=================================== __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.654【定期号】2009.7.16 ◆ _/NIC =================================== ---------- PR -------------------------------------------------------- ■■■ 進化し続ける専用ホスティングサービス『MDEO』 ■■■ MDEOとは、システム開発会社様向けのレンタル開発環境です。 システム保守・瑕疵担保期間中の開発環境の維持を安価に行う事が可能で、 開発環境からシームレスに本番運用に移行する事ができます。 ━━ 株式会社ディーネット 詳細はこちら ⇒ http://www.mdeo.jp/ ━━ ---------------------------------------------------------------------- ---------- PR -------------------------------------------------------- ┏━━━━━━━━━━━━┓ ★ 2009年7月23日(木) 13:30~ ★ ┏┫ 第25回 ICANN報告会 ┣┓ ★ 富士ソフト アキバプラザ ★ ┃┗━━━━━━━━━━━━┛┃ インターネットの今を知るには、 ┗━┛ JPNIC・IAjapan共催 ┗━┛ ICANNから!Hot Topics満載です! 詳細はこちら → http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2009/20090709-01.html ---------------------------------------------------------------------- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ News & Views vol.654 です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本号では、2009年6月21日から26日にかけて、オーストラリアのシドニーで開 催されたICANN会議のレポートをお届けします。 なお、今回のICANN会議の報告会を7月23日(木)に、東京の富士ソフト アキバ プラザで開催いたします。本号では現在ICANNでどのような議論が行われてい るかをお伝えするとともに、報告会では会議参加者からの生の声をみなさまに お届けできればと考えております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ 目次 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 1 】特集 「ICANNシドニー会議報告」 【 2 】News & Views Column 「インターネットテクノロジーの愉しみ」 グリー株式会社 藤本真樹氏 【 3 】インターネット用語1分解説 「PDPとは」 【 4 】統計資料 1. JPドメイン名 2. IPアドレス 3. 会員数 4. 指定事業者数 【 5 】イベントカレンダー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 1 】特集 「ICANNシドニー会議報告」 JPNIC インターネット推進部 前村昌紀 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2009年6月21日から26日まで、オーストラリアのシドニーで第35回ICANN会議が 行われました。前回、2009年3月のメキシコシティ会議では、新gTLD導入が大 きなトピックとして挙がりましたが、今回のシドニーでもやはり大きな話題と なりました。 本稿では、この新gTLD導入に付随する動きとして、実装勧告チーム(IRT: Implementation Recommendation Team)と呼ばれる、新gTLD導入で問題とな る、商標など知的財産権に関する扱いを検討するチームについて、ご報告しま す。 ◆IRT IRT(Implementation Recommendation Team)を直訳すると、「実装勧告チー ム」となりますが、具体的には、新gTLD導入の際に必要とされる、商標保護方 策を検討し勧告することが、このチームのミッションです。IRTは、ICANN理事 会が2009年3月のメキシコシティ会議において議決した、GNSOの知的財産権関 係者部会(IPC:Intellectual Property Constituency)に対する要請によって招 集されたものです(*1)。IPCは決議を受けて3月中にIRTを編成し、以降2ヶ月に わたって検討を重ね、5月末にまとまった最終案が、今回のICANN会議で報告さ れました。 最終案では、以下の五つの方策が提案されています。 1) 今後、多数設立されると見込まれる新たなTLDに対する、商標保護手続きの 負担を軽減するための仕組み。具体的には以下の三つ。 ・TLDレジストリが共通して利用し、商標に関する情報のリポジトリとして 機能する「IPクリアリングハウス」 ・一定数以上の国で保護されている商標(GPM:Globally Protected Marks) を登録する「GPMリスト(GPML)」 ・GPM以外の商標を取り扱う「IPクレームハウス」 2) 商標悪用によるドメイン名の利用を早期に凍結する「統一早期凍結システ ム(URS:Uniform Rapid Suspension System)」 3) 商標権をクリアして登録されたドメイン名を使って、登録後に商標保護の 観点で問題のある運用がなされることを防ぐ、「登録後紛争解決メカニズ ム(Post-Delegation Dispute Resolution Mechanism)」 4) .comなど、登録データが一元化されず分散管理されていると、情報更新が 徹底されない恐れがあることから、新たなgTLDでは全て、レジストリの一 元化管理(いわゆるThick WHOIS)を行うこと 5) TLD文字列の審査において、文字列の類似性だけでなく、聞こえ方や意味も 含めた類似性判別を、審査のアルゴリズムに含めること この報告書最終案は、2009年7月に世界4都市で行われる、ICANNコンサルテー ションでも紹介され、意見聴取が行われた後、秋に公開が予定されているドラ フトガイドブック(新gTLD導入に関するドラフト版RFP)第3版に盛り込まれる予 定です。 (*1) JPNIC News & Views vol.626 「ICANNメキシコシティ会議報告」 http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2009/vol626.html ◆その他 GNSOでは、支持組織全体の組織改革が大詰めを迎えています。組織改革によ り、GNSOは現存の部会(Constituency)をベースとした組織編成から、部会を包 含する四つのステークホルダーグループ(SG)をベースとする組織編成へと移行 します。(*2) これによって、部会を新規設置する自由を確保しながら、GNSO 全体として、より広い関係者の参加と、バランスの取れた方針策定を目指して います。 GNSO評議会 | +-- 契約者会議 -----------------+-- レジストリ SG (RySG) | (Contracted Party House) | +-- レジストリ部会など | +-- レジストラ SG (RrSG) | +-- レジストラ部会など | +-- 非契約者会議 ---------------+-- 商用 SG (CSG) (Non-contracted Party House)| +-- ビジネス、知財権、ISP部会 | など +-- 非商用 SG (NCSG) +-- 非商用ユーザ部会など 各SGのチャーターと、組織改革に伴うICANN付属定款の修正案は、最終ドラフ トの段階にきており、意見募集に付されています(*3)。 また、新gTLDの追加やIPv6やDNSSECなどの普及によって、ルートゾーンの拡大 が予想されますが、これに対するスケーラビリティ確保も大きな話題の一つで あり、ワークショップが持たれました(*4)。 ICANN会議の最終日に行われた公開理事会会合では、22に上る決議が採択され ましたが、その一つとして、新たな事務総長、Rod Beckstrom氏が指名されま した(*5)。この決議の直後に、Beckstrom氏は壇上に上がり、インターネット におけるICANNの重要性とその使命を強調し、事務総長としての決意を表明す る演説を行いました。 ◇ ◇ ◇ 今回のシドニー会議の詳細に関しては、2009年7月23日に開催予定の第25回 ICANN報告会(東京、富士ソフト アキバプラザ)でご報告いたします(*6)。ぜひ ご参加ください。 (*2) Council Organization > Structure & Composition http://gnso.icann.org/en/improvements/structure-en.htm Council Organization > Stakeholder Group Process http://gnso.icann.org/en/improvements/stakeholder-process-en.htm (*3) 意見募集のページ http://www.icann.org/en/public-comment/#stakeholder http://www.icann.org/en/public-comment/#gnso-restructure (*4) Root Zone Scaling Study Group http://syd.icann.org/node/3806 (*5) Rod Beckstrom Named ICANN CEO http://www.icann.org/en/announcements/announcement-26jun09-en.htm (*6) 第25回ICANN報告会開催のご案内 http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2009/20090709-01.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 2 】News & Views Column 「インターネットテクノロジーの愉しみ」 グリー株式会社 藤本真樹 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ インターネットに関わる仕事の醍醐味の一つに、技術革新の速さがあるかと 思っています。先月(2009年6月)を振り返ってみても、Opera Unite(*1)の ニュースがあったかと思えば、Google Wave(*2)のプレビューが始まり、 iPhone 3GSが発売され、と息をつく暇もないくらい刺激的なニュースが流れて きます。 そして最近、インターネットらしいと思わされた技術が、Web上の画像を利用 した自動画像補完技術です(*3)。インターネットを通じてアクセスできるデー タ量は増える一方です。また、小規模な組織でも直接、間接を問わず、比較的 安価に大量のデータを扱うことができるようになっているように感じます。そ の中から、こういった興味深い成果が生まれているのを目の当たりにすると、 インターネットの世界はもっともっと面白くなるんじゃないか、そして世界中 の多くのエンジニアによって支えられているその技術に、わずかでも貢献でき るかもしれないという可能性にワクワクします。 (*1)Opera Unite:Webブラウザー「Opera」に搭載する、サーバー機能のこと。 この機能を組み込むことで、通常外部サーバーを経由しなけ れば実現できないサービス(ファイル共有、写真共有、 チャット、メモ共有、Webサーバー、メディアプレーヤー)が PC同士(あるいは自分のPC)で利用可能となる。 http://unite.opera.com/ (*2)Google Wave:Google社が開発した、次世代コミュニケーションプラット フォームのこと。メール、インスタントメッセージング、文 書/写真/ビデオ/アプリケーション共有などを統合した、リ アルタイムのコミュニケーションサービスが利用可能。 http://wave.google.com/ (*3)自動画像補完技術 http://graphics.cs.cmu.edu/projects/scene-completion/ 日本語紹介記事: http://d.hatena.ne.jp/LM-7/20090629/1246282979 ■ 著者略歴 藤本 真樹 2001年に上智大学文学部卒業後、株式会社アストラザスタジオを経て、2003年 2月有限会社テューンビズに入社。PHP等のオープンソースプロジェクトに参画 し、オープンソースソフトウェアシステムのコンサルティング等を担当。2005 年6月グリー株式会社取締役に就任。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 3 】インターネット用語1分解説 「PDPとは」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ PDPとは「Policy Development Process」の略で、日本語では「ポリシー策定 プロセス」と訳されます。 ポリシー(政策や方針など)の策定を行う組織の多くでは、ポリシーをどのよう な方法で検討し策定するのか、また、策定されたポリシーの施行方法などにつ いて、事前に明文化して定めておくことが重要視されています。この事前に定 められた文書、もしくはそれに基づいて行われる一連の過程をPDPと呼びま す。 このPDPは、インターネット関連のさまざまな組織においても定められていま す。例えば、ICANNや各RIR(*1)などのPDPは、各組織のWebサイトなどで公開さ れており(*2)、誰でも自由に見ることができます。また、JPNICが定めるIPア ドレス技術文書「JPNICにおけるIPアドレスポリシー策定プロセス(*3)」も、 PDPの一つです。 インターネットではその成り立ちから、ポリシー策定に誰でも参加できること が重要視されています。例えば、各RIRは、コミュニティによるガバナンスを 実現するために、参加者による議論を行うミーティングである「オープンポリ シーミーティング」を設置しています。またメーリングリスト、チャットなど といった、遠隔での議論およびコメント手段も導入し、会員だけではなく興味 を持つ人に広く門戸を開いています。つまり、ルール作りには誰でも参加する ことができ、これをボトムアッププロセスと呼んでいます。 また、インターネットにおける各種資源の調整業務に関するポリシー策定が自 身の重要な役割の一つであるICANNでは、遵守すべき原則の一つとして、「民 間によるボトムアップ的な調整」が含まれており、PDPはその原則に沿って実 現されたものということができます。ICANNでは、GNSO(*4)やccNSO(*5)におい てポリシーを策定するための流れをPDPと呼び、独立した文書ではなく基本定 款の細目を規定する付属定款(*6)の中で、プロセスの詳細が明確に規定されて います。(*7) (*1) http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/rir.html (*2) http://www.nro.net/policy/index.html (*3) http://www.nic.ad.jp/doc/jpnic-01090.html (*4) http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/gnso.html (*5) http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ah.html#01-ccNSO (*6) http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glos-ij.html#02-icann-bylaws (*7) http://www.icann.org/en/general/bylaws.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 4 】統計資料 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 1.JPドメイン名 o 登録ドメイン数(2009年2月~2009年7月) -------------------------------------------------------------------------------- 日付| AD AC CO GO OR NE GR ED LG GEO GA GJ TOTAL -------------------------------------------------------------------------------- 2/1| 272 3485 325828 878 24539 17326 8102 4507 1931 2975 544709 134565 1069117 3/1| 272 3496 326646 875 24624 17283 8103 4518 1929 2970 550346 134790 1075852 4/1| 270 3516 327911 870 24772 17232 8095 4534 1931 2963 555635 134785 1082514 5/1| 271 3524 329046 849 24904 17207 8086 4552 1931 2954 561571 135581 1090476 6/1| 272 3528 329816 843 24971 17190 8091 4559 1925 2943 565795 131280 1091213 7/1| 271 3532 330644 828 25096 17130 8070 4554 1886 2932 572433 130984 1098360 -------------------------------------------------------------------------------- GA:汎用ドメイン名 ASCII(英数字) GJ:汎用ドメイン名 日本語 2.IPアドレス o JPNICからの割り振りとJPNICへの返却ホスト数(2009年1月~2009年6月) ------------------------------------------ 月 | 割振 | 返却 | 現在の総量 ------------------------------------------ 1 | 14336 | 0 | 57393086 2 | 565248 | 0 | 57958334 3 | 269312 | 24576 | 58203070 4 | 401408 | 4096 | 58600382 5 | 599040 | 8192 | 59191230 6 | 1357824 | 12288 | 60536766 ------------------------------------------ □統計情報に関する詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/stat/ 3.会員数 ※2009年6月25日 現在 --------------------- 会員分類 | 会員数 | --------------------- S会員 | 3 | A会員 | 1 | B会員 | 4 | C会員 | 5 | D会員 | 128 | 非営利会員| 10 | 個人推薦 | 35 | 賛助会員 | 39 | --------------------- 合計 | 225 | --------------------- □会員についての詳細は → http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ 4.指定事業者数 ※2009年7月10日 現在 IPアドレス管理指定事業者数 381 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 【 5 】イベントカレンダー ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2009.7.15(水)~23(木) SANOG 14 (Chennai, India) 2009.7.16(木) 電子証明書を用いた認証方式に関する説明 会(東京、JPNIC会議室) 2009.7.20(月)~24(金) 28th APAN (Kuala Lumpur, Malaysia) 11th APNG Camp (Kuala Lumpur, Malaysia) 2009.7.23(木) 第25回ICANN報告会(東京、富士ソフト アキ バプラザ) 2009.7.26(日)~31(金) 75th IETF (Stockholm, Sweden) -------------------------------------------------------------------- 2009.8.25(火)~28(金) APNIC 28 (Beijing, China) -------------------------------------------------------------------- 2009.9.11(金) IPアドレス管理指定事業者定例説明会 (東京、JPNIC会議室) 電子証明書を用いた認証方式に関する説明 会(東京、JPNIC会議室) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。 http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ___________________________________ ■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■ ::::: 会員リスト ::::: http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ :::: 会員専用サイト :::: http://www.nic.ad.jp/member/ (PASSWORD有) □┓ ━━━ N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□ ┗┛ お問い合わせは jpnic-news@nic.ad.jp まで ┗┛  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ =================================== JPNIC News & Views vol.654 【定期号】 @ 発行 社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター 101-0047 東京都千代田区内神田2-3-4 国際興業神田ビル6F @ 問い合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp =================================== ___________________________________ 本メールを転載・複製・再配布・引用される際には http://www.nic.ad.jp/ja/copyright.html をご確認ください  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 登録・削除・変更 http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/ ■■◆ @ Japan Network Information 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