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    /P▲         ◆ JPNIC News & Views vol.841【臨時号】2011.4.22 ◆
  _/NIC
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    ┏━━━━━━━━━━━━┓    ★  2011年5月10日(火) 13:30~  ★
  ┏┫   第30回 ICANN報告会   ┣┓  ★  一ツ橋・日本教育会館にて   ★
  ┃┗━━━━━━━━━━━━┛┃ 米国サンフランシスコ会合の報告を、
  ┗━┛ JPNIC・IAjapan共催 ┗━┛新gTLD導入関連の話題を中心に行います
詳細はこちら → http://www.nic.ad.jp/ja/topics/2011/20110411-01.html
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◆ News & Views vol.841 です
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本号では、vol.840に続いて、第80回IETFのレポート[第2弾]として、引き続
きIPv6関連WGの動向についてお届けします。

後編となる本号では、v6ops WGの活動をご紹介します。

なお、6man WGの動向については、以下のURLからバックナンバーをご覧くだ
さい。

□第80回IETF報告 特集
  ○[第1弾] IPv6関連WG報告 [前編] (vol.840)
    http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2011/vol840.html

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◆ 第80回IETF報告 [第2弾]  IPv6関連WG報告 [後編]
                            NTT情報流通プラットフォーム研究所 藤崎智宏
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◆v6ops WG (IPv6 Operations WG)

v6opsは、IPv6に関するオペレーション技術、および、共存・移行技術に関し
て議論するWGです。今回は、2011年3月31日(木)に、朝一と最終コマの2コマ
にて議論が行われました。

今回は、合計19件という非常に数多くの提案が上がっていました。まず、ミー
ティングの冒頭でチェアより、v6ops WGのミーティングで発表時間を割り当
てる議題の決め方に関する提案がありました。このところv6ops WGには非常
に提案が多く、前回もコンセンサス確認をミーティング内でなく、事後にオ
ンラインで実施する等で効率化を図り、多くの議題を扱えるようチェアが工
夫をしていました。

しかし、それだけでは対処するのが困難な量の提案が継続的に上がっている
ため、

- 基本的に、WG文書の議論に時間を優先的に割り当てる。
- 新規提案は、まずMLで議論し、参加者の興味度合いを確認。ミーティング
  の際、どの提案をプレゼンテーションしてもらうかは、議論状況によって
  チェアが決める。

ことで、取り扱う提案を選別し、議論時間を確保しようという提案です。賛
成が多数であったため、次回からはこのポリシーで運営されると思われます。

今回議論された、いくつかのトピックについて、簡単に紹介します。

1. IPv6利用時に発生する通信問題について

今回、ミーティングの最初の時間に、'IPv6 Brokenness'に関係する項目が連
続して発表され、議論も行われました。'IPv6 Brokenness'とは、IPv6を導入
した際に発生する通信障害全般を指し、例えば、IPv6/IPv4デュアルスタック
環境でIPv6接続性に問題があった場合に、IPv4にフォールバックするのに時
間がかかる、という問題等がこれにあたります。

(1)IPv6接続性に問題がある際のホストの動作

   IPv6からIPv4にフォールバックするのにかかる時間や、不正RAの影響、
   IPv6 Brokennessに対する解としての、Happy Eyeballs機構の有効性につ
   いて報告がありました。

(2)Happy Eyeballsの実装レポート

   複数のTCPセッションを同時にスタートし、最初に通信できたセッション
   を利用することでフォールバックを回避する機構である、Happy Eyeballs
   の実装レポートです。ドラフトで定義されている機構の問題点、改善提案
   が実施されました。

(3)デュアルスタックサービスの性能に関する実験結果

   デュアルスタックWebサーバに対するユーザーアクセス統計の紹介があり
   ました。現状、IPv6による接続性の品質はIPv4の品質に劣ることや、6to4
   等のトンネルからの接続失敗が多いこと、デュアルスタックにした場合
   に、アクセスができなくなるユーザーが存在すること等が報告されまし
   た。

(4)Happy Eyeballs:デュアルスタックホストにおいて通信を成功させるため
   に
   draft-wing-v6ops-happy-eyeballs-ipv6

   Happy Eyeballsの仕様について、議論されました。前回からのアップデー
   トとして、SRCレコードの扱いに関する記述の追加、複数インタフェース
   対応等を追記したこと、より多くの実装例とAPIの必要性などについて報
   告がありました。会場から、複数セッションを同時に張る場合のサーバ側
   の負荷や、TCP RSTの返答が増えることの影響、TCPセッションの数を極力
   少なくするための、キャッシュをはじめとした機構の必要性が意見として
   挙げられました。


2. NAT64アプリケーション評価について
   draft-tan-v6ops-nat64-experiences

NAT64のアプリケーションに対する影響評価の報告がありました。評価の対象
はBehave WGで標準化の進んでいるNAT64 (ietf-behave-v6v4-xlate-stateful)
ですが、現状、実装が存在しないため、同等の動きをすると思われるNAT-PT
デバイスにて多くのアプリケーションの動作を検証、問題点を整理していま
す。会場からのコメントとして、このような評価は重要であり引き続き実施
してほしい、評価だけでなく、発見された問題点を吟味し、必要ならば解決
することが重要である、NAT44との違いはどこにあるかの検討が必要である、
等が挙げられています。


3. World IPv6 Day参加招集(World IPv6 Day Call to Arms)について
   draft-chown-v6ops-call-to-arms

2011年6月8日にWorld IPv6 Day(*)として、サービスのIPv6対応を実施しよう
という呼びかけが世界的に行われています。この呼びかけをさらに広めるこ
と、また、IPv6を導入した場合に発生する可能性のある問題、およびWorld 
IPv6 Day実施にあたって情報収集の必要性を指摘することを目的とした発表
が行われました。会場からは、Webサービス提供者からのユーザーの接続性に
問題が発生すると困るといった意見や、6to4は使わないようにすべき、問題
が発生したという情報が収集できるのか、といったコメントが出されました。
実際に、IPv6導入時の問題を検証することは重要であることは多くの人が同
意するものの、現在のインターネットサービスへの影響が計り知れないこと
による懸念の声も多く、World IPv6 Dayについては今後とも注視していく必
要がありそうです。

(*)World IPv6 Day
   http://www.isoc.org/worldipv6day/


4. 6to4に関する議論について

IPv6移行プロトコルとして定義されている、6to4について議論がありました。
6to4は多くの実装が存在し、IPv6の接続として広く利用されていますが、品
質が保証されない、パケット盗聴などのセキュリティ問題が起こりやすい、
といった問題が指摘されています。IPv6をサービスとして普及させていくた
めに、今後6to4をどうしていくべきかについて、下記3件の提案が実施されて
います。

(1)6to4を利用する際のガイドライン
   draft-carpenter-v6ops-6to4-teredo-advisory

   6to4を利用する場合の運用、実装に対するガイドラインについての提案が
   ありました。6to4のリレールータをしっかり管理することの必要性や、OS
   等で6to4を実装する場合の注意点(6to4の使用優先度をRFC3484に従うよう
   にすべき等)について述べています。

(2)プロバイダー管理の6to4
   draft-kuarsingh-v6ops-6to4-provider-managed-tunnel

   NAT66と組み合わせることで、6to4の実装をそのまま利用し、プロバイダー
   が管理する6to4を実現する提案です。CGN (Carrier Grade NAT)と組み合
   わせることも想定しています。

(3)6to4を「歴史的」ステータスに変更する提案
   draft-troan-v6ops-6to4-to-historic

   通信品質等、多くの問題が指摘されている6to4ですが、プロトコルとして
   の6to4を「歴史的」ステータスにし、利用をやめようという提案です。
   6to4自体の定義であるRFC3056と、6to4用のエニーキャストを定義してい
   るRFC3068のステータスを変更することが提案されています。

ミーティングでは上記3件のプレゼンテーション終了後、6to4をどうしていく
かの議論があり、結果として、(1)、(3)をWGとして継続的に議論していくこ
とになりました。(3)がWGアイテムとして採択されたことにより、将来的に、
6to4は利用されなくなると思われます。


□v6ops WG
 http://datatracker.ietf.org/wg/v6ops/charter/

□第80回 IETF v6ops WGのアジェンダ
 http://www.ietf.org/proceedings/80/agenda/v6ops.html


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       わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。
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 JPNIC News & Views vol.841 【臨時号】

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