=================================== __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.917【臨時号】2011.12.19 ◆ _/NIC =================================== ---------- PR -------------------------------------------------------- 【(株)ASJ http://www.asj.ad.jp/】 ┏━☆★☆★インターネット予約受付業務を手軽に導入★☆★☆ ━━━━┓ ┃ 豊富なテンプレートからデザインを選ぶだけで、簡単にスタート! ┃ 手軽に導入できるオンライン予約システム「eリザーブ」詳しくは↓ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━ http://www.asj.ne.jp/ereserve/ ---------------------------------------------------------------------- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ News & Views vol.917 です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本号では、vol.913、vol.915に続き、第82回IETFのレポート[第3弾]として、 DNS関連WGの動向についてお届けします。台北会合では、DNS関連WGの会合自 体は開催されなかったそうです。そのため、本レポートでは、オンラインで の議論の様子をまとめていただきました。 なお、その他の報告については、以下のURLからバックナンバーをご覧くださ い。 □第82回IETF報告 特集 ○[第1弾] 全体会議報告 (vol.913) http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2011/vol913.html ○[第2弾] IPv6関連WG報告 (vol.915) http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/2011/vol915.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ 第82回IETF報告 [第3弾] DNS関連WG報告 JPNIC DNS運用健全化タスクフォースメンバー 東京大学 情報基盤センター 関谷勇司 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 本稿では、DNSに関連した内容を議論するワーキンググループ(WG)である、 dnsop WG (Domain Name System Operations WG)と、dnsext WG (DNS Extensions WG)について、最近の動向をご紹介します。 ◆ dnsop WG報告 今回のIETFにおいては、dnsop WGの会合は開催されませんでした。そのため、 前回のIETFから今回のIETFまでの間に、メーリングリスト(ML)上にて行われ た議論を中心に、活動の報告をします。 2011年12月現在、次の三つのinternet-draftがWG activeドラフトとして残っ ています。 (1)draft-ietf-dnsop-dnssec-dps-framework ゾーン管理者がそのゾーンについてのDNSSEC運用ポリシーを明記するため の指針について述べた文章。 (2)draft-ietf-dnsop-respsize DNSがUDPにてパケットを送信する際に、そのサイズの限界と1パケットに 入りきるメッセージに関しての考察ならびに注意事項を述べた文章。 (3)draft-ietf-dnsop-rfc4641bis DNSSEC運用のガイドラインと実際の運用に際しての注意事項を述べた文 章。 dnsop WGのML上では、主に次の3点について議論が行われました。 a) 前述の(3)、draft-ietf-dnsop-rfc4641bisに関する議論 b) draft-ietf-mif-dns-server-selectionに関する議論 c) DNSエニーキャストサービスにおいてノードを特定するための新たな手法 に関する議論 以下に概要を紹介します。 a) draft-ietf-dnsop-rfc4641bisに関する議論 DNSSEC署名に用いるアルゴリズムの変更を行う際の手続きに関して、更新 時のDNSKEYの使い方がより明快な記述となるよう議論が行われました。 b) draft-ietf-mif-dns-server-selectionに関する議論 Multiple Interfaces(Mif) WGにて議論が行われている、 draft-ietf-mif-dns-server-selectionは、複数のインタフェースを持つホ ストにおいて、複数のDHCP情報もしくはVPNやPPP情報を用いてインタフェー スが設定されるような場合に、DNSサーバをどう選択し、名前解決を行うか について述べた文章です。dnsop WGでは、この文章に関して、そもそもそ のような利用環境においても、DNSサーバの選択を行う必要は無いといった 意見や、実際のVPN等の利用用途から考えると、組織内部のプライベート DNSサーバに問い合わせを送る必要がある場合も存在するといった意見、ま た、"bare-name"(ドットが1つも含まれない名前)は特殊扱いにして、別の DNSサーバへの問い合わせに用いようといった意見が出されました。特に、 bare-nameの提案に対しては強い反対意見が多数見られました。 c) DNSエニーキャストサービスにおいてノードを特定するための新たな手法 に関する議論 ここでは、draft-anycast-diagnosticsというドラフトに関して議論が行わ れました。このドラフトにて提案された手法は、"_ns-diagonostics" とい うサブドメインを作り、エニーキャストDNSサーバに関する情報を "_instance-id"、"_node-id"、"_unicast-ip"といったレコードで登録する というものです。このドラフトに関して、そもそも標準化するべき事項な のか、情報として公開するものなのかといった意見が出され、あまり肯定 的な意見は出されませんでした。 dnsop WGは議論自体が散発的になっており、次回のIETFにおいて会合が開催 されるかも分かりません。DNSSECの運用が開始され、WG自体が落ち着いてき た印象を受けます。 ◆ dnsext WG 報告 dnsext WGも、今回のIETFにおいて会合が開催されませんでした。そのため、 前回から今回のIETFまでにML上にて行われた議論を中心に、活動の報告をし ます。 dnsext WGでは、2011年12月現在3本のWG activeドラフトと、2本のIESG処理 待ちドラフトが存在します。 - WG activeドラフト (1)draft-ietf-dnsext-dnssec-algo-signal DNSSECリゾルバがDNSSECサーバに対して、どのアルゴリズムをサポートし ているかを問い合わせるためのプロトコルを定義した文章。 (2)draft-ietf-dnsext-dnssec-bis-update RFC4033、RFC4034、RFC4035、RFC5155にて定義されているDNSSECbisを実 装するにあたって、実装者が注意すべき点や、DNSSECbis文章の誤りをま とめて修正している文章。 (3)draft-ietf-dnsext-ecdsa DNSSEC署名にElliptic Curve DSAを利用する手法を定義した文章。 - IESG処理待ちドラフト (4)draft-ietf-dnsext-dnssec-registry-fixes DNSSECにおいて使われる暗号化アルゴリズムの名前と番号を、サブレジス トリとして定義することを提案した文章。IESGレビューにて、IANA以外で 番号リストを管理することの是非に関する議論が行われ、その改善を盛り 込んだ新たな版を求められている段階です。 (5)draft-ietf-dnsext-rfc2672bis-dname DNAME RRの定義を更新する文章。RFC2672に対して、DNSSECやDynamic UpdateとDNAMEとの関連を追記した文章となっています。 dnsext WGのML上では、主に次の6点について議論が行われました。 a) draft-jiang-dnsext-a6-to-historicに関する議論 b) RRTYPEを拡張定義するための言語に関する議論 c) draft-mohan-dns-query-xmlに関する議論 d) draft-ietf-mif-dns-server-selectionに関する議論 e) EDNSのバージョン番号の扱いに関する議論 f) dnsext WGの終了に関する議論 以下に各々の概要を紹介します。 a) draft-jiang-dnsext-a6-to-historicに関する議論 既にRFCとして定義されているA6 RRを、その運用上の問題点やセキュリティ 上の問題点からHistoric状態に変更して、利用されないようにしようとい う意見が出されました。それに対して、A6は使われていないのでHistoric にすべきといった意見や、DNSSECとA6の組み合わせは問題が出るので Historicにすべきといった意見が出されました。一方で、いくつかのリゾ ルバ実装はA6 RRを問い合わせるようになっており、Historicにはできない のでは、といった意見も出されました。 b) RRTYPEを拡張定義するための言語作成に関する議論 ここでは、過去にそのような議論が行われたが実現していないといった意 見や、必要な機能であるといった意見も出されました。数人がドラフトを レビューすると立候補し、多数の人が興味を示す議論となりました。 c) draft-mohan-dns-query-xmlに関する議論 DNSクエリをHTTP/HTTPS経由でXMLとして送受信するための手法を定義した、 draft-mohan-dns-query-xmlに関する議論では、DNS over HTTP/HTTPSをや ることの意義とそのコストに関しての意見が出されました。XML定義するこ とによって可読性が生まれるといった意見や、JSON等のプロトコルを用い てメッセージングができるため、通信にかかるコストを省くことができる といった意見が出されました。その一方で、HTTPを横取りしてキャッシュ やリダイレクトをするような機器が入っている場合には、DNSクエリが壊れ るといった意見も出され、非常に多くの意見がML上にて交換されました。 e) EDNSのバージョン番号の扱いに関する議論 サポートされていないEDNSのバージョン番号をつけたクエリを投げた場合 のDNSサーバの挙動に関する議論が行われました。BADVERを返すのが正しい はずが、一部の実装ではFORMERRを返す場合があり、さらにQDCOUNTの値に よってどのような返答を返すべきか、といった議論がなされました。 f)dnsext WGの終了に関する議論 dnsext WGのチェアからWGを終了する提案が出され、終了するまでにRFCと して発行したいドラフトの候補が挙げられました。提案されたスケジュー ルは以下の通りです。 2011年12月 DNSSEC-errata document to IESG 2012年 1月 RFC3597-bis To IESG for standard 2012年 2月 EDNS0-bis update to IESG 2012年 3月 Feb 2012 IXFR-Only to IESG 2012年 4月 Algorithm signaling document to IESG 2012年 5月 Close down WG この提案に対し、DNSのプロトコルを扱うWGが無くなるのは困るといった意 見や、MLは残して欲しいといった意見が出されました。しかし、長年続い たWGであるため一度終了するということに対して強い反対も出ず、このま ま進むとdnsext WGは終了しそうな雰囲気です。 WGでのf)のような議論の様子からも、DNSSECのプロトコル定義も一段落し、 dnsop WGと同様にWG自体も一段落した感触を受けることからも、dnsext WGは 終了という方向に進むと思われます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。 http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ ◆◇◆◇◆ 本号のご感想をお聞かせください ◆◇◆◇◆ ┃ ┃良かった ┃ ┃→ http://feedback.nic.ad.jp/917/0f5ea69b1030f69e600e956c1f28cfdc ┃ ┃ ┃ ┃悪かった ┃ ┃→ http://feedback.nic.ad.jp/917/b5c018211c222b94e7137afddc585701 ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ___________________________________ ■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■ ::::: 会員リスト ::::: http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ :::: 会員専用サイト :::: http://www.nic.ad.jp/member/ (PASSWORD有) □┓ ━━━ N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□ ┗┛ お問い合わせは jpnic-news@nic.ad.jp まで ┗┛  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ =================================== JPNIC News & Views vol.917 【臨時号】 @ 発行 社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター 101-0047 東京都千代田区内神田2-3-4 国際興業神田ビル6F @ 問い合わせ先 jpnic-news@nic.ad.jp =================================== ___________________________________ 本メールを転載・複製・再配布・引用される際には http://www.nic.ad.jp/ja/copyright.html をご確認ください  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 登録・削除・変更 http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/ バックナンバー http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/ ___________________________________ ■■■■■ News & ViewsはRSS経由でも配信しています! ■■■■■ ::::: http://www.nic.ad.jp/ja/mailmagazine/backnumber/index.xml :::::  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ■■◆ @ Japan Network Information Center ■■◆ @ http://www.nic.ad.jp/ ■■ Copyright(C), 2011 Japan Network Information Center