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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.572【臨時号】2008.9.4 ◆
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◆ News & Views vol.572 です
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本号では、vol.571に引き続き、第72回IETFのレポート[第2弾]として、DNS関
連WGの動向についてお届けします。

□第72回IETF報告 特集
○[第1弾] 全体会議報告 (vol.571)
  http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2008/vol571.html

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◆ 第72回IETF報告 [第2弾]  DNS関連WG報告
                             JPNIC DNS運用健全化タスクフォースメンバー
                                             東京大学 情報基盤センター
                                                              関谷勇司
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◆dnsext WG(DNS Extensions WG)報告

IETF開催前に、DNSキャッシュ汚染(ポイズニング)に関する脆弱性がCERTから
アナウンス(*1)されました。そのため、キャッシュ汚染に関する話題がメーリ
ングリストでも展開され、DNSプロトコル自体を拡張して、キャッシュ汚染が
発生する可能性を低くするための方式がいくつか提案されました。しかし、こ
の話題自体は以前からdraft-ietf-dnsext-forgery-resilienceとして存在して
いたため、大きな混乱もなく議論は進行しました。

WGの会合は、いつも通りドラフトの確認から始まりました。前回の会合からは
新たなドラフトは提出されておらず、前回から存在したドラフトの状態を確認
しました。draft-ietf-dnsext-forgery-resilienceはWGラストコールが行われ、
そこで指摘された事項を改訂した新たな版が提出されました。
draft-ietf-dnsext-rfc2672bis-dnameは、WGラストコールの準備が整ったこと
が確認されました。他のWGのInternet-Draftも状態が確認され、進捗が確認で
きました。しかし、draft-ietf-dnsext-dns-protocol-profileに関しては、一
切の進捗がなく期限切れとなっているため、9月中に何も進捗がなければ削除
することが確認されました。

会合の後半では、DNSのキャッシュ汚染問題に対する提案が話し合われました。
ポート番号をなるべく無作為に選択するだけではなく、DNSクエリのトランザ
クションIDを拡張する手法として、WGでは以前から、
draft-vixie-dnsext-dns0x20が提案されていました。これは、DNSの名前が大
文字と小文字を区別しないという仕様を利用して、問い合わせる名前に大文字
と小文字をまぜあわせ、それをトランザクションIDの一部として使用するとい
う手法です。この手法に関しては、問題もなく従来のDNS実装に導入すること
ができるという意見が出されました。一方で、短い名前の場合には、トランザ
クションIDの範囲がそれほど増えるわけではないので、やはりキャッシュ汚染
されやすいのでは、という意見も出されました。

その他にも良い提案があればぜひWGに出して欲しい、と呼びかけがありました。
この問題に関しては、継続してdnsext WGにて議論を行っていくことが確認さ
れました。おそらく次のIETFでもWGの会合が持たれると思われます。

(*1)JPCERTからのアナウンス
    http://www.jpcert.or.jp/at/2008/at080013.txt


◆dnsop WG(Domain Name System Operations WG)報告

dnsop WGの会合では、いくつかの新たなドラフトが取り上げられたものの、ほ
ぼ現在のドラフト確認に終始しました。

draft-ietf-dnsop-reflectors-are-evilはADレビューの段階にあり、
draft-ietf-dnsop-default-local-zonesと
draft-ietf-dnsop-reverse-mapping-considerationsは、WGラストコールから
の更新待ちであることが確認されました。また、draft-ietf-dnsop-respsize、
draft-ietf-dnsop-as112-ops、
draft-ietf-dnsop-as112-under-attack-help-helpも、WGラストコール待ちで
あることが確認されました。

会合の後半では、draft-hardaker-dnsops-name-server-management-reqsに関
して議論が行われました。デザインチームから、アーキテクチャや制御、モニ
タリングやセキュリティに関する要求がまとめられ、ドラフトは完成した形と
なりました。会場からの意見では、いくつかの細かな修正が提案されましたが、
ほぼ完成したとみなされ、デザインチームはこれで解散して、次の段階である
具体的なプロトコルの提案に進もうという合意がなされました。

新たなドラフトとしては、draft-jabley-dnsop-missing-mnameとdraft-kerr-
dnsop-edns0-penetrationが取り上げられました。前者は、DNSのDynamic
Updateによって、SOAのMNAMEフィールドを変更することを禁止しようという提
案でした。会場からは、大きな問題ではないという意見や、MNAMEの意味その
ものを考え直す方がいいのではといった意見が出ましたが、引き続きWGの議論
では取り上げていく方向になりました。後者のドラフトは、authoritative
DNSサーバがどのくらいEDNS0に対応しているのかを調査した結果の報告です。
それによると、90%以上のauthoritative DNSサーバがEDNS0をサポートしてい
るということでした。中には、UDPに応えずTCPにのみ応えるDNSサーバも少数
ながら存在することも報告されました。会場からは、思ったよりもEDNS0対応
率が高いという意見が出され、興味深い結果と認識されました。次はresolver
DNSサーバに関しても行って欲しい、という意見も出されました。


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
            http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html
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 JPNIC News & Views vol.572 【臨時号】

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