=================================== __ /P▲ ◆ JPNIC News & Views vol.1036【臨時号】2012.12.5 ◆ _/NIC =================================== ---------- PR -------------------------------------------------------- ◆◇◆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 国内初!いつでもどこでも同じサービスを同じ品質で! ~ インテック 広域仮想クラウドサービス「EINS WAVE」登場 ~ http://www.intec.co.jp/service/einswave/index.html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ---------------------------------------------------------------------- ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ News & Views vol.1036 です ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2012年11月4日から11月9日の6日間にわたり、米国のアトランタにて第85回 IETFミーティングが開催されました。この会議の様子を、本号より連載でお 届けしてまいります。 まず連載の第1弾として、本号では全体会議報告をお送りします。次号以降で は、DNS関連、IPv6関連、ルーティング関連の各WG報告を順次お届けする予定 です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆ 第85回IETF報告 [第1弾] 全体会議報告 アラクサラネットワークス株式会社 新善文 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 第85回IETF Meetingは2012年11月4日(日)から11月9日(金)の間、米国アトラ ンタで開催されました。ちょうどこの期間は米国の大統領選挙と重なりまし た。選挙の話題はテレビや新聞でも大きく取り上げられ、選挙グッズも売ら れていました。米国は国内でも時差があるため、まだ投票している地域があ る時間は出口アンケート結果も公表が控えられていました。投票の結果予想 が出るとアトランタでも花火が上がり、祝砲の音が聞こえました。翌日、ロ ムニー氏のグッズだけが半額で売られていました。 さて、ここでは「One Plenary」の様子について感想を交えて報告します。前 回まで「IETF Operation and Administration Plenary」と「Technical Plenary」の二つの全体会合があったのですが、今回は1回にまとめられ 「One Plenary」と呼ばれるようになりました。 はじめに今回のホストであるケーブルラボのJean-Francois Mule氏から挨拶 があり、北米を中心としたケーブルTVネットワークのサービスの現状が報告 されました。米国のCATV/ケーブルインターネットは、高速インターネットの 82%ものシェアを持っているそうです。そしてインターネットを扱っているの でIETFとの関係も深く、またケーブルラボでは"Rough Consensus and Running Code"の取り組みを大切にしているとアピールしていました。 ■IETF Chairレポート IETF Chairレポートでは、参加者の内訳やRFCなど前回のIETF Meetingからの 差分の紹介がありました。今回の参加者は55の国と地域から1,098人が参加し ました。前回のバンクーバーでは1,174人でしたので、若干減少しています。 地域毎の集計では、中国はビザの関係のためなのか参加者が減少しており、 米国に続いて日本が2番目に多い国と地域でした。 前回のMeetingから一つの新しいワーキンググループができ、三つのワーキン ググループがクローズされました。RFCは68件が発行され、その内訳は38件が スタンダードトラック、BCPは0件、4件がインフォメーショナル、25件がエク スペリメンタルでした。今回はミーティングの間隔が短かったために、全体 に少なめになっています。 また、今回の会場ネットワークはSIDR WGで扱っているResource PKIで経路情 報のチェックをしていたそうです。それからTAOと呼ばれるIETFの心構え、マ ナーが書いてある文書が5ヶ国語に翻訳されて、公開されました。この中には 日本語のものも含まれています。日本語に翻訳されたTAOは次のURLを参照し てください。 IETFのタオ:初心者のためのインターネット技術タスクフォースガイド http://www.ietf.org/tao-translated-ja.html そして、IETFにおけるドキュメントや発言の権利などの取り扱いを定める Note Wellの更新が準備されているそうです。 ■IAOC Chair and IADレポート IAOC Chair and IADのレポートでは、Bob Hinden氏からIETFの会計状態の報 告がありました。アトランタのミーティングでは参加費を支払った参加者は 1,079名で、これは予定より61名少なかったのですが、スポンサーもついてお り若干のプラスでいけそうだということです。前回のバンクーバーの結果は 参加者も予定より42名のプラスで、会計的にもうまくいきました。次回のオー ランドはComcast社、NBC Universalがスポンサーです。 また、大きなInterim Meetingが2012年9月29日(土)にRIPE Meetingと連続し て出られるようにと、同じアムステルダムで開催されたとのことでした。 sidr、opsec、v6opsの会合があり、現地で38名、ネットワーク越しに23名の 参加者がありました。 それから、IETF Trust chairであったMarshall Eubanks氏のリコール問題が あり、リコールプロセスの経緯説明がありました。 最近はIETF参加者のためのスマートフォン用アプリケーションが利用できる ようになっています。これは数回前のミーティングより、準備・利用されて いたものですが、完成度も上がってきたことから作者の紹介がありました。 ■IETF Trust Chairレポート IETF Trust Chairレポートは、chair交代の報告と権利関係の報告です。先に 報告のあったリコールプロセスの結果、IETF Trust ChairにはOle Jacobson 氏が2012年10月25日(木)にMarshall Eubanks氏からの交代で就任しました。 特許係争にIETFが関係しているということで、法廷からの召喚が複数きてい るそうです。 ■IAB Chairレポート IAB Chairレポートでは、IAB/IRTF Congestion Control Workshop(IAB/IRTF 輻輳制御ワークショップ)を開催したという報告がありました。資料は以下に あります。 http://www.iab.org/activities/workshops/cc-workshop/ これをInternet-Draftにしたものが、draft-tschofenig-cc-workshop-report です。 それからプライバシーについてIPv6 privacy surveyを発行しました。 またRFCのフォーマットに関して、今回の期間中にRFC Format BOF (RFCFORM) を開催しました。 ■IRTF Chairレポート IRTF Chairレポートでは研究活動の報告がありました。ASRG (Anti-Spam RG)、CFRG (Crypto Forum RG)、DTNRG (Delay-Tolerant Networking RG)、 ICCRG (Internet Congestion Control RG)、ICNRG (Information Centric Networking RG)の各グループは活発に活動しています。NCRG (Network Complexity RG)、NMRG (Network Manegement RG)、RRG (Routing RG)の各グ ループは継続的に活動しています。P2PRG (Peer-to-Peer RG)、 SAMRG (Scalable Adaptive Multicast RG)の二つのグループがクロージングとなり ました。 IRTFでは、「Network Research Prize」という賞をISOCと共同で出していま す。2012年はこの賞を3名に授与することになりました。内1名は前回表彰さ れましたので、今回はSrikanth Sundaresan氏とPeyman Kazemian氏の2名が表 彰されました。Srikanth Sundaresan氏の受賞論文のタイトルは「Broadband Internet Performance: A View From the Gateway」でした。またPeyman Kazemian氏のタイトルは、「Header Space Analysis: Static Checking For Networks」でした。 ■Itojun Service Award 次にItojun Service Awardの発表と表彰がありました。プレゼンターである 慶應義塾大学の村井純先生が受賞者の3名、John Jason Brzozowski氏 (Comcast)、Don Lee氏(Facebook)、Paul Saab氏(Facebook)を発表しました。 John Jason Brzozowski氏は、World IPv6 Launchに向けてComcastのIPv6イン ターネットサービスの提供の実現に向けて尽力しました。また、Don Lee氏と Paul Saab氏はFacebookのIPv6サービス化を他のコンテンツ事業者に先駆けて 実施し、ユーザーからIPv6でアクセス可能にしたことが評価されました。 ■その他 それから、「テクニカルトピック: インターネットにおける計測問題」のパ ネルディスカッションがあり、モデレータはAlissa Cooper女史、スピーカー はSam Crawford氏、FCC(米国連邦通信委員会)かつコロンビア大学のHenning Schulzrinne氏でした。 Sam Crawford氏は専用のインターネット計測の機材を作り、34の国と地域で 40,000プローブを設置し、計測を行っているそうです。 Henning Schulzrinne氏はネットワーク計測の役割について説明しました。ISP にとってはサービスの診断と計画のため、ユーザー視点での分析、公共ポリ シー(ブロードバンドの評価、ユニバーサルサービスなど)のためにデータを 集めることが、三つの重要な役割だそうです。このためにMBAプロジェクトと いう計測プロジェクトに取り組んでいるそうです。このプロジェクトは米国 の人口の86%をカバーする13のISPの9,000ユーザーにおいて、Webブラウジン グのダウンロード、連続およびバーストのアップロード/ダウンロード、DNS の失敗、パケットのロスなどを計測しています。電話網はすでにIPネットワー クになったので、FCCとしてもIETFと連携して取り組んでいきたいという話が ありました。 最後に質問や意見を自由に述べることができるオープンマイクがありました。 今回はIETF内のコミュニケーション不足問題についての話題が出ていました。 ◇ ◇ ◇ 次回のIETF Meetingは、2013年3月10日(日)から3月15日(金)にかけて米国オー ランドにて開催されます。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ わからない用語については、【JPNIC用語集】をご参照ください。 http://www.nic.ad.jp/ja/tech/glossary.html ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ ◆◇◆◇◆ 本号のご感想をお聞かせください ◆◇◆◇◆ ┃ ┃良かった ┃ ┃→ http://feedback.nic.ad.jp/1036/535568ffdb83f0e1ac4e379e221bb0ee┃ ┃ ┃ ┃悪かった ┃ ┃→ http://feedback.nic.ad.jp/1036/0866b0403b53190e779ed3179ed0d26a┃ ┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛ ___________________________________ ■■■■■ JPNICの活動はJPNIC会員によって支えられています ■■■■■ ::::: 会員リスト ::::: http://www.nic.ad.jp/ja/member/list/ :::: 会員専用サイト :::: http://www.nic.ad.jp/member/ (PASSWORD有) □┓ ━━━ N e w s & V i e w s への会員広告無料掲載実施中 ━━━┏□ ┗┛ お問い合わせは jpnic-news@nic.ad.jp まで ┗┛  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ =================================== JPNIC News & Views vol.1036 【臨時号】 @ 発行 社団法人 日本ネットワークインフォメーションセンター 101-0047 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