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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.718【特別号】2010.2.12 ◆
  _/NIC
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   ┃        JPNICはIPv4在庫枯渇の問題に取り組んでいます         ┃
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   ┃★Webサイト:「IPv4アドレスの在庫枯渇に関して」             ┃
   ┃  http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv4pool/                      ┃
   ┃                                                            ┃
   ┃★バックナンバー:                                          ┃
   ┃  http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/          ┃
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◆ IPv4アドレス在庫枯渇関連レポート [第27回]
   ~"アドレス売買/譲渡解禁"!?   移転ポリシー報道について~
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2009年末に、いくつかのメディアで、IPアドレスの国内売買/譲渡が解禁さ
れるといった見出しの記事が掲載されました。これは、2009年11月26日に開
催された第17回JPNICオープンポリシーミーティング(JPOPM)において提案さ
れた「JPNIC管理下にあるIPv4アドレスの移転提案」が、ミーティング参加
者によるコンセンサスを得たことに基づき書いたものと思われますが、こう
した見出しを目にした方の中には、この移転ポリシーが国内ですぐに施行さ
れると思われた方もいたのではないでしょうか。

実際はJPOPMにおけるコンセンサスをもってすぐにIPv4アドレスの移転が可
能になるわけではなく、ip-usersメーリングリストにおけるコンセンサス確
認期間、ポリシーWGチェアからJPNICに対しての実装勧告、そして最終的に
JPNICにおける実装検討と規則文書類の整備を経た上で、実際に提案された
ポリシーが施行されることになります。

その他にもいくつか誤解を含む記述が見受けられました。

IPv4アドレスの移転ポリシーは、IPv4アドレスの売買を可能にすることを目
的とするものではありません。IPv4アドレス在庫枯渇後、IPv4アドレスが水
面下で融通されることで、WHOISデータベース登録情報の正確性が損なわれ
ることを避けるため、当事者間の合意があれば、申請に基づきWHOISデータ
ベース登録情報の変更(名義変更)を可能にするものです。

このような名義変更は、現行ポリシー下でも、事業者間でサービス事業や企
業体の売却や譲渡があった場合に限定して認めています。現行ポリシーはア
ドレス空間の移転を認めていないため、これを厳しく適用するとすれば、事
業売却元がレジストリに対して、利用しているアドレスブロックを返却し、
売却先へは新たなレジアドレスブロックがレジストリから割り当てられるの
が原則です。しかし、売却されるサービスのエンドユーザーへの影響を考慮
し、売却元のアドレスブロックをそのまま売却先で使えるよう、登録情報の
変更で対応しています。

今回提案されたポリシーは、このような名義変更を、上に述べた事業譲渡の
ような場合に限定せずに認めるものです。ただし、事業者間で合意に至るま
での過程については、このポリシーで規定されていません。そのため、今回
提案された移転ポリシーがコンセンサスとなったことで「IPアドレスの売買
が解禁される」とするのは、必ずしも正確な表現ではないことになります。

もう一つ、いくつかの記事の中で移転ポリシーの狙いが「休眠アドレスの掘
り起こし」を目的としているような記述がありました。上述したように、こ
のポリシーの狙いは、あくまでWHOISデータベースの正確性を維持すること
が主眼です。もちろんIPv4アドレス在庫枯渇以後に、余剰アドレスの有効活
用に結びつく効果も考えられますが、これはあくまで副次的なものと考えら
れています。ただ、現在各RIRが導入、あるいは準備を進めている移転ポリ
シーは、適用範囲がそれぞれの地域内に限定したものであるため、実際に移
転の対象となるIPv4アドレスの数はかなり限定的なものになると予想されま
す。そのため、記事に記載されていたようなIPv4アドレス在庫枯渇を先延ば
しする効果は、あまり期待できないと思われます。

では、実際にIPv4アドレスの移転が可能になったとして、どの程度の人がそ
れを活用するのでしょうか?2009年2月に続き、2009年12月にJPNIC会員およ
びIPアドレス管理指定事業者(以下、IP指定事業者)に対して、IPv4アドレス
在庫枯渇に関するアンケートを実施しました。この中でIPv4アドレスの移転
に関する質問を行ったところ、「現在利用していないアドレスを譲るつもり
である」と回答した人は全体の1%程度でした。このため、少なくともJPNIC
のIP指定事業者間での移転はあまり発生しないと予想されます。一方で「譲っ
てくれるところあれば買うつもりである」と回答した人が約30%あり、歴史
的PIアドレスやAPNIC地域全体を移転対象の範囲とした場合に、これらの需
要をどの程度満たすことができるか注目されます。

ただし全体的に見ると、IPv4アドレス移転に積極的でない方が多く、33%の
人が「譲渡あるいは譲り受ける(売買)ことはしない」としております。また
「その他」を選んだ34%の方はほとんど、まだIPv4アドレス移転に対する態
度を保留しているという状態のようです。

前述したように、IPv4アドレス移転ポリシーは、今後JPNICにおける検討を
踏まえて実装を進めることになります。しかし、このポリシーはこれまでの
IPアドレスの管理構造が大きく変わることにもつながりますので、JPNICで
はより慎重な検討を行った上で、実装に向けた準備を進めていきたいと考え
ています。


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            http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html

        IPv4アドレス在庫枯渇関連のQ&Aは特集ページをご覧ください。
            http://www.nic.ad.jp/ja/ip/ipv4pool/
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 JPNIC News & Views vol.718 【特別号】

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