の上、より具体的な提案を行う予定で す。 もう1点の、割り当て済みアドレスの移管を認める提案については、移管を認 めることに対する強い反対意見は見受けられませんでした。一方、歴史的PIを 含めていないこと、対象をアジア太平洋地域に限定していること、また、ポリ シーの原則を変更することになることから、慎重な検討を支持する意見が強 く、継続議論となりました。 JPNICとしても、移管については、歴史的PIへの影響、市場取り引きがどのよ うな形で行われる可能性があるのか等、次回のAPNICミーティングまでに、国 内からのご意見も考慮した上で、十分な検討が必要であると考えています。 [その他の提案] その他の提案として、IANAからRIRへのAS分配ポリシーについては、実運用の 明文化であり実質的な影響はないことから、参加者から異論なくコンセンサス (賛同)が得られました。その他RIRでもコンセンサスが得られ、ICANNで承認さ れた時点で、グローバルポリシーとして施行される予定です。 また、取り下げられた4点の提案のうち、IPv6初回割り振り基準の変更につい ては、2年以内に「200」の顧客への割り当てという数的要件が、一部国内の事 業者から「障壁となっている」との意見も寄せられているため、今後提案自体 が撤回される場合には、JPからの提案の可能性も含めて、あらためて対応を検 討する必要があると考えています。 ■次回のミーティング 次回のAPNICミーティングは、APRICOT2008のプログラムとして、2008年2月25 日~29日にかけて、台湾・台北で行われる予定です。 ■参考情報 24th APNIC Open Policy Meeting http://www.apnic.net/meetings/24/ prop-046: JPNICからのIPv4アドレスの在庫枯渇に向けた提案 http://www.apnic.net/docs/policy/proposals/prop-046-v002.html prop-051: LACNICからのIPv4アドレスの在庫枯渇に向けた提案 http://www.apnic.net/docs/policy/proposals/prop-051-v001.html prop-050: APNIC地域において割り当て済みIPv4アドレスの移管を認める 提案 http://www.apnic.net/docs/policy/proposals/prop-050-v001.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 2 】News & Views Column 「インターネットの階層化と国際外交」 サイバー大学IT総合学部教授/JPNIC理事 小西和憲 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 専門家を育成し仕事を分業する「社会」を構成することで、豊かな生活を楽し むことが可能となりました。しかし、大規模化された社会を円滑に運用するた めには「階層化」が重要となります。インターネットにおいても、ドットで連 結する「階層的なドメイン名」を導入することで、世界中からホストを特定で きるようになりました。経路制御においても、「AS番号」を導入することで、 ISPのポリシーを反映したネットワーク運用が容易となりました。最近の話題 として、経路数の抑制や実質的なIPアドレス空間の拡大を目的として、ISPに 対応する位置識別子とホストに対応する個体識別子を分離・階層化して管理す る経路制御プロトコル「LISP」が注目されています。 一方、階層化に伴い、そのグループ内の「上下関係」と、それぞれのグループ の代表者による「外交」を上手に規定・運用することが重要となります。わが 国の国際外交については、自信のなさそうな、能面のような表情をした役人の 姿をテレビで見かけますが、これは十分な「権限」を委譲されないまま、国際 外交の場に登場させられているからなのでしょうか。しかし、JPNICについて は、国際会議において、我々の代表として自信に満ち、多数派を構成・リード できる姿を期待しています。 ■ 著者略歴 小西和憲 JUNETの国際接続を1985年から10年間担当した後、科学技術庁のIMnet国際接続 を運用管理、この間、アジアの研究インターネットを取りまとめるAPANを組織 化、APAN-JPの事務局長、APAN NOCディレクタを務めている。2007年4月からは サイバー大学に勤務。JPNIC理事。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 3 】インターネット用語1分解説 「IPv6/IPv4トランスレータとは」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ IPv6/IPv4トランスレータ(以下、トランスレータ)とは、IPv4ネットワークと IPv6ネットワーク間の通信において利用される仕組みです。 IPv6とIPv4では、プロトコルスタックの仕様が異なっているため直接通信がで きませんが、プロトコルそのものを変換することを目的としたトランスレータ を経由させることにより、IPv6ノードとIPv4ノードとの間の双方向通信を実現 することが可能となります。 既に実装されているトランスレータの例としては、 ・Proxy方式 - アプリケーションレベルでの変換を行う方式 ・NAT-PT方式 - DNSと連携し、アドレスやポート番号を変換する方式 ・TRT方式 - トランスポート層(TCPもしくはUDP)でセッションを奪って通信を行う方式 があります。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 4 】統計資料 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.JPドメイン名 o 登録ドメイン数(2007年4月~2007年9月) -------------------------------------------------------------------------------- 日付| AD AC CO GO OR NE GR ED LG GEO GA GJ TOTAL -------------------------------------------------------------------------------- 4/1| 291 3368 305042 884 22703 17435 8513 4447 2213 3265 412502 127666 908329 5/1| 290 3380 306555 889 22834 17443 8480 4463 2207 3244 418024 129493 917302 6/1| 293 3380 307886 890 22931 17440 8467 4478 2169 3225 422835 131248 925242 7/1| 292 3384 309331 887 23037 17432 8428 4465 2116 3192 429222 132692 934478 8/1| 290 3392 310590 887 23116 17391 8390 4474 2103 3182 438102 134243 946160 9/1| 288 3399 311567 874 23211 17374 8366 4483 2102 3158 444129 136208 955159 -------------------------------------------------------------------------------- GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字) GJ:汎用ドメイン名 日本語 2.IPアドレス o JPNICからの割り振りとJPNICへの返却ホスト数(2007年3月~2007年8月) ------------------------------------------ 月 | 割振 | 返却 | 現在の総量 ------------------------------------------ 3 | 907264 | 202752 | 43155742 4 | 30720 | 17408 | 43169054 5 | 964608 | 0 | 44133662 6 | 102400 | 0 | 44236062 7 | 129024 | 0 | 44365086 8 | 1800192 | 0 | 46265278 ------------------------------------------ □統計情報に関する詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/stat/ 3.会員数 ※2007年9月11日 現在 --------------------- 会員分類 | 会員数 | --------------------- S会員 | 3 | A会員 | 2 | B会員 | 4 | C会員 | 5 | D会員 | 146 | 非営利会員| 13 | 個人推薦 | 39 | 賛助会員 | 36 | --------------------- 合計 | 248 | --------------------- □会員についての詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ 4.指定事業者数 ※2007年9月6日 現在 IPアドレス管理指定事業者数 381 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 5 】イベントカレンダー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2007.9.23(日)~28(金) AfriNIC-7 (Durban, South Africa) -------------------------------------------------------------------- 2007.10.9(火)~10(水) CENTR 34 (Paris, France) 2007.10.17(水)~10.19(金) ARIN XX (Albuquerque, NM, USA) 2007.10.22(月)~26(金) RIPE 55 (Amsterdam, Netherlands) 2007.10.29(月)~11.2(金) ICANN (Los Angeles, California, USA) -------------------------------------------------------------------- 2007.11.12(月)~11.15(木) Internet Governance Forum (Rio de Janeiro, Brazil) 2007.11.19(月)~11.22(木) Internet Week 2007 (東京、秋葉原コンベンションホール) -------------------------------------------------------------------- 2007.12.2(日)~7(金) 70th IETF (Vancouver, BC, Canada) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。 http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ___________________________________ ■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■ ::::: 会員リスト ::::: http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ :::: 会員専用サイト :::: http://www.nic.ad.jp/member/(PASSWORD有) □┓ ━━━ N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□ ┗┛ お問い合わせは jpnic-news@nic.ad.jp まで ┗┛  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ =================================== JPNIC News & Views vol.482 【定期号】 @ 発行 社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター 101-0047 東京都千代田区内神田2-3-4 国際興業神田ビル6F @ 問い合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp =================================== 登録・削除・変更 http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/ ■■◆ @ Japan Network Information Center ■■◆ @ http://www.nic.ad.jp/ ■■ Copyright(C), 2007 Japan Network Information Center