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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.495【臨時号】2007.11.8 ◆
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◆ News & Views vol.495 です
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本号では、2007年10月22日から26日まで、オランダ・アムステルダムで開催さ
れた、第55回RIPEミーティングのレポートをお届けします。

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◆ 第55回RIPEミーティング報告
                                               JPNIC IP事業部 穂坂俊之
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第55回RIPEミーティングが、2007年10月22日から26日まで、オランダのアムス
テルダムで開催されました。参加者は世界40ヶ国から375人と報告されており、
会場は椅子の空きを捜すことが難しいほどの盛況でした。

以下に、今回の会議で議論されたIPアドレスポリシー関連事項を報告いたしま
す。

■IPv4アドレス在庫枯渇に関するETNOの姿勢表明

2007年10月23日に行われたIPv4枯渇関連セッションでは、ヨーロッパの電気通
信ネットワークオペレーターの団体であるETNO(European Telecommunications
Network Operators' Association)から、IPv4アドレス在庫枯渇に関する姿勢
表明が紹介されました(*1)。内容は以下の通りです。

(1) この問題は既存のIPアドレスコミュニティで対処すべき事項であり、政府
    や規制当局が介入すべきものではない。

(2) IPアドレスの割り振りは、これまで必要に応じて、必要なだけ行ってきて
    おり、今後もそのやり方を続けるべきである。

(3) IPアドレスの取引は、公平と節約の原則に反する行為であり、これを許す
    べきではない。

(4) IPアドレスポリシーの策定は、既に確立されているプロセスを使って進め
    るべきである。

(5) 歴史的(Legacy)IPアドレスの回収努力は、これまで通り進めるべきであ
    る。

会場からはこの姿勢表明に対し、「つまりは枯渇するに任せて何もしないとい
う姿勢表明に見える」というコメントがありましたが、このコメントに対して
は「何もしないということではなく、あまり特別なことはすべきでないという
ことである。また、現在行われている枯渇に関するポリシー議論は継続すべき
である」との回答がなされています。


■RIPEによるIPv4アドレス在庫枯渇に関する声明

上記の姿勢表明とは別に、RIPEとしての声明文の検討が、アドレスポリシーWG
とIPv6 WGのセッションで行われ、最終日に声明が発表されています(*2)。内
容は以下の通りです。

(1) IPv4アドレスの在庫はここ2年ないし4年で枯渇する可能性が高く、将来の
    成長に十分なアドレス量を提供できるのはIPv6である。従って我々は、
    IPv6の広範な採用を奨励する。

(2) 既存のIPアドレスポリシー策定プロセスは、今までもコミュニティのニー
    ズを満たしてきており、これからも満たし続けることを我々は確信してい
    る。

(3) サービスプロバイダは、自身の提供するサービスをIPv6で利用できるよう
    にするよう、我々は勧告する。また、非常に多くのアドレスをこれから必
    要とする者はIPv6を採用すべきである。

(4) 政府は、全ての市民が将来の情報社会に参加できるよう、独自の役割を果
    たすべきである。


■IPアドレスポリシー関連セッション

今回のミーティングで議論された、IPアドレスポリシー提案の概要と結果を、
以下にご紹介いたします。

(1) IANAからRIRへのIPv4アドレスの最終割り振りに関するポリシー

IANAにおける/8の在庫がある個数(n×5個)まで減った時点で、在庫残のIPv4ア
ドレスを各RIRに同じ量(n)ずつ、全て割り振りきってしまい、IANAからRIRへ
のIPv4アドレスの割り振りを終了するという提案で、他RIRへ提出されている
ものと同一です。

今回のミーティングにはこの個数を前提に、下記2通りの案が提示されまし
た。

a) IANAの/8の在庫が10になった時点で、5RIRに二つずつ/8を割り振る。(n=2)
b) IANAの/8の在庫が5になった時点で、5RIRに一つずつ/8を割り振る。(n=1)

議論では、IANAからRIRへの最終割り振りに関するポリシーの必要性について
賛否両論がありましたが、最後にRIRが受け取るべき/8の個数が1(n=1)である
ならば賛成できるという意見もあったため、n=1を前提としてポリシー提案文
書を書き直し、メーリングリスト上で継続議論する、という結論になりまし
た。


(2) IPv6アドレスポリシーの再構築提案

既存のIPv6アドレスポリシーについて複数箇所を修正し、現在のポリシーをよ
り単純化することによって、割り振りを受けられる組織の対象を大きく広げる
提案です。具体的な修正提案箇所は以下の通りです。

a) /32の最小割り振りサイズの制限を撤廃し、HD-ratioをベースに必要に応じ
   たサイズの割り振りを行う。

b) エンドサイトは割り振りを受けられないという制限を撤廃し、ある程度の
   ネットワーク規模があれば全て割り振りを受けられるようにする。

会場からは、ここまで割り振り対象を広げることはルーティングテーブルの観
点から賛成できないという意見や、今この提案が果たして必要なのか疑問だと
いった意見があり、総じて否定的見解が多い状況でしたが、メーリングリスト
上で継続議論することとなりました。


(3) プロバイダ非依存アドレスに関する議論

RIPE NCCでは、プロバイダ非依存アドレス(PIアドレス)の割り当てを受けるの
にマルチホームする必要が必ずしも無いこと、また、エンドユーザーとRIPE 
NCCが直接の契約関係を持つ必要が無く、接続LIRを通じた簡易な申請ができる
ことなどから、PIアドレスの割り当て量が非常に多くなっています。

上記の事情から、現在PIアドレスの割り当てを受けているエンドユーザーと
RIPE NCCとの間には直接の契約関係が無く、PIアドレスの割り当て先を正確に
把握することが難しいという大きな問題があります。

これを解決する手段として、PIアドレス割り当てに際してはエンドユーザーと
RIPE NCCとの間で契約を締結し、直接課金を行うこと、使われていないPIアド
レスは回収することを契約に明記することなどの提案がなされています。

会場ではこの提案に対して賛成意見が強く、今後さらにメーリングリスト上で
詳細について議論することとなりました。


次回のRIPEミーティングは、2008年5月5日から5月9日まで、ドイツのケルンで
開催されます。

(*1) http://www.ripe.net/ripe/meetings/ripe-55/presentations/mcfadden-etno.pdf
(*2) http://www.ripe.net/news/community-statement.html


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 JPNIC News & Views vol.495 【臨時号】

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