=================================== __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.762【臨時号】2010.7.16 ◆ _/NIC =================================== ---------- PR -------------------------------------------------------- ■□■□━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━株式会社SRA━━ □■□ ソースコード専用の高速検索エンジン「CodeDepot」(コード・デポ) ■□ ただいまトライアル版のお申し込み受付中!! □ 詳しくはこちら ⇒ http://www.sra.co.jp/codedepot/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ---------------------------------------------------------------------- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ News & Views vol.762 です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本号では、2010年6月20日から25日にかけて、ベルギーのブリュッセルで開催 されたICANN会議のレポートをお届けします。 なお、今回のICANN会議の報告会を8月5日(木)に、東京の富士ソフト アキバ プラザにて開催いたします。本号では現在ICANNでどのような議論が行われて いるかをお伝えするとともに、報告会では会議参加者からの生の声をみなさ まにお届けできればと考えております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ ICANNブリュッセル会議報告 JPNIC インターネット推進部 前村昌紀 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2010年6月20日から6月25日まで、ベルギーの首都ブリュッセルで、第38回 ICANN会議が開催されました。 ICANN no.38 Brussels http://brussels38.icann.org/ ◆欧州統合の中心、ブリュッセルでのICANNミーティング ブリュッセルはベルギーの首都であるとともに、欧州連合理事会、欧州議会、 欧州委員会など欧州連合(以後、EU)の中枢機関が置かれる、いわばEUの首都 とも言える存在でもあります。実はベルギー自体、北部のオランダ語圏、南 部のフランス語圏、少数のドイツ語圏からなっています。ラテン民族圏とゲ ルマン民族圏の境界線上に位置して、国の成り立ちが複合的であることが、 これらEUの中枢機関を収容したことに大きく関係しているようです。ウェル カムセレモニーでは、これらEU諸組織を代表する方々からスピーチがありま したが、ICANNのガバナンスを欧州統合の文脈になぞらえていたのが印象的で した。 ◆新gTLDに関して 申請者ガイドブック案(DAG; Draft Applicant Guidebook)第4版(以下DAGv4) が2010年5月末に公開され、7月21日までの意見募集に掛けられている状況下 での会議開催となりました。前回ナイロビ会議で採択された理事会決議では、 "New gTLDs Implementation - ***"として、新gTLDの実装に関する以下の決 議が数件採択され、DAGv4ではそれらが反映された内容となっています。 前回ナイロビ会議における、新gTLDに関する主な理事会決議 1) EoI(関心表明)プロセスの取り下げ 2) VI(レジストリ・レジストラ垂直統合)(*1)の禁止 3) Trademark Clearinghouse、URS(Uniform Rapid Suspension)への募集意見 反映 4) PDDRP(商標権に関する委任後紛争解決手続き)、RRDRP(コミュニティ要件 に関する紛争解決手続き)への募集意見反映 5) IDN3文字制限の緩和(2文字を条件付き承認) ナイロビ理事会決議: http://www.icann.org/en/minutes/resolutions-12mar10-en.htm (*1) http://www.nic.ad.jp/ja/basics/terms/registry-registrar-vi.html これと比較すると、今回ブリュッセル会議で採択された、新gTLDに関する理 事会決議は少なく、 1) 9月に理事会合宿(retreat)を行うこと 2) 新gTLDプログラム予算の承認 の2点だけでした。 ブリュッセル理事会決議: http://www.icann.org/en/minutes/resolutions-25jun10-en.htm 会期中に、新gTLDに関連するセッションは2、3あったものの、それらは現況 報告や、新gTLD施行後の対応などを議論するもの、続行中の作業部会(working group)の経過報告など少数に限られ、既に大枠の議論は済んでしまったという 印象を受けました。例えば、事業者の間で大きな議論を呼んだ、VI(レジスト リ・レジストラ垂直統合)に関して、木曜日(6月24日)のパブリックフォーラ ムで大きな議論を呼びそうでしたが、セッションチェアであった理事会議長 のPeter Dengate Thrush氏によって、セッション冒頭に「VIの質問や意見は 受け付けない」と明言されていたこともあり、特に大きく取り上げられるこ とはありませんでした。 新gTLDプログラムに関して、まだ作業部会での議論は続いていますが、ブ リュッセル会議においては、理事会でプログラム予算が承認されたことを含 め、プログラム実施に向けた準備に焦点が移っていました。 ◆.XXXに関する経過 アダルトエンターテイメント業界向けのスポンサ付きTLD(sponsored TLD: sTLD)として2003年に申請された.XXXに関しては、2010年2月の独立審査パネ ル(IRP)による裁定を機に、ICANN理事会および事務局による意見募集と再検 討が進められていました。本件の詳細については、JPNIC News & Views vol.753(*2)をご覧ください。 (*2) http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2010/vol753.html ブリュッセル会議の理事会では本件に関して、 1) IRPの裁定を受け入れ、申請者が申請要件を充足していることを確認し、 事務局に再度精査を指示。 2) 問題がなければ契約文案作成など作業に移ることを指示。その契約文案を 元に、理事会は最終的に契約の承認可否を決定。 といった内容の決議をしました(*3)が、このうち 2)に対応する決議細目3項 目すべてに、GAC(Governmental Advisory Committee; 政府諮問委員会)勧告 に従うことが念入りに書き込んでありました。 (*3) http://www.icann.org/en/minutes/resolutions-25jun10-en.htm#5 .XXXはアダルトコンテンツ用であることが明示されたTLDであり、その取り扱 いは極めて難しいものです。この決議には、それを、あくまで定款に沿いな がら、GAC勧告を尊重して自律的に正しく行おうとする、理事会の意思のよう なものが見て取れます。 ◆中国語圏におけるIDN ccTLDの承認 この他に、ブリュッセル会議での大きなニュースとして、中国語圏の三つの 国および地域に対して、IDN ccTLDが承認されたことが挙げられます。 ICANNトピックス: ICANNが中国語圏のIDN ccTLDを承認 http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2010/20100628-01.html 今回承認されたのは、以下のIDN ccTLDです。 ・「.中国」「.中國」 委任先:CNNIC (China Internet Network Information Center) ・「.香港」 委任先:HKIRC (Hong Kong Internet Registration Corporation Limited) ・「.台灣」「.台湾」 委任先:TWNIC (Taiwan Network Information Center) 中国と台湾に関しては、それぞれの正字体だけでなく異字体も同時に承認さ れました。これはSynchronized(等価) IDN ccTLDと呼ばれる概念によるもの で、二つのTLDゾーンは全く同じ名前空間として取り扱われます。 次回ICANN会議は、2010年12月5日から10日まで、コロンビアのカルタヘナで 開催される予定です。 ◇ ◇ ◇ 2010年8月5日(木)に開催予定の、第28回ICANN報告会(東京、富士ソフト アキ バプラザ)でも、ICANNブリュッセル会議の詳細についてご報告いたします。 ご興味のある方はぜひご参加ください。報告会のプログラムや申し込み方法 については、詳細が決まり次第、JPNIC Webサイトおよび各種メーリングリス トにてお知らせいたします。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。 http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ___________________________________ ■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■ ::::: 会員リスト ::::: http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ :::: 会員専用サイト :::: http://www.nic.ad.jp/member/ (PASSWORD有) □┓ ━━━ N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□ ┗┛ お問い合わせは jpnic-news@nic.ad.jp まで ┗┛  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ =================================== JPNIC News & Views vol.762 【臨時号】 @ 発行 社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター 101-0047 東京都千代田区内神田2-3-4 国際興業神田ビル6F @ 問い合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp =================================== ___________________________________ 本メールを転載・複製・再配布・引用される際には http://www.nic.ad.jp/ja/copyright.html をご確認ください  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 登録・削除・変更 http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/ ■■◆ @ Japan Network Information Center ■■◆ @ http://www.nic.ad.jp/ ■■ Copyright(C), 2010 Japan Network Information Center